つっぱり桃太郎

つっぱり桃太郎

おとぎ話『桃太郎』を題材にとったギャグ漫画。百年ぶりに生まれた二代目桃太郎・ジョニーの珍道中を描いた作品。連載途中で打ち切りとなり、書き下ろしの最終回は短編集『まんカス』に収録されている。また、連載終了直前の一部のエピソードは、現在単行本未収録となっている。

正式名称
つっぱり桃太郎
ふりがな
つっぱりももたろう
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

ある日、川で洗濯をしていたおばあさん(つる)は大きな桃を拾い、そこから生まれた赤ん坊に「桃太郎」と名付けた。それから10年、成長した桃太郎はすっかり不良になっていた。「桃から生まれた桃太郎」と安易な名前をつけられ、鬼を退治するように決め付けられてグレた彼は、ジョニーと名乗り村の若者たちを引きつれ毎日暴れ回っていたのだった。

そんな桃太郎を見かねたつると夫の太郎は、彼に好きなことをやらせてあげようと決意。桃太郎は、かねてからの夢であったバレリーナを目指すようになる。しかし、そこに突然鬼たちが襲来、村は壊滅し、つると太郎も殺されてしまう。復讐を誓った桃太郎は、お供の三人を引き連れて鬼ヶ島へと向かうのであった。

登場人物・キャラクター

ジョニー

二代目桃太郎の少年。10歳。ぽっちゃりとした体型が特徴。川上から流れてきた大きな桃から生まれ、つると太郎に育てられた。桃太郎の再来を願う夫妻によって、幼いころから『桃太郎』のおとぎ話を聞かされて育ち、鬼退治に行くように望まれていたが、それに反発し不良となる。ジョニーと名乗り村の若者であるたご作、うお吉、牛次郎を引きつれ悪さをし、周囲からは鼻つまみ者扱いされていた。 ある日、夫妻からもう鬼退治に行かなくてもいいと言われ、バレリーナを目指すようになる。しかし、桃太郎復活を恐れた鬼たちに先手を打たれ、村は壊滅、つると太郎も殺害されてしまい、復讐を誓う。二代目桃太郎の名は伊達ではなく、鬼相手には無類の強さを誇る。 一方で、年相応に泣き虫な面も見せている。

山田 つる (やまだ つる)

ジョニーの育ての親の老婆。川で洗濯をしていたところ、川上から流れてきた大きな桃を拾った。ジョニーが初代桃太郎のようになることを望み、幼いころから『桃太郎』の話を読み聞かせていた。ある日、ジョニーが好きなように生きることを認め、バレリーナを目指すようになった彼のためにチュチュを作ってあげた。しかし、その後桃太郎を探し現れた鬼たちに殺されてしまう。

山田 太郎 (やまだ たろう)

ジョニーの育ての親の老人。妻のつるとともに、ジョニーが初代桃太郎のように育つことを願い教育してきた。だが、完全にグレてしまったジョニーを見て反省し、彼に好きなことをやらせてあげようと決意した。その後、集めていた桃太郎の服や旗を鬼たちに発見され、殺されてしまう。

たご作 (たごさく)

ジョニーの暴走族の一員。家は百姓。リーゼントが特徴。鬼に殺された父の仇を討つため、ジョニーとともに鬼ヶ島へと向かう。鬼との戦いの際はライフルを武器とする。オニワン・ケノービの敗れたジョニーを助けるため、自爆する。

うお吉

ジョニーの暴走族の一員。家は漁師。モヒカンが特徴。母の仇を討つため、ジョニーたちと鬼ヶ島へと向かう。武器は手榴弾。フルパワーを出したオニワン・ケノービに殺される。

牛次郎

ジョニーの暴走族の一員。家は酪農家。アフロヘアが特徴。飼い犬のポチの仇を討つため、ジョニーたちと鬼ヶ島へと向かう。武器はバズーカ。フルパワーを出したオニワン・ケノービに殺される。

