男子高校生と謎の生物
ごくふつうの男子高校生・日ノ輪泊は突然、担任教師から謎の生き物・カネノギの結婚相手に決まったと告げられ、一軒家での新婚生活を開始することとなった。日ノ輪は最初は戸惑っていたものの、カネノギのふさふさもふもふとした魔性の毛並みに魅了され、すぐに自分の境遇を受け入れてしまう。カネノギの謎に包まれた生態に一喜一憂する日ノ輪の日常生活が面白おかしく描かれている。また、二人が着実に愛を育んでいくほほ微笑ましい様子も、見どころの一つとなっている。
「嫁」は男子高校生
本作は性別に関係なく、人外生物の結婚相手に対して「嫁」という言葉が使われており、人外と人間が結婚した場合は人間側が嫁として認識される。日ノ輪泊をはじめとする男子高校生は、嫁という言葉には少なからず違和感を覚えているが、どんな肩書きであれ、登場するのは幸せそうな人外カップルばかり。日ノ輪がカネノギと生活を送る中で、嫁として徐々に親バカならぬ「夫バカ」になっていく。ちなみに男子高校生が嫁として扱われているが、BLとひとくくりにすることはできない、ジャンルを超えた魅力がある。
個性豊かな登場人物の夫婦生活
本作は日ノ輪泊とカネノギの夫婦をはじめ、さまざまな人外生物と人間の夫婦が登場する。たとえば高校でも、火鞍川曽良と手足の短い四足歩行の生き物・フワ井、木齋橋壱屋と包帯ぐるぐる巻きで実体のないツキツカ、土清世徹司とモノアイの双子・六と七、水小路依と白い大蛇のラウヒェンエッカーなど、さまざまなカップルが存在する。個性豊かな人外生物たちが男子高校生や女子高校生を妻に迎えて送る、仲むつまじい夫婦生活はほのぼのとしており、それぞれの関係性がユーモラスに描かれている。日ノ輪にとって妻となった高校生たちは自分と同じ境遇にあり、夫婦ぐるみでの接点も増えていく。
登場人物・キャラクター
日ノ輪 泊 (ひのわ とまり)
北神宮高校の1年B組に在籍する男子高校生。年齢は16歳。ある日、突然カネノギから嫁として指名されたことをクラス担任から伝えられ、結婚することになった。それ以来、区から譲渡された一軒家でカネノギと夫婦生活を始める。カネノギに対してさまざまな疑問を抱きつつも、流されやすく単純な性格のために現実を受け入れ、いつの間にかなじんでしまう。また、カネノギの魅力的な毛並みのとりことなり、カネノギと着実に愛を育んでいく。家事全般が得意で、日常的にカネノギの世話を焼いている。身長は169センチで、カネノギとは31センチの身長差がある。
カネノギ
正体不明の不思議な生物。ごくふつうの男子高校生・日ノ輪泊を学校のアルバムから選んで自らの嫁として指名し、夫婦となった。体長200センチで、頭頂部には耳のような二つの突起物と尻尾を持ち、二足歩行で歩く。その体型に見合わず俊敏な動きを見せる。全身がもふもふの毛並みで覆われており、日ノ輪を一瞬で魅了するほどの魔性の体毛の持ち主。つねにスカーフのようなものでほっかむりをし、アゴ下で結んでいる。主食はコンクリートのブロックや鉄骨、ベニヤ板などの町の廃材。区から譲渡された一軒家で暮らしているが、日ノ輪に甘える傾向があり、風呂やトイレにまでつきまとったり、学校についていったりしている。いつも日ノ輪の頭にかぶりついているが、甘嚙みであり、愛情表現の一つと見られる。言葉を話すことなく表情も乏しいが、日ノ輪を大切なパートナーだと思っている。
関連
人外さんの嫁はいない (じんがいさんのよめはいない)
相川有と八坂アキヲの漫画『人外さんの嫁』に関連する物語を集めたオムニバス作品。「人外さん」と呼ばれる人間ではない生物と人間の、あるいは人外さんにかかわる人間同士の交流を描く。本編とは異なるパラレルワー... 関連ページ:人外さんの嫁はいない
書誌情報
人外さんの嫁 全14巻 一迅社〈ZERO-SUMコミックス〉
第1巻
(2016-09-24発行、978-4758032308)
第14巻
(2022-07-25発行、978-4758037662)
人外さんの嫁 一迅社〈IDコミックス〉
vol. 2
(2017-02-01発行、978-4758032568)
vol. 3
(2017-08-01発行、978-4758033022)
vol. 4
(2018-02-01発行、978-4758033299)
vol. 4
(2018-02-01発行、978-4758033305)
vol. 5
(2018-07-01発行、978-4758033565)
vol. 5
(2018-07-01発行、978-4758033572)
vol. 6
(2018-10-01発行、978-4758033886)
vol. 7
(2019-01-01発行、978-4758034074)
vol. 8
(2019-06-01発行、978-4758034371)
vol. 8
(2019-06-01発行、978-4758034388)
vol. 9
(2020-02-01発行、978-4758034876)
vol. 10
(2020-07-01発行、978-4758035224)
vol. 10
(2020-07-01発行、978-4758035231)
Vol. 11
(2021-01-01発行、978-4758035705)
Vol. 12
(2021-06-01発行、978-4758036108)
Vol. 13
(2021-12-01発行、978-4758036771)







