概要・あらすじ
近未来。男性が滅び、女性だけになった日本では、憲法が改正され、徴兵は女性の義務になっていた。また人口も激減し、国民の数はいまや二千万人。戦争や革命・粛清で亡くなった女性も多いが、最も多かったのは自殺者だった。女子高生のひなたは、日本最後の「男」が死んだ年に生まれた「ゼロ世代」。最初から男がいない世界に生まれたひなたには、自殺者が多発した理由がわからなかった。女だけになった日本では「男」という言葉はもちろん、男性を想起させるような言動も反体制とみなされた。また、男性がいないのに、銭湯やトイレは二つに別れている。ひなたはそんな社会に、疑問を抱きながら毎日を過ごしていた。ある日の放課後、校庭の片隅の建物で、ひなたは救いを求める若者と出会う。若者は自分の事を「男」だと言った。