概要・あらすじ
のちに現代のクレオパトラと称される、大道寺圭子という女性が大道寺グループに現れた。彼女は大道寺グループの膿を出すために多くの企業に足を運び、大道寺グループのさまざまな問題を解決していく。しかし、グループ内でその影響力を強めるにつれ、圭子は反圭子派に後継者として担ぎ上げられた弟の大道寺京也と対立せざるを得なくなっていく。
登場人物・キャラクター
大道寺 圭子 (だいどうじ けいこ)
大道寺グループの総帥である大道寺巌の娘。大道寺グループの「顔」ともいえる役割を果たし、消費者と企業の掛け橋を担う広報官。査察官でもあるが、本人は、巌の望むとおりに動いたり古い因習に囚われたりすることはなく、基本的に自分の判断で行動している。ミステリアスで何を考えているかわかりにくいが、カリスマ性が高く、さまざまな人間をその配下に置く。
大道寺 巌 (だいどうじ いわお)
大道寺圭子の父親にして、大道寺グループの総帥。圭子を後継として指名し、帝王学を学ばせてきた。物事の本質を見抜く目を持っており、企業戦略を打ち出したり、不祥事をもみ消さずに対応するなど、古い財閥らしからぬ判断力も兼ね備えている。
大道寺 京也 (だいどうじ きょうや)
大道寺圭子の実の弟で、大道寺グループの情報管理局を任されている。圭子に想いを寄せ、過去に彼女と2人で遊んだ記憶を大切にしているが、当の圭子には彼の好意が大道寺巌によって植えつけられた偽りの感情だと思われている。大道寺京也本人は偽りの感情とは思っておらず、純粋に圭子を慕っている。自分が反圭子派に後継者として担ぎ上げられていることも理解しているが、圭子の高いカリスマ性を認めており、反圭子派は圭子には勝てないと考えている。
大道寺 龍也 (だいどうじ りゅうや)
大道寺京也のスペアとして育てられてきた暴君の青年。スペアとしての自分の価値が気に入らない様子で、京也に代わって自分が大道寺グループを支配しようと目論む。しかし、大道寺圭子と京也にその計画を阻まれた後、大道寺霊子の色香に惑わされて、傀儡となる。
大道寺 霊子 (だいどうじ れいこ)
大道寺圭子のスペアとして育てられてきた女性。小さい頃からセックスマシーンとして育てられてきたことがあり、誰かれ構わず性行為をねだるようになった。そのため、彼女の存在を危険視した大道寺巌により、長い間幽閉されていた。大道寺龍也の手で解放されると、大道寺霊子は龍也を手駒にして自らの味方を増やし、圭子に対抗しようとする。
朱雀 燿子 (すざく ようこ)
大道寺圭子の護衛役。凛とした女性で、圭子を守ることを常に第一に考えている。戦闘技術の腕前は一流で、いつも動きやすいパンツルックの服装を好んでいる。堅実思考で、葵雅美とはよく喧嘩をしているが、それもコミュニケーションの一部だと考えている。
葵 雅美 (あおい まさみ)
ハッキングなどで情報を操作することに長けている、大道寺圭子の情報係の男性。元々は大道寺グループのご婦人たちに人気の華奢な少年で、圭子の慰みものとして連れてこられた。だが、ハッカーとしての才能に優れ、圭子のもとでその能力をいかんなく発揮するようになる。圭子に請われて、常に女装をしている。
水上 誠 (みなかみ まこと)
ジャーナリストの青年。妹の水上みちるが殺された事件「薔薇卍字殺人事件」を追ううちに、大道寺グループが裏で糸を引いていることを知り、大道寺グループの反圭子派に捕まりかける。しかし、大道寺圭子によって助けられ、圭子の配下のジャーナリストとなる。葵雅美のことを女性だと思っており、ほのかな想いを寄せている。
氷室 (ひむろ)
暗殺者の男性。当初は大道寺圭子を狙っていたものの、彼女のカリスマ性に惹かれて圭子派となる。あまり感情を出さない性格で、冷静沈着に物事を判断し、最も効率の良い方法で圭子を裏から助ける役割を担う。そのため、感情論で動く朱雀燿子とは何かと対立することが多い。
黒神 聖 (くろかみ ひじり)
大道寺圭子が「美のプロジェクト」を立ち上げる際に誘ったメンバーの1人。主にデザイナーとして、ファッションの監修を手掛ける男性。圭子の招集に対して最初は渋っていたが、その熱意に心を動かされてプロジェクト参加に同意した。
緑川 鏡子 (みどりかわ きょうこ)
大道寺京也の教育係を務める女性で、彼のことを愛している。京也が大道寺圭子しか愛していないことを知り、どんな手を使ってでも圭子を殺そうと考えている。叩き上げの人物で、出世のためには手段を選ばず行動してきた。
エリヤ
大道寺龍也のお付きの男性で、幻術使い。最初は龍也を担いで大道寺グループの実権を握ろうと画策していたが、龍也が大道寺霊子に入れあげてしまったため、使えないと判断し霊子のもとについた。敵対する圭子派の術師に敗北し、死亡する。
上条 (かみじょう)
