ぱらいそロード

ぱらいそロード

かつて道士の父親から不老不死の法をかけられた少女と、普段は気弱だがキレると凄腕を発揮する拳法使いの青年。少女の父親を捜して旅をする2人が、行く先々の街で繰り広げる冒険を描いたアクションストーリー。道(タオ)をテーマとした世界観の物語で、作者の菅野博之が、「菅野博士」という別名義で執筆した作品。「月刊少年キャプテン」に掲載された。

正式名称
ぱらいそロード
ふりがな
ぱらいそろーど
作者
ジャンル
アクション
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概要・あらすじ

道士・谷神は娘のほのかに不老不死の法をかけ、その直後に行方をくらませた。それから10年。ほのかは、同じく谷神のかけた法により勇気を奪われたとともに、谷神を捜し出して自らにかけられた法を解かせようと旅を続けている。しかし、不老不死になるために画策する局長や、腹黒い曲仁道士らの追っ手が、ほのかたちの旅路を阻もうとする。

そして数々の戦いを経たほのかたちは、やがて世界の秘密にたどり着く。

登場人物・キャラクター

ほのか

道士・谷神の娘。父親である谷神に不老不死の法をかけられて以来10年間、少女の姿のままに過ごしてきた。法をかけた直後に行方をくらませた谷神を捜し出し、法を解かせるために武とともに旅をしている。敵と戦う際には、所持している水筒に入った「仙丹」という薬を飲んで丹術を発動。その際には髪の色が白く変化する。丹術の効果は強力だが、薬の効果が切れると、倒れるほど力を消耗してしまう。

(うー)

ほのかとともに旅をしている拳法使いの青年。普段は弱くて情けない性格だが、ほのかの危機の際にはキレて、すさまじい拳法の強さを発揮する。かつては、中央政府都市フリーベースの準一等市民で、都で一番の拳法の腕前を持っていた。ところが、谷神のかけた法により、勇気を奪われてしまった。ただし、ほのかを助ける時だけ、奪われたはずの力が出せるようになる。 先史文字を読むことができる。

局長 (きょくちょう)

不老不死を得るべく、ほのかの捕獲を企てている老人。中央政府都市フリーベースから、白、中、發に指令を出している。「ライフ・コーティング」という技術で体に延命効果を施しているが、現在はそれも限界に近づいており、早くほのかを捕らえようと焦っている。機械を使ったV.T(バーチャルトリップ)で、若返った姿になった世界でくつろぐのが趣味。

曲仁道士 (きょくじんどうし)

タオ信教の主席道士の老人。局長とも個人的なつながりを持つ。民からは聖人として崇められているが、実際は金の亡者。タオ信教に現世利益を約束しているが、そのためには高い金を出して札を買う必要があり、もちろんその効果はインチキ。しかし谷神の一番弟子だったこともあり、道士としての実力は確か。「仙丹」を飲んで力を発動したほのかの、丹術を跳ね返すほどの腕前を持つ。

谷神 (こくしん)

タオ信教の高名な道士。ほのかの父親。10年前に不老不死の法を完成させたが、その途端に法の秘密もろとも姿を消した。その際、ほのかに不老不死の法をかけ、別れ際に「自分はほのかを捨てるわけではなく、また神仙の道は人の道ではなかった」旨を言い残している。不老不死の法は完成したが、最愛の妻の死には間に合わなかった。

(ちゃん)

辺境をめぐる長距離バスの車掌を務める男性。妻と2人の子供が田舎にいる。ほのかたちを次の街まで乗せてあげたりと親切に接する。実は中央政府と通じており、その目的はほのかを捕獲する手助けをして、褒美をもらうことであった。のちに、自分が張になったのは10年前であり、その前の名が谷神であったという事実を武に告げる。

乱相 (らんしょう)

曲仁道士に仕えて10年あまりの男性。その法術の腕は確か。ほのかを倒すために丹術を使おうと考え、曲仁道士が所持していた薬のうち、人の体を変化させる「ダチュラ」と、盟友を得る術「小さき煙」の2つを譲り受けた。「ダチュラ」を特殊な形で使い、ほのかたちの探査を行うことができる。のちに、ほのかは自分の獲物であると考え、独断で鬼術四人衆と敵対。 「小さき煙」の術を使い、4人を相手に互角に渡り合う。

(ぱく)

局長の手下の男性。情報局のハンパ者だが、ほのかを捕まえるために局長に雇われて働いている。局長の気に障ると、頭にはめられたリングが締まり、苦痛を感じる。科学の力でほのかを捕獲しようとするが、用意した幻覚機の見せる幻覚が通用せず、返り討ちに遭う。情報オタクである。

