Dear CALL -ディアコール-

Dear CALL -ディアコール-

地図にも載っていない孤島で白トラのムン、黒い犬のようなグットと平穏に暮らしていた少年サンソが、島にやって来た謎の召喚士である凛道との出会いをきっかけに、黒魂と呼ばれる人類の敵と戦う姿を描く、新世界の召喚士ファンタジー。「ジャンプスクエア」2019年12月号から掲載の作品。

正式名称
Dear CALL -ディアコール-
ふりがな
でぃあ こーる
作者
ジャンル
ダークファンタジー
関連商品
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あらすじ

旅立ち

少年サンソは本土から遠く離れた孤島で、友人である白トラのムン、黒い犬のようなグットと平和に暮らしていた。そんなある日、サンソは本土からやって来た召喚士を名乗る凛道に、グットの正体が人間の敵「黒魂」であることを知らされる。ショックを受けるサンソをよそに、凛道はグットの退治を遂行しようとするが、攻撃の最中にグットの黒魂の力が覚醒し、周囲の人間を巻き込んだ暴走を始めてしまう。赤ん坊の頃にグットに命を救われ、共に親友として育ってきたサンソは、なんとか元のグットに戻そうと奮闘するものの、彼の声はすでにグットに届くことはなかった。窮地に陥ったサンソは凛道の指示を受け入れ、彼の描いた魔法陣の中で本来の姿に覚醒し、召喚獣となったムンを呼び出すことに成功する。ムンの力でグットに勝利したサンソは、凛道に気づかれないように、ムンの体の中にグットを隠す。グットを倒した力を見込まれたサンソは、召喚士の卵として本土のヴァースデイ召喚院に迎え入れられるのだった。

ヴァースデイ召喚院

新人の召喚士としてヴァースデイ召喚院に入り、黒魂を倒す技術を学ぶことになったサンソは、そこで新人召喚士のヒネトアギトと出会い、共に切磋琢磨することになった。しかし、互いの召喚獣を扱った模擬戦では、黒魂を恐れず召喚士として天才的な才能を持つヒネトの前にサンソは圧倒され、強力なムンの力をまったく使いこなせていないことを白日の下にさらされてしまう。自らの無力さを思い知ったサンソは、黒魂を憎む女生徒のロギーといっしょに訓練用の黒魂を狩り、少しずつ成長を遂げていく。その過程で、ヒネトの親が黒魂を召喚した張本人であり、周囲の憎しみを一身に受けて育ったヒネトの過去を知ったサンソは、馬が合わないなりにヒネトのことを理解しようと努力し、精神面でも成長を見せていくのだった。そんなある日、訓練場でケガを負ったアギトを救出しようとしたロギーが、事故で訓練場に閉じ込められる事件が発生する。訓練用の黒魂の攻撃で命の危機に陥ったロギーは、そこで強力な召喚獣の「桜盾」を召喚し、黒魂を撃退することに成功。後日、生徒が召喚獣のムンと桜盾を呼び出したことを聞きつけた召喚士団の団長であるゴース=ブラキルから、僻地の希少薬草の採集を依頼されたヴァースデイ召喚院は、教師であるメグサスの引率のもと、サンソをはじめとする五名の召喚士を黒山周辺へと派遣するのだった。

オノガミ支部

メグサスの引率で黒山周辺へと向かったサンソ一行は、ひとまず拠点となるオノガミ支部を目指すが、その途中にあった廃棄街で黒魂に襲われている人々を目撃する。サンソは苦戦しつつも、黒魂を倒して街の人々を救出したことで自らの成長を確信。故郷に後ろ髪を引かれ、今もなお街に残り続けようとする人々に対して黒山の退治を約束し、彼らが安全な場所へ避難するのを見届けるのだった。その後、オノガミ支部へと到着した一行は休憩を取り、任務に備えて英気を養うが、その翌朝にオノガミ支部に侵入した謎の黒魂により、数人の支部員が惨殺されてしまう。ヒネトに執着し、地面や壁に人間の言葉を書き連ね、高速で逃げ回る不気味な黒魂に手を焼いたサンソだったが、助力に入ったRの活躍によって黒魂を撃退することに成功する。一連の騒動のショックからなんとか態勢を立て直した一行だったが、そこに再び新たな黒魂が現れる。小山のように巨大な黒魂はsisと名乗り、ヒネト以外の召喚士を全滅させようと、猛烈な攻撃を仕掛けてくる。サンソはメグサスとの連携攻撃でsisを追い詰めることに成功するものの、その瞬間にsisの塊部分が破裂。大きな黒魂の濁流に飲み込まれたオノガミ支部は壊滅に等しいダメージを受けてしまうのだった。

