あらすじ
初対面の女性との疑似恋愛
母親の円堂富由美と二人暮らしをしている円堂周平は、富由美に頼まれて買い物に出かける。周平が必要な物を購入して帰宅すると、見知らぬ女性、泉亜沙乃がおり、彼女から付き合って欲しいと告白される。自分が女性からモテないことを自覚している周平は、亜沙乃に対して疑いの目を向けるが、亜沙乃は、息子を不憫(ふびん)に思った富由美から付き合ってくれないかと頼まれたことを正直に話す。すると周平は、亜沙乃と付き合わないと母親が悲しむと考え、亜沙乃と恋人の振りをして3か月後に自然消滅した形で別れることを提案する。一方の亜沙乃も、同じ会社に勤める富由美と気まずい雰囲気になりたくないからと、周平の提案を承諾する。こうして利害が一致した二人の疑似恋愛が始まる。翌週、映画のタダ券をもらった周平は亜沙乃を誘い、1日デートしている中で周平は亜沙乃への気持ちが変わっていくことを実感する。
亜沙乃の過去
円堂周平と泉亜沙乃が恋人を演じるようになって1か月経ったある日、二人は亜沙乃が昔よく行っていた居酒屋に向かっていた。亜沙乃は店の名物料理について楽しそうに話していたが、加奈に声をかけられたことで急におとなしくなる。加奈は亜沙乃に対して高圧的に振る舞い、いっしょにいた仲間と共に罵倒し始める。周平は亜沙乃を気遣って加奈に言い返したことで、なんとかその場は収まる。後日、大学時代に加奈とアマチュアバンドを組んでいたこと、プロになる件で喧嘩(けんか)別れしたことを知った周平は、亜沙乃が今でも加奈を大切な仲間と思っていることを感じ取る。そして周平は、亜沙乃と加奈の仲を元に戻したいと考え、一人で加奈のライブ会場に向かうのだった。
登場人物・キャラクター
円堂 周平 (えんどう しゅうへい)
泉亜沙乃と恋人の振りをしている男性。無造作な髪型に眼鏡をかけている。年齢は24歳。内向的でネガティブな性格で、中学時代から恋人はもちろん友達もいない。コンビニの夜間アルバイトとして働いており、自宅と職場を行き来するだけの退屈な毎日を送っている。母親の円堂富由美から泉亜沙乃を紹介されて付き合うようになるが、のちに亜沙乃が母親からお試しで恋人になって欲しいと頼まれたことを知る。しかし、母親を悲しませたくない思いから恋人同士を演じており、当初は他人行儀に接していた。だが亜沙乃から恋人のように振る舞われ、彼女の温かい人柄を知るにつれて亜沙乃に惹かれていく。
泉 亜沙乃 (いずみ あさの)
円堂周平と恋人の振りをしている女性。茶髪のセミロングヘアにしている。スタイル抜群な巨乳の持ち主で、年齢は26歳。明るくて社交的な性格で、面倒見がよくて気遣いもできる。同じ会社で働いている周平の母親、円堂富由美から、お試しで息子と付き合って欲しいと頼まれて安請け合いしてしまう。会社で富由美と気まずい雰囲気になりたくないとの思いから周平に告白。周平から怪しまれつつも、母親を悲しませたくない思いから、彼から恋人の振りをして3か月後に自然消滅した形で別れることを提案をされる。デートの時は本当の恋人のように振る舞って周平の反応を楽しむなど、お茶目で意地悪な一面がある。困った時に助けてくれた周平のことを頼もしく思うようになる。
円堂 富由美 (えんどう ふゆみ)
円堂周平の母親。恋人のいない周平のことを心配して、同じ会社に勤める泉亜沙乃にお試しで周平と付き合って欲しいと依頼する。周平と亜沙乃が付き合うことを知って泣いて喜び、二人のために最大限のサポートをしようと考えている。
加奈 (かな)
プロのガールズバンド「ネガエリ」で活動している女性。ベースを担当している。アマチュア時代は泉亜沙乃とバンドを組んでいたが、5年前にレコード会社からプロデビューする際に、音楽にかける考え方の違いから亜沙乃と喧嘩別れする。それ以降、亜沙乃に対して寂しさと怒りの入り混じった感情を持ち続けている。また、亜沙乃と付き合っている周平にも敵対心をむき出しにしている。
書誌情報
ぼっちの僕に強制彼女がやってきた 4巻 芳文社〈芳文社コミックス〉
第3巻
(2022-10-14発行、 978-4832239494)
第4巻
(2024-02-16発行、 978-4832203693)