概要・あらすじ
織田信長の家臣として仕えながらも、戦での武勲より茶の湯や茶道具に入れ込む武人・古田佐助(後の古田織部)。だが、その数寄者ぶりゆえの行動が縁となり千利休の弟子となったことで、彼は戦国乱世の激動の渦中に関わることに。
「武」と「数寄」の間で心揺れながらも、古田 織部は数寄の天下を取るべく奔走することに。
登場人物・キャラクター
織田 信長 (おだ のぶなが)
「天下布武」を掲げて天下取りを狙う戦国武将の一人。能力があり従う者は重用する一方、従わぬ相手は容赦なく滅ぼす苛烈な一面も。織部に大陸進出の夢や人心掌握の術を語るなど彼を見込んでいたが、「本能寺の変」で命を落とすことに。
徳川 家康 (とくがわ いえやす)
三河一帯を収める戦国武将。質実剛健で実直な性格の持ち主で、茶の湯や数寄にはあまり興味は無い。さらに質素を旨とし贅沢を毛嫌いしているために、信長の供応の際に織部がこしらえた果物の盛り合わせに激怒したことも。
明智 光秀 (あけち みつひで)
織田信長の家臣団の一人で、民のことを第一に考える無私無欲の人物。日本の全てを織田家で掌握しようとする信長の野望を快く思わないことを秀吉に利用され、「本能寺の変」の首謀者として祭り上げられてしまう。
豊臣 秀吉 (とよとみ ひでよし)
織部とともに織田信長の家臣団に属しており、その頃は「羽柴 秀吉」を名乗っていた。愛嬌のあるふるまいの反面、冷徹な計算と策略で戦や物事を動かすことを得意とする。織部同様に利休の弟子で、彼とともに信長を滅するべく「本能寺の変」を仕掛けるべく暗躍する。 織部とは同じ家臣団の縁と、「本能寺の変」の秘密を共有する者同士として繋がりを深めていく。
古田 織部 (ふるた おりべ)
信長の家臣団に名を連ねる武人だが、戦いよりも茶の湯に入れ込んでおり、自らの好みにかなう茶道具を手に入れるためなら武人にあるまじき行為も辞さない物欲の持ち主。千利休の弟子として一層茶の湯に傾倒するなか、「本能寺の変」を境とする政情の激変に翻弄されながらも、独自の美意識を育てながら、自分なりの数寄を極めようとする。
千利休 (せんのりきゅう)
戦国を代表する茶人で、「侘び寂び」を基調とする独自の美意識を世間に広めた。ある事件をきっかけに古田織部を弟子とし、彼の生き様に大きな影響を与える。織田信長に茶頭として仕えていたが、自分とは異なる美意識を持つ信長の天下取りを阻止するべく、後の歴史で「本能寺の変」と呼ばれる陰謀を画策する。