矢神くんは、今日もイジワル。

矢神くんは、今日もイジワル。

見た目のいい男性が苦手な早坂雫が、イケメンの双子として有名な矢神兄弟の弟・矢神楓の偽の彼女にされてしまう。最初は嫌々ながら偽の彼女を演じていた雫が、楓と交流をしていく中で本当の恋心を抱いていく姿を描くラブコメディ。同時に、自分を一途に思ってくれる雫に心惹かれていく楓の様子も丁寧に描かれている。集英社「マーガレット」2016年No.17から2019年No.19まで連載の作品。

正式名称
矢神くんは、今日もイジワル。
ふりがな
やがみくんは きょうもいじわる
作者
ジャンル
ラブコメ
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あらすじ

第1巻

高校に入学した早坂雫は、親友のなっちゃんから同じクラスの矢神環と話をしてほしいと頼まれる。イケメン嫌いの雫が、なっちゃんの頼みだからと嫌々ながら声を掛けると、それは環ではなく、彼の双子の弟・矢神楓だった。雫がイケメン嫌いだと知った楓は、ほかの女子を避けるために雫に偽の彼女になってほしいと依頼。雫はきっぱり断ったものの、その帰宅中の車内で眠っている環が雫に寄りかかる場面を女子生徒が撮影して拡散した事で、学校内では雫は軽い女だと陰口を叩かれるようになった。楓は自分と付き合えば兄の環と仲がよくても問題ないと提案し、雫は不本意ながらも偽の彼女になる事を受け入れる。こうして雫と楓は偽の交際をスタートさせたが、当然のように二人の関係はぎこちない。そんな中、一部生徒から本当に付き合っているのかと疑問視された事をきっかけに、雫と楓は無理矢理行動を共にするようになる。同時に雫はクラス内で孤立し、女友達が一人もいない状況に陥ってしまうが、そんな中、雫は声を掛けて来た安達つばさと友達になるのだった。初めてできた友達に浮かれる雫に対し、楓はどうせ環と近づくために利用されているだけだと冷たく言い放つ。だが、つばさを本当の友達だと信じている雫は、それを証明するために楓、環、つばさの四人でデートをする計画を立てる。

第2巻

早坂雫ら新入生は、2泊3日の合宿を行う事になった。雫は安川といっしょに合宿を運営するクラス委員となり、優しく気遣いのできる安川と親睦を深めていく。だが、安川は矢神環矢神楓のせいで中学時代の彼女と破局しており、雫に近づいたのも、彼女を楓から略奪し復讐する事が目的だった。雫は安川に無理矢理迫られそうになったところを楓に救われ、実は自分が想像していたよりも楓はいい人なのではないかと思い始める。そんな中、宿泊合宿がスタートし、雫は楓も交えた班でウォークラリーを行う事になった。しかしアクシデントで、雫は山中で一人迷ってしまう。楓は単身で雫を助けに現われ、二人は突然の悪天候やケガを乗り越える。こうして雫は楓を改めて異性として意識するようになるが、その一方で、雫の優しい人柄に惹かれた環は、楓に対して自分が雫の偽の恋人になりたいと打ち明ける。

第3巻

早坂雫矢神楓と勘違いし、電話で矢神環と今度の土曜日に会う約束をする。雫が待ち合わせ場所に着くとそこには環がおり、楓は体調不良だったので代わりに来たと告げ、母親へのプレゼントをいっしょに選んでほしいと依頼。こうして二人はまるでデートのような1日を過ごすが、環の様子をいぶかしんだ楓が途中で乱入して来る。雫はこの展開を喜びながらも、楓を本当に好きになったら偽の彼女は終了と言われている事もあり、なかなか自分の気持ちを表に出せない。そして、楓への気持ちを隠しながら行動する事が苦しくなった雫は、ついに環の前で涙してしまう。その姿を偶然目撃した楓は、親密そうな雫と環の姿に怒りを覚える。楓は結局顔のいい環に流されるのかと軽蔑し、雫との関係を解消。突然の別れに現実を受け入れられない雫に対し、環は自分と正式に交際してほしいと告白する。

