概要・あらすじ
穂高美桜は16歳の女子高生。男の子が苦手で美少女が大好き。推しのアイドルと女友達さえいてくれれば十分と、男の子を避けて生活していた。美桜の友達は、イケメンがたくさん出てくるアプリゲームを楽しめば美桜も男の子に興味を持つのではと、美桜のスマホに「ロックアッププリンス」という乙女ゲームアプリを入れてしまう。美桜は友達が勝手に自分のスマホにアプリを入れたと怒りながら、消去しようとした時、操作を誤って「ゲームの世界に入りますか?」というボタンを押してしまう。その瞬間、美桜は知らない学園の中に飛ばされ、制服を着た五人のイケメンたちから一方的に話しかけられる。よくわからないまま、四角い枠の中から返事を選択するよう促される美桜。四角い枠の説明によると美桜は「ロックアッププリンス VR(バーチャルリアリティ)版」のモニターに選ばれ、現実と同じような仮想恋愛が楽しめるというのだ。ようやくゲームの中に入り込んでしまったことを理解する美桜。しかもこの中の誰かとラブゲージを上げ、両想いにならないと現実世界に帰れない。美桜は優しく話しかけてくれた氷菓学園生徒会長の湊なら、苦手な男の子も克服できるかもしれないと彼を攻略することに決めた。そもそも美桜が男の子を避けるようになったのは、小さい頃、幼なじみの男の子・郁から「笑顔が気持ち悪い」と言われたことが原因だった。それ以来、美桜は男の子の前では怖くて笑えなくなってしまった。その話を湊に告白すると、湊ははなびらを出す手品を披露して美桜の笑顔を自然に引き出した。湊は「笑顔が可愛い」と美桜を褒めてくれた。湊と仲良くなれたと思っていた美桜だが、湊のラブゲージはさほど上がっていなかった。ある時、美桜は幼なじみの男の子・郁と比べて湊を褒めていると、湊から「君は苦手だと言うことで相手に愛されなかった自分のプライドを守っている。本当は幼なじみが好きだったんだろう」と図星をつかれてしまう。美桜は「ゲームのキャラのくせに分ったようなこと言わないで」と反発すると、湊に強引にキスをされてしまう。この感触もゲームなんだから別にいいよねと言い放つ湊。湊は自分がゲームのキャラだと自覚していたのだ。勝手な行動に腹が立ったものの、自分もゲームだと軽視していたことに気づき、反省した美桜は、湊と本気で向き合うと宣言する。
そんな中、氷菓学園で美桜に声をかけたのは、現実に存在する幼なじみの男の子・郁。なぜか美桜に対する彼のラブゲージはほぼ満タンだった。混乱した美桜は湊に相談すると、時々管理者が現実の世界から人を入れており、彼も攻略されるまで現実の世界に帰れないと言う。「彼にそんなに好かれているのなら仲直りすればハッピーエンドで二人とも現実の世界に帰れる。応援するよ」と言う湊。湊にそう言われ、少し寂しい気分の美桜。翌日、郁に公園に呼び出された美桜は郁に嫌われていなかったことがわかる。郁は子供の頃、「笑顔が気持ち悪い」と言ってしまったことは本心ではなく、嫉妬心からつい口走ってしまったことで、ずっと謝りたかったのだと言う。美桜は郁の好意を知り嬉しい反面、すでに気持ちが湊に傾いていることに気づくのだった。
登場人物・キャラクター
穂高 美桜 (ほだか みお)
16歳の女子高校生。男子が苦手で国の宝と言うほど美少女が大好き。女友達と推しのアイドルがいれば、それで満足だった。幼い頃、幼なじみの男の子・郁に「笑顔が気持ち悪い」と言われ、それ以来男の子を避けて生活するようになってしまった。髪は背中までの長さがあるロングで、三つ編みのおさげにしていることが多い。傷つくのを恐れ、人に自分の本音を言えないおとなしい性格。
郁 (いく)
穂高美桜と同じマンションに住む幼なじみの男子高校生。爽やかなイケメンで、みんなから尊敬される人物。学校一モテると評判で、優しく人懐っこい性格。幼い頃、美桜に「笑顔が気持ち悪い」と言ってしまったことをずっと後悔しており、本当は美桜に好意を持っている。黒髪のストレートで前髪は目にかかるくらいの長さ。左の口元にホクロがある。 乙女ゲームアプリ「ロックアッププリンス」内では「ワイルドプリンス 郁」と表示され、たくさんの女性ファンがついている。
湊 (みなと)
乙女ゲームアプリ「ロックアッププリンス」のゲームキャラの男子高校生。ゲーム内では「ノーブルプリンス 湊」と表示される。氷菓学園の生徒会長を務める。茶髪で色素の薄く白い肌、整った甘いマスクの持ち主。優しくて気遣いのできる性格だが、時折、意地悪もする。自分がゲーム内のキャラであることを自覚している。
集団・組織
氷菓学園 (ひょうかがくえん)
乙女アプリゲーム「ロックアッププリンス」の中の全寮制の学校。生徒会長は湊。穂高美桜や郁もこの学校に通っている。
その他キーワード
ロックアッププリンス
乙女アプリゲームの名称。タイプの違うイケメン王子様のラブゲージを上げて、攻略していく恋愛ゲーム。穂高美桜が入ってしまったのはVR(ヴァーチャルリアリティ)版で、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚が現実のように感じられ、仮想恋愛体験が楽しめる。誰か一人のラブゲージを上げて、トゥルーエンドを迎えないと現実世界に帰れない。ゲーム内では氷菓学園という全寮制の高校に通う。 ガチャを引いて洋服が決まるので、好きな洋服が着られるかはわからない。選択肢を間違えた場合、リセット機能もある。