アイアンファミリア

アイアンファミリア

作者・竜丸の初連載作品。人造生命体「ホムンクルス」が存在する現代日本を舞台に、「鎧童子」の異名を持つホムンクルスのテツヲが、仲間たちと共に巨大な犯罪組織に立ち向かう姿を描いたダークバトルファンタジー。集英社「週刊ヤングジャンプ」2023年48号から2025年17号まで連載。

正式名称
アイアンファミリア
ふりがな
あいあんふぁみりあ
作者
ジャンル
ダークファンタジー
 
バトル
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊6巻
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ホムンクルスの誕生と闇

ホムンクルスとは、人間の生殖によらず人工的に創り出された、特殊な能力を持つ人造人間のことを指す。16世紀、スイスの医学者、パラケルススが初めてホムンクルスの生成に成功すると、その生成レシピは瞬く間に世界中に広まった。特殊な能力を持ち、いくらでも代わりを作り出せるホムンクルスの需要は爆発的に高まり、多数のホムンクルスが次々と生み出されるようになった。しかし、倫理観の変化や社会的不安の高まりから、ホムンクルスの廃絶運動が起こり、やがて国際法によっていかなる理由があってもホムンクルスの生成は完全に禁止されてしまう。現在では、その生成レシピはそのほとんどが闇に葬られているとされているが、裏社会ではなおもホムンクルスを戦力として求める組織が少なくない。

ホムンクルス、テツヲの戦いと再生

家族の温もりを求めるホムンクルスのテツヲは、高い戦闘能力と身体を硬質化させる特殊な力から、裏社会の組織を率いるマジマに重宝されていた。しかし、マジマは「家族」という言葉を巧みに利用しつつも、テツヲの人格を尊重することはなかった。そんな中、マジマは部下の裏切りに遭い、瀕死の重傷を負う。駆けつけたテツヲに対し、マジマは「たとえ嘘でも家族と呼んでくれて嬉しかった」と語り、さらに「もっと強くなって自由に生き、自分だけの家族を見つけろ」と励まし、そのまま息を引き取った。テツヲはマジマを裏切った軍勢と正面から戦い、彼らを全滅させるも力尽きてしまう。だが、そこに現れた蜂須ミコトに救われ、「蜂須館」と呼ばれる施設へと連れて行かれる。新たな家族を迎えたテツヲは、マジマの遺言を胸に、自らの力で生きる道を切り開く決意を固めるのだった。

ホムンクルスたちが暮らす公安直轄の特殊施設

蜂須館は、ミコトが運営する公安直轄の特殊施設。正式名称は「特務養護訓練施設中部支部」といい、ホムンクルスの保護と訓練、さらにホムンクルスが関与する犯罪の実務的な解決を目的としている。12歳以上のホムンクルスは訓練生となり、大人のホムンクルスの指示に従いながら、三人一組で任務を遂行する。現在、昆虫型ホムンクルスのクレコが助手としてミコトを支えており、蜂須館に保護されたテツヲは、犬の特性を持つシローや花の特徴を備えたカレンといった同年代のホムンクルスたちとチームを組み、敵対組織との抗争を繰り広げている。

登場人物・キャラクター

テツヲ

蜂須館で暮らすホムンクルスの少年。外見年齢は13歳。身体を鋼鉄のように硬質化させ、武器を具現化する能力を持つことから「鎧童子」と呼ばれている。自身の体がつねに冷たいことに強いコンプレックスを抱き、人肌や温もりに触れることを切望している。実の息子を失った男性によって造られたが、やがて不要とされ、裏社会の組織に売り飛ばされてしまう。過去の経験から「家族」というつながりに強い渇望を抱いており、組織を率いるマジマに利用されていると知りながらも、「家族」と呼んでくれた彼を慕い続けている。現在、自分を救ってくれたミコトに絶対の信頼を寄せ、同年代の仲間であるシローとカレンとは固い絆で結ばれている。

蜂須 ミコト (はちす みこと)

蜂須館の館長を務める女性。警察や公安調査庁と深いつながりを持っている。彼らからの依頼を受け、蜂須館に所属するホムンクルスたちに対して、犯罪組織への潜入や未然防止の任務を指示し、必要に応じて自らも現場に出て戦う。独自に考案した喧嘩術「ミコ拳道」の達人であり、人間でありながら並のホムンクルスをはるかに凌ぐ戦闘能力を誇る。蜂須館で保護しているテツヲ、シロー、カレンには惜しみない愛情を注ぎ、「君たちはこの世界に必要不可欠な存在だ」と説きながらも、抗争で命を落とさないよう厳しく指導している。一方で、人との距離感をつかむのが苦手な一面もあり、彼らに過剰な愛情表現をして煙たがられることも少なくない。また、蜂須館の仲間であるホムンクルスのクレコやダイアナマイトとは長年の付き合いがあり、子供たちの指揮や修行を任せるなど、深い信頼関係を築いている。

書誌情報

アイアンファミリア 6巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉

第1巻

(2024-02-19発行、978-4088931166)

第2巻

(2024-05-17発行、978-4088932347)

第3巻

(2024-08-19発行、978-4088933559)

第4巻

(2024-11-19発行、978-4088934389)

第5巻

(2025-02-18発行、978-4088935553)

第6巻

(2025-05-19発行、978-4088936901)

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