そよそよ。

そよそよ。

主人公の若い女性菊田早苗が、テーマパーク「松伏戦国村」の若きオーナーである木下長宗に見初められるが、木下一族の奇妙な陰謀のため、恋愛は停滞してしまう。状況を打破すべく、早苗は起死回生の手段に賭ける。父の死の真相を求める昔の同級生・鬼灯影斎も絡み、松伏戦国村で上演される芝居仕立ての忍者ショーは、早苗の恋とともにクライマックスへ向かっていく。忍者風味も混じったロマンチックコメディ漫画。鉛筆で描かれた原稿をパソコンで取り込み、トーン処理して完成させた作品。

正式名称
そよそよ。
ふりがな
そよそよ
作者
ジャンル
ラブコメ
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概要・あらすじ

ベットタウンに住み、吹き矢が趣味の若い女性菊田早苗は、ある日街に建設中のテーマパーク「松伏戦国村」の若き経営者である木下長宗に見初められる。同じ頃、早苗と一時期小学校の同級生だった鬼灯影斎が、国際的映画スターになって町に帰ってきた。早苗と長宗の恋は、はじめはトントン拍子に進んでいくが、そのうち「豊臣没落以降から続く木下一族の陰謀」という暗雲で覆い隠されていく。

鬼灯も自分の父の死因が、その陰謀に絡んでいることを知り、松伏戦国村の深部へと向かっていく。停滞してしまった状況を打破するため、戦国村従業員となった早苗は、戦国時代のくノ一と敵の城主との恋を描いた芝居仕立ての忍者ショーを企画し、上演の承認を勝ち取る。

華やかなショーが開幕する中、物語はクライマックスに向けて収束していく。

登場人物・キャラクター

菊田 早苗 (きくた さなえ)

『そよそよ。』の主人公。22歳の女性。菊田燃料店のひとり娘で、吹き矢が趣味。「ふれあいセンター」で開いている「吹き矢教室」に通っている。谷村暁と鬼灯影斎は小学6年のとき同級生だった。大人になってからは、家業を手伝って事務作業や谷村暁と共に灯油の配達などを行っていたが、その後、松伏戦国村に作られる吹き矢体験コーナーのインストラクターになる。 その過程で、松伏戦国村の若きオーナーである木下長宗と相思相愛の仲になるが、長宗が奇妙な陰謀を父から強要されたことで、恋愛は停滞する。状況を打破するため、早苗は自分と長宗が恋人として登場する忍者ショー「長宗とお菊」を企画し、脚本を書くのだった。

谷村 暁 (たにむら あきら)

『そよそよ。』の登場人物。22歳の短髪の好青年。菊田燃料店で軽トラックを運転し、灯油の配達を行うなどの仕事をしている。菊田早苗と幼なじみで、鬼灯影斎とは小学6年のとき同級生だった。早苗と一緒に、毎週木曜日に「吹き矢教室」に通っており、全国大会にも出たことがある。彼もまた松伏戦国村に作られる吹き矢体験コーナーのインストラクターになる。 帰ってきた鬼灯と、友情を再確認する。早苗が脚本を書いた忍者ショー「長宗とお菊」に参加して、巻き込まれる。

鬼灯 影斎 (ほおずき かげゆ)

『そよそよ。』の登場人物。10年前に菊田早苗と谷村暁の町に越してきたが、すぐまた別の土地へ引っ越してしまう。10年経って戻ってきたときは、世界的な映画スターになっていた。いつもはカリブ海の小島に住んでいるが、父が残した自家用ジェット機で早苗たちの町にやってくる。実は、彼の父の死と「木下一族の陰謀」はリンクしており、鬼灯の再訪はその真相を探るためであり、松伏戦国村の完成による「木下一族の陰謀」の復活を阻止するためであった。 忍者ショー「長宗とお菊」のクライマックスに乗じて、鬼灯は父から受け継いだ仕事を、父から受け継いだ忍者の技で遂行する。

木下 長宗 (きのした おさむね)

『そよそよ。』の登場人物。松伏戦国村を経営するキノシタレクリエイションの若き社長(15代目)。菊田早苗に一目惚れし、恋がいいところまで進むが、父親に「豊臣没落以降から続く木下一族の陰謀」の成就を強要され、停滞してしまう。早苗の脚本とは知らず、忍者ショー「長宗とお菊」への出演を承諾した。

菊田 菊蔵 (きくた きくぞう)

『そよそよ。』の登場人物。菊田燃料店の社長で、菊田早苗の父。「おしゃれ木炭」という、フィギュアのような彫刻のような木炭を売り出すも、不調だった。そのころ妻も出て行ってしまったので、早苗はその商品を憎んでいる。インターネットでサイトを作って売り出したら、「おしゃれ木炭」の売り上げが好調になったので、パートの女性を雇った。

木下長宗の父 (きのしたおさむねのちち)

『そよそよ。』の登場人物。キノシタレクリエイションの先代社長で、木下長宗の父親。名前・年齢は不明。小柄で、頭髪は耳の上に少し残っている。いつも寝巻きのような和服を着ている。息子に「豊臣没落以降から続く木下一族の陰謀」の成就を強要している。松伏戦国村はその隠れ蓑。

鬼灯影斎の父 (ほおずきかげゆのちち)

『そよそよ。』の登場人物。鬼灯影斎の父親で、10年前に自家用ジェット搭乗中に謎の死を遂げる。実は「木下一族の陰謀」と戦っていた。死ぬ前、影斎に自分のすべての技を伝授しようとしていた。影斎は、落ちた自家用ジェットを修復し、父の死因を割り出そうとする。

服部 訓 (はっとり)

『そよそよ。』の登場人物。「ふれあいセンター」で開いている「吹き矢教室」の先生。本職は薬屋。もじゃもじゃ頭にちょび髭の小柄な男。実は影斎の父の死因に関わっている。

石川 (いしかわ)

『そよそよ。』の登場人物。木下長宗の秘書で、冷酷そうな眼鏡の男。実は木下一族に仕える忍者軍団の長。

篠村 知恵子 (しのむら ちえこ)

『そよそよ。』の登場人物。菊田菊蔵(早苗の父)が、「おしゃれ木炭」のネット販売の売り上げ増加に対応するため雇ったパートの女性。年齢不明。小夏という名の娘がいる。離婚暦あり。

ジャック

『そよそよ。』の登場人物。鬼灯影斎が所有する自家用ジェット機のパイロット。太目の中年白人。影斎が日本にいる間、「ネッシー牧場」という名前のレストランで、オカルト関係の話をして小銭を稼いでいた。

ネッシー牧場オーナー (ねっしーぼくじょうおーなー)

『そよそよ。』の登場人物。レストラン「ネッシー牧場」のオーナー。スコットランドの民族衣装キルトを身につけた中年男性。店に入ると、客はネッシーになりきるよう指示される。食事は激マズ。木下長宗が菊田早苗を、この店に連れて行く。オーナーは、彼らに対して「このまちにはエンターテインメントが足りないんだ」と言う。

場所

松伏戦国村 (まつふしせんごくむら)

『そよそよ。』の舞台。キノシタレクリエイションが運営する戦国時代のテーマパーク。オープニングイベントは、「大阪冬の陣の再現ショー」。忍者屋敷劇場の地下に、「豊臣没落以降から続く木下一族の陰謀」の成就のためのメカニズムがある。

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