概要・あらすじ
朝倉ひなこは女優志望の高校1年生。2年前から小さな芸能事務所に所属しているが、暑い9月に着ぐるみを着てステージに立つ仕事のオファーしかこない。「着ぐるみではなく演技の仕事がしたい。オーディションはないですか?」とマネージャーに食い下がるひなこだが、演技力はあっても顔はそこそこ、個性もないひなこを売り込むのは難しいという。そんなひなこにオーディションの話が舞い込んできた。それはヒロインの姉で、美人でクールな女医役。自分とはかけ離れているとは思ったが、このチャンスを逃すまいと、ひなこはオーディションに向けて勉強するため、図書館で資料を探していた。気になった本を取ろうとした時、長身のイケメンと手が触れてしまった。ひなこはその本をゆずるともう一度、そのイケメンと読みたい本がかぶってしまう。ひなこが今度はゆずってよと抗議すると、イケメンは来週返すというので「それじゃオーディションに間に合わない」と口走ってしまう。ひなこが演技の本を手にしているのを見て役者志望だと気づいたイケメンは、本を譲ってくれた。しかし「直前に演技の本を読んでるやつが受かる甘い世界じゃない」「目障り」とまで言われてしまう。カチンときたひなこはイケメンを追い掛けて、自分の名を名乗り「10年後には超有名になるから覚えておいて」と啖呵を切った。オーディション当日、周りは美人で大人っぽい女性ばかり。ひなこは思っていたより人数が多いと驚いていると、突然会場がざわついた。みんなの視線の先には図書館でひなこが啖呵を切ったむかつくイケメンがいた。彼は大手芸能事務所continueの社長の息子、水谷咲弥。若いがこのオーディションの審査員なのだという。しかも咲弥が目をつけた人物は必ず売れるとの評判で、会場は色めき立っていた。ひなこは緊張していたが、演技に入ると雰囲気が変わり、女医になり切って最後には涙を見せた。息を飲むような演技で審査員たちは驚いた。咲弥は、泣く要素はセリフになかったと思うがなぜ泣いたのかとひなこに尋ねると、彼のことを無視したり、嫌いと語ったりする彼女は本当は彼を好きなのではないか。本心を隠している彼女のつらさを想像して泣いたと答えた。咲弥はひなこのいる前で「この子はなしです。役に合っていない」とひなこを否定した。オーディションが終わり、外で迎えを待っているあいだ、ひなこは悔しくて涙を浮かべていた。そんなひなこの前に咲弥が現れたので、ひなこはムカついて咲弥のスネを蹴った。咲弥はひなこの頭をつかみ「お前は発声も呼吸も動きも基本ができていない。ちゃんと演技指導を受けろ。俺のところにくれば3年で超有名にしてやる」とcontinueに勧誘した。咲弥はオーディションでひなこの瞳とカンに一目置いていた。しかし、ほかの事務所に取られまいとその場ではひなこを否定したのだった。咲弥の母でcontinueの社長でもある水谷麗香とも顔合わせをし、ひなこは正式にcontinueにスカウトされた。麗香と咲弥はひなこの両親にあいさつに行き、レッスンに通うためにひなこを都内の寮に入れたいと話をする。しかし寮にはあきがなく別のマンションに住むことに。女の子の一人暮らしは心配だから咲弥をいっしょに住まわせるという麗香。こうして横暴で口の悪い咲弥と突然同居することになってしまったひなこは、マネージャーとはいえ、イケメンな彼をどうしても意識してしまうのだった。
登場人物・キャラクター
朝倉 ひなこ (あさくら ひなこ)
女優志望の高校1年生の女の子。年齢は16歳で、八百屋の娘。髪型はあごまでの長さのボブカット。背が小さく容姿はふつうで胸も小さい。2年ほど小さな芸能事務所「春風コーポ」に所属していた。演技力が高く、瞳が印象的で周囲を引き込む能力がある。また、演技に対するカンも優れている。日本一の女優になるのが夢。大手芸能事務所「continue」の社長の息子、水谷咲弥の目に留まり、スカウトされて事務所を移籍し、演技の基礎を学ぶ。女優になるために努力を惜しまない意欲的な女の子。
水谷 咲弥 (みずたに さくや)
大手芸能事務所continueの社長の息子。彼が目をつけた人物は必ず売れるといわれ、若くしてオーディションの審査員もしている。長身で芸能人のようなイケメンで、料理も上手。黒髪ストレートで前髪が長い。オーディションで朝倉ひなこの才能に気づき、スカウトをする。厳しくてクールな性格をしており、ひなこに対しては高圧的でストレートな物言いをするが、ひなこが日本一の女優になると信じている。母親で社長の水谷麗香には逆らえない。
水谷 麗香 (みずたに れいか)
大手芸能事務所continueの女性社長で、水谷咲弥の母親。髪は背中までの長さのロングストレートにしている。明るくサバサバした美女で、胸も大きい。マンションに高校生の女の子一人では心配だと息子の咲弥を同居させる、強引で少し変わった母親。
書誌情報
その先はプライベートです 8巻 小学館〈フラワーコミックス〉
第1巻
(2020-04-24発行、 978-4098708697)
第2巻
(2021-02-25発行、 978-4098710621)
第3巻
(2021-02-25発行、 978-4098712403)
第4巻
(2021-10-26発行、 978-4098713882)
第5巻
(2023-10-26発行、 978-4098723676)
第6巻
(2023-10-26発行、 978-4098723683)
第7巻
(2023-11-24発行、 978-4098723720)
第8巻
(2023-11-24発行、 978-4098723737)