概要・あらすじ
高校1年生の江塔蘭世は、間壁亜論という彼氏がいながら、どこか謎めいた転校生の真柴シュンが気になり惹かれていく。実はシュンは魔界の王子で、掟により、不吉とされる双子の弟の亜論を殺すために人間界に来たのだった。しかし、双子が不吉だという言い伝えは千年前の双子戦争によるもので、その戦争自体も王位を巡って王の弟ゼクタに引き起こされた陰謀であった。
そのことを知った蘭世とシュンは協力し、再び悪霊となって現代に蘇ったゼクタに立ち向かう。
登場人物・キャラクター
江塔 蘭世 (えとう らんぜ)
高校生の少女。間壁亜論と付き合っていたが、真柴シュンに惹かれていく。何事にも前向きな考え方で明るい性格。人間でありながら、人間界と魔界、冥界を行ったり来たりできる。人を魅了する不思議な力で複雑な問題を解決していく。
真柴 シュン (ましば しゅん)
魔界の王子で間壁亜論とは双子。魔界に婚約者フィリル=アルヴィナがいるが、親が決めた許嫁であまり気が向いていない。亜論を殺すためにやってきた人間界で江塔蘭世に会い、運命に翻弄されながらも、自分の進むべき道を見出していく。蘭世に惹かれているが、照れ屋な性格のためになかなか態度に出せない。人間界では蘭世の家に居候しており、魔界の能力を指輪に封じ込めて、髪も金髪から黒髪になっている。
間壁 亜論 (まかべ あろん)
人間の世界では高校生だが、本当は魔界の王子で真柴シュンとは双子の兄弟。魔界では双子は不吉とされたため産まれたばかりの時に人間界に捨てられ、希望を失くして森を彷徨(さまよ)ううちに今の両親に拾われた。シュンが現れてから、自分の生い立ちや運命を知る。江塔蘭世に失恋してからは、魔界でシュンの元婚約者であったフィリル=アルヴィナに出逢い心惹かれる。
スワンド=ルー (すわんどるー)
真柴シュンの身の安全を図るため、お供として常にシュンの周囲にいる。しかし実はアンドルフ=ガレフ=シュナイザの命令も受けていて、時々シュンのことを報告している。普段は姿を現さず、シュンや江塔蘭世に呼ばれると出てくる。昔、一族で問題を起こし追放されそうになった時に、まだ少年だったシュンが側近としてスワンド=ルーを引きとることになり、そのことに恩義を感じている。 本当の姿は魔獣で、背中に大きな羽根が生えている。
ダーク=カルラス (だーくかるらす)
シュルツ=ドレン=ロウディンが独身の時に、魔獣であるサリエラとの間にもうけた子供。複雑な環境に育つ。真柴シュンの従兄でもある。父の命令でシュンを魔界から永久追放しようとしていたが、江塔蘭世たちと関わるうちに考え方が変わり、父に疑問を持つようになる。
ケイン=アラシュ=ロウディン (けいんあらしゅろうでぃん)
ダーク=カルラスの腹違いの義弟。明るく活発な性格だが病弱で、周りに友達がいなくいつもメイドが遊び相手。魔界にやってきた江塔蘭世と仲良くなり、兄や父の言うことを聞かずに蘭世たちと人間界に行ったりする。
アンドルフ=ガレフ=シュナイザ (あんどるふがれふしゅないざ)
現在の魔界の王。威厳があり魔力も高いが、弟のケイン=アラシュ=ロウディンの陰謀に気が付かない。眠りから醒めない妻ターニア=ラーセル=ファリスの部屋で、1人物思いに耽る一面もある。命令に背く真柴シュンに対しても切り捨てられず、残酷になりきれないところがある。江塔蘭世とシュンの交際には反対している。
ターニア=ラーセル=ファリス (たーにあらーせるふぁりす)
魔界の王妃で真柴シュンと間壁亜論の母。2人を産んだ後、長い眠りについていたが、実はゼクタがとり憑いていたケイン=アラシュ=ロウディンに、冥界の薬を飲まされていた。シュンと亜論がターニア=ラーセル=ファリスの手を握り祈ったことで眼を醒ます。
ガルーシュ=ヴァーレン (がるーしゅゔぁーれん)
千年前の魔獣一族の族長。魔獣でありながら、ジャン=カレル=ウォーレンサと深い友情で結ばれていた。ナミル=ヴァーレンと婚約していたが、結婚式当日に王位を狙うゼクタの陰謀でナミルを殺され、ジャンのせいだと勘違いして戦い、人間界の双星神社に封印される。
ナミル=ヴァーレン (なみるゔぁーれん)
