つばさとホタル

つばさとホタル

人に尽くすのが大好きな女子高校生と、心優しいがやや天然気味の男子高校生。そんな2人を中心に、バスケットボール部を舞台に描かれる青春ラブストーリー。「りぼん」2013年9月号から連載の作品。

正式名称
つばさとホタル
ふりがな
つばさとほたる
作者
ジャンル
恋愛
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世界観

ひょんなことから男子バスケットボール部のマネージャーとなった「尽くし体質」の女子高校生・園川つばさが、その心優しく献身的すぎる性格ゆえに傷つき悩みながらも、部活動や学校行事といった高校生活を送っていく姿が描かれる。つばさが好きになった男性、飛鷹顕との一対一の関係のみならず、つばさの最大の理解者である鳥羽結真も恋愛模様に参加し、展開される三角関係も見どころ。

あらすじ

第1巻

高校1年生の園川つばさは、人に尽くす事が大好きな「尽くし体質」。しかし、頼まれた以上の事をしてしまったり、自分を犠牲にし過ぎてしまったりする事が多く、友人の蝶野友梨にも、やり過ぎではないかと心配されていた。ある日、そんな行いが災いして、つばさは片思い相手の杉山にふられてしまう。杉山は、以前つばさが体調を崩した際に助けてくれたため、つばさにとっては運命の人だったのだが、杉山の方は、つばさの献身的過ぎる態度に疲れてしまったのである。しかしその直後、つばさは、ケガをした友梨の手伝いで、男子バスケットボール部の臨時マネージャーを務める事となり、そこで衝撃の事実を知る。以前つばさを助けてくれたのは、なんと杉山ではなく、男子バスケットボール部員の一人、飛鷹顕だったのである。その後正式に男子バスケットボール部へ入部したつばさは、顕こそが真の運命の人であると感じ、また、顕の人柄にも、次第に惹かれていく。そして夏休みが近づき、休み中に行われる男子バスケットボール部の合宿に、つばさは期待に胸膨らませるのだった。 

第2巻

夏休みに入り、園川つばさがマネージャーとして所属する男子バスケットボール部では、4泊5日の合宿が始まった。ハードな練習の合間を縫って、部員達と蛍を見に行ったつばさは、そこで鳥羽結真から教えられたことわざ「鳴く蟬よりも、鳴かぬ蛍が身を焦がす」から、飛鷹顕のような寡黙だが、人一倍バスケットボールへの熱意がある人物こそが、蛍であると感じる。つばさはそんな顕を応援していきたいと強く思い、顕への思いを膨らませていく。そして合宿は終わり、つばさは顕、結真、烏丸吉成の四人で夏祭りへ行く事になる。そこで顕の中学時代の友人、大島瑠璃と偶然出会ったつばさは、親しげな顕と瑠璃の様子に焦るあまり、思わず顕に告白しかけるが、未遂に終わる。一方その頃、密かに顕を思い続けていた瑠璃もまたつばさの存在に驚き、顕と親しいつばさに対して、苛立ちを感じるようになっていた。

第3巻

園川つばさ達の所属する飛羽高校男子バスケットボール部は、大島瑠璃達の所属する春栄高校男子バスケットボール部と、3対3の練習試合を行う事になった。しかし当日つばさは体調を崩し、試合の手伝いができなくなってしまう。つばさの飛鷹顕への思いを知る鳥羽結真は、試合終了後、顕をつばさのお見舞いに行かせる事を思いつくが、そのたくらみに気づいた瑠璃はそれを無理やり阻止し、顕に告白する。さらにその日から、瑠璃は積極的になり、顕にどんどんアプローチするようになっていく。つばさは瑠璃の気持ちを悟りつつも何もできずにいたが、ある日瑠璃から、顕にふられてしまい、さらに顕には思い人がいるようなので、自分はもう身を引く事にしたと報告されるのだった。それから2学期が始まり、つばさ達男子バスケットボール部は文化祭に向けて、お好み焼き屋の準備を始める。しかし準備中、つばさは顕が男子部員達から、自分との関係についてからかわれている場面を目撃してしまう。しかし顕は、つばさとは友人として親しくしているが、特に交際の意思はないと言い、つばさは深く傷つく。それを案じた結真はつばさを励ますが、同時に、つばさに惹かれ始めている自分に気づいてしまう。しかし、それを知らないつばさは、準備中顕と二人きりになった際、衝動的に顕に告白する。

