概要・あらすじ
昭和70年、愛知県綾金市。勤め先が倒産して無職となった田波洋一は、好待遇な上に社員は妙齢の女性ばかりという警備会社「神楽総合警備」に再就職することに。しかし、神楽という会社の真の姿は、現代社会の陰で暗躍する「化け猫」と呼ばれる怪物の退治を専門とする、死と隣合わせの危険な職場だった。何度も命の危機に遭遇しながらも化け猫退治の業務を続けていく田波だったが、次第に、神楽という会社に隠された謎に気づき、政府も絡んだ化け猫をめぐる大きな陰謀に巻き込まれていくことになる。
登場人物・キャラクター
田波 洋一 (たば よういち)
神楽総合警備の新入社員であり、唯一の男性社員。勤め先が倒産して無職になっていたところ、高待遇に惹かれて神楽に入社した。入社直後はその苛酷さから「こんな会社辞めてやる」が口癖であり、入江省三に厚生省へとスカウトされることなどもあったが、結局神楽へ留まり続けることを選んだ。戦闘時にはボウガンをよく使用する。
菊島 雄佳 (きくしま ゆか)
神楽総合警備の社長。外見も性格も非常に子供っぽく、ほとんど小学生のように見える女性だが、年齢は不詳。社員たちに対して何かを隠しており、時折別人のような表情を見せる。戦闘時は主にボウガンを使用。
桜木 高見 (さくらぎ たかみ)
神楽総合警備の社員。田波洋一に対して好意を抱いている眼鏡の女性であり、コンピューターに強い。隠れオタクであり、過去にはやおい同人誌を描いていたほか、コスプレもしていた。戦闘時はバタフライナイフと手榴弾を主に使うほか、インラインスケートを履いての高速移動を行う。
蘭東 栄子 (らんどう えいこ)
神楽総合警備の女性社員で経理・事務担当。頼りにならない社長に代わり、実質的に神楽を取り仕切っている。金のことになるとかなりうるさい性格。戦闘時は、メリケンサックを嵌めての格闘戦が主。
梅崎 真紀 (うめざき まき)
通称「紅の流れ星」。神楽総合警備の女性社員。ルガーP08やモーゼルミリタリーM712を使う二丁拳銃の達人で、地元にいた頃にはヤクザ組織を壊滅寸前にまで追い込んだ経験もあるほどだが、「頭を狙っても体に当たってしまう」と語っており、人を殺した経験はない。往年の日活無国籍アクション映画で殺し屋が着ていたような白いスーツと帽子をいつも着用しているほか、映画めいたセリフをしばしば口にする。
姫萩 夕 (ひめはぎ ゆう)
神楽総合警備の女性社員。車の運転のスペシャリストで、「運転手は運転がお仕事」が口癖。愛車はホンダ・バモス。戦闘には積極的に参加せず、コンピューターにも弱い。運転をしていない時は寝ていることが多く、また、タバコに目がないヘビースモーカーでもある。
まや
かつて田波洋一が飼っていたが家族の反対で捨てられることになった猫が黒猫に拾われて化け猫となった存在。黒猫の命令で田波を監視することになり、神楽とともに行動するようになる。人間体でいるときは幼い少女の姿をしている。「まや」という名前は田波がつけたもので、「猫」を意味する沖縄方言から取られた。 化け猫の仲間からは一〇七と呼ばれている。
成沢 あゆみ (なるさわ あゆみ)
ハウンド所属。全体的に未熟でミスも多いが、射撃の腕前だけは非常に優れており、訓練ではトップの成績を取ったこともある。作戦中に知り合った田波洋一に好意を抱いている。
黒猫 (くろねこ)
化け猫の指導者的存在。普段はコートを着た男性の姿をとっている。化け猫による組織的な作戦行動で神楽やハウンドと何度か交戦しているが、「人間の存在無しに我々もまた存在できない」と語るなど、単純に人間を滅ぼそうとしているような存在というわけでもない。
入江 省三 (いりえ しょうぞう)
化け猫退治を担当する厚生省衛生二課の責任者だが、経歴などはほとんど不明で、その正体は謎に包まれている。眼鏡にスーツ姿、七三分けといういかにも公務員といった見た目。いつも笑みを絶やさないがその実冷酷な性格をしており、作戦に一般人が巻きこまれて犠牲になることにも頓着しない。
化け猫 (ばけねこ)
『ジオブリーダーズ』に登場する怪物。田波洋一たち神楽総合警備の社員が戦う相手。一般にその存在は知られていないが、現代社会の裏側で様々な破壊活動を行っている。その名の通り猫の怪物であると同時に、生きた電子情報でもある存在。猫型や人型に実体化して物理的な破壊活動を行うこともできれば、通信回線を通して移動したり、電子機器に入り込んでそれを自由に操ったりすることもできる。 黒猫に率いられ組織的な活動をするものと、単独で散発的に破壊活動を行うものとの2つのタイプがある。
集団・組織
ハウンド
『ジオブリーダーズ』に登場する組織。化け猫の排除を目的とした厚生省衛生二課の戦闘部隊。成沢あゆみが所属している。神楽総合警備とは商売敵としてライバル的関係にあるが、時に共同作戦を行うこともある。
神楽総合警備 (かぐらそうごうけいび)
『ジオブリーダーズ』に登場する会社。表向きは非常に待遇の良い警備会社だが、その実は「化け猫」と呼ばれる怪物の退治を専門とする非常に危険な職場である。田波洋一の他の社員は、菊島雄佳・桜木高見・蘭東栄子・梅崎真紀・姫萩夕と全員が若い女性。不動産屋のブラックリストに載っており、社員だと部屋を借りることが出来ない。 過去にも何代かの「神楽」の名を持つ会社が存在しており、その頃の社員だった人間はほぼ全員が死亡している。
その他キーワード
封印の御札 (ふういんのおふだ)
化け猫を退治する際、最後にかならず必要となる。使用法は、化け猫がいる空間の四方の壁に一枚ずつ御札を貼った後、御札と有線で接続されたノートPCの封印プログラムを「消去(デリート)!」と叫びながら起動すると、爆発とともに化け猫をディスクへと「封印」する、というもの。叫ぶ理由については、「必殺技だから」と田波洋一は話している。