ガルーシュ=ヴァーレンの婚約者。王家専属の医療チームの一員。明るく物怖じしない性格で、密かにジャン=カレル=ウォーレンサが憧れていた女性でもある。魔族と魔獣族の初めての結婚式となる予定だったが、当日にゼクタの陰謀により殺される。
ジャン=カレル=ウォーレンサ (じゃんかれるうぉーれんさ)
千年前の魔界の王子でアレンの双子の兄。普段は穏和で優しい雰囲気だが、怒りの感情が爆発するとコントロールできなくなる。千年前に叔父であるゼクタの陰謀で父を殺され、親友だったガルーシュ=ヴァーレンも失い、自ら意識体のみとなって弟アレンの中に入る。
アレン
千年前の魔界の王子で、ジャン=カレル=ウォーレンサの双子の弟。明るく社交的な性格でジャンとも仲が良かったが、彼が魔獣であるガルーシュ=ヴァーレンと親しくしているのを不満に思っていた。叔父のゼクタにそそのかされてジャンと対立し、結果人間界まで被害が及ぶような大混乱を巻き起こす。その後、ジャンの意識を自身の中に受け入れて一心同体となり、完璧な王となった。
シュルツ=ドレン=ロウディン (しゅるつどれんろうでぃん)
現在の魔界の王であるアンドルフ=ガレフ=シュナイザの弟であり、ダーク=カルラスとケイン=アラシュ=ロウディンの父。王である兄の幸せを妬み、その弱い心に怨霊となったゼクタがとり憑く。王位を狙って真柴シュンや間壁亜論を殺したり追放しようとしたりする。自分の心と、乗り移っているゼクタの心が激しく葛藤し合っている。
ゼクタ
千年前の魔界の王の弟。王位を狙い、仲の良かった双子のジャン=カレル=ウォーレンサとアレンを仲違いさせる。しかし、計画は失敗し自決する。その後、怨霊となってゾーゴン=タバスにとり憑き死者の国の冥界を脱出。現王の弟シュルツ=ドレン=ロウディンにもとり憑き、再び千年前と同じ事件を起こそうとする。
フィリル=アルヴィナ (ふぃりるあるゔぃな)
小さな頃から真柴シュンの許嫁として、シュンだけを見つめて育ち愛情を持っている。美人だが性格は意地悪。魔界に来た江塔蘭世をメドゥーサ=タグに頼んで猫に変身させたり、自らの力で石に変えてしまったりする。最終的に婚約は解消され、失恋。その時たまたま魔界に来ていた間壁亜論と出逢い、惹かれていく。
メヴィーナ=タグ (めゔぃーなたぐ)
メドゥーサ=タグの姉で老婆の魔法使い。頭からブーケをかぶっている。いつもフィリル=アルヴィナと一緒に王宮にいて、何でも言うことを聞く。周りを混乱させる魔法を使うことも平気で、動物や別人に変身させたり、魔法の薬を作ったりもできる。
メドゥーサ=タグ (めどぅーさたぐ)
メヴィーナ=タグの弟。老翁の占い師で、魔界の外れの方の森に住んでいる。ブーケで口元を覆っており、江塔蘭世におばさんに間違われる。森に住んでいてダーク=カルラスやジヨルがよく尋ねてくる。魔界に起きようとしている危機に真っ先に気が付く。
ジヨル
ふらりと現れては街の人々に歌を唄って聞かせる自由な吟遊詩人で、子供たちに人気がある。混沌の樹海に楽器をつくるのにいい木があると聞きつけ出掛けるが、そばまで行くと不思議な歌が聞こえ、体中の力が抜けてしまうという体験をする。
ユリエル=カウァー (ゆりえるかうぁー)
冥界の女王。20年ほど前に先代の女王が逃げてしまったために、まだ幼かったユリエル=カウァーが女王となった。彼女は一生懸命職務に尽くしたものの、周囲からあまり信頼されず孤独だった。幼馴染で婚約者のルシオンだけが、唯一気持ちが通じ合う相手。真面目な性格で思いこむと周りが見えなくなる。
ゾーゴン=タバス (ぞーごんたばす)
冥界の魂の部屋の番人。王の弟ゼクタの怨霊に取りつかれていた。しかしそのことに気付かず、約20年前、当時の冥界の女王マリーンと人間界にかけ落ちする途中で、ゼクタの霊を冥界から魔界に連れてきてしまう。人間界での名前は田畑権三で京都の双星神社の神主。
マリーン
元冥界の女王。ゾーゴンに告白されるまま、女王の座を投げ出し一緒に人間界に行くも5年後に原因不明の病で他界。その時に「冥結晶」を残す。引き継ぎすることなく、女王の座を降りてしまったことを申し訳なく思っている。
ルシオン