大道寺圭子の性行為の家庭教師として選ばれた青年。毎日3回決められた時間にさまざまなバリエーションで圭子と性行為をするよう、大道寺巌に指示されている。行為を重ねるうちに圭子のことを守りたいと考え、2人で逃亡を図る。
大桜姫 (おおさくらひめ)
大道寺グループの専属の巫女。熊野の大桜神社に住んでいる。大桜姫は、大道寺圭子が大道寺巌の後継者として相応しいか託宣を行うため、圭子を大桜神社へ呼んだ。御神託を下す前に反圭子派のグループに犯され、言うことを聞くように脅されていたが、のちに圭子を後継者として認めた。
結城 (ゆうき)
大道寺総研に勤める男性。5年前に横浜で起きた「薔薇卍字殺人事件」を利用して新聞の一面を飾らせ、不正融資と利益供与が発覚したことが大々的に報じられないように工作した。水上誠は「薔薇卍字殺人事件」で殺された妹の仇をとるため、結城を告発しようとしていた。
安田 (やすだ)
大道寺グループが経営している、エリートを育成するための学校の校医を務める男性。児童精神医学のカウンセラー。その肩書きとは裏腹に、教員たちを強烈なマインドコントロールで操り自殺させていた。いつかは大道寺圭子を殺害する予定だったが、圭子が安田の計画を見抜いたため、殺害は失敗に終わった。
カツミ
大道寺圭子が社会勉強のために1人で外出した際に出会ったギャル。言動がちゃらちゃらしており、将来はブランドショップの店員になりたいと考えている。圭子のことは田舎から出てきた子だと思っており、色々なものをたかる。アキラとは恋人。
アキラ
カツミの彼氏だが、彼女のことをあまり大切に思っていない様子で、大道寺圭子にも迫った。パチスロで生計を立てている。麻薬の密売に手を出し、ヤクザに追い回されることになるが、圭子に助けられる。
田宮 丈一郎 (たみや じょういちろう)
水上誠の大学時代のサークル仲間の男性。恐喝など手段を選ばず情報を仕入れるジャーナリストで、業界内では評判が悪い。大道寺建設のブリッジ建設計画の裏側を知りすぎたため、大道寺建設の手の者に殺される。のちに水上によって、この事件が暴かれることとなる。
山室 正一 (やまむろ しょういち)
大道寺建設の営業部の男性。旧姓栗山。広島出身、西早稲田大学商学部卒業。在学中は水上誠と同じジャーナリズム研究会に所属していた。大道寺建設のブリッジ建設の工事の関係省庁や担当職員との接待や連絡を行っていた。ブリッジ建設のオープニングセレモニーで狙撃され、死亡する。
桐原 しのぶ (きりはら しのぶ)
大道寺デパートの販売員をしていた女性。やる気のない店員が多い大道寺デパートの中では珍しく客に真摯に対応する販売員で、潜入捜査をしていた大道寺圭子を大いに感動させた。そのため、大道寺デパートの支店長が解任された後、次の支店長に採用される。
大道寺 鉄玄 (だいどうじ てつげん)
大道寺鉱業の会長を務める男性。緑川鏡子が幾度も大道寺圭子の抹殺に失敗したため、大道寺鉄玄が圭子抹殺の指揮を取ることになった。女はすぐ付け上がるという考えを持っており、男尊女卑の考えを前面に押し出している。
鮫島 (さめじま)
芳野と恋仲になることで、芳野に犯罪を犯させようとした男性。端麗な顔立ちで、性技にも長けている。当初は女性発信の企画「プロジェクトE」の発表記者会見の場で大道寺圭子には答えられない質問をしてに恥をかかせようとしていたが、圭子がプレゼンターの役を降りて芳野に譲ったことで、その目論見は水泡に帰す。また、プロジェクトEで使う予定の有機野菜をダメな野菜にすり替えるなどの偽装工作も行っていた。
芳野 (よしの)
女性発信の企画「プロジェクトE」の責任者を務める女性。当初は大道寺圭子のことを企画をのっとりに来たただのお嬢様だと思い、毛嫌いしていた。鮫島と出会って恋仲になることで、雰囲気が柔らかくなり、圭子のことも悪く言わなくなる。彼女が圭子のカリスマ性に魅了される決定的な理由は、「プロジェクトE」の発表記者会見において、圭子がプレゼンターの役を降りて、芳野に譲ったことだった。
集団・組織
大道寺グループ (だいどうじぐるーぷ)
日本全国に知れ渡る百貨店、物流、ファッション、教育など、数多の業界に絶大な権力を誇る一大財閥。現当主は大道寺巌で、後継者に大道寺圭子が選ばれている。しかし、大道寺グループの中にも派閥があり、圭子が後継者になることを快く思わない人たちもいる。
圭子派 (けいこは)
大道寺圭子を大道寺グループの後継者として推す人々のこと。朱雀燿子、葵雅美、水上誠、氷室などが主な顔ぶれとなる。大道寺グループ内で事件が起こるたびに見事に解決してきた圭子の手腕やカリスマ性に惚れ込んで、後から圭子派となる人たちも多い。
反圭子派 (はんけいこは)
大道寺圭子が大道寺グループを継ぐと利潤が得られないなどの理由で、後継者から引きずり下ろそうとする人々のこと。主に後継者に大道寺京也を推すが、京也とは別に大道寺龍也や大道寺霊子を推す人たちも、反圭子派に含まれる。
クレジット
- 原作
-
村崎 百郎