登場人物・キャラクター

サンソ

ヴァースデイ召喚院に在籍している新人召喚士の男性で、栗色の髪の毛を持つ孤児の少年。細かいことは気にしない、明るく元気で天真爛漫な性格をしている。本土から遠く離れた孤島で、友人である白トラのムン、黒い犬のようなグットと平穏な生活を送っていた。赤ん坊の頃に、袋に入れられて海岸に漂着した状態で発見されたという悲惨な過去を持つが、サンソ自身は特に気にしていない。ある日、ヴァースデイ召喚院からやって来た凛道から、グットが人間の敵である黒魂と呼ばれる存在であることを告げられる。その後、凛道の攻撃で暴走したグットを止めるため、本来の姿である召喚獣となったムンを呼び出すことに成功。その才能を凛道に見込まれて本土へ移住し、召喚士の卵としてヴァースデイ召喚院に入ることになった。召喚獣の中でも伝説的な存在であるムンを呼び出せるため、ヴァースデイ召喚院でも注目されていたが、召喚士としてはまだまだ未熟で、ムンの力をフルに引き出すには至っていない。召喚士としてずば抜けた才能を持つ同級生のヒネトとは性格的な問題でいまひとつ馬が合わないが、彼の力は認めている。ムンとグットは小さい頃からの大親友で、グットが暴走した時もグットを殺すことはできず、召喚獣として覚醒したムンの体内にグットを隠した。グットを解放するため、黒魂の母体である黒山を倒そうと、日々鍛錬している。

ヒネト

ヴァースデイ召喚院に在籍している新人召喚士の男性で、大人びた雰囲気を漂わせる黒髪の少年。社交的な性格で、涼しげな瞳の持ち主。一見すると常識人に見えるが、黒魂を怖いと思ったことは一度もないと断言するなど、他に類を見ない自信家。召喚士としての才能はずば抜けており、ヴァースデイ召喚院の生徒の中で最も有望とされている期待のルーキー。サンソとの手合わせでは、召喚獣であるムンの力を使いこなせていないサンソのことを、事もなげに叩きのめしていた。無遠慮な言葉を悪気なく相手に放つ癖があり、そのためにサンソとは馬が合わない。実は「アリウムの一族」と呼ばれる、黒山をこの世に召喚した一族の生き残り。父親は黒山召喚のリーダーで、召喚成功後に母親や仲間と共に命を落とした。そのため、この世に混乱をもたらした一族の末裔として、人々の憎悪を一身に受ける存在となっている。この世の不幸はすべて両親のせいかもしれないと思っており、因果を断ち切るために黒山を倒そうとしていた。血のつながらない双子の弟のアギトを大切に思い、彼を傷つける人間のことは決して許さない。

メグサス

ヴァースデイ召喚院の教師で、サンソのクラスの担任を務める男性。長髪の端正な顔立ちをしている。クールな性格の超リアリストで、カリスマ性にあふれており、ヴァースデイ召喚院でも特に優れた実力を誇る召喚士。また、黒魂や医学に関する知識も豊富で、その博識ぶりと医療技術は他の追随を許さない。そのため、生徒やほかの教師からは頼りにされており、精神的な主柱となっている。ヴァースデイ召喚院で教師を務める傍ら、今なお召喚士として活動し、15年前には黒山と戦ったこともある。「アリウムの一族」として多くの人間から憎悪されるヒネトを引き取り、黒山を倒すための召喚士として育てた。召喚士の末路のほとんどが悲惨なものになることを誰よりもよく知っており、生徒にも安易に希望的観測を述べることを避けている。