第4巻

園川つばさ飛鷹顕についに告白したが、先日の一件から、顕が自分を友人としか思っていない事を察していた。そのため交際は望まず、自分は顕の事が好きだが、これまで通り友人として接してほしいと伝えるのにとどめる。しかし、すぐさまつばさの様子がおかしい事に気づいた鳥羽結真はつばさから話を聞き、顕の煮え切らない態度に苛立つ。そのため顕に、つばさを中途半端に期待させるくらいなら、はっきりとふった方が誠実ではないかと勧めるのであった。そして文化祭当日、つばさはミスターコンテストに出場する結真の応援として、推薦スピーチをする事になる。しかし、それを結真のファンの女子生徒達から妬まれたつばさは、嫌がらせを受け、スピーチ原稿を破られてしまう。だが、事態に気づいてやって来た結真によりそれ以上の嫌がらせは回避され、つばさは無事スピーチを成功させる。そしてつばさへの思いを確信した結真は、壇上で女子生徒達に、応援してくれるのは嬉しいが、現在自分には思い人がいると宣言するのだった。これによって顕は内心焦るが、つばさの事は大切に思っているものの、それが恋愛感情か確信できないため、つばさの頼み通り、友人として付き合い続けていく事にする。

第5巻

高校男子バスケットボールのウィンターカップ予選が始まり、園川つばさら飛羽高校男子バスケットボール部は、強豪の砂賀商業高校と対戦する事になった。しかし、エースの相馬嗣己の不遜な態度に飛鷹顕達選手は振り回され、敗北してしまう。そしてクリスマスが近づき、つばさは男子部員の提案で、男子バスケットボール部の1年生達と、つばさの友人である舞原澪光井莉子、そして学年のアイドルである三日月蘭を交えたクリスマスパーティを企画する事になる。しかし、いざ準備が始まると、男子部員達はつばさ頼みで、つばさは実質一人で作業する事になってしまう。周囲に利用され、要らぬ苦労を背負うつばさを鳥羽結真は歯がゆく思うが、張り切るつばさを無理に止める事はできず、見守るにとどめていた。さらにクリスマスパーティ直前、飛羽高校男子バスケットボール部に、新越大学男子バスケットボール部との、合同練習の話が持ち上がる。結真や烏丸吉成はクリスマスパーティを優先させ、パーティは予定通り開催されるが、少しでも練習がしたい顕は合同練習を選び、不参加となってしまう。そしてパーティ中も周囲に気を遣い、割を食うつばさを見て、結真はとうとう腹を立てる。そして、パーティの後二人きりになった際、衝動的につばさを抱きしめ、告白するのだった。

第6巻

お正月。園川つばさは、飛鷹顕からクリスマスパーティに参加できなかったお詫びにと、初詣に誘われる。しかし、すでに鳥羽結真から無理やり初詣に行く約束を取り付けられていたつばさは、悩んだ結果、烏丸吉成も交えて四人で初詣に行く事にする。そこで顕と楽しい時間を過ごしたつばさは、バレンタインデーに、再度顕に告白しようと決意。綿密に準備を進めて行くが、バレンタインデー当日の朝、自分の不注意で、結真にケガをさせてしまう。結真はその場では平気そうにしていたものの、その後大事を取って早退していた事が発覚。責任を感じたつばさは、顕にチョコレートを渡そうと思っていたのも忘れ、結真のもとへ向かうのだった。そして翌日から、つばさは結真のケガが治るまで、結真の日常生活のサポートをする事になる。しかしその様子は、周囲には二人がまるで交際を始めたかのように見え、顕もまた二人の関係を誤解しかけてしまう。結局、誤解はすぐに解けたものの、そこでつばさへの想いを自覚した顕は、結真と二人きりになった際、結真にライバル宣言をする。

第7巻

春。進級した園川つばさら飛羽高校男子バスケットボール部の面々は、新入部員に、つばさの弟である園川隼や、相馬嗣己の妹である相馬ひななどを迎え、より一層にぎやかになった。そしてすぐに校内合宿が始まるが、歯に衣着せぬ言動のひなは、早速一部の部員の反感を買ってしまう。ひなの態度を案じた飛鷹顕は、隠れてひなを呼び出して注意をするが、顕の思惑を知らないつばさは、二人が急接近したと感じショックを受ける。その誤解はすぐに解けたものの、つばさは夜、ひなから顕には思い人がいるらしく、それはおそらくつばさの事ではないかと言われ、驚く。顕の気持ちを確かめたいつばさだったが、そのまま合宿は終わってしまい、さらにある日突然、嗣己に呼び出されてしまう。バスケットボール関連の事で呼び出されたと考えたつばさは、慌てて鳥羽結真と共に嗣己に会いに行くが、嗣己の用事とは単にひなの飛羽高校での様子を知りたいというものであると知り、落胆するのであった。一方その頃、ひなは顕へ思いを寄せるようになっていた。ひなは、顕はつばさの事が好きだと知っていたが、つばさは結真と交際しているので、顕にアプローチしても問題ないと考えたのである。しかし、すぐさまひなはつばさから、自分は結真と交際していないし、思いを寄せている相手は顕であると告げられ、実際は顕とつばさが両思いである事を知ってしまう。焦ったひなは、つばさに、自分はすでに顕と交際しているので、顕に近づくのはやめてほしいと噓をついてしまう。

第8巻

相馬ひなから、ひなと飛鷹顕が交際していると知らされた園川つばさは、自分が失恋したと知り、深いショックを受けていた。すぐさまつばさの様子がおかしい事に気づいた鳥羽結真はつばさを励ますが、つばさは結真の気持ちを知りながら彼に甘えている事を、申し訳なく思うのだった。そんなある日、体育祭に向けて各クラスは男女一人ずつ幹部を選出する事になる。しかし、つばさのクラスの女子幹部となった小宮夏希は、部活が忙しく、幹部を務めるのは難しいのだという。そこでつばさは、部活中の顕とひなの姿を見るのがつらくなっていたのもあり、夏生の代わりに幹部に立候補する。そこに結真も現れ、なんと二人はいっしょに幹部を務める事になってしまう。そしてつばさは、顕とひなを避けるかのように体育祭の準備に打ち込むが、そんなつばさを見かねた結真は、改めてつばさに告白する。悩むつばさだったが、たとえ両思いになれなくても、自分は顕を思い続けたいと考え、体育祭当日、結真をふる。しかしその直後、体調を崩し、廊下で気を失ってしまう。

第9巻

体育祭当日。園川つばさは気を失っていたところを飛鷹顕に助けられ、保健室で目を覚ます。そこでつばさと顕は久しぶりにゆっくりと話をして、その中でとうとう顕はつばさに告白。二人は、ついに恋人同士となるのだった。それからつばさは相馬ひなから噓をついた事を謝罪され、顕は鳥羽結真につばさと交際を始めた事を打ち明け、人間関係の問題も解決する。そして3年生が部活動を引退し、飛羽高校男子バスケットボール部もまた、次期部長とキャプテンを決める時期となった。話し合いの結果、部長が顕、キャプテンが結真に決まり、これによってつばさは素晴らしいチームができると確信する。しかしその直後、プロバスケットボールの試合を観戦しに来たつばさ、顕、結真、ひなの四人は、偶然居合わせた相馬嗣己から勝負を申し込まれる。所属する砂賀商業高校男子バスケットボールの部長となった嗣己は、飛羽高校男子バスケットボール部の部長である顕の実力が知りたいのだという。顕は嗣己との一対一の試合で善戦するが、苛立った嗣己は乱暴な方法で試合に勝ち、そのまま去って行ってしまう。つばさは嗣己の態度に腹を立てつつも顕を励まし、これによって二人の関係はより深まるのだった。

第10巻

夏。園川つばさ飛鷹顕と交際を始めたものの、今後どう距離を縮めて行けばいいのか悩んでいた。そして2学期となり、修学旅行の準備が始まるが、そこでつばさは、違うクラスの顕と、自由行動中に二人きりで会う事を思いつく。しかし、いざ顕を誘うと、烏丸吉成と先に約束をしていたので、吉成の恋人である舞原澪も交えて四人で行動するのはどうかと提案されてしまう。それでも何とか二人で過ごす時間を捻出しようとつばさは奮闘する。しかし、旅行が始まったあとも、会う約束ができたと思えば、その時間帯に会議が入ってしまったり、やっと会えたかと思えば途中で邪魔が入ってしまったりと、思うようにいっしょに過ごせずにいた。しかし3日目の夜、つばさは顕から、ホテルから京都タワーが近いので、二人で行ってみようと急遽誘われる。そこで思いを伝えあった二人は、夜景を見ながら初めてのキスをする。

