概要・あらすじ
少女ドーナは、広い邸宅で母と暮らしている。母は常に「世界はこの家だけしか存在しない。家を取り巻く森の外には何もない。おとうさんは森のなかで怪物に襲われて殺された」とドーナに語り、家の外に出るのを禁じている。ドーナが母以外に接する人間は、上の階にある「学校」の「先生」のみである。ドーナの12歳のパーティ(参加者は母とドーナの二人だけだが)の翌日、ドーナは母が倒れているのを発見し、そしてすべての真実を知るのだった。
登場人物・キャラクター
ドーナ
金髪でセミロングの少女。苗字は不明。作中で12歳になる。ママから常に「世界はこの家だけしか存在しない。家を取り巻く森の外には何もない。おとうさんは森のなかで怪物に襲われて殺された」と聞かされている。家の外には出ないようにしつけられ、ものごころがついた頃から、ママと広い邸宅の中だけで暮らしている。 母以外に会うのは、4階にある学校にいる、尼僧の格好をした「先生」だけ。しかし、ある日ドーナは屋上にある「禁断の扉」を開き、森より外の光景を見てしまう。そのことを「先生」に話した翌日、ママはドーナの12歳のバースディパーティを開く(参加者はママとドーナの二人)。そしてその翌朝、ドーナはママが倒れているのを発見し、すべての真実を知るのだった。
ママ
ドーナの母。名前・年齢は不明。「世界はこの家だけしか存在しない。家を取り巻く森の外には何もない。おとうさんは森のなかで怪物に襲われて殺された」と娘に語り、娘が邸宅の外へ出ることを禁じた。強圧的な口調で話す。広い邸宅で、娘と暮らしている。娘の12歳のバースディパーティの翌朝に、倒れているのを発見される。
先生 (せんせい)
邸宅の4階にある「学校」で、ドーナに「世界の成り立ち」などを教えている。尼僧の格好をして、フードを深く被って顔を見にくくしている。だが、少し見えた容貌はドーナの母によく似ていた。
場所
ドーナとママが住む邸宅 (どーなとままがすむていたく)
ドーナとママが住む広大な邸宅。ドーナの父が建てた。ママは「この家が宇宙で、創造主はおとうさま」とドーナに語る。ママはドーナの誕生日ごとに新しい部屋を与えており、6歳のときは4階の「学校」、7歳のときは遊戯室、8歳のときは音楽室、9歳のときは1階の台所、10歳のときはプレイヤーのある部屋、11歳のときは四角い庭園、そして12歳のプレゼントはエレベーターだった。 これ以外にも、まだ百の禁断のドアがあり、ドーナが20歳になった時に全て与えられるはずだった。
クレジット
- 原作
-
レイ・ブラッドベリ
関連
『Bradbury傑作選』シリーズ (ぶらっどべりけっさくせんしりーず)
萩尾望都がレイ・ブラッドベリのSF短編小説を漫画化した作品集。 関連ページ:『Bradbury傑作選』シリーズ