概要・あらすじ
ねこさんは、半年前からある女性の家に住み着いている。出会ったときは普通の猫だったが、ある日突然関西弁で喋りだした。飼い主さんは驚くが、やがてそんな状況にすっかり慣れていた。飼い主さんは、バイト先の先パイのことが好きだった。しかし、先パイに彼女がいることを知って、激しく落ち込んだ。そんな彼女の姿を見て、ねこさんは「いっそ告白してみたら」とアドバイスする。何もせずに引きずる恋より、盛大に振られるほうがいいというのだ。それを聞いた飼い主さんは、思い切って先パイに話しかけ、映画に行く約束をする。飼い主さんをけしかけたものの、少し心配になったねこさんは、先パイを偵察することにする。すると、彼は自分勝手で前時代的な価値観の男性だった。飼い主さんと先パイのデート当日、ねこさんは陰から2人を見守る。途中、通りすがりの人間の悩みを聞いてあげ、飼い主さんを見失いそうになりながらも、必死に後を追うねこさん。映画の後、お酒を飲んだ飼い主さんは、先パイに部屋で飲み直そうと誘われるが、それを断る。「今日のことは自分の彼女に内緒にしておいて」と告げる先パイと別れた飼い主さんは、ねこさんと一緒に帰路につく。「先パイは外で会ってみたら全然だった。自分は人を見る目がないのかな」と言う彼女。飼い主さんが彼の「都合のいい女」にならずにホッとするねこさんは、彼女の問いに大きくうなずく。翌日、ねこさんは「ねこでよければはなしききます」という看板を作成。街角で「話聞きます」屋を開き、いろんな悩みを持つ人の話を聞いてあげるというのだ。そして飼い主さんにも一緒に来てほしいという。人を見る目が養われるし、正体がバレそうになったときは腹話術師のフリをしてもらうためだった。こうしてねこさんは、1回100円で、さまざまな人の悩みを「ねこでよければ」聞いてあげるのだった。
登場人物・キャラクター
ねこさん
人間の言葉を話すオス猫。関西弁を話し、一人称は「おっちゃん」。正体は謎だが、豊富な経験に裏付けされたような深い話をする。いろんな人の悩みを聞いてあげるため、飼い主さんと一緒に街角に立ち、「話聞きます」屋を開業する。
飼い主さん (かいぬしさん)
ねこさんの飼い主の女性。雨の日に道端でねこさんを拾い、飼い始める。ある日突然しゃべりだしたねこさんに驚くが、やがて慣れていく。ねこさんと一緒に街角に立ち、「話聞きます」屋さんの手伝いをする。