第11巻

修学旅行が終わり、今年も高校男子バスケットボールのウィンターカップが近づいて来た。去年は予選で相馬嗣己率いる砂賀商業高校に負けてしまったが、園川つばさらの飛羽高校は、今年こそ打倒砂賀商業高校という目標をかかげ、より一層練習に励んでいた。しかし、その頃から鳥羽結真は部活に来なくなってしまう。飛鷹顕によれば、彼はしばらく部活を休みたいと言っているのだという。結真を案じたつばさは、相馬ひなと共に結真の家まで会いに行くが、結真には冷たくあしらわれ、なおも食い下がったところで、衝撃の事実を知らされる。なんと結真はすでに部活を退部しており、顕はそれをひとまず休部という事にして、周囲には秘密にしていたのである。その原因が自分にあると感じたつばさは、これまで結真を苦しめてきた事を謝罪。これを受けて、結真もまた自分の態度には問題があったと反省し、退部を撤回して、部に戻って来るのだった。そしてウィンターカップ予選が始まり、つばさ達はとうとう砂賀商業高校と対戦する事になる。相変わらず不遜な態度の嗣己に、顕達選手は苦戦するが、顕の活躍により、見事勝利。そこから先もまだウィンターカップは続いていくが、ひとまず念願の砂賀商業高校打倒を果たしたつばさと顕は、打ち上げのあと、こっそり二人で会い、キスをする。そしてその日を境に、顕はつばさの事を、これまで呼び合っていた苗字ではなく、名前で呼ぶようになるのだった。 

登場人物

本作『つばさとホタル』のメインキャラクター達の名前には、皆「翼のある生物」や「羽」「鳥」を連想させる言葉が入っている。たとえば飛鷹顕の「鷹」、蝶野友梨の「蝶」、あるいは園川つばさの「つばさ」、鳥羽結真の「鳥」「羽」といったものが該当する。これは春田なながキャラクター作成時に重なった偶然が生み出したもので、偶然に気が付いてからは意識して命名していると語っている。そのため、新キャラクターが登場するたびに氏名をチェックするのも、作品を読むうえの楽しみの1つとなっている。

モデルになった町

本作『つばさとホタル』は、新潟県が舞台の作品となっている。コミックス第2巻の巻末には、「つばさとホタル ロケ地案内」と題して、キャラクター達が利用するJR白山駅やJR小針駅、合宿の舞台となった旅館や体育館のモデルとなった場所が、春田ななが現地に赴いて撮影した写真とともに掲載、解説されている。

スピンオフ

スピンオフ作品として「2015年・冬の大増刊号 りぼんスペシャル」に掲載され、コミックス4巻に収録された『つばさとホタル 番外編』がある。これは園川つばさが男子バスケットボール部にやって来る前のエピソードを描いた、前日譚的な内容になっており、鳥羽結真が主人公。当時結真目当てで入部した女子マネージャー達が起こしたトラブルについて描いており、結真の人柄のみならず、なぜ鷲尾清正が女子マネージャーに懐疑的なのかもわかる作品となっている。

関連作品

関連作品として、春田ななの別作品『スターダスト★ウインク』がある。『スターダスト★ウインク』も本作『つばさとホタル』同様、新潟県を舞台とした作品となっているため、『スターダスト★ウインク』の古城杏菜、永瀬颯、都倉日向らの通う信越高校の話題が出たり、また15話においては、杏菜、颯、日向が、園川つばさらが通う飛羽(とわ)高校の学園祭に遊びに来るという形でゲスト出演した。

メディアミックス

2014年「りぼんフェスタ2014」とテレビ東京系「おはスタ」において、今千秋監督によるアニメ版が放送された。園川つばさ役を伊藤かな恵、飛鷹顕役を松岡禎丞、鳥羽結真役を櫻井孝宏が演じた。

作家情報

春田ななは、主に少女漫画誌で活躍中の漫画家。代表作は本作『つばさとホタル』と、『スターダスト★ウインク』。2000年『愛の♥愛のしるし』が「りぼんオリジナル」12月号に掲載されデビュー。他の作品には『ラブ・ベリッシュ!』『チョコレートコスモス』などがある。 誕生日は6月30日で、出身地は新潟県。本作『つばさとホタル』も、新潟県を舞台とした作品となっている。

登場人物・キャラクター

園川 つばさ (そのかわ つばさ)

