つばめ 陽だまり少女紀行

つばめ 陽だまり少女紀行

竹富島、石垣島、長崎、函館、遠野、尾道、神戸、高知を舞台に、それぞれの土地で暮らす少女たちの日常を描いたショートストーリー群。全編フルカラーで、各地の風景描写も豊富に盛り込まれている。巻末には、作者の松本規之が制作資料として撮影した風景写真と、紀行文も掲載されている。

正式名称
つばめ 陽だまり少女紀行
ふりがな
つばめ ひだまりしょうじょきこう
作者
ジャンル
日常
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概要・あらすじ

石垣島で暮らす高校生のつばめ結香は、竹富島を訪れた時に岸辺に打ち上げられたウミガメを発見する。力を合わせてウミガメを海に放流し一安心する2人だったが、なおも心配なつばめは、ウミガメと一緒に泳ごうと結香に提案する。ウミガメが元気に泳ぎ去るのを水中で見届けた2人は、「玉手箱をくれなかったのは残念だけどね」と笑いあうのだった。

登場人物・キャラクター

つばめ

石垣島に住む女子高校生。水泳が得意で、ウミガメと一緒に海中をシュノーケリングできるほど泳ぎ慣れている。やや天然なところがあり、最初にウミガメを見た時には「ガメラ」と呼んで結香に突っ込まれていた。普段は標準語だが、ときどき語尾に「さー」をつけた沖縄特有の言葉をしゃべる。天体観測で星の光に思いを馳せる、ロマンチストな一面もある。

奈々 (なな)

長崎で暮らす女子高校生。黒ネコを胸に抱えながら、急勾配の石段を全速力で駆け下り、発車寸前の電車に駆け込むという荒技をやってのけるなどアグレッシブな少女。巻末にある紀行文の長崎編では、奈々が駆け下りた坂道について解説されている。

鮎川 めぐみ (あゆかわ めぐみ)

函館に住む、ロングヘアにメガネをかけた女子高校生。道を歩いている時でも文庫本を開くほどの本好きだが、そのたび「雪道を歩きながら本を読むのは危ない」と優子に取り上げられている。新撰組の土方歳三に憧れるなど、歴女としての一面も持つ。

ユキ

遠野市に住む少女。風呂焚き用の薪を取りに行く途中、水田の用水路に落ちて上がれなくなっていた雪を助ける。名前が同じだったこともあり意気投合した雪に、一緒にお風呂に入ろうと誘う。

美沙 (みさ)

尾道市の尾北高校に通う女子高校生。ブラスバンド部所属で、小学生の頃からバンド演奏の経験を積んでいる。ブラスバンドを始めて日が浅い美央の練習に付き合い、上達のアドバイスをするのが日課。部の先輩である静江が引越しすることを知り、美央と一緒にはなむけの演奏を贈ろうと特訓を始める。

ミホ

神戸に住む女子高校生。メイド服を着るのが趣味で、その趣味を活かして、おばさんが経営する喫茶店で臨時アルバイトをしている。武道を学んでいたことがあり、ポーズを取ることを強要するオタク男子を撃退する。

(あずさ)

高知に住む女子高校生で、水泳部所属。ご当地キャラのグッズ集めが趣味で、限定バージョンのグッズがもらえるスタンプラリーに参加する。同じ水泳部員の泉と仲が良く、スタンプラリーや宝探しなどには必ず泉を伴っている。

結香 (ゆいか)

つばめとよく行動を共にする友人の少女。しっかり者の常識人で、個性的な言動が多いつばめの突っ込み役を担っている。つばめと同様に泳ぎが得意で、海に戻したウミガメが泳ぎ去るのを共に見送った。

星見 (ほしみ)

つばめ、結香の後輩の少女で、2人と一緒に天体観測に参加する。1年前に祖母を亡くしており、夜空を見上げながら、星にまつわる習慣や昔話を話してくれた祖母のことを思い出す。結香のことは「結香先輩」と呼んでいるが、同様に先輩であるはずのつばめに対しては「つばめちゃん」と呼んでいる。

優子 (ゆうこ)

鮎川めぐみの友人でクラスメイトの少女。読書に没頭すると周りが見えなくなるめぐみを気遣って、何かと世話を焼いている。頭の回転が早く、逃げ出したミハルを探す時にも、彼女の行き先が展望台であることをいち早く察知する。めぐみからは「優ちゃん」と呼ばれることもある。

ミハル

優子の従妹で、札幌在住の小学生。急に函館を訪れ、鮎川めぐみと優子の案内で街を散策する。両親が離婚しており、函館に来たのは家を出た父親を探すのが目的であった。そのことが優子にばれて、逃げ出してしまう。

(ゆき)

白装束の古風ないでたちが特徴的な少女。積雪で見えなくなっていた用水路に落ちていたところを、ユキに助けられる。どこから来たのか問われると、「もうじき春になるので、しばらく会えなくなるかっぱさんに挨拶するため山を下りてきた」と語る。

美央 (みお)

美沙の友人で、同じブラスバンド部に所属する女子高校生。美沙に比べると演奏経験は浅く、早く上達したいとサックスの練習に打ち込んでいる。先輩の静江が吹く、映画「オズの魔法使い」の主題歌「Over the Rainbow」の演奏に感動し、教えてもらおうとするが、静江は2週間後に引越しを控えていた。そこで静江へのはなむけに、2人で「Over the Rainbow」を演奏しようと美沙に提案する。

静江 (しずえ)

ブラスバンド部に所属する女子高校生で、美沙、美央の先輩。部内ではピアノ専門だが、サックスやリコーダーの演奏もこなす。父親が有名な指揮者で、仕事の都合でロンドンに引越しすることになった。父親からよく聞かされていた映画「オズの魔法使い」の主題歌「Over the Rainbow」の演奏が得意。

岩崎 雫 (いわさき しずく)

美沙と美央が尾北高校のブラスバンド部員だと知り、「一緒にネコを捜して欲しい」と頼んでくる少女。そのネコは岩崎雫と静江が餌付けをしていた野良猫で、静江が吹く映画「オズの魔法使い」の主題歌「Over the Rainbow」の音色で呼び出していた。だが静江が引っ越して以来、そのネコが姿を見せなくなったため、美沙と美央に同じ曲を吹いて呼び出してもらいたいと考えている。

おばさん

ミホがアルバイトしている喫茶店の経営者。メイド服の店員が給仕するイベント「メイドDay週間」を企画し、臨時アルバイトにミホを雇う。オタク男子を撃退したミホに、このまま家の警護を任せたいと持ちかけてくる。

(いずみ)

梓の友人の女子高校生で、同じ水泳部員。涼にほのかな想いを抱いている。涼がご当地キャラのグッズを集めていると知り、梓と一緒にスタンプラリーに参加する。水泳部だが泳ぎには自信がないらしく、練習に時間がかかって出発が遅れたことを梓に謝る。

(りょう)

梓、泉と同じ水泳部に所属する男子高校生。穏やかな性格で、やわらかい口調で話す少年。スタンプラリーの最終地点でばったり出くわしたり、宝探しにやってきた植物園でボランティア研究員をしているなど、なぜか梓と泉が行く先々で遭遇することが多い。

(かおる)

泉の母親。なじみのお好み焼き屋が閉店することになり、その店で見つかった宝の地図を預かってくる。坂本竜馬記念館に勤めており、ご当地キャラの坂本竜馬バージョンをエサに、梓に宝探しを依頼する。

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