概要・あらすじ
1802年のドイツ、バイエルン地方。首筋に醜い痣を持ち、心をかたく閉ざした若き女当主ミア・ファンション・グルンワルドのもとに、雨でくずれた崖からフランケンシュタインの怪物が掘り起こされて運び込まれた。怪物がその醜さから疎まれたことに自らの境遇を重ね、ミアは怪物に同情する。怪物にサイラスと名付けて日々を共にするうちに、ミアも館から外に出るようになり、領民たちにも心を開いていった。
だが、焼き畑のためにかけた火が森に移って山火事を起こす。ミアはサイラスを伴って山火事の現場に向かった。
登場人物・キャラクター
ミア・ファンション・グルンワルド (みあふぁんしょんぐるんわるど)
グルンワルド家の若き女当主。生まれつき首筋に大きな痣があり、両親からも忌み嫌われていた。そのため心は荒んで館に引きこもりがち。怪物も醜い外見のために人々から拒絶されていたことを聞いて同情。「外見よりも内面の優しさがあなたを輝かせる」と説教をした牧師にあやかって、怪物をサイラスと名付けた。 グルンワルド家で仕立てた服にサイラス・フランケンシュタインと縫いつけられていたため、これ以降もサイラスと呼ばれることになった。サイラスの影響で快活になったものの、まだスカーフを外して痣を人目にさらすことはできずにいる。
サイラス・フランケンシュタイン (さいらすふらんけんしゅたいん)
18世紀末にドイツのインゴルシュタットで医学生のヴィクトル・フォン・フランケンシュタインによって作られた人造生命体。数mはある巨体と表情のない顔、そして首に大きな電極がある。そんな醜い姿を呪ってヴィクトルの婚約者やその弟を殺害するなどの大惨事を起こし、姿を消したと噂される。 ミア・ファンション・グルンワルドに拾われ、サイラスの名前をもらう。噂される凶暴な怪物ではなく、子供や動物たちに慕われる心優しい存在だった。言葉を理解できるが、話すことはできない。命の恩人を殺された3作目でのみ、人間を襲っている。
クルト
グルンワルド家の小作人。ミア・ファンション・グルンワルドが最初にサイラスの世話をさせたが、激しくムチをあててこき使っていた。迷信深く、サイラスを受け入れることができず、信用していない。
ヴィクトル・フォン・フランケンシュタイン (ゔぃくとるふぉんふらんけんしゅたいん)
18世紀末にインゴルシュタットで怪物を作った医学生。怪物に婚約者とその弟を殺された恨みを抱いて、怪物の痕跡を追っている。4作目『炎の地平線』に登場。