飛羽(とわ)高校1年7組所属で、男子バスケットボール部のマネージャーを務める女子。のちに2年6組に進級する。前髪を目の上で切りそろえ、胸まで伸ばしたストレートロングヘアにしている。長身で巨乳の持ち主。明るく素直な性格で、人に尽くすのが好きな「尽くし体質」。しかし愛情が重すぎて相手を困らせてしまうことが多く、空回りばかりなのが悩み。 高校入学直後に体調を崩して困っていたところ、助けてくれた顔もわからぬ男性に憧れており、それは杉山だと思い込んでアプローチを繰り返していた。だが、実際は男子バスケットボール部の飛鷹顕であったことを知り、その日から顕を男性として意識するようになっていく。「尽くし体質」が高じて、情報収集と情報分析が得意。

飛鷹 顕 (ひだか あき)

飛羽(とわ)高校1年3組、男子バスケットボール部に所属する男子で、園川つばさの想い人。のちに2年1組に進級する。あだ名は「アッキー」。前髪を左寄りの位置で斜めに分けた黒髪ウルフカットで、やや小柄な体格をしている。口数は少ないが穏やかでおっとりとした心優しい性格。一方で恋愛には疎く、ややずれた天然気味な一面もある。 バスケットボール一筋の高校生活を送っていたが、臨時マネージャーとしてやって来たつばさと次第に親しくなり、意識するようになっていく。

鳥羽 結真 (とば ゆうま)

飛羽(とわ)高校1年3組、男子バスケットボール部に所属する男子。のちに園川つばさと同じ2年6組に進級する。前髪を左寄りの位置で斜めに分けたウルフカットにしている。容姿端麗でスポーツ万能、さらに女性に優しいスマートな人柄から「学年一のイケメン」として知られている。しかし、実際はクールでサディスティックな性格で、鋭い指摘でわざと人を困らせるのが大好き。 観察眼に優れ、周囲を俯瞰で見ることができるため、基本的に常に一歩引いた立場で周囲に接していた。しかし、つばさの素直で献身的な人柄に惹かれ、強くアプローチするようになる。

烏丸 吉成 (からすま よしなり)

飛羽(とわ)高校1年7組、男子バスケットボール部に所属する男子。のちに2年1組に進級する。前髪を髪留めで上げて額を全開にしたウルフカットにしている。明るく正直で、細かいことを気にしないさっぱりとした性格。反面、やや場の空気が読めなかったり、思ったことをすぐに口にしてしまう困った一面もある。お腹が弱く、よくトイレに駆け込んでいる。 やがて舞原澪と交際することになる。

舞原 澪 (まいはら みお)

飛羽(とわ)高校1年7組の女子。園川つばさと光井莉子とはクラスメイトで仲のいい友人でもある。のちに2年1組に進級する。前髪を目の上で切り、ロングウェーブヘアを高い位置でポニーテールにしてまとめている。あだ名は「マイマイ」。明るく世話焼きな性格で、鳥羽結真に憧れるミーハーな一面もある。つばさとは、球技大会がきっかけで親しくなった。 その後、烏丸吉成に想いを寄せるようになり、交際を始める。

光井 莉子 (みつい りこ)

飛羽(とわ)高校1年7組の女子。園川つばさと舞原澪とはクラスメイトで仲のいい友人でもある。のちに2年1組に進級する。前髪を左寄りの位置で斜めに分け、顎の高さまで伸ばしたボブヘアにしている。明るく細かいことを気にしない性格。鳥羽結真に憧れるミーハーな一面もあるが、アイドル視してはしゃいでいるだけで、実際は恋愛に関心がない。 つばさとは、球技大会がきっかけで親しくなった。

蝶野 友梨 (ちょうの ゆり)

飛羽(とわ)高校2年7組、男子バスケットボール部でマネージャーを務める女子。前髪を目が隠れそうなほど伸ばした、癖のあるボブヘアにしている。クールで落ち着いた性格。園川つばさよりも一学年上なため姉のような存在だが、つばさとは非常に親しく、バスケットボール部のマネージャーとしても人生の先輩としても、何かとアドバイスを送ることが多い。 密かに部長の蜂谷章太と交際している。

蜂谷 章太 (はちや しょうた)

飛羽(とわ)高校2年7組、男子バスケットボール部で部長を務める男子。前髪を真ん中で分けたウルフカットにしている。穏やかな性格で、部においてはチームワークを大切にしたプレイを心掛けている。密かにマネージャーの蝶野友梨と交際している。

