るなしい

るなしい

意志強ナツ子の代表作。現代日本を舞台に、宗教上の理由で恋愛を禁じられている少女・郷田るなが失恋を経験し、恋心を押し殺して好きになった相手を陥れようとする姿を描いた宗教サスペンス。意志強ナツ子はインタビューで、本作は自己実現を売りにした信者ビジネスをテーマに据えていると語っている。講談社「小説現代」2021年3月号から連載の作品。文藝春秋「週刊文春エンタ マンガ賞!」2022年(上半期)最高賞を受賞している。

正式名称
るなしい
ふりがな
るなしい
作者
ジャンル
宗教
 
片思い
レーベル
KCデラックス(講談社)
巻数
既刊3巻
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概要・あらすじ

登場人物・キャラクター

郷田 るな (ごうだ るな)

とある高校に通う女子で、「火神の子」として育てられた少女。おかっぱ頭のそばかす顔で、眼鏡をかけている。祖母が営む火神の医学鍼灸院で行われている信者ビジネスの要であり、るなの経血を用いた「処女のモグサ」は高額で販売されている。るなにも鍼灸の心得があり、通っている高等学校にモグサを持ち込み、広報委員会の仲間に有料で施術して好評を得ていた。クラスでは「宗教の人」と認識され、いじめられていたが、モグサで体調が改善した成瀬健章(ケンショー)によって、いじめから解放される。やがて、宿命に忠実な姿を褒めてくれた彼のことが好きになり、恋愛を禁じられた身でありながら告白するが、拒絶されて体調を崩してしまう。これを火神の罰と解釈し、ケンショーへの恋愛感情を捨てることを決意。復讐と嘯いて、ケンショーを信者ビジネスに取り込もうとするようになる。将来的に刑務所に収監され、幼なじみの石川スバルによって、るなの半生を綴った伝記「るなしい」が出版されることとなる。

成瀬 健章 (なるせ けんしょう)

郷田るなと同じ高校に通うクラスメイトの男子で、彼女をいじめから救った。愛称は「ケンショー」。長身で、端正な顔立ちをしている。気さくな性格で、岬という恋人がいる。家は貧しい母子家庭で、ビジネスでの大成を夢見ている。しかし、過敏性腸症候群のような持病があり、アルバイトにも苦労している。ある日、るなの「処女のモグサ」に興味を示し、彼女の施術で便通が改善した。これをきっかけに友人となり、彼女の「火神の子」としての生き方に美しさを見出す。るなから告白されると、美しさが失われたと感じて拒絶したが、罰ゲームによる偽りの告白だったとの弁解を真に受けて交流を再開する。その後、るなの祖母が営む火神の医学鍼灸院に招かれ、施術を通して自己実現の喜びに触れ、それが信者ビジネスだと理解しながら、鍼灸院の常連になった。やがて「家族との縁を代償に商才を得る」という契約を火神と交わし、卒業を待たずにビジネスを開始。女子の相談に乗って対価を得るうちにジゴロの才に気づき、その毒牙をるなに向ける。

書誌情報

るなしい 3巻 講談社〈KCデラックス〉

第1巻

(2021-08-23発行、 978-4065241868)

第2巻

(2022-04-13発行、 978-4065273494)

第3巻

(2023-02-13発行、 978-4065305546)

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