第4巻

早坂雫矢神環から告白をされるが、自分は矢神楓が好きだと断る。そんな中、雫らの通う高校では体育祭が行われる事となる。雫と環は同じ係になり、二人で買い出しや作業を行う。その姿を見た周囲の女子達は「楓に振られたから兄の環に乗り換えた」と解釈し、雫は一部の女子生徒達から無視されるようになった。しかし、安達つばさと腹を割って話した事で雫は前向きになり、さらに楓が悪態をついていた女子生徒達を一喝した事で、雫は再びクラスの輪の中に入れるようになる。そして体育祭当日、環と楓は何かと張り合い、その姿を見た女子生徒を中心に大いに盛り上がる。そんな中、雫は急遽クラス対抗リレーに出場する事となって慌てるが、楓のフォローで上位入賞を果たすのだった。そして体育祭打ち上げからの帰り道、意を決した雫は楓を呼び止め、ずっと好きだった気持ちを告白する。

第5巻

矢神楓早坂雫の告白を受け入れ、雫は偽の彼女から本物の彼女になった。幸せを嚙みしめる中、雫は手をつなぐなど恋人らしい行為を楓に拒否されて不安を覚えるが、その後、楓なりの不器用な愛情表現を目の当たりにした事で落ち着き、さらに楓への思いを深めていく。そんなある日、雫と楓は二人だけで花火大会に行く事になった。だが、せっかくいい雰囲気になっていたところを早坂隆司に目撃されてしまう。隆司は楓に対して悪態をつき、追い打ちをかけるようにクラスメイト達も無理矢理合流し、二人だけの時間は終了してしまう。しかし楓は落ち込む雫にこっそりキスをし、二人は恋人として着実に絆を深めていくのだった。そんな中、夏休みの課題のために楓が雫の家を訪問すると、隆司は相変わらず悪態をつく。さらに隆司の幼なじみの仁科隼人も楓に対して挑発的な言動を繰り返す。

第6巻

夏休みを利用し、矢神楓は親戚のペンションで泊まり込みのアルバイトを開始した。そこで楓は久しぶりに杉村澪と再会したものの、特に気に留める事なく、約束の2週間が過ぎる。そして楓はアルバイトで稼いだお金で早坂雫をテーマパークに連れて行き、二人は恋人同士として楽しい時間を過ごす。そして雫と別れた楓が帰宅すると、なぜかリビングで澪と母親が話をしていた。母親は澪を駅まで送るように言い、矢神環が改札まで見送る。その場面を早坂隆司仁科隼人が目撃し、楓が双子だと知らない二人は激怒。帰宅した隆司は雫に彼氏が浮気しているから別れろと詰め寄るが、雫はそんな事はないと突っぱねる。そして別の日、雫と楓は再びデートをする事になった。しかし、当日になって楓の自宅に再び澪がやって来た事でデートはキャンセルされてしまう。その理由に澪が絡んでいる事を知った雫は、楓を信じている気持ちはあるものの、隆司から聞かされた浮気疑惑が頭から離れない。落ち込む雫に対し、隼人がいっしょに外出しないかと誘うのだった。

登場人物・キャラクター

早坂 雫 (はやさか しずく)

高校1年生の女子で、矢神楓のクラスメイト。顔立ちが整った弟の早坂隆司が女性関係にだらしない事から、イケメンが苦手になった。入学前からイケメンと噂になっていた矢神環に、親友のなっちゃんから頼まれ嫌々ながら声を掛けたところ、相手は双子の弟の矢神楓だった事で、矢神兄弟と知り合う。イケメン嫌いなところを楓に気に入られ、半ば強制的に楓の偽の彼女にされてしまった。 最初は楓に振り回されていたものの、次第に楓の人柄に惹かれていく。しかし楓からは、自分を絶対に好きにならないように釘を刺されている事もあり、苦悩していた。のちに勇気を出して楓に告白し、晴れて両想いになる。楓と交際するまでは彼氏が一度もできた事はなく、恋愛に関してはまじめで奥手。 好きになったら一途でありたいと思っており、隆司からは重すぎると否定されている。人に優しく、素直で思いやりにあふれた性格の持ち主。

矢神 楓 (やがみ かえで)