鳳 隆一 (おおとり りゅういち)

飛羽(とわ)高校2年7組、男子バスケットボール部に所属する男子。前髪を眉の高さで切ったショートカットにしている。身長185センチと男子バスケットボール部の中で最も背が高く、長身を活かしたプレイをする。

佐野 創 (さの はじめ)

飛羽(とわ)高校に通う1年生で、男子バスケットボール部に所属する男子。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、肩につくほどまで伸ばした後ろ下がりのボブヘアにしている。川田太一とはよく一緒に行動している。お調子者でやや無責任な性格。女子と親しくなりたいがために、太一と結託して園川つばさを利用し、男子バスケットボール部員中心のクリスマス会に、部外の女子を招こうと画策する。

川田 太一 (かわた たいち)

飛羽(とわ)高校に通う1年生で、男子バスケットボール部に所属する男子。前髪を右寄りの位置で斜めに分けたショートカットにしている。佐野創とはよく一緒に行動している。お調子ものでやや身勝手な性格。女子と親しくなりたいがために、女性がやや苦手な飛鷹顕に無断で勉強会に女子を呼んだり、園川つばさを利用して、男子バスケットボール部員中心のクリスマス会に、部外の女子を招こうと画策する。 しかし、配慮に欠ける行いが多いことが女子にも知れ渡っており、あまり快く思われていない。

鷲尾 清正 (わしお きよまさ)

飛羽(とわ)高校男子バスケットボール部で、コーチを務める大学2年生の男性。飛羽高校のOBでもあり、現在は信越大学に通っている。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、肩につくほどまで伸ばしたセミロングヘアを後ろで一つに結んでいる。乱暴でやや口が悪く、突然コーチの仕事を休んだりもする気まぐれな性格。かつて、鳥羽結真を目当てに入部した女子マネージャーたちに不快な思いをさせられており、以来マネージャー志望の女子に懐疑的。 そのため園川つばさにも冷たく当たる。

鴨井 (かもい)

飛羽(とわ)高校の教師で、男子バスケットボール部の顧問を務める年老いた男性。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪をしている。おっとりとした穏やかな性格で、実はバスケットボールのルールもあまりよく知らない。そのため指導は鷲尾清正に任せがちだが、園川つばさの資料作りも助けるなど、部員には協力的に接している。

三日月 蘭 (みかづき らん)

飛羽(とわ)高校1年7組に所属する女子で、園川つばさのクラスメイト。のちに2年1組に進級し、つばさとは2年連続で同じクラスになる。前髪を左寄りの位置で斜めに分け、胸まで伸ばしてゆるく巻いたロングヘアにしている。明るく正直で積極的な性格。学年No.1に選ばれるほどの美貌を持ち、三日月蘭自身も自らの優れた容姿を自覚している。 そのため「美男美女同士で交際するのがふさわしい」と考え、鳥羽結真にアプローチしている。つばさとは2年生になってから親しくなり、修学旅行では同じ班になった。

相馬 嗣己 (そうま つぐみ)

砂賀商業高校に通う1年生の男子で、相馬ひなの兄。前髪を目が隠れそうなほど伸ばしたマッシュルームボブヘアにしている。ひなからは一方的に敵視され、「クソ兄」呼ばわりされている。男子バスケットボール部に所属し、強豪校の砂賀商業高校男子バスケットボール部においても中心的な選手となっている。いつも笑顔で人懐っこく見えるが、実際は自分が優秀であることを自覚している極度の自信家。 そのため、自分に及ばないとみなした選手には見下した態度をとる。

園川 隼 (そのかわ はやと)

園川つばさの1歳年下の弟。つばさが2年生に進級した年に飛羽(とわ)高校に入学し、男子バスケットボール部に入部する。相馬ひな、天道歩とはクラスメイト。前髪を左寄りの位置で斜めに分けたウルフカットにしている。クールで落ち着いた性格で、暴走しがちなつばさにツッコミを入れることが多い。乗り物に弱いのが弱点で、少し電車に乗っただけでも酔ってしまう。

相馬 ひな (そうま ひな)

