概要・あらすじ
沖縄に住む高校1年生の女子・金城ちとせは、ある日、街でうさんくさいスカウトマンに声をかけられ、困っていたところを古谷幸翔に助けてもらい、そのまま沖縄観光に付き合うことになる。そんなデートの終わりに幸翔からキスをされたちとせは、この出会いに運命を感じ、兄の金城唯にも背中を押されて、幸翔を追って東京に行くことを決意する。
首尾よく幸翔と同じ高校に転校し、幸翔と再びめぐり会えたちとせだったが、実は幸翔には既に恋人がいることを知り、大きなショックを受ける。ちとせは幸翔のことを忘れ、気の合う新しい友達に囲まれて、割り切って東京生活を楽しもうとするが、幸翔への想いをどうしても抑えることができずにいた。
登場人物・キャラクター
金城 ちとせ (かねしろ ちとせ)
灰澤学園に転校して来た高校1年生の15歳の女子。沖縄で知り合った古谷幸翔ともう一度会いたいという一心で、沖縄から東京の灰澤学園までやって来た。明るく、細かいことにあまりこだわらない性格の癒し系タイプ。自分が追って来た幸翔と相原清綾が付き合っていると聞いてショックを受けるものの、誘われるがままに祭部に所属し、すぐに周囲に溶け込む。
古谷 幸翔 (ふるや ゆきと)
灰澤学園に通う1年生の男子。祭部に所属している。金城ちとせとは、沖縄に旅行に行った際に知り合った。とにかく女子にモテるイケメンで、相原清綾という恋人がいながらも、女遊びが絶えない。普通科に所属しているが、派手で人目を惹く容姿のため、芸能科から誘いがかかることもある。実は子供の頃に大病を患っており、清綾や夏目岬は、当時同じ病と戦う仲間だった。
赤石 駿 (あかいし しゅん)
灰澤学園に通う1年生の男子。祭部に所属している。転校して来た金城ちとせのクラスメイト。古谷幸翔とは親友で、幸翔がちとせと知り合った沖縄旅行にも同行していた。イケメンで背が高く、密かに女子たちから人気がある。実は相原清綾が好きなのだが彼女に拒絶され、自分と似た境遇のちとせに交際を申し込んで、未練を断ち切ろうとする。
相原 清綾 (あいはら さあや)
灰澤学園に通う1年生の女子。祭部に所属している。古谷幸翔とは小学5年生の時から付き合っており、お互いの両親も公認の仲。芸能科に所属しており、ドラマなどにも出演している。幸翔の浮気グセについては把握しており、寛大に受け止めている。赤石駿に惹かれているが、幸翔と別れる決心がつかずに拒絶している。実は子供の頃に大病を患い、その頃幸翔、夏目岬とは同じ病と闘う仲間だった。
藤家 緑子 (ふじいえ みどりこ)
灰澤学園に通う2年生の女子生徒。祭部の部長を務めている。普段はツインテールの髪型で、にぎやかで面白い性格だが、髪をおろして眼鏡をかけると、キリッとした表情になり、仕切り役をテキパキこなす。祭部内で唯一の2年生だが、先輩後輩の枠がなく、誰に対してもフレンドリーに接する。祭部の中の不穏な空気をいち早く察し、心配りをする。
市井 奏太 (いちい かなた)
灰澤学園に通う1年生の男子生徒。祭部に所属している。能天気でお気楽な性格で、楽しいことが大好き。野性の勘が鋭く、その勘に従って行動するタイプ。他のメンバーに紛れてあまり目立たないポジションだが、与えられた仕事はきちんとこなす真面目なところがある。
夏目 岬 (なつめ みさき)
古谷幸翔と相原清綾が小学5年生の時に大病を患った際、同じ病院で治療を受けていた男の子。既に故人。兵庫出身で、関西弁でしゃべる。幸翔たちにとって、死への恐怖や入院生活のストレスなどを共有し合える仲間だったが、治療に失敗して10歳でこの世を去った。悩みを打ち明けられると真摯に相談に乗ってくれ、励ましてくれるタイプ。 当時は清綾に想いを寄せていた。
夏目 猛 (なつめ たける)
