あらすじ
第1巻
母の日に息子の間々田優斗と外出した間々田まもりは、突然、優斗といっしょに見知らぬ土地に転移させられる。困惑するまもりに対して、優斗はあこがれの異世界転移ができたことに感動し、これから始まるチート能力による無双冒険に心を躍らせる。情報収集するために近くの村に向かった二人は、村を襲うモンスター・サイクロプスと遭遇。優斗は自信満々にサイクロプスに攻撃を仕掛けるものの、あっさりと返り討ちに遭ってしまう。優斗が傷つけられたことに激怒したまもりは、サイクロプスを一発で殴り倒すのだった。翌日、ある程度の事情を把握したまもりと優斗は、元の世界へ戻るための方法を探すために人が多く集まる街へと向かう。
第2巻
魔王軍最高幹部の一人であるバエル・バラムによって強力な呪いをかけられた間々田まもりを回復させるため、まもりと間々田優斗は街で知り合ったマムスキー・シャズナブル、ノエル・エルアリアと共にノエルの故郷であるエルフの里を訪れる。しかし、エルフの里も黒い蝶によって謎の病気が蔓延(まんえん)していた。まもりとエルフの里の住人を治すため、優斗とマムスキーとノエルの三人は薬の材料となるモグラン狩りに出発する。モグランがいるダンジョンでモグラン狩りにきていたリルを仲間に加えて進んでいたが、罠によって優斗とリム、さらに優斗を心配してこっそりあとをついてきたまもりも穴に落ちてしまう。穴に落ちた三人は砂地のおかげで無事だったが、そこはモグランの住処で、三人はモグランに襲われるのだった。
登場人物・キャラクター
間々田 まもり (ままだ まもり)
異世界に転移した女性。身長159センチで、体重54キロ。スリーサイズはB108(Kカップ)・W64・H91。夫に先立たれたためシングルマザーとして息子の間々田優斗を育てているが、優斗への愛情が大きすぎて息子離れができないでいる。異世界に転移してもそれは変わらず、優斗を傷つける者には人間、モンスターにかかわらず容赦のないおしおきをする。異世界転移によってすべてのステータスが最大値となっており、ふつうの人間なら種火ができる炎系の初歩魔術でさえも家一軒を全焼させるなど、規格外の戦闘能力を誇る。
間々田 優斗 (ままだ ゆうと)
異世界に転移した少年。年齢は14歳。身長158センチで、体重53キロ。反抗期なため、母親の間々田まもりとは距離を取りたいと思っている。異世界へ転移して、チート能力で大活躍することにあこがれており、実際に異世界転移した時には大喜びしていたが、自分の能力値がすべて最低値だと判明すると、非常に落ち込んでしまう。それでも強くなるために努力を惜しまない努力家でもある。魔王が予言した「器」として魔王軍から狙われている。
ポルトフ
大都市チャータンで食堂を営む男性。無一文となった間々田まもりと間々田優斗を住み込みの従業員として雇う。料理の腕と共に人柄もよく、魔術を知らない二人に魔術の基本的なことを教える。
マムスキー・シャズナブル
冒険者として各地を転々しているヒューマン族の男性。年齢は20歳。身長182センチで、体重71キロ。冒険者の中でも0.1%未満しかいないとされる、最上級ランクであるSランクの実力者。剣での戦いを得意としており、つねに冷静で落ちついている。自分を生んだ時に母親が死んでしまったために母親の愛情を知らずに育ち、さらに魔術の才能がないことから家族からも冷遇されてきた。そのため、家を飛び出して仕える主君(ママ)を探すために流浪の冒険者となる。そして、理想に合致した間々田まもりのことを主君と認める。
ノエル・エルアリア
冒険者をしているエルフ族の女性。年齢は88歳、身長144センチで、体重37キロ。スリーサイズはB74(Aカップ)・W53・H75。冒険者ランクはBながら、魔術に関しては天才的な才能があり、転送魔術が使える。エルフの父親とダークエルフの母親のあいだに生まれた子供のため、エルフの里では厄介者扱いされており、50年以上前に自分を残して里を去った母親を見つけるために里を出る。マムスキー・シャズナブルに命を救われたことでマムスキーに好意を寄せるようになり、彼のストーカーとなる。
バエル・バラム
魔王軍の最高幹部「原初の六魔人」を務める男性魔人。実力と威厳を兼ね備えており、部下思いなため部下からの信頼も厚い。ストレス発散のためにパンツ一枚で誰もいない城内を歩いているが、他人には秘密にしている。同じ原初の六魔人のマヤー・サリルに思いを寄せているが、気持ちを伝えられずにいる。
リル
間々田優斗たちが、モグランのいるダンジョン入り口で出会った冒険者の女性。弱気な性格なため、ダンジョンに入れずにいた際に同じ目的の優斗たちに協力を申し出る。見かけの100倍以上のアイテムを収納できる魔道具を持ち、土竜との戦闘ではさまざまなアイテムを駆使して戦う。リムは仮の姿で、その正体は魔王軍の最高幹部「原初の六魔人」を務める「マヤー・サリル」。魔王が予言していた「器」を探して行動しており、優斗が器であることに気づく。その後、情報共有のために同じ原初の六魔人で、好意を寄せているバエル・バラムの城へ向かう。
モグラン
エルフの里の近くに生息する土竜(モール・ドラゴン)。地中に姿を隠して人前に出ることは稀だが、体の至るところが薬の材料となる。母親をヒューマン族に殺されたため、ヒューマン族に対して強い恨みがあり、罠にハマって目の前に落ちてきた間々田まもりや間々田優斗に対して問答無用に攻撃を仕掛ける。