ねこめ~わく

ねこめ~わく

二本足で立ち、服を着て、日本語を話す猫たちが暮らす世界に、召喚されることになった女子高生を主人公に描かれるコメディ。人間の文化を再現、維持しようとする猫たちが、情報不足や勘違いからおかしな騒ぎ繰り返すというのが毎回のパターンとなっている。1991年の第1話の発表以来、何度も掲載誌を変えながら続いてきたシリーズ作品であり、一時期はWeb連載となったこともある。現在はタイトルが『ねこめ(~わく)』と変更され、季刊誌での連載が続いている。

正式名称
ねこめ~わく
ふりがな
ねこめーわく
作者
ジャンル
ファンタジー
 
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概要・あらすじ

ごく普通の女子高生だった村上百合子は、ある日突然たちが人間のように暮らす別世界の地球に召喚されてしまう。たちの話では、その世界の人間たちは遥かな昔にたちを進化させ、宇宙の彼方に去って行ってしまったらしい。たちは人間の文化を維持することこそ自分たちの使命と考えているのだが、その地球で唯一の人間であるヘンリヒ・マイヤーは、アレルギーで嫌いなため、なかなか協力してもらえず、窮余の策として魔法(?)の儀式で別世界の人間である百合子を呼び出すことにしたというのだ。

こうして百合子は、不定期にの世界に呼び出される、ちょっと普通でない女子高生になってしまったのであった。

登場人物・キャラクター

村上 百合子 (むらかみ ゆりこ)

どういうわけだか、知性化された猫たちが暮らす別世界の地球に召喚されることになってしまった女子高生。本人はごく普通だと思っているようだが、状況適応力は非常に高く、猫の世界にも異世界の宇宙飛行士(=軍人)であるヘンリヒにもあっという間に慣れ、その扱いを身に付けた。猫の世界にいられる時間は、1回の召喚につき1時間だが、召喚の儀式を猫たちが連続して行うことで延長が可能である。 作中の時間経過により、女子高生から浪人生を経てめでたく女子大生となった。

ヘンリヒ・マイヤー (へんりひまいやー)

猫の世界で唯一の人間だった男。亜光速宇宙船のテストパイロット。地球に帰還してみると、ウラシマ効果により数千年が経過しており、その上、人間に知性化された猫たちが文明を維持していたという世にも数奇な運命を辿る。さらに悪いことに、猫の毛アレルギー&猫嫌いだったため、百合子が召喚されるまでは、自分の運命を呪いまくっていた。 漢方治療によってアレルギーは克服できたが、基本的には猫嫌いのままである(ただし、子猫は例外らしい)。物言いはひねくれているが、百合子のことは気に入っている。

オスカ・ヨーリス (おすかよーりす)

2人目のテストパイロット。百合子が猫の世界に召喚されるようになってから、地球に戻ってきた。ひげ面の大男で、ヘンリヒとは逆に、猫が大好き。しかし、声が大きい、動作が騒々しい、すぐ猫たちを抱き上げる、などなど、猫たちには好まれないタイプである。ヘンリヒとは出発以前からの同僚であり友人同士だが、厳密にはオスカの方が先任仕官であり、地位は上であったらしい。

マデリン・エンダゼン (までりんえんだぜん)

地球に戻ってきた3人目のテストパイロットで、オスカの元婚約者だった女性。オスカがテスト航行に出たまま行方不明となってしまったため、別の男性と結婚していた。生真面目な性格で、死んだと思っていたオスカとの再会を喜びつつも、気まずい思いを抱く。猫は苦手で、初登場時にはその目を直視できないほどだったが、次第に慣れた模様。 なお、作中の会話によれば、テストパイロットは彼女で打ち止めであるらしい。

シマシマ・ハヤカワ (しましまはやかわ)

『ねこめ~わく』に登場するトラジマの雄猫。本業は弁護士とのことだが、作中では仕事に関する描写はなく、百合子を初めとする人間たちのお世話役を主に務めている。百合子やヘンリヒたちの言動から人間の習俗や文化を学び、それを広めようとするが、たいていの場合、情報不足や勘違いからおかしな事態が発生する。

クロフ・J・カーター

『ねこめ~わく』に登場する雄の黒猫。シマシマと共に人間たちの前によく登場する。本業は株式仲買人とのことだが、やはりその描写はない(ただし、「客に大損させたこともある」という説明がある)。人間を崇拝・妄信する猫たちの中では、ほぼ唯一人間を批判的な目で見ている存在で、ヘンリヒに逆らうことさえある。初登場時は独身であったが、あるエピソードで登場した新聞記者の三毛猫マーコと結婚することになった。

集団・組織

進化管理委員会 (しんかかんりいいんかい)

『ねこめ~わく』に登場する謎の組織。猫たちを進化させて地球を去った人間たちの末裔であるらしい集団。ヘンリヒの地球帰還を予測して、宇宙の彼方から地球に通信を送ってきた。その断片的な通信によれば、進化管理委員会は地球の猫たちの進化への干渉を避けるために猫たちと接触することができず、また地球から6光時以内に入ることも許されていないこと、ヘンリヒたち過去の宇宙飛行士たちを回収する意思があるらしいこと、などが判明している。

うさぎ

『ねこめ~わく』に登場する種族。猫たちと同様に人間によって知性化されたらしいうさぎ。猫たちの地球とは別の惑星で暮らしていたが、やはり大昔に人間はどこかに去ってしまい、以後は自力で文明を進歩させてきたとのこと。宇宙船を作り、造物主である人間が住むはずの地球にたどり着くと、そこには猫たちしかいなかったため、猫が人間を追い出したと思い込んで攻撃を仕掛けてきた。 しかし、百合子に叱られたことで猫たちと和解する。

(ねこ)

『ねこめ~わく』に登場する種族。人間によって知性を持つように進化させられた猫で、作品の主な舞台である異世界の地球の支配的生物。サイズや成長速度は通常の猫(作品内では原猫)と変わらないが、二足歩行し、言語を操り、文明社会を築いている。猫たちの目下の最大の関心事は生身の人間である百合子たちの動向で、百合子たちの行動や発言は、逐一新聞などで全世界に伝えられている。 また、人間による知性化には無理があったらしく、極度の興奮や疲労に見舞われると一時的に先祖返りして獣の状態に戻ってしまう。

その他キーワード

猫たちの社会 (ねこたちのしゃかい)

『ねこめ~わく』の設定。主な舞台となる異世界の地球では、支配的種族である猫によって文明社会が継続している。ただし技術文明の大半は、人間たちが残していった工場から自動的に生産されてくる物資に頼っており、生産されない宇宙船などは猫たちには手が届かない技術となっている。さらに、ほぼ全ての猫が、人間の文明を再現・維持することに価値を見出しているため、良くも悪くも人間のそれをカリカチュアライズしたような社会・文化・文明に留まってしまっている。

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