灰澤学園の芸能科に入学して来た男子生徒。夏目岬、夏目豊の弟。金城ちとせよりも1学年下で、祭部に入部する。テレビに出るなど芸能活動をしており、芸名は「昴」。岬が相原清綾に惹かれていたことを知っており、兄が清綾を古谷幸翔に取られる形で失意のまま亡くなった、と思い込み、幸翔とちとせの関係を引き裂こうと画策する。
佐藤 亜未伽 (さとう あみか)
夏目猛とともに灰澤学園の芸能科に入学して来た女子生徒。同じく祭部にも入部した。父親は日本人、母親はスウェーデン人のハーフ。猛とは同じ中学で、他の女子たちにいじめられていたところを、かばってもらったことがきっかけで友達になった。本当は異性として猛に想いを寄せているが、告白して関係が壊れることを恐れ、親友としていつまでも付き合っていきたいと考えている。
金城 唯 (かねしろ ただし)
金城ちとせの24歳の兄。売れっ子のファンタジー小説家で、ペンネームは「魅神ユイ」。大学進学を機に沖縄を離れて東京で一人暮らししていた。東京に上京したいと思いつつ迷っているちとせの背中を押し、その際の転校の手続きや親への説得をすべて引き受けた。イケメンのうえ金持ちで、一緒に遊ぶ女の子には事欠かないモテ男。
古谷 優香 (ふるや ゆうか)
古谷幸翔の姉。金城ちとせ、金城唯と同じマンションの住人。夏目豊と同じ大学に通っている。美人で上品だが芯の強いところもあり、周囲に流されない強い精神力を持っている。豊とは5年前から知り合いで、お互いに惹かれ合っており、大学で久しぶりに再会したことをきっかけに付き合うようになった。幸翔と相原清綾が義務感で付き合っていることに気づき、2人の心の重荷を下ろす手伝いをする。
夏目 豊 (なつめ ゆたか)
夏目岬の兄。古谷優香と同じ大学に通っている。兵庫出身で、関西弁を話す。岬のお見舞いに行くうちに古谷幸翔、相原清綾らとも知り合い、幸翔の姉である優香とも仲良くなった。岬が生前、幸翔と清綾の仲を知っており、2人の関係を認めていたという事実を伝え、優香とともに2人の心の重荷を下ろす手伝いをする。
成実 (なるみ)
赤石駿がかつて付き合っていた女性。駿の姉である赤石花南の友達。当初は駿とは割り切った大人の関係のつもりでいたが、やがて本気で好きになってしまい、辛くなって自分から別れを切り出した。その後、駿が金城ちとせと仲良くしているのを見て、嫉妬のあまりカッターナイフで切り付けるなど、精神的に不安定なところがある。
西城 麻智 (さいじょう まち)
灰澤学園の芸能科に通う2年生の女子。目つきが鋭く、気が強い性格をしている。古谷幸翔にしつこくアプローチをしていたが、相原清綾によって追い払われた。灰澤学園に所属する芸能人の中ではわりと売れっ子で、彼女見たさに、外部の人間が校内に侵入することもある。
赤石 花南 (あかいし かなん)
赤石駿の姉。成実とは友達だが、それほど親しくはない間柄。駿とは仲が悪いわけではないのだが、互いにあまり干渉することはなく、会話もない。クールな性格で周囲に無関心なこともあり、友達の成実と駿が身体の関係にあることは知らなかった。出版社の編集部でアルバイトをしており、偶然に金城唯と知り合う。
集団・組織
祭部 (まつりぶ)
灰澤学園にある部活の1つ。学校内のイベントを企画・運営するのが主な活動内容。金城ちとせ、古谷幸翔らが所属している。生徒会がない灰澤学園において、学園祭などの行事を一手に仕切る組織となっている。
場所
灰澤学園 (はいざわがくえん)
渋谷の近くにある私立の高校。金城ちとせ、古谷幸翔らが通っており、普通科の他に芸能科がある。クリスマスパーティー、ハロウィンパーティー、プロムなどイベントが多いが、芸能科があるため、外部からの客は招待状を持つ者のみ、と固く決められている。