飛羽(とわ)高校に通う1年生の女子で、相馬嗣己の妹。園川つばさが2年生に進級した年に飛羽(とわ)高校に入学し、男子バスケットボール部にマネージャーとして入部する。園川隼、天道歩とはクラスメイト。前髪を目の上で切り、胸まで伸ばしたロングヘアを高い位置で2つのお団子にしてまとめている。三白眼で八重歯が特徴。 素直だが、思ったことをずけずけ言う正直な言動から、敵を作りやすい。嗣己のことを「クソ兄」と呼んで敵視しており、一方的に嫌っている。そのため飛羽高校男子バスケットボール部には、嗣己の所属する砂賀商業高校男子バスケットボール部に一泡吹かせてほしいと思っている。嗣己の影響で、バスケットボールには非常に詳しい。

天道 歩 (てんどう あゆむ)

飛羽(とわ)高校に通う1年生の男子。園川つばさが2年生に進級した年に飛羽(とわ)高校に入学した。園川隼、相馬ひなとはクラスメイト。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、耳の高さまで伸ばしたマッシュルームボブヘアにしている。バスケットボールは未経験だが、隼に誘われる形で男子バスケットボール部に入部する。物静かで何事にも関心が薄そうに見えるが、バスケットボールに関しては類まれなセンスを見せる。

杉山 (すぎやま)

園川つばさのかつての想い人で、飛羽(とわ)高校に通う2年生の男子。前髪を左寄りの位置で斜めに分けたウルフカットにして、眼鏡をかけている。つばさの勘違いから、以前つばさが体調を崩した際に助けた「運命の人」だと思われていた。そのためつばさから猛アプローチを受けるが、つばさの献身的すぎる行動に辟易していた。しかし、まんざらでもなく思い始めた頃、実は人違いであったことが発覚し、つばさから去られてしまう。 結果、つばさに一方的に振り回される形になってしまったことに怒っている。

大島 瑠璃 (おおしま るり)

飛鷹顕と烏丸吉成の友人で、春栄高校に通う1年生の女子。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、顎の高さで内巻きにしたボブヘアにしている。明るくさっぱりとした性格だが、好きな相手にはなかなか素直になれずに悩んでいる。顕、吉成とは中学校時代からの友人で、3年間ずっと同じクラスだったのに加え、男子バスケットボール部、女子バスケットボール部の選手同士として非常に仲が良かった。 高校進学後はやや疎遠になっていたが、夏祭りで飛羽(とわ)高校男子バスケットボール部の面々と偶然出会い、園川つばさともそこで知り合う。現在も顕に想いを寄せており、つばさと親しくしつつも、顕と親しいつばさに嫉妬している。

鳥羽 美織 (とば みおり)

鳥羽結真の姉である若い女性。鳥羽美苑とは双子で、鳥羽美織が姉にあたる。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、肩につくほどまで伸ばしたセミロングウェーブヘアにしている。結真と美苑とは非常に顔立ちがよく似ており美形。しかし性格はかなり歪んでおり、世の中のすべての人間には裏があり、特に女性は信用ならないと結真に繰り返し言い聞かせている。 園川つばさとは、結真が飛羽(とわ)高校男子バスケットボール部の面々を家に招いた際に知り合った。

鳥羽 美苑 (とば みその)

鳥羽結真の姉である若い女性。鳥羽美織とは双子で、鳥羽美苑は妹にあたる。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、胸まで伸ばしたロングヘアにしている。結真と美苑とは非常に顔立ちがよく似ており美形。しかし性格はかなり歪んでおり、世の中のすべての人間には裏があり、特に女性は信用ならないと結真に繰り返し言い聞かせている。 園川つばさとは、結真が飛羽(とわ)高校男子バスケットボール部の面々を家に招いた際に知り合った。つばさの正直な行動も計算ずくのものだと捉えており、快く思っていない。

小宮 夏希

飛羽(とわ)高校2年6組に所属する女子。園川つばさとは2年生に進級してから同じクラスになったため、同学年にあたる。太い眉が見えるように切ったラウンド前髪に、顎の高さまで伸ばしたボブヘアにしている。つばさとは体育祭を機に話すようになった。部活動が忙しいにもかかわらず体育祭幹部に選ばれてしまい困っていたところをつばさが代わりに引き受けたこと、その後修学旅行でも同じ班になったことで次第に親しくなっていく。

ハカセ

園川家で飼っているインコ。白い身体に水色の羽の、ややふっくらした身体つきをしている。園川隼から非常にかわいがられており、隼の特訓により数々の日本語が話せる。反面、園川つばさにはやや淡泊な反応をする。

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