夢見る少女の片思いから始まる物語
昔から夢見がちな十時遥は、理想の男の子との出会いを夢見る妄想少女。そんな遥はある日の登校中、駅のホームから転落しそうになったところをクラスメートの雪村奏に助けられ、彼に理想の男性像を重ねて思いを寄せるようになる。しかし、奏は相手を寄せ付けない独特なオーラをまとい、誰にも言えない秘密を抱えていた。遥と奏の切ない恋愛模様が、ラブコメディを交えながら少女漫画風のタッチで描かれる。
秘密を抱えたクール男子×恋に恋するメルヘン少女
ヒロインの遥は、王子様のような男の子との運命的な出会いを妄想する、メルヘンチックな女の子。理想の男性像に近い奏に助けられて以来、少しでも距離を縮めようと奮闘するが、何度も遥のピンチを救ってくれる奏は、彼女をまったく寄せ付けないような拒絶的な態度を取る。そんな奏には、瀬人内はるかという入院中の恋人がいるが、彼女は事故に遭ってから3か月以上眠り続けていた。奏は毎日見舞いに訪れ、はるかのための勉強用ノートを準備したりと、彼女が目覚めるのを待ち続けている。
眠っていた恋人が目覚める
奏の秘密を知った遥だったが、彼の純粋さと優しさを改めて知ったことで気持ちが抑えられなくなり、思わず告白してしまう。そんな中、眠っていたはるかが目覚め、奏は遥からの告白に対し、友達でいてほしいと返事をする。はるかのことが気になって見舞いに訪れた遥は、そこではるかと奏の強い絆と、以前からある約束が交わされていることを知る。そして、奏とは友人でいようと心に決めた遥だったが、体育祭を前にして奏が学校を辞めると言い出したことで、事態が急変する。好きになってはいけない奏に恋をしてしまった遥のもどかしくも切ない恋愛模様の行方と、奏とはるかに隠された秘密も見どころになっている。
登場人物・キャラクター
十時 遥 (ととき はるか)
とある高校に通う女子。年齢は15歳。明るい茶髪をボブヘアにしている。夢見がちな性格で妄想癖があり、理想の男性との恋愛シチュエーションの妄想や願望をノートにしたためている。少々天然でドジな一面があり、登校時に駅のホームから転落しそうになったところをクラスメートの雪村奏に助けられて以来、彼に思いを寄せている。週番や居残り補習などの交流をとおして奏に恋人がいると知りつつも、彼の優しさに感動した勢いで告白する。
雪村 奏 (ゆきむら かなで)
十時遥と同じ高校に通う男子で、遥のクラスメート。母親と二人暮らしをしている。無口で無愛想なため、クラスメートからは根暗扱いされている。運動神経はいいが、文字や絵を描くのが苦手。朝も苦手で、遅刻することが多い。遥が駅のホームから転落しそうになったところを助け、彼女から思いを寄せられるようになる。誰に対しても冷淡な態度で他人が2メートル以内に近づくと違和感を覚えるが、本来は優しい性格をしている。実は、瀬人内はるかという同年代の恋人がいる。
書誌情報
サイレント・キス 2巻 講談社〈講談社コミックス別冊フレンド〉
第1巻
(2014-04-11発行、 978-4063419153)
第2巻
(2014-08-12発行、 978-4063419344)