アサシンズプライド

アサシンズプライド

天城ケイの小説『アサシンズプライド』のコミカライズ作品。闇に包まれた世界で暗殺者として働くクーファ=ヴァンピールは、一人の少女の家庭教師につく事となった。クーファの指導のもと、落ちこぼれ少女のメリダ=アンジェルが、成り上がっていく姿を描くファンタジーバトルアクション。「ウルトラジャンプ」2017年6月号から連載の作品。

正式名称
アサシンズプライド
ふりがな
あさしんずぷらいど
原作者
天城 ケイ
漫画
ジャンル
バトル
 
ファンタジー
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊10巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

星も月もない暗黒の夜に包まれた世界で、クーファ=ヴァンピールは汚れ仕事を専門に行う白夜騎兵団の暗殺者として働いていた。しかしそんなある日、メリダ=アンジェルの家庭教師という、暗殺者に似つかわしくない仕事を命じられる。メリダは、本来受け継がれるべき才がない事から「無能才女」と侮蔑され、貴族達に不義の子と疑われていたのだ。家庭教師をしつつ、見込みがