アイアンナイト

アイアンナイト

人が豹変し、破壊を続ける生命体・ゴブリンが蹂躙する世界で、特殊な能力を用いて戦う少年たちの姿を描くバトル漫画。屋宜知宏の初連載作品で、「週刊少年ジャンプ」2014年1号から18号にかけて連載された。

正式名称
アイアンナイト
ふりがな
あいあんないと
作者
ジャンル
バトル
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概要・あらすじ

ある日、小学生の少年・丑鎮鉄平が目を覚ますと、自分の住んでいる勾玉町は人間よりも身体能力の高い怪物・ゴブリンによって崩壊状態にあった。ゴブリンはありとあらゆるものを破壊し、人間を殺戮。そんなゴブリンを相手に、最初は逃げまどっていた鉄平だったが、ある時、自分にもゴブリンになる能力があり、ゴブリンを相手に渡り合えることを知る。

鉄平は1人でゴブリンと戦いながら、姿を消した友人や家族など、生き残った人々を探す旅に出る。

登場人物・キャラクター

丑鎮 鉄平 (うしずめ てっぺい)

勾玉小学校に通っていた少年。元気で活発で、正義感が強い性格をしている。自分の父親で警察官の丑鎮京平を誰よりも尊敬しており、自分も将来は父親のような警察官になりたいと思っている。普段は父親が仕事で忙しいために、幼なじみの姫神翼の家に預けられている。翼の両親からも「いい子」と評されているなど素行もいい。世界崩壊後はゴブリン化して固い装甲を身にまとい、熱を操る能力を身につけている。

姫神 翼 (ひめがみ つばさ)

勾玉小学校に通っていた少女。丑鎮鉄平の幼なじみで、鉄平とは仲の良い友人関係を築きながらも、彼に対して淡い恋心を抱いていた。世界崩壊後は生きてはいるものの廃人のようになってしまい、感情の起伏がなくなってしまっている。

ユキ

世界崩壊後に丑鎮鉄平のもとに現われた少女。ウサギ型のゴブリンで、素早い動きと反応速度、足に生えた鋭い爪による攻撃を得意としている。また、冷気をまとっており、鉄平の能力で熱くなった身体を冷却することも可能。鉄平に対しては好意的で、鉄平と行動をともにする。

丑鎮 京平 (うしずめ きょうへい)

丑鎮鉄平の父親。警察官を務めている。昔は地元でも有名な悪ガキだった。鉄平の父親になってからは、警察官として市民の平和と自分の家庭を守る、正義感の強い人物となった。仕事柄あまり家に帰れないが、それでも鉄平からは憧れの対象として見られている。

倉持 和樹 (くらもち かずき)

勾玉小学校に通っていた少年。「カズモチ」の通称で呼ばれている。丑鎮鉄平とは小学校に入ってからずっと同じクラスで、月に一度はお泊り会をするなど、仲の良い友人同士。世界崩壊後は、母親とともに沼沢のもとに避難していたが、その道すがら父親がゴブリンに殺されてしまった。そのため、ゴブリンに対しては強い嫌悪感を抱いている。

倉持和樹の母 (くらもちかずきのはは)

倉持和樹の母親。息子の親友である丑鎮鉄平とは、月に一度のペースで家に泊めているので、顔なじみで仲も良い。世界崩壊後は、和樹とともに沼沢のもとに避難していた。子供を守るためであれば、その場の支配者である沼沢相手にも意見する正義感の強い人物。

桜山 謙持 (さくらやま けんじ)

国防陸軍三等陸佐の男性。そのリーダーシップと卓越した頭脳で、冷静に戦局を見通す力を持ち、世界崩壊後は多くの避難市民を率いて守っていた。部下からの信頼も厚く、菊田からも「世が世なら教科書に載るレベルの名将」と評されている。

菊田 (きくた)

国防陸軍軍曹を務める男性。桜山謙持の部下の1人。戦いを楽しむ戦闘狂で、戦争に関わる職に就く夢を叶えるため、この仕事を選んだ。崩壊後の世界を、以前の平和ボケした世界よりもよっぽど良いと思っており、ゴブリンが溢れかえる混沌の世の中を楽しんでいる。