カメ

つるの双子の姉。つるに瓜二つだが、少し色黒。かつては世界一のバレリーナとして、パリのオペラ座で10年間プリマをつとめていた。見るものを笑顔にする究極のバレエ「カメちゃんバレエ」の使い手。舞踏も武道も元は健康体操・無病であると語り、圧倒的強さを持つ。オニワン・ケノービに敗れ漂流していたジョニーを介抱し、彼を弟子に迎え入れた。

土産物屋の親父 (みやげものやのおやじ)

鬼ヶ島の見える場所で、土産物屋を営む男。かつては桃太郎グッズを売っていたが、鬼たちが跋扈するようになってからは鬼の格好で鬼グッズを売らされていた。

土産物屋の娘 (みやげものやのむすめ)

土産物屋の親父の娘。黒髪の美少女。桃太郎ツアーの馬車ガイドとして働いており、桃太郎のお供であるイヌ・サル・キジの居場所を知っている。そのため、お供を探すジョニーたちは、鬼代官にさらわれた彼女を助けに行くことになる。桃太郎グッズに囲まれて育ったため、幼いころは自分が桃太郎だと勘違いしていた。そのせいもあってか剣の腕前は凄まじく、並みの鬼程度なら相手にならないほど強い。

キジ

初代桃太郎のお供であったキジの子孫。ジョニーがオニワン・ケノービに敗れ、鬼たちが復活した後は、武装したシェルターに引きこもっていた。ジョニーたちが現れた際は、周りを取り囲んだ鬼たちをすべて倒せばしもべとなると言った。その後、鬼を全滅させた土産物屋の娘を認めるも、放置されて苛立っていたカメに殺される。 シェルターは鬼退治用ロボットの「機人」でもある。

オニワン・ケノービ (おにわんけのーび)

鬼たちのボス。100年前に初代桃太郎に倒され、恨みを抱き続けていた。そのときに負った傷はまだ癒えていない。3分間だけフルパワーを出すことができ、ジョニーたちを圧倒した。フルパワーを出すときの決め台詞は「ワンミニッツあればイナフだ」。ジョニーを倒したのちは、号外を出し桃太郎の死亡を知らせ、隠れていた鬼たちに正体を現すよう伝えた。

鬼軍曹 (おにぐんそう)

鬼ヶ島の鬼。旧日本軍の兵士のような格好をしている。部下たちに厳しく、鉄拳制裁を加えることも辞さない。ジョニーにバイクで轢かれて即死。

鬼大将

鬼ヶ島のナンバーツーの鬼。旧日本軍の将校のような格好をしている。眼鏡をかけたインテリ風。ジョニーにガソリンをかけられ焼き殺される。

オニフジツボ

フジツボ型の鬼。岩に張り付いて動くことができず、手下に食料を運んでもらっていた。ジョニーたちが手下を皆殺しにしたため、餓死する。

鬼代官 (おにだいかん)

代官屋敷を乗っ取っていた鬼。集まってきた鬼たちを率い、芸者を呼び乱痴気騒ぎに興じていた。土産物屋の娘に酔わされたあげく首を切り落とされる。

クリオネ

鬼代官親衛隊長。透明になることができる。ジョニーたちに襲撃され、桃太郎の復活を報告しようとするも、カメに一撃で殺される。

ウツボネ

鬼代官親衛隊副長。土産物屋の娘に化けてジョニーを襲うも、その娘本人に斬殺される。

ファーブル

昆虫鬼。甲冑を着たカブトムシのような姿をしている。高い耐久力を持つが、単細胞でバカ。鬼を率いてキジのシェルターを取り囲んでいた。土産物屋の娘の策略にはまり、ガソリンをかけられ燃やされたあげく、キジの鬼退治用ロボット「機人」に踏み殺された。

コスザク

100年前、オニワン・ケノービとともに初代桃太郎と戦った、四天王・スザクの息子。父の仇であるキジを狙っていたが、カメにキジを殺したと言いがかりをつけられ殺される。

コビャッコ

100年前、オニワン・ケノービとともに初代桃太郎と戦った、四天王・ビャッコの娘。父の仇であるサルを狙う。自分の母乳を飲んだものを幼児化させる「妊法・赤ちゃん返りの術」を使う。

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