炎の剣

炎の剣

戦乱に巻き込まれた王女を託された一介の騎士が、伝説の宝剣を手に王女を守り抜くという、アラビア地域を舞台にしたアクションラブストーリー。「別冊マーガレット」の昭和48年3月号に掲載された。

正式名称
炎の剣
ふりがな
ほのおのつるぎ
作者
ジャンル
アクション
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概要・あらすじ

アラビア系の国家「アマルカンド」に、隣国のヨーロッパ系国家である「エクル」から、王女のヒルディアスが親善大使としてやって来た。彼女に付き従う騎士のアーネスト=ホフマンは、アマルカンドの王から、この豊かな国が野心的な隣国の「マジャハール」や「アブドール」から狙われている事を知らされる。その日の夕刻に始まった、マジャハールとアブドールによる東西からの攻撃によって、国家存亡の危機に陥った事を悟ったアマルカンドの王は、王家に代々伝わる伝説の宝剣をヒルディアスとアーネストに託し、彼女たちをエクルへと逃がすのだった。

しかし、危険な逃避行の途中で奴隷商人のもとから救い出した少年アリィを仲間にした一行は、宝剣を狙う軍隊の襲撃によって砂漠の真ん中で散り散りになってしまう。

数日後、奇跡的に再会を果たした三人は、アリィの故郷であるハッサムへと流れつき、自分たちが所持している宝剣が、全アラビアを支配できる炎の剣である事を知るのだった。その後、アリィの姉であるサロメの密告によって、軍隊に捕らわれてしまうアーネストとヒルディアスだったが、二人がアリィを救ってくれた事を知ったサロメは、二人を逃がしたうえで宝剣を奪って逃走。

マハジャールとアブドールの軍隊を相手に、最後の勝負を挑むアーネストの姿を見たヒルディアスは、手にした炎の剣に「アーネストをたすけて!」と一心に祈りを捧げるのだった。

登場人物・キャラクター

アーネスト=ホフマン

ヨーロッパ系の国家である「エクル」の騎士。実直な性格のうえ、隣国に名が轟くほど腕が立つ事から、エクルの王女であるヒルディアスの従者として、護衛役を任されている青年。有能ではあるが無口で何を考えているのかわかりにくく、さらに人の心を見透かすような輝く瞳を持っているため、ヒルディアスには少し煙たがられている。友好国であるアラビア系国家「アマルカンド」をヒルディアスと訪問した際に、突如として始まった戦争に巻き込まれ、アマルカンドの王から伝説の宝剣・炎の剣を授かり、エクルまでの逃避行を開始する。 軍隊に追われる差し迫った状況の中、厳しくも優しい態度でヒルディアスを鼓舞し、彼女の心の支えとなる。白い鷹であるサムソンが相棒。

ヒルディアス

ヨーロッパ系の国家である「エクル」の王女。非常に気が強く、形式ばった事が嫌いな、天真爛漫な少女。友好国である「アマルカンド」に親善大使として赴いた際に戦争に巻き込まれ、従者のアーネスト=ホフマンと共に、エクルへの逃避行をする事になる。奴隷商人にさらわれそうになった少年アリィを見捨てる事ができず、正体が発覚するリスクを承知で助けようとするなど、本当は心優しい性格をしている。 冷徹に振る舞うアーネストの事を最初は煙たがっていたが、逃避行の中で徐々に心を通わせていく。アリィからは「ヒルダ」という愛称で慕われていた。

マーカス

頭にターバンを巻いた男性。参加した武術大会でアーネスト=ホフマンと戦い、7回にわたって引き分けている凄腕の剣士。逃避行中のアーネスト一行の前に姿を現し、アーネストを倒して炎の剣を奪おうとする。非常に誇り高い性格をしている。

アリィ

すばしっこくて元気な少年。故郷の街から奴隷商人にさらわれ、奴隷として使役されそうになっていたところを、ヒルディアスの命を受けたアーネスト=ホフマンによって救い出される。以後はヒルディアスの事を「ヒルダ」と呼んで慕っていた。身が軽く、木のぼりが得意。

サロメ

踊り子の女性で、アリィの姉。「ハッサム」に逃げ延びたアーネスト=ホフマンたちの仕草や雰囲気から彼らがよそ者だと一目で見抜き、軍隊に密告して捕らえさせる。しかし、アーネストとヒルディアスがアリィを助けてくれた事を知り、せめてもの罪滅ぼしとして彼らを解放する。

サムソン

珍しい白い鷹で、アーネスト=ホフマンの相棒。アーネストの戦闘時には縦横無尽に飛翔して対戦相手をかく乱したり、砂漠で迷子になったヒルディアスをオアシスに導くなど、とても頭がいい。

その他キーワード

炎の剣 (ほのおのつるぎ)

美しい宝剣。アマルカンドの王家に伝わっていた伝説の剣で、所持するものは全アラビアを支配すると言い伝えられている。その力を欲した「マジャハール」や「アブドール」の王から狙われていた。刀身には、戦いある時にはそれを諫め、平和を呼ぶという、守り神としての言葉が彫り込まれている。

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