概要・あらすじ
風見台高校に転校してきた卜部美琴は、突然笑い出したりなど、奇行を働く女の子。彼女がたまたま寝ていた時に垂らしたよだれを舐めたことがきっかけで、椿明は彼女と交際を始めることになる。表情が変わらず、言動も理解できない不思議な彼女。しかし日課としてよだれを舐め合ううちに、お互いの感情が赤裸々に伝わるようになる。
心は通じあっても身体は通じ合わせていない、処女と童貞の二人の交際は、ゆっくりと深まっていく。
登場人物・キャラクター
椿 明 (つばき あきら)
風見台高校2年生。転校してきた卜部美琴が寝ていた時に垂らしたよだれを舐めたことがきっかけで、彼女のよだれを摂取しなければ「恋の病」の禁断症状が出るようになる。以降、日課として彼女のよだれを舐めるようになり、正式に付き合うようになる。卜部美琴がドキドキしているときによだれを舐めると、興奮がそのまま伝わり、無意識に鼻血を流すこともある。 逆に彼のよだれを卜部美琴が舐めると思いが筒抜けになってしまう。普段はおとなしいが、卜部美琴のことになると、嫉妬深い一面を見せる。映画研究会の幽霊部員。童貞。
卜部 美琴 (うらべ みこと)
風見台高校2年生。つり目の三白眼にボサボサ頭、前髪が長く目が隠れている。あまり感情を表に出さず、無表情で、クラスでは突然笑い出したりと奇行が目立つ変わり者。クラスでは「意外と美人でスタイルがいい」と評判。一方で友だちはあまりつくろうとせず、仲がいいのは彼氏である椿明と、よだれへの感応性が高い丘歩子程度。 ある程度の「絆」を持った相手に、よだれを舐めさせることで自分の感情や思考を伝えることができ、同時に相手の感覚も感じることができる。身体能力は非情に高い。パンツにはハサミを挟んでおり、不愉快なことを感じた時に取り出してあらゆるものを切り刻む。口には出さないものの嫉妬心が強く、よだれを通じて椿明には感情を露わにする。 彼に感情を強く伝えたい時に、椿明に目隠しをして、全裸でよだれを舐めさせるなど、過激な行動に出ることもある。処女。
上野 公平 (うえの こうへい)
風見台高校2年生。眼鏡をかけた、椿明の幼なじみであり、親友。丘歩子と付き合っている。ただしこれは誰にも内緒で、たまたま椿明が、二人がキスをしているのを目撃してからお互いの秘密としている。一方で椿明たちの交際については気づいていない。
丘 歩子 (おか あゆこ)
風見台高校2年生。トランジスタグラマーな眼鏡の少女。しっかりした性格と優れた学力の持ち主。卜部美琴と椿明の日課であるよだれを舐める行為を見て以来、昼休みいつも一人きりの彼女の元に来て、友だちになろうと接触を試みる。卜部美琴のよだれへの感応性が高く、感情がある程度伝わるのみならず、怪我をした時によだれを舐めると同じ場所に怪我をするなどの現象も起きている。 彼氏は上野公平。好奇心と詮索欲が人一倍強い。卜部美琴へのスキンシップを唯一取れる人物。
諏訪野 亮子 (すわの りょうこ)
風見台高校2年生。ポニーテールにタレ目、クラスの男子いわく「癒される」と人気の美少女。椿明とは一緒にクラスの仕事をしている。松沢穂の撮影する映画研究会の恋愛映画で、椿明相手にヒロインを演じている。卜部美琴と椿明が付き合い、よだれをなめさせる日課をしているのを知っている。 その上で彼のことはまんざらでもない様子で、椿明に2号さんでもかまわないから付き合わないか、と持ちかける。卜部美琴への思いを揺り動かすような発言をくりかえす、飄々とした少女。
椿 陽子 (つばき ようこ)
椿明の姉。24歳。他界した母親代わりとして、椿家の切り盛りをしている。そのため彼も姉とは仲が良く、かつ頭が上がらない。非常に明のことを大切に思っており、卜部美琴が彼女と知ってから、彼女に三指ついてお辞儀をしたことがある。
早川 愛香 (はやかわ あいか)
椿明の中学時代のクラスメイトで、片思いの相手。星ノ瞳(ほしのめ)女学院2年生。中学時代はロングヘアーで、後日ショートカットになっている。既に椿明が卜部美琴と付き合っているのも、中学時代に自分のことを彼が好きだったのも知っている状態で、文化祭の一日だけ彼氏のふりをするよう持ち掛ける。 文化祭では卜部美琴と自分のよだれ、どちらが甘いかを確認するように椿明に迫る。
今井 百夏 (いまい ももか)
地毛が茶髪であること以外は、彼氏である椿明ですらわからないくらい卜部美琴にそっくりな少女。CDを出している人気上昇中のアイドルで、椿明も写真集を買ったことがある。たまたま椿明が彼女を卜部美琴と勘違いしたことをきっかけに、卜部美琴と時々入れ替わる計画を立てる。 非常にテンションが高く、すぐハイキックを決めてしまうくせがあるため、拘束具を付けている。スタイルは卜部美琴よりスレンダー。
松沢 穂 (まつざわ みずほ)
風見台高校1年生。椿明属する映画研究会の後輩。マニアックな映画が好きで、椿明と意気投合し、彼のことを気に入るようになる。映画研究会で撮影する映画「謎の彼女Y」の監督・脚本を担当しており、諏訪野亮子と椿明を主役に抜擢。諏訪野亮子の半裸撮影シーンでうっとりするなど、常に自分の嗜好がだだもれで、無邪気で元気な少女。 ショートボブが目印。
芳川 (よしかわ)
風見台高校2年生。椿明たちとは別のクラスで、スタイルがよいことで、学内ではとても有名。目立ちたがりやでよく勝負を持ち掛けてくる、ノリの軽い女の子。
長谷川 司 (はせがわ つかさ)
風見台高校1年生の写真部員。諏訪野亮子の美貌に一目惚れして思わずシャッターを切り、撮影した写真を投稿する。諏訪野亮子からは恋愛のモーションをかけられているが、ファインダーの中の女の子は憧れでなければいけないという信念から、付き合うことを拒絶している。
集団・組織
風見台高校 (かざみだいこうこう)
共学で、真面目な生徒の多い学校。男子は学ラン、女子はセーラー服。演劇部、天文部などのみならず、三国志研究会、テクノ愛好会など様々な部活があるようで、椿明が所属するのは映画研究会。文化祭はかなり大掛かりで、仮装した生徒たちが、ポスターがぎっちり貼られた校内に溢れかえる活気を見せる。
その他キーワード
パンツ・ハサミ
『謎の彼女X』で使う技。卜部美琴がパンツに挟んだハサミを抜いて、超高速の斬撃を加える。布一枚レベルで正確に切り刻む。手にしている紙をバラバラにするなどの技術はもちろん、金属の看板を切り裂いたり、相手のきている服だけをひんむいたり、植木を人型に整えるなど、ひとつのハサミでなんでもこなすことができる。二刀流も可能。 命名したのは椿明で、卜部美琴が技名を付けたわけではない。