アゲハ100%

アゲハ100%

普段は目立たない地味な女子高校生の藤原凛は、放課後になると依頼を受け、「伝説のアゲハ」と呼ばれるメイクアップアーティストに変身する。自分に自信のない女子たちにメイクで勇気を与え続ける凛の姿と、伝説のアゲハの正体を知る男子・如月陸の恋愛模様を描いたラブコメディ作品。「りぼん」2004年8月号から2006年5月号にかけて連載された。本作『アゲハ100%』のプロトタイプとなった作品に、「りぼんオリジナル」2004年6月号に掲載された読み切り『鏡の国の私』があるが、コミックスには未収録となっている。

正式名称
アゲハ100%
ふりがな
あげはひゃくぱーせんと
作者
ジャンル
ラブコメ
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概要・あらすじ

進学校として知られる英学園に通う藤原凛は、普段は地味な女の子だが、放課後になると依頼を受け、メイクアップアーティスト「伝説のアゲハ」として活動していた。英学園は名門であり、その正体が明るみに出ると退学になってしまう。そのため、凛は自分が「伝説のアゲハ」であることを周りに秘密にして、1人で活動をしていた。しかしそんな中、凛と同学年の男子・如月陸は、「伝説のアゲハ」の正体に気づいてしまう。

凛の活動に興味を抱いた如月は、秘密を口外しないことを条件に、彼女のメイクアップ活動を手伝わせて欲しいと申し出る。こうして凛と如月はコンビを組むこととなり、ともに活動をしていく中で、徐々にお互いを恋愛対象として意識するようになっていく。

登場人物・キャラクター

藤原 凛 (ふじわら りん)

英学園に通う女子高校生。1年8組所属で、出席番号は25番。独り言をつぶやく癖がある。普段はおさげ髪で眼鏡をかけ、化粧もしない地味で目立たないタイプ。しかし、放課後は依頼を受けて、女子生徒たちにメイクを施すメイクアップアーティスト「伝説のアゲハ」として活動している。その際は、外見も普段の藤原凛からは想像できないほど派手になり、ギャル風の風貌になる。 活動を始めた理由は、女子生徒たちにメイクを施していた初代伝説のアゲハの話を聞き、自分も同じ活動をしたいと思ったから。小学生の頃にブスだといじめられていたことがあり、そんな自分を脱却するため、6歳の誕生日にプレゼントされたメイクボックスを使って化粧の技術を身につけた。普段はおとなしく、少し天然でおどおどとした性格をしているが、「伝説のアゲハ」に変身した際には自信たっぷりになる。 なお、メイクしてあげた女子には、そのことを口止めしているが、「伝説のアゲハ」の噂はすでに学校中に広まっている。当初は自分の正体を知る如月陸を警戒していたが、ともに活動していくうちに次第に心を許すようになっていく。

如月 陸 (きさらぎ りく)

英学園に通う男子高校生で。1年3組に所属している。イケメンで、数多くの女子から好意を寄せられている。そのため、一部からは「女たらし」など、本人としては不本意な悪口を言われている。ギャル系の気の強い女子からアプローチを受けることが多く、普段は地味な藤原凛からは「住む世界が違う」と警戒されていた。今は使われていない元演劇部の部室でメイクを落としている凛をたまたま見かけたことで、彼女が噂の「伝説のアゲハ」であることを知る。 その活動に興味を持ち、凛の秘密を口外しないことを条件に、助手として一緒に活動をすることになる。ちなみに、メイクする相手が女子のため、凛の活動を手伝う際には女装する。最初は興味本位であったが、根は真面目なので、次第に「伝説のアゲハ」の活動にやりがいを見出していく。

中沢 良子 (なかざわ りょうこ)

英学園に通う女子高校生。1年8組所属しており、藤原凛とはクラスメイト。凛からは「良ちゃん」と呼ばれている。髪型は黒髪のセミロングで、顔にあるそばかすを気にしているが、化粧にはあまり興味がない。もうすぐ転校してしまう山田に片想いをしているが、自分の容姿に自信がないため告白できない。意を決して慣れないメイクをしてみるが、失敗してしまう。 「伝説のアゲハ」については、あくまで噂であり、本当に存在するわけがないと否定的。

