概要・あらすじ
住宅展示場で営業の仕事をしている堺良行は、仕事が終わって戸締りをして帰ろうとした夜に、消したはずの明かりがついていることに気がつく。そこにはなんと、女優の大辻ひさ子が隠れ住んでいたのだった。彼女は大物俳優との不倫騒動の渦中におり、マスコミや世間から逃げ続けていた。ひさ子の大ファンである良行は、誰にも内緒でこのまま彼女をかくまうことを決心する。
ひさ子が暮らしやすいように環境を整える良行に、彼女もまた惹かれていき、2人は結ばれることとなる。しかしある日、ひさ子は、良行を訪ねて住宅展示場にやって来た彼の別れた彼女、玲子に発見されてしまう。良行にこれ以上の迷惑をかけられないと思ったひさ子は、住宅展示場を出て行く。
登場人物・キャラクター
堺 良行 (さかい よしゆき)
建築会社で営業として働く若い男性。普段は住宅展示場に常駐して接客をしている。顔もスタイルも良く、オシャレで物腰が洗練されていることもあり、女性客からの受けが良い。大辻ひさ子の大ファンで、テレビに彼女が映ると、他のことがまったく頭に入ってこないほど没頭して見とれてしまう。
大辻 ひさ子 (おおつじ ひさこ)
大物俳優との不倫が報道されてしまった若い女優。行く当てもないまま失踪し、住宅展示場に侵入して勝手に住み着いていた。ウェーブのかかった長い髪と、ウエストの細さが魅力的な女性。強い目力を持ち、演技では強気な役もこなすが、プライベートでは儚げな雰囲気で、淋しがり屋なところがある。
玲子 (れいこ)
堺良行と同棲していた女性。良行がテレビの中の大辻ひさ子ばかりを見ていて、自分がおざなりにされていたため、テレビ以外の家財道具を持って出て行った。良行に未練があり、彼と話をするために住宅展示場を訪れた際、ひさ子を発見して彼女を追い詰める。
柏原 (かしわばら)
堺良行と同じ建築会社に勤務する若い女性。良行とともに住宅展示場に常駐している。お茶くみ担当なのだが、控室でテレビを見たり、つめの手入れをしていたりと、仕事に対する意欲がまったくない。そのため、住宅展示場に住んでいる大辻ひさ子の存在にもまったく気づいていない。