ひきこもり少女が高校デビューを目指す
主人公の野々山ぼたんは、小学校から中学校までひきこもりの生活を送っていたぼっち女子。高校進学を機に一念発起して、男女共学で全寮制の高校に進学する。だが、9年間もひきこもっていたぼたんは自分から話しかけることができず、さらに会話も弾まないことから、なかなか友達ができないでいた。そんなある日、ぼたんは誰ともかかわろうとしないクラスメートの甘藤春人と、ひょんなことから会話を交わすようになる。孤立しながらも友達をつくりたいぼたんと、友達はいらないと公言する甘藤、そんな正反対の二人が徐々に心の距離を縮めていく。
孤独を好むクールなイケメン男子×不器用な元引きこもり女子
引っ込み思案で不器用なぼたんは、高校進学を機に初めての友達づくりに奮闘する。声をかけてくれたクラスメートには話を盛り上げようと努力し、悩みを打ち明けてくれたクラスメートには誠実に対応している。しかし言葉足らずなこともあり、相手に誤解を与えて空回りばかりしている。そんな自分にアドバイスやエールを送ってくれる甘藤に対して、初めての恋心を抱く。一方の甘藤は、中学時代の親友に裏切られたことで、友達は欲しくないしつくる気もないと公言している。だが、ひょんなことからぼたんと会話を交わすようになった甘藤は、周囲に対する攻撃的な態度を軟化させる。本作はぼたんの甘藤への恋心だけでなく、二人の心の成長も見どころとなっている。
ぼたんの初めての友達づくり
不登校から高校デビューを果たしたぼたんは、自分から行動を起こしたり、積極的に声をかけたりすることで、知り合いが増えていく。しかし、友達といえる関係になるまではなかなか進展していない。たとえば入学早々に声をかけてきた小泉とはなかよくなるが、彼女の納得できない発言に反論したことで、深い溝ができてしまう。また、明るい性格で人気者の本田苺香とも一時はなかよくなるが、彼女の秘密を巡ってトラブルになり、以降ギクシャクした関係になっている。しかし、トラブルのすべてがぼたんの責任ではなく、彼女たちにも改めるべき点は多い。本作はぼたんだけでなく、さまざまな悩みを抱えるクラスメートたちの心の成長にもフォーカスしている。
登場人物・キャラクター
野々山 ぼたん (ののやま ぼたん)
山奥にある男女共学全寮制の青瀬南高等学校に入学した少女。1年A組に在籍している。年齢は15歳。小学校から中学校まで9年間不登校だった。部屋にひきこもりがちで、ぬいぐるみに話しかけて過ごしていた。そんな自分を変えるため、誰も知り合いがいない男女寮完備の青瀬南高等学校に入学する。入学当初から友達をつくるために奮闘するものの、うまくいかない状況の中で、同じく孤立していた甘藤春人と言葉を交わすようになる。以降、甘藤にだけは心を開いて接することができ、彼に対して初めての恋心を抱く。引っ込み思案な性格で不器用ながら、人の悪口や陰口を受け流せないなど、秘めた正義感と優しい心を持っている。なかよくなった女子からは「ののちー」と呼ばれている。
甘藤 春人 (あまとう はると)
山奥にある男女共学全寮制の青瀬南高等学校に入学した少年。1年A組に在籍している。野々山ぼたんと同様にクラスで孤立している。過去の出来事から友達をつくることに否定的で、周囲と交わることを拒絶している。そのため、態度が悪いと陰口を叩かれているが、甘藤春人自身はまったく気にしていない。クラスで孤立しながらも、現状を変えようとするぼたんの一生懸命な姿に触れ、少しずつ彼女に心を開いていく。感情表現が苦手でクールな雰囲気を漂わせており、眉目秀麗のため、ぼたんの影響で高圧的な態度を軟化させてからは、女子生徒から好意を寄せられることが多くなる。
書誌情報
たいへんよくできました。 全5巻 集英社〈マーガレットコミックス〉
第1巻
(2014-12-25発行、 978-4088453163)
第5巻
(2015-12-25発行、 978-4088454955)