あらすじ
第1巻
女子高生の結木まなみは、学校の帰りに電車でうたた寝をしてしまい、たそがれ橋駅という知らない駅に降りる。そこはさびれた無人駅で、携帯電話も圏外の場所だった。転んで足をケガしたまなみは、ハシバミという大きな男性に助けられ、おもかげ食堂へ担ぎ込まれる。しかし、そこは彼岸と此岸のあいだにある不思議な空間であり、おもかげ食堂は人ならぬ怪異達が利用する場所だった。食堂のマスターは、まなみを怪異達から守るため、まなみをアルバイト店員として雇う。こうしてまなみは、毎日学校が終わると自転車でおもかげ食堂へ通い、そこを行き交う人やモノ達と触れ合う事になる。
第2巻
結木まなみは学校の図書室であさこという美少女と出会い、友達になる。おもかげ食堂でのアルバイトも続き、そこで出会った怪異達ともなかよく過ごしていた。しかし、そこはあくまで彼岸と此岸のあいだにある場所であり、まなみの安全はマスターに守られてこそのものだった。マスターはまなみに、もうおもかげ食堂に来るのをやめるよう伝える。しかし、実はまなみとマスターのあいだには、まなみの知らない不思議な縁があった。
登場人物・キャラクター
結木 まなみ (ゆうき まなみ)
眼鏡をかけた巨乳の女子高生。小さい頃からよく道に迷い、高校生になってもふとした事で彼岸と此岸のあいだにある不思議な場所に迷い込み、たそがれ橋駅前のおもかげ食堂でアルバイトをする事になる。読書が好きなおとなしいおっとりとした性格の女の子だが、時には危険を顧みない行動力を見せる時もある。恋話に目がない。小さい頃から不思議な体験をする事が多かったが、いつも「誰か」が手を引いて守ってくれていた。
マスター
彼岸と此岸のあいだにある、たそがれ橋駅前のおもかげ食堂を経営する若い男性。やや目つきが悪く、いつもエプロンをしている。もともとは妹を捜しにやって来たところを、元店長からマスターとして雇われ、それ以来、人ではないモノ達の相手をしている。食堂に来るモノ達には「店員に手を出してはならない」というルールを与えており、迷い込んで来た結木まなみを守るためにアルバイトとして雇用する。
夕日 (ゆうひ)
彼岸と此岸のあいだに迷い込んだ結木まなみの前に現れた不思議な少年。見た目は10歳ほどで、水兵のような服を着ている。まなみの事を気に入っている。正体は、たそがれ橋駅から生まれた怪異。
水緒 (みずお)
たそがれ橋駅前のおもかげ食堂を利用する若い女性の怪異。金髪のメッシュの入ったショートヘアで、スタイル抜群の肉食系美女。夕日いわく、彼岸と此岸のあいだに迷い込んだ男を泥沼に引き込む「沼女」で、男を喰うためには寝取りも略奪も喜んで行う。川で生まれた怪異で、川から取り上げてくれたマスターが「水緒」という名前を付けてくれた。 以来、マスターに惚れている。
駅守り (えきもり)
たそがれ橋駅を管理している若い男性の怪異。ハチマキで目隠しし、詰襟の制服を着ている。普段は元駅である、たそがれ橋駅の地下で生活しており、おもかげ食堂に食事の配達を頼んでいる。読書家で、食事を届けに来た結木まなみとは読書仲間となる。
ヒワ
森の雑貨屋で暮らしている女性の怪異。身長は2メートルを軽く越えると思われるほど大きく、近所の子供からは「巨女」と呼ばれる。以前はおもかげ食堂でアルバイトをしていた。名前の「ヒワ」は、瞳の色が鶸色(明るい黄緑)である事に由来する。
ハシバミ
体の大きな男性の怪異。フードのついたコートを着込み、マスクをしているため顔はほとんど見えない。物静かだが親切で優しく、彼岸と此岸のあいだに迷い込んだ結木まなみを担いでおもかげ食堂へ運んでくれた。
あさこ
結木まなみが学校の図書室で出会った少女。金髪をツインテールにした美少女で、人懐っこく、初対面のまなみとすぐに親しくなった。行動力があり、まなみと共におもかげ食堂へもやって来る。正体は学校で生まれた怪異。人でない事をまなみに知られたあとも、交友関係は続いている。
春渡 (はると)
たそがれ橋駅前のおもかげ食堂を利用する若い女性の怪異。青髪のショートヘアで、スタイルのいい美女。たそがれ橋駅の地下で水緒と裸で絡み合っているところを結木まなみに目撃されている。夕日の事を「座敷童」と呼ぶ。