松野 (まつの)

国防陸軍に所属する男性。桜山謙持の部下の1人。自分のやったことに対して責任を持たなかったり、肝心な所で的確な判断ができずに動けなかったりするなど、少々頼りない人物。密かに同僚の竹村に恋心を寄せている。

竹村 (たけむら)

国防陸軍に所属する女性。桜山謙持の部下の1人。美人で松野からも好意を持たれているが、竹村本人は、そのことにまったく気が付いていない。松野に比べると能力が高く、的確な判断もできるが、それに伴う行動力に欠けるところがある。

天地 善次郎 (あまち ぜんじろう)

ゴブリン化した人間を率い、世界崩壊を目論んだ人物。自身もゴブリンになっており、その能力は、傷ついたところを即座に回復するというもの。どのような攻撃も効果がなく、限りなく不死に近い存在。肉弾戦における攻撃力も高く、ゴブリン化した丑鎮鉄平の装甲をも貫く力を持つ。

烏葉 力男 (からすば りきお)

指定暴力団・鬼柳会系火塚組の構成員の男性。丑鎮京平に捕らえられていたが、世界崩壊後はゴブリンとなって警察署を脱走。丑鎮鉄平が初めて相対した人型のゴブリンとなった。ゴブリンとしては身体能力向上の他に、風を操る力を持つ。

沼沢 (ぬまざわ)

不良グループを仕切っていた男性。世界崩壊後はゴブリンとなり、倉持和樹が避難した場所の支配者となった。一般人を他のゴブリンから守る代わりに、奴隷のように扱っていた。ゴブリンとしての能力は酸の生成と放出で、長く発達した舌から酸を飛ばす遠距離攻撃が得意。

場所

勾玉町 (まがたまちょう)

丑鎮鉄平が住む町。世界崩壊前は何の変哲もない平和な町だったが、世界崩壊後はゴブリンによる破壊活動が行われて壊滅している。この町の住人の生き残りは、桜山謙持率いる国防陸軍の施設に避難をして生活している。

黒板広場 (こくばんひろば)

丑鎮鉄平が通う勾玉小学校にある、黒板の設置された広場。ここに願いごとを書けば叶うという言い伝えがある。ゴブリンが突如として出現した世界となってからは、避難する住人がこの黒板に数多くのエールを残しており、鉄平へ一縷の希望を残すきっかけとなった。

その他キーワード

アイアンファイア

丑鎮鉄平がゴブリン化した際に使用する必殺技。パンチを繰り出す時に手を爆発させ、そのエネルギーを打撃に乗せる。その性質上、至近距離でないと効果を発揮しないが、鉄平自身よりも大きなゴブリンを、はるか遠くへ吹き飛ばせるほどに威力は強烈。略して「A・F」と呼ばれることもある。

鬼骨砕き (おにぼねくだき)

丑鎮鉄平が、ゴブリン化した能力により鉄を溶かして作り出した武器。これまで殴る蹴るのみの近接攻撃しかできなかったが、リーチのある鬼骨砕きを使うことにより、攻撃のバリエーションが増えることになった。しかし、実際はただの細長い鉄板であり、武器としての特殊な機能はない。ちなみに「鬼骨砕き」の名は、鉄平と倉持和樹によって付けられた。

アイアンキャノン

遠距離攻撃が可能なキャノン砲。桜山謙持が丑鎮鉄平に持たせた。薬室の中に火薬をつめ、鉄平の能力で点火させて使用するというもの。謙持いわく、発射機構は「500年前の大砲よりもシンプル」だという。そのため、威力は高いものの正確な狙いをつけるのが難しい。

ゴブリン

人間が豹変した生命体。しかし、実際はこの姿こそが人間の原型であり、自分の本当の姿を自覚し、殻の形を保っていられなくなった人間が、ゴブリンの姿となる。そのほとんどが自我を失い、規格外のパワーを用いて破壊と殺戮を繰り返して、全人類にとっての脅威となる。しかし、稀に自我を失わず、その力をコントロールできる丑鎮鉄平のようなゴブリンも存在する。 そのような者は、人間の姿とゴブリンの姿を任意に使い分けることができる。

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