(ちゅん)

局長の手下の女性。情報局のハンパ者だが、ほのかを捕まえるために局長に雇われて働いている。局長の気に障ると、頭にはめられたリングが締まり、苦痛を感じる。おちこぼれだが、プライドの高い美女。もともとは目的も知らずにほのかを追っていたが、途中で不老不死が目的であること知り、自分の美貌を永遠のものにするため、俄然やる気を出す。

(はつ)

局長の手下の男性。情報局のハンパ者だが、ほのかを捕まえるために局長に雇われて働いている。局長の気に障ると、頭にはめられたリングが締まり、苦痛を感じる。怪力の持ち主だが、頭は弱い。

愛奈 (あいな)

ヒーラー見習いの女性。眼鏡をかけている。ほのかが体調を崩した際、腕のいいヒーラーを探していたところで出会った。ほのかの体調不良が、「仙丹」の服用しすぎによる中毒症であり、その命があと1週間しか持たないことを看破。愛奈自身ではほのかを治せないが、治療のできるヒーラーに会うまでは、何とかほのかの身体を持たせると言った。 そのため、大修行場での修行をほのかに課す。

リアリー

仮面を被った男性のヒーラー。愛奈が知っている中で一番のヒーラー。張の出身の村であるアシッドに住んでいる。変人だが、死んでさえいなければ、どんな病も治せる力を持つ。どこに住んでいるのか、いつ現われるのか、すべてが謎に包まれている。なお、自分が癒すのは心のまっすぐな者のみで、ほのかの体調不良の原因である心の業は治せないと語る。 その正体は、夜になると現れる天籟の別人格。

天籟 (てんらい)

美形の道士の男性。ほのかを追う乱相に協力することになった。アシッドの村の施政官を務めている。もともとは、谷神の4人の直弟子のうちの1人で、一番若く有望株と目されていた。谷神に法をかけられて不老となり、12年前から年をとっていない。そのため、自身の身も心も、谷神と会ったために狂わされたと考えている。

(ふぁん)

情報局のトップ局員の男性。ほのかの捕獲にことごとく失敗してきた白、中、發に業を煮やした局長により、新たに送り込まれた。中たち3人を見下し、単独行動でほのかを追跡する。その際、トップシークレットの情報にアクセスしてしまい、宇宙の虚に触れて動揺。その後、乱相と戦闘の最中の鬼術四人衆と偶然接触し、身体を取り込まれてしまう。

鬼術四人衆 (きじゅつよにんしゅう)

自らの欲やコンプレックスをそのまま法術に乗せ、体を人外のものへと変化させる術を使う4人組。曲仁道士が、ほのか捕獲のために呼び出した。天籟すら、そのおぞましくも無類の強さに顔が青ざめたほど。強力な体術を使ったり、硬化した体を砕いて標的に当てたり、仲間の体を取り込んだりと、人外の力を持つ。

狂った男 (くるったおとこ)

シオの島で、はぐれ者たちの神として崇められている男性。本名はジュウ・バプティ。シオの島に来てから10年あまり、年をとることのない奇跡の人として扱われている。ほのかに出会った際、自分こそが谷神の娘であるほのかに浄化を受ける者だ、と頭を下げる。谷神から、「狂った男」のこと、「谷神」のこと、「ほのか」自身のことの3点を、ほのかに告げるよう託されていると語る。 中央政府もタオ信教も、彼を「狂った男」と呼ぶが、自分が果たして狂って見えるか、とほのかに問う。

ジャム

肩乗りサイズの生物。ほのかの父親である谷神がたどった道「レイ・ライン」がどこかを知る能力を持つ。ほのかが旅の途中で出会った老人から譲り受け、不老不死の秘密と谷神を見つけるために連れて行くこととなった。道中で谷神がらみの遺跡に到着した際、A.I.チップの原型を食べたことにより、しゃべることができるようになる。

その他キーワード

丹術 (たんじゅつ)

道(タオ)の秘術。仙道では薬を「丹」と呼び、「丹」を使って放つ法であるため、「丹術」と呼称される。「死を越える術」として、谷神が娘のほのかに託した。ほのかが所持している水筒に入った「仙丹」という薬を飲むと、強力な幻術を扱うことができるようになる。普段はほのかが身に付けている髪飾りにより、ある程度効力が制限されているが、この髪飾りがない場合には、能力が全開で放出されることとなる。

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