高校1年生の男子で、早坂雫のクラスメイト。矢神環の双子の弟。環よりも目つきが悪く、クールな印象の持ち主。そのため、周りの女子生徒達からは怖いと避けられがちだが、見た目に反して優しく気遣いのできる性格。また、顔自体は環と同じく整っており、いわゆるイケメンの部類に入る。愛想がよく王子様系の環とつねに比較されて来たため現状に嫌気がさしており、環目当てで寄って来る女子生徒を避けるため、イケメン嫌いでごく平凡な容姿の雫を偽の彼女にしようと考えた。 その後、半ば強引に雫を彼女として扱い、さらに自分を好きにならないようにと釘を刺している。当初は雫はあくまで女子生徒を避けるためだけの存在だったが、次第に好意を抱くようになった。雫の告白を受けて恋人同士になってからは、直接的な愛情表現は苦手としているものの、矢神楓なりに不器用ながらも大切にしている。

矢神 環 (やがみ たまき)

高校1年生の男子で、矢神楓の双子の兄。非常に整った王子様系の容姿をしており、中学校時代から周囲の女子生徒達から噂されるほどのイケメン。いくつかの芸能事務所からもスカウトを受けている。楓と異なり愛想がよく、学校内外問わず多数のファンがいる。早坂雫に対しては最初は楓の彼女といった認識だったが、見た目だけでなく自分の内面を見てくれていると感じ、恋心を抱くようになった。 よくも悪くも裏表のない穏やかで優しい性格の持ち主。

安達 つばさ (あだち つばさ)

高校1年生の女子で、早坂雫のクラスメイト。入学早々に矢神楓と交際を開始した事により、クラスで浮いた存在となった雫と、初めて友達になった人物。矢神環と楓とは出身中学校もいっしょで、環とは同じクラスになった事もある。ずっと環に片思いをしているが、好きな人の前で素直になれない性格が災いし、環には嫌われていると勘違いされていた。 雫のおかげで誤解は解け、以前より環と自然に会話ができるようになった。雫とは言いたい事を言い合える良好な関係を築いている。

安川 (やすかわ)

高校1年生の男子で、早坂雫のクラスメイト。雫と共に2泊3日の新入生合宿の運営を行うクラス委員になった。矢神環と矢神楓のせいで中学時代の彼女と別れた事をずっと根に持っており、楓から雫を略奪しようと親切な人間を装って接近した。しかし、実際は彼女が勝手に環に惚れただけで、楓に至ってはまったく関係はない。結果的に楓から雫を略奪する計画は失敗に終わり、以降、雫とは気まずい関係となる。

なっちゃん

高校1年生の女子で、早坂雫とは中学校時代からの親友。雫と同じ高校に進学したが、別のクラスになってしまった。しかし、その後も雫とはなかよくしている。自他共に認める面食いで、矢神環のファン。

早坂 隆司 (はやさか たかし)

早坂雫の実弟で中学生。整った顔立ちをしたイケメンで、複数の彼女がいる。ただしどの彼女もノリが軽いタイプばかりなので、揉め事には発展していない。これまで彼氏もいなく、好きな人には一途でいたいという恋愛観を持った雫の事を、楽しくなさそうな人生を送っていると見下している。ただし、雫の言動から些細な心境の変化に気づいて気遣うなど、仲が悪いわけではない。 雫と矢神楓が交際した際には「顔のいい楓が雫を弄んでいる」「浮気している」と一方的に誤解して悪態をついていたものの、のちに和解した。仁科隼人とは幼なじみで親友だが、隼人が雫に片思いしている事実は知らない。

仁科 隼人 (にしな はやと)

早坂隆司の幼なじみで親友の男子中学生。落ち着いた大人っぽい雰囲気の持ち主。幼い頃からずっと早坂雫に恋心を抱いていたが、雫からは恋愛対象として見られていない事を理解していたため、告白もせずに心に留めていた。しかし雫と矢神楓の交際が発覚した際は受け入れる事ができず、思い切って雫にアプローチを開始する。

杉村 澪 (すぎむら みお)

高校1年生の女子。小学生の頃、矢神環と矢神楓の実家のとなりに引っ越して来たが、その後再び引っ越し、現在は別の街に両親と共に住んでいる。幼い頃は同じ年の矢神兄弟とすぐに打ち解け、三人でいっしょに行動していた。当時、杉村澪は環も楓も両方好きだと語っていたが、実際には最初から環の事しか見ておらず、この事実が、楓が女子から距離を取るようになった大きな原因となっている。 アルバイト先で楓と久々に再会し、理由も言わず頻繁に矢神家を訪問するようになる。

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