概要・あらすじ
庄司奏太はルックスが良く、チャラい男子高校生。本人も顔が良いことを自覚していて、特定の彼女は作らず、いろいろな女の子と遊んでいた。今日もマキちゃんから、美術準備室(通称やり部屋)に誘われ、ウキウキしながら、準備室に向かう奏太。中からカップルのイチャつく声が聞こえ、先客がいたのかとガッカリしていると、入り口の隙間から準備室を真剣に覗く女の子の姿があった。彼女は近所のお嬢様女子高に通う九条美雪。一度だけセックスをしてくれる相手を探してこの学校に忍び込んだのだと言う。これは手を出したら面倒くさいタイプだと感じた奏太は「彼女募集中の男なら紹介できる」と提案。しかし美雪は彼氏が欲しいわけではなかった。理由を聞くと、性行為をしている学友に美雪が風紀委員として注意したところ、「体験していない委員長にこの気持ちはわからない」と言われ、「言い分はもっともだ。自分も体験すべきだ」と考えたのだと言う。男女交際は禁止されているので、一度だけセックスの相手をしてくれて、後腐れなく別れてくれる男性を探しているというのだ。事情を聞いた奏太は、顔もスタイルも良いお嬢様と簡単にエッチができるならと「俺でよければ」と立候補した。美雪は喜び、10日後の決行を指定してきたものの、なぜか別の日に映画に行こうと誘ってきた。デートなど面倒くさいと思った奏太は、持ち前のテクニックで肩を抱き寄せ、エッチに持ち込もうとするが、天然の美雪には通じず、帰国子女のスキンシップだと思われてしまう。仕方なく映画に行くが、美雪が選んだ作品は、犬とおじいさんの感動のドキュメンタリー。泣いたらバカにされると我慢していた奏太だったが、こらえ切れずに泣いてしまう。美雪はバカにするどころか、ハンカチを一緒に使おうと言ってくれた。目をこすりすぎてしまった奏太は、翌日、ものもらいで目を腫らして学校に行く。すると、いままでちやほやしてくれていた女の子たちはみんな離れていった。自分の魅力は顔だけだったのだと気づいた奏太は、サングラスをかけ、マスクをして唯一の武器だった顔を封印してしまう。顔を隠したため、誰からも奏太だと気づかれずに1週間過ごしてきたが、美雪だけは奏太に気づき、約束の日だと奏太をホテルに連れていく。ホテルで真っ赤になりながら、奏太を誘う美雪。今まで「据え膳食わぬは男の恥」をモットーにしてきたが、「エッチをしたらもう会えない」と思った奏太は、もう少し美雪のことを知りたくなった。脱ごうとした美雪の服を元に戻しエッチを先延ばしにした奏太。後日、動物園デートをすることにした二人は自分をさらけ出し、恥ずかしい面を見せても笑って楽しく過ごせた。良い雰囲気になった時、奏太は美雪に思わずキスをしてしまう。しかし美雪は「体だけの関係しか求めておらず、純粋な感情などいらない」と奏太から離れていってしまう。
登場人物・キャラクター
庄司 奏太 (しょうじ かなた)
高校2年生の男子。イケメンでチャラ男。さらに気が利くので女の子にモテる。恋愛など時間がかかるし、コスパも悪いと、特定の彼女は作らず、複数の女子と体だけの関係を楽しんでいた。「据え膳食わぬは男の恥」がモットー。性格は単純で優しい。女の子の扱いに慣れていて、格好いい自分を演出していたが、九条美雪と出会ってからは、ペースを乱されてしまう。実は涙もろくて、もふもふな動物が大好き。
九条 美雪 (くじょう みゆき)
お嬢様女子高に通う高校2年生の女子。風紀委員長を務める真面目な優等生で処女。注意しても性行為をやめない学友の気持ちを知りたいと「一度だけセックスをしてくれる相手」を探し、庄司奏太の高校に忍び込む。一般的な女の子とは違い、少しずれていて世間知らず。素直な性格で猪突猛進のうえ天然。好きなことは一方的に話してしまうオタク気質がある。肌は透き通るように白く、髪はロングストレートで左側に編み込みを入れている。