概要・あらすじ
大正七年の東京、17歳の女学生花村紅緒は祖父母の代に決まった許婚として、陸軍将校の伊集院忍を紹介された。自分の意思を無視した縁談話に反発する花村紅緒だったが、屈託の無い好青年である伊集院忍に徐々に惹かれていく。
登場人物・キャラクター
花村 紅緒 (はなむら べにお)
大正時代の東京に暮らす17歳の女学生。陸軍将校である父の花村少佐と暮らし、女学校の跡無女学館に在籍。意思が強く、お転婆な性格。剣道の嗜みがあり、陸軍将校である許婚の伊集院忍とも互角に打ち合える腕前。 英語を話し、自転車を乗り回すモダンガールである。歌舞伎役者藤枝蘭丸や華族令嬢の北小路環は親しい幼馴染。シベリア出兵で伊集院忍が行方不明になった後、自立するために出版社の冗談社に就職し、女性記者となる。 大好物は鶏のつくね。酒好きで、酔うと暴れる酒乱でもある。
青江 冬星 (あおえ とうせい)
出版社冗談社の社長で、美男子。記者募集に応募してきた花村紅緒を採用した。男好きの母の所業に嫌悪感を持ち、女性アレルギーを持っていたが、さばけた性格の花村紅緒には心を許す。女性記者として活躍する花村紅緒に徐々に心惹かれていくが、許婚の伊集院忍を忘れられないことを承知しているので言い出すことは無い。
牛五郎 (うしごろう)
力持ち自慢の人力車の車夫。許婚の伊集院忍との縁談を嫌って家出した花村紅緒に絡むが逆に叩きのめされ、感服して子分となった。花村紅緒を「親分」と呼び、献身的に仕える。
北小路 環 (きたこうじ たまき)
花村紅緒の幼馴染の華族令嬢。同じ女学校の跡無女学館で学ぶクラスメイトであり、成績優秀な才媛。進歩的な女権論者でもあり、自分の意思で自立する女性を目指している。花村紅緒の許婚伊集院忍に密かに想いを寄せていた。 女学校卒業後は、雑誌社の女性記者となる。
伊集院伯爵 (いじゅういんはくしゃく)
花村紅緒の許婚の伊集院忍の祖父である華族。薩摩武士出身の時代錯誤な老人で、幕臣の子孫である花村紅緒を毛嫌いしていたが、後に和解。世間知らずで、財産を親戚に騙し取られてしまう。
伊集院 忍 (いじゅういん しのぶ)
薩摩武士出身の華族伊集院伯爵の孫であり、花村紅緒の許婚。母親がドイツ人のために金髪を持つ、陸軍少尉。華族出身のエリート将校ながら、部下思いで気さくな性格。互いの祖父母達が決めた縁談ながらも、快活な花村紅緒に心惹かれた。 しかし、上官である印念中佐の恨みを買った事でシベリア出兵へ派遣され、鬼松 慎吾軍曹達の小隊を率いて最前線で戦い、行方不明となる。
跡無女学館 (あとなしじょがくかん)
『はいからさんが通る』に登場する学校。花村紅緒が通う女学校。その幼馴染の北小路環も在籍している。卒業間際になった花村紅緒は、財産を親戚に騙し取られた伊集院家の家計を助けるために出版社の冗談社に就職し、通学しなくなる。
印念中佐 (いんねんちゅうさ)
花村紅緒の許婚の伊集院忍の上官である。尊大で陰険な性格。酒場で酔った花村紅緒と喧嘩をしたことから、その許婚の伊集院忍に恨みの矛先を向け、シベリア出兵の最前線に送り込む。
冗談社 (じょうだんしゃ)
『はいからさんが通る』に登場する出版社。青江冬星が社長を務める零細出版社。雑誌「冗談倶楽部」も発行している。花村紅緒が女性記者として採用された。
サーシャ・ミハイロフ侯爵 (さーしゃみはいろふこうしゃく)
ロシア革命から逃れて、飛行船で日本へ妻のラリサと亡命してきた白系ロシア人の貴族。シベリア出兵で行方不明になった、花村紅緒の許婚の伊集院忍と瓜二つの容貌をしている。
ラリサ
ロシア革命から逃れて、飛行船で日本へ亡命してきた白系ロシア人の女性。サーシャ・ミハイロフ侯爵の妻。夫に近づく花村紅緒を警戒する。
鬼松 慎吾 (おにまつ しんご)
花村紅緒の許婚の伊集院忍がシベリア出兵で配属された小隊の下士官であり、階級は軍曹。反抗的な兵士達で構成される小隊のリーダー格であり、上官として赴任してきた伊集院忍に反感を持つが、その部下思いの指揮に接し、意気投合。 敵軍の包囲下から脱出しようとして負傷し、脱落する。隻眼で左の頬に十字の傷がある。
花野屋 吉次 (はなのや きちじ)
花村紅緒の許婚の伊集院忍の戦友の内縁の妻であった柳橋の芸者。やくざ者達にも一目置かれている、美しい女丈夫である。夫が第一次世界大戦に出兵して戦死し、後を追って自殺を図るが伊集院忍に救われた。 その後、花村紅緒とも知り合い、良き理解者となった。
花村少佐 (はなむらしょうさ)
花村紅緒の父である陸軍将校。幕末の旗本である父親の決めた伊集院家との縁談を娘に薦めた。厳格な軍人だが、自由奔放な娘を理解している面もある。
藤枝 蘭丸 (ふじえだ らんまる)
花村紅緒の幼馴染。歌舞伎役者の家に生まれ、女形を務める美少年。大人しい性格で一歳年上の花村紅緒に密かに想いを寄せている。しばしば女装して、花村紅緒の側で手助けをするがトラブルを起こすことも多い、。
イベント・出来事
シベリア出兵 (しべりあしゅっぺい)
『はいからさんが通る』に登場する紛争。第一次世界大戦末期に起こったロシア革命の影響を食い止めるため、日本陸軍がシベリアに部隊を出兵した紛争。花村紅緒の許婚の伊集院忍が、上官印念中佐の差し金で最前線に送り込まれた。 部下の鬼松 慎吾達と共に敵軍に包囲された伊集院忍は脱出を図るが行方不明になった。
クレジット
原作
はいからさんが通る (はいからさんがとおる)
激動の大正時代を舞台に、花村紅緒とその許嫁の伊集院忍が波乱の運命に翻弄されながらも結ばれるまでを、詳細な時代背景や周囲の魅力的な人々とのドタバタを交えて描くロマンチックコメディ。第1回講談社漫画賞少女... 関連ページ:はいからさんが通る