ロギー

ヴァースデイ召喚院に在籍している新人召喚士の少女。かわいらしい顔立ちで、茶髪のミディアムヘアにしている。誰よりも元気で面倒見のいい性格で、ヴァースデイ召喚院のムードメーカー的な存在。召喚獣のエーデルワイスを召喚することを当面の目標としており、腕を磨くためにサンソに恩を売り、いっしょに訓練用の黒魂を倒していた。5年前に故郷の村が黒魂に襲われた際に家族にかくまわれ、代わりに家族全員が心臓を取られ、皆殺しにされてしまった過去を持つ。そのため黒魂に対する敵意は強く、さらに人々を守ろうとする意識が非常に強い。のちに強力な召喚獣である「桜盾」を呼び出すことに成功する。訓練は大好きながら、筆記試験は非常に苦手。

R (あーる)

ヴァースデイ召喚院に在籍している新人召喚士の少年。おしゃれなバンダナを巻いた不良っぽい容姿をしている。言動はぶっきらぼうでいつもスカした態度を取り、さらに一言多く協調性に欠けている。動物や召喚獣には優しいが、人間は毛嫌いしている。反面、召喚士としての才能に恵まれており、召喚獣に関する知識も豊富。サンソが召喚したムンのまとったマントが、火や水、風と地の四元素を弾く強力な防具であることも知っていた。召喚獣の命を最優先に考える風習が残り、召喚獣を戦闘に使うこと自体を快く思っていない古の地「ヴァータイト」出身。そのため、黒山を召喚した「アリウムの一族」に対する心証は悪く、ヒネトとは考え方の違いもあり、度々衝突していた。また、自信家なヒネトがよけいなことをしないように、それとなく監視している。

アギト

ヴァースデイ召喚院に在籍している新人召喚士の少年。肩口まで髪を伸ばし、顔立ちにあどけなさを残している。底抜けに明るく、どんなにひどい目に遭っても決してくじけないタフな精神力の持ち主。召喚士としての才能はさほどでもなく、実戦訓練では何かと苦労している。その反面、筆記試験は大の得意としている。ヒネトとは血のつながりはないが、幼い頃からいっしょに育っており、双子の兄として尊敬している。ヒネトとつながりがあるため、ほかの生徒から因縁をつけられてしまうことも多い。ヒネトからはただちにヴァースデイ召喚院を辞めて、国元に帰るように強く言われているが、当人はまるで意に介さず、学生生活を謳歌している。アギト自身はヒネトが自分より心が弱いと思っているため、自分が支えてやらなければならないと考えている。

凛道 (りんどう)

ヴァースデイ召喚院の院長を務める人物。キャップをかぶり、ラッパーのようなラフな格好をした中性的な容姿で、性別は不詳。言動がマイペースで、どんな時でも落ち着いたひょうひょうとした性格をしている。召喚士としての能力は非常に高く、ヴァースデイ召喚院の中ではメグサスにひけをとらない強さを誇る。部下の調査により、サンソの友達であるグットが黒魂なことをつかみ、グットを退治するために本土から孤島まで乗り込んだ。黒魂として覚醒したグットに追い詰められるが、召喚獣として覚醒したムンを召喚したサンソによって窮地を救われる。サンソの召喚士としての才能を見込み、ヴァースデイ召喚院に彼を入学させた。

エビザ

ヴァースデイ召喚院で凛道の秘書を務めている女性。武闘民族と称される沙華の出身で、凛道に忠実に仕えており、凛道の体のことをいつも心配している。自信なさげな態度を取ることもあるが、非常に優れた体術を体得している。対人戦であればメグサスとも互角に渡り合えるほど、ヴァースデイ召喚院では上位の実力を誇る。

テラス

ヴァースデイ召喚院に在籍している新人召喚士の少女。ショートボブの髪型をしている。物静かで口数は少なく、冷静に物事をとらえられる落ち着いた性格の持ち主。ロギーと同じ村の出身で、黒魂の襲撃によって家族を失っている。同郷のロギーとは仲がよく、いつもいっしょに行動している。その一方、「桜盾」の召喚に成功し、召喚士として大きく飛躍を遂げようとしているロギーの成長ぶりに、人知れず焦りを感じている。

