『東京卍リベンジャーズ』の過去編を描くスピンオフ作品
本編である『東京卍リベンジャーズ』は和久井健の代表作で、講談社「週刊少年マガジン」2017年13号から2022年51号まで連載された。SFやサスペンス要素を交えたヤンキー漫画で、2021年のテレビアニメ化をはじめ映画化や舞台化などメディアミックスが多数展開される人気作品となり、本作のほかにも公式パロディ漫画『東大リベンジャーズ』が船津紳平の作画で連載されている。本作では、本編では語られなかった、チーム「東京卍會」壱番隊隊長の場地圭介と副隊長の松野千冬の人物像に着目している。
タイムリープ要素なしで二人の過去を描く
不良グループ「東京卍會」と「芭流覇羅」の抗争によって命を落とした場地圭介の墓参りに来た松野千冬が、圭介が生前に書いていた手紙を受け取るところから物語が始まる。抗争事件の前日に書かれていたその手紙を読んだ千冬の回想という形で、二人の出会いから別れまでを描いている。本編の主人公・花垣武道や彼が持つタイムリープ能力は登場せず、本作のみのオリジナルキャラクターやライバルチームが多数登場する。
本編では明かされなかった千冬と圭介の中学時代
当初は暴走族にまったく興味のなかった松野千冬が、同じ中学の留年生、場地圭介にあこがれを抱き、圭介が壱番隊隊長を務める巨大暴走族「東京卍會」の壱番隊に所属するまでの経緯や、新入りの千冬が圭介に認められるために試行錯誤する中で、さまざまなライバルチームと抗争する様子が描かれる。また、本編では触れられなかった千冬と圭介の中学時代や、副隊長の佐藤龍星をはじめとする当時の壱番隊メンバーとの交流や日常を描いている。
登場人物・キャラクター
松野 千冬 (まつの ちふゆ)
とある中学に通う1年生の男子。中学に進学してから、世の中に退屈さを感じるようになった。そして老若男女問わず周囲に威圧的な態度を向け、ケンカにあけくれるようになる。その結果、学校では不良のほとんどに勝利し、「喧嘩無敗の一匹狼」と呼ばれるようになる。当初は、強くなれば何かが変わると考えていたが、いざ頂点に立つと、ますます現実に対して空しさを覚えている。しかし、暴走族に襲われて窮地に陥ったところを場地圭介に救われ、彼を慕って東京卍會に入隊することを決意。世の中への不満から、つねに冷めた雰囲気を漂わせていたが、場地と出会ってからは情熱的な性格を取り戻す。拾った黒猫に「エクスカリバー」と名づけるなど、中学生らしい感性を持つ。
場地 圭介 (ばじ けいすけ)
松野千冬と同じ中学に通う3年生の男子。東京卍會の創設メンバーで、壱番隊隊長を拝命している。勉強が大の苦手で、中学生ながら留年をしている。特に国語の成績は壊滅的で、1年生の松野千冬から漢字を教えてもらうほど。しかし、千冬を襲った暴走族の集団を一人で制圧するなど、身体能力は非常に高い。危機を救ったことで千冬から慕われ、場地圭介自身も千冬に一目置くようになる。なお、学校内ではガリ勉スタイルと立ち振る舞いで、休み時間も欠かさず勉強をしているが、これは再度留年して母親を悲しませないためである。
クレジット
- 原作
関連
東京卍リベンジャーズ (とうきょう りべんじゃーず)
タイムリープ能力を得た26歳のフリーターが主人公。昔つきあっていた彼女の命を救うため、過去に戻って未来を変えようとする男の姿を描く。へたれな性格ゆえにどん底の生活を送る主人公が、人生にリベンジする成長... 関連ページ:東京卍リベンジャーズ
東大リベンジャーズ (とうだいりべんじゃーず)
船津紳平の代表作の一つで、和久井健の代表作『東京卍リベンジャーズ』のパロディ作品。2010年および2017年の東京を舞台にしている。東京大学を卒業したものの、パッとした人生を歩めずにいた井丁ミチタケが... 関連ページ:東大リベンジャーズ
書誌情報
東京卍リベンジャーズ ~場地圭介からの手紙~ 5巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2022-11-17発行、 978-4065293782)
第2巻
(2023-01-17発行、 978-4065303498)
第3巻
(2023-05-17発行、 978-4065312568)
第4巻
(2023-10-17発行、 978-4065328705)
第5巻
(2024-06-17発行、 978-4065345719)