ユリエル=カウァーの幼馴染で婚約者。魂の部屋の番人の息子。冥界にできた時空のひずみの穴を埋めるため、自ら穴に身を投じて人柱となるが、穴は閉じなかった。実際は怨念が渦巻いている穴の中で意識を失っているだけで、生きてユリエルと再会する。
江塔 望里 (えとう もうり)
江塔蘭世の父。売れない小説家。魔界研究をしており、その資料として骨董品を集めている。家計を支えて、切り盛りしてくれている妻の江塔椎羅には頭が上がらない。何があっても娘を信じて応援している。魔界の王様が家に忘れていった道具によって、蘭世と共に魔界に行くことになる。
江塔 椎羅 (えとう しいら)
江塔蘭世の母。仕事を持っており、江塔望里に代わって江塔家を経済的に支えているしっかり者。望里が買ってくる骨董品がガラクタにしか見えない。真柴シュンの同居などに経済的な不安を感じるが、イケメンに弱い一面があり、ついつい許してしまう。
江塔 鈴世 (えとう りんぜ)
江塔蘭世の弟で小学1年生。母に似てしっかり者で大人びたところがある。同居することになった真柴シュンをお兄ちゃんと呼び、仲良くゲームなどをして楽しんでいる。夏休みに行った海で行方不明になり、蘭世たちを慌てさせる。
神矢 瑶子 (かみや ようこ)
江塔蘭世の友達で、同じ高校に通っている。家はお金持ち。勝気で強気だが、根は単純な性格。真柴シュンのことが好きだが、特に蘭世をライバル視することもなく、むしろ2人の関係を認めて応援しているような節がある。
らんおばあちゃん
江塔蘭世の親戚のおばあちゃんで、20年前に夫と死別している。海の家「らんらん」を営んでいて、夏休みに真柴シュンがそこでアルバイトをすることになる。岬の岩場に近付くと人魚の仕業で人間が消えるという「人魚伝説」を蘭世たちに教える。
緒方 亮二 (おがた りょうじ)
海の家のライフセーバー。幼いころ人魚に助けられた記憶を持ち、それがもとでプロのライフセーバーを目指すようになった。龍一という歳の離れた兄がいて、彼から人魚が実在するという話を聞かされていたが、その兄を海の事故で亡くしている。
セイラ
テイルの姉。人魚の姿をしている魔界人。以前に海で人間の恋人を亡くしてから、いけにえを捧げるために人間を海に引きずり込んでいる。本当は寂しがり屋で、もう一度恋人に会いたいと願っている。真柴シュンにより魔界に強制送還される。
テイル
セイラの妹。セイラと同じく人魚の姿の魔界人。姉の気まぐれで海に引きずり込まれた人間を助けることもあり、小さなころの緒方亮二を助けたのも彼女であった。彼女を想うセイラにより、記憶を消され人間の姿になって亮二と再会する。
日比野 克 (ひびの すぐる)
江塔蘭世のアルバイト仲間。蘭世のことが好きだと想いを告げ、側にいられるのは自分だけだと言って、真柴シュンのことを諦めるよう蘭世を説得する。実はフィリル=アルヴィナに頼まれ、蘭世にシュンへの思いを断ち切らせるために人間界に来ていた魔界人であった。
ベース
関連
ときめきトゥナイト 真壁俊の事情 (ときめきとぅないと まかべしゅんのじじょう)
『ときめきトゥナイト』(1982年-1994年、りぼん連載。1982年-1995年、りぼんマスコットコミックス全30巻刊行。完結編「星のゆくえ」2000年。1998年-2000年、集英社文庫から全16... 関連ページ:ときめきトゥナイト 真壁俊の事情
ときめきトゥナイト それから
池野恋の代表作『ときめきトゥナイト』の続編。現代日本と魔界を舞台に、巨大彗星から地球を救って平和な日々を送っていた魔界人・真壁蘭世(旧姓:江藤)の日常と、彼女たちが魔界と人間界を巡る新たなトラブルに巻... 関連ページ:ときめきトゥナイト それから
書誌情報
ときめきミッドナイト 6巻 集英社〈集英社文庫(コミック版)〉
第1巻
(2011-11-15発行、 978-4086192941)
第2巻
(2011-11-15発行、 978-4086192958)
第3巻
(2011-12-16発行、 978-4086192965)
第4巻
(2012-01-18発行、 978-4086192972)
第5巻
(2012-02-17発行、 978-4086192989)
第6巻
(2012-03-16発行、 978-4086192996)