ムン

巨大な白虎のような姿をした召喚獣。頭に月のような紋様が入っており、火や水、風と地の四元素を弾くマントを羽織っている。サンソやグットと共に孤島で静かに暮らしていたが、凛道の攻撃で黒魂として覚醒したグットが暴走した際に、召喚獣としてサンソに魔法陣から召喚され、本来の姿と強さを取り戻した。黒魂を食らい、消滅させることができる。ムンは頭の紋様を見たサンソが付けた名前で、本当の名前は「ムーンライト」。召喚士のあいだで伝説と称されるほどの召喚獣だが、サンソが召喚士としては未熟なため、完全に力を出し切れてはいない。サンソとはふつうに意思の疎通を図ることができる。グットと戦った際、サンソの願いでグットを殺さずに体内に取り込んだ。ムンをはじめとする「エーデルワイス」「桜盾」「マンブ」「ジャッジヘルツ」の五体の力を借りる「五彩召喚」が黒山を倒す唯一の手段とされている。

グット

黒い犬のような姿をした黒魂。赤ん坊だったサンソを救い、サンソやムンと共に孤島で静かに暮らしていた。しかし、ヴァースデイ召喚院からやって来た凛道の攻撃を受けた際に黒魂として覚醒し、暴走してしまう。戦いの中でムンに体内に取り込まれ、それ以来隠れてサンソたちを見守るようになった。サンソからは今なお親友として信頼されているが、グットの細胞を調査したメグサスからは、黒山の90%のコピー率を誇る、黒魂の最高傑作であるとの評価を受けていた。

十返 いさぎ (とがえり いさぎ)

ヴァースデイ召喚院のオノガミ支部を預かっている召喚士の女性。眼鏡がよく似合うクールビューティー。メグサスとは15年前に共に黒山と戦った戦友。その美しさと知性、巧みな指導力で支部員からは尊敬されている。メグサスとの久々の再会でテンションが上がり、ついつい深酒してしまうなど、意外におちゃめな一面もある。

sis (しす)

人型の黒魂。目元を包帯で覆い、傍らに小山のように巨大な黒魂を従えている。人間の言葉をしゃべることができる。黒山の命令を受けてオノガミ支部を急襲し、ヒネト以外の召喚士をせん滅しようとする。日本刀を巧みに扱った剣技を得意としており、メグサスとも互角に渡り合っていた。弱点である核は舌に隠している。

その他キーワード

黒魂 (ぶらっくあにま)

黒い塊のような姿をした人間の敵。世界の各地に出没し、人間を襲って殺戮したうえで、その心臓を奪っている。個体によって姿形や知性に大きな差があり、多くはただの化け物だが、人型をして人間の言葉を理解してしゃべることができる黒魂も存在する。黒魂に嚙まれた部分には黒いアザが広がり、独特の激臭が残る。

召喚士 (しょうかんし)

別世界から召喚獣を呼び、その力で黒魂を退治する人間の総称。召喚獣を呼び出すには魔法陣と相応の呼力が必要となり、呼力が低い人間では約10秒程度しか召喚獣を維持できない。そのため、ヴァースデイ召喚院では、呼力を向上させるさまざまなカリキュラムを組み、次世代を担う若き召喚士を育成している。

召喚獣 (しょうかんじゅう)

別世界に住んでいる特殊な生命体。召喚士が己の呼力を使い、魔法陣を介することで一時的にこの世に呼び出すことができる。強大な力を持つが、気質は穏やかで優しい。ただ生きているだけで人々を傷つけてしまうことに心を痛め、神に懇願して自ら別の星へ移り住んだという伝承を残している。

黒山 (ぶらっくまうんてん)

黒魂を生み出す母体。遠く離れた位置からでも目視できるほど巨大なため、人々からは黒山と呼ばれている。今は動くことができないため、分身である黒魂を複数生み、エネルギーとなる人間の心臓を集め続けている。分身となる黒魂はすべて黒山自身をコピーしたもので、日に10~20体の黒魂を生んでいる。コピー率は個体によって差があり、10~90%と大きなばらつきがある。コピー率が高いほど母体である黒山に近くなり、知性と戦闘力が上がっていく。

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