概要・あらすじ
ひきこもりの冴えない童貞青年、大助は、凶暴化した母親に襲われ、危機一髪のところを宅配業者の男、吉田武男に助けられる。わけがわからぬまま車に乗せられた大助が久しぶりに見た外の世界は、男性の陰茎を食いちぎるために凶暴化した女性のゾンビ「女ンビ」の大量発生によって崩壊の一途をたどっていた。大助と同乗者の童貞、石川や久保田、そして美人女子高生の桜井春香は、逃避行の末に女ンビの襲撃でゾンビ化したオタクたちがひしめく屋内商店街、中野ブロードウェイにろう城することに。
サブカルの聖地でほかの生存者や、春香の姉で元レディースの桜井夏海と出会いながら生き残る術を探るうち、彼らは「処女を捨てた女性が女ンビになる」という仮説に行き着く。
登場人物・キャラクター
大助 (だいすけ)
ブサイクで冴えない童貞男。実家にひきこもって生活していたが、女ンビと化した母親に襲われる寸前のところを吉田武男に救助される。その後は2年半ぶりの外の世界に順応する間もなく、同じく吉田に助けられた生存者たちとともに女ンビからの逃避行を繰り広げることとなる。 生存者の1人である桜井春香に恋しており、女ンビ化の恐怖と童貞心からズレたアプローチを続けるが、危機に対しては男気を見せる一面もある。なお、女ンビに襲われた際にズボンを奪われて下半身が露出しているが、あえて代えを用意せず、自らのアイデンティティーとしている。
桜井 春香 (さくらい はるか)
茶髪でボブカットの容姿端麗な女子高生。自宅で女ンビ化した母親が父と兄を惨殺している姿を目撃し、自身も襲われそうになるが、吉田武男に救助される。その後、大助の家へ宅配中だったラブドールの箱に身を隠し、ほかの生存者たちと合流して行動を共にする。 また、貞操を守ることで女ンビ化を免れている。素直で清楚な性格もあって大助に惚れられており、本人もそれを自覚しているが、彼のヘタレな行動にしばしば幻滅している。
久保田 (くぼた)
吉田武男に救助された生存者の1人で、低身長、小太りの童貞男。寝たきりの祖母の医療保険と年金を頼りに2人暮らしをしていたが、祖母が女ンビ化したことにより逃走を余儀なくされる。5年間タクシードライバーをしていた経験があり、吉田の亡き後はバンを運転して生存者一行を中野ブロードウェイまで導く。 生存者のなかでは比較的年長者で、余裕を見せることも多いが、基本的には小心者。
石川 (いしかわ)
黒髪のロングヘアーにあごヒゲ、サングラスという風貌で、体格はかなりふくよか。自宅でBL本を読みながらオナニーしていたところを女ンビ化した母親に襲われ、吉田武男に救助される。クールな性格で、冷静な分析で生存者たちの逃避行をサポートする。童貞だと思われていたが、中野ブロードウェイ到着後にある事実が発覚する。
桜井 夏海 (さくらい なつみ)
桜井春香の姉で、妹のSOSをSNSで察知し、中野ブロードウェイに駆けつけて生存者たちに合流する。金髪ロングで妹と並ぶ美人だが、元レディースでかなり気性が荒い。処女を貫くことが硬派だと思っており、女ンビ化もしていないが、性関係の話題に耐性がなく赤面する一面もある。
吉田 武男 (よしだ たけお)
宅配ドライバーの中年男性で、性格はハードボイルド。宅配先で遭遇した生存者たちを次々と救助し、女ンビも難なく撃退するパワフルさを見せるが、背中に受けた傷により絶命。逃走用のバンを残してゾンビ化してしまう。
瑠奈 (るな)
中野ブロードウェイで出会った老人の孫で、処女のまま女ンビ化したと思われる10歳の少女。女ンビの治療法を見つけるため、老人とボーイフレンドの少年、慎太によって捕らえられていたが、トラブルに乗じて逃走。陰から大助たち生存者を監視するようになる。
場所
中野ブロードウェイ (なかのぶろーどうぇい)
『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ -童貞SOS-』に登場する施設。東京都中野区に実在する屋内商店街で、衣料品や生活用品、食品などの商業施設が一通り揃う。近年は新品、中古を問わず漫画、玩具、アニメ、ゲームなどのホビー関連を扱うテナントが大半を占め、「サブカルチャーの聖地」と呼ばれることも多くなった。 このことから、ゾンビ化したオタクが生前の記憶を頼りに結集しており、女ンビから逃れる生存者たちにとっては好条件の籠城場所として機能することとなる。
その他キーワード
女ンビ (じょんび)
『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ -童貞SOS-』に登場する用語。女性だけが発症し、ゾンビのような行動をとることから生存者たちの通称となっている。発症後は凶暴化し、生きた男性の陰茎を食いちぎる衝動に支配されるが、人間的な理性は保っている。また、女ンビ同士でレズビアンのような性交渉も行うようになる。 一方、女ンビによって負傷した男性は絶命し、理性を失ってゾンビ化してしまう。生存者たちの間では処女だけが発症すると推察されているが、瑠奈のような例外もあり、真実は定かではない。
ゾンビ
『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ -童貞SOS-』に登場する用語。女ンビに襲われて負傷した男性が発症し、死亡後に理性を失った生きる屍として徘徊するようになる。ただし、生前の嗜好は残っているらしく、ゾンビの行動原理となっている。生存者に危害を加える事はないが、女ンビに対しては強い攻撃性を発揮することから、大助たちの頼れる味方となる。
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