山田 (やまだ)

英学園に通う高校1年生の男子。中沢良子から好意を寄せられているが、本人は気づいていない。もうすぐ隣町に引っ越すため、転校する予定。良子には、「メイクすれば化けるかもしれない」とアドバイスしている。

野原 菜花 (のはら なのか)

英学園に通う女子高校生。1年1組に所属している。噂で聞いた、藤原凛扮する「伝説のアゲハ」の大ファン。メイク道具はアゲハ蝶のマークが入った「スワロウテイル」でそろえるほど。しかし、伝説のアゲハ否定派の土屋桜と対立してしまう。

土屋 桜 (つちや さくら)

英学園に通う女子高校生。1年1組に所属している。藤原凛扮する「伝説のアゲハ」の大ファンである野原菜花をバカにしている。「伝説のアゲハ」などいないという否定派で、意見の相違により菜花と対立することとなる。

香山 椿 (かやま つばき)

英学園に通う女子高校生。1年5組に所属している。以前はナチュラルなタイプだったが、最近メイクに目覚め、独自にメイクを研究している。だが、同時に彼氏とうまくいかないようになってしまい、悩んでいる。藤原凛扮する「伝説のアゲハ」に、以前の彼に戻ってもらえるようなメイクをしてほしいと依頼する。

水森 菊乃 (みずもり きくの)

英学園に通う女子高校生。藤原凛や如月陸の先輩にあたる。「英学園新聞」を発刊している新聞部の部長で、凛が扮する「伝説のアゲハ」の正体を掴もうとしている。感情表現に乏しく、他の部員たちからは陰で「鉄仮面」と言われている。

西園寺 アヤメ (さいおんじ あやめ)

英学園に通う女子高校生。生徒会長を務めている。藤原凛や如月陸の先輩にあたる。優しい性格の黒髪ロングの美女で、初対面の際には、凛も思わず見とれてしまったほど。最近、凛が扮する「伝説のアゲハ」の噂で学内が浮ついていると警戒している。

梶谷 蘭 (かじたに らん)

22歳の女子大学生。英学園の教育実習にやって来た。如月陸とは幼なじみで、英学園の卒業生でもある。美人で明るく気取ったところのない性格で、生徒たちの心をすぐに摑んだ。初代伝説のアゲハの話を知っており、噂はまだ続いているのか、と藤原凛に確認していた。

坂下 葵 (さかした あおい)

英学園に通う高校2年生の女子。ショートカットの髪型で化粧はせず、外見も話し方もボーイッシュ。幼なじみに好意を寄せているが、女性として見てもらえないことに悩んでいる。藤原凛扮する「伝説のアゲハ」の力を借りたいと、コンタクトを取る。

松岡 飛鳥 (まつおか あすか)

英学園に通う男子高校生。1年6組に所属している。黒髪で、ミステリアスな雰囲気の持ち主。男子高校生ながらプロのメイクアップアーティストとしても活動しており、自身のブランド「スイートスパイダー」を手掛けている。藤原凛扮する「伝説のアゲハ」をライバル視している。

初代伝説のアゲハ (しょだいでんせつのあげは)

メイクアップアーティストの女子生徒。20年前、英学園で活動していたとされる。校舎3階の掲示板にアゲハ蝶のカードを挟んでおくと、放課後に姿を現し、依頼主の女子を美しくメイクしてくれるのだという。この話を知って感動した藤原凛は、勝手に二代目の「伝説のアゲハ」として活動を開始した。

場所

英学園

共学の名門進学校。校則は一般的な高校よりも厳しい。校則ではメイクも禁止されているため、藤原凛が「伝説のアゲハ」だと知れると、退学になってしまう。20年前に初代伝説のアゲハが在籍していたとされるが、現在は作り話だといわれている。現在は初代伝説のアゲハの話を聞いた凛が、二代目の「伝説のアゲハ」として活動している。 しかし教員たちからは、あくまで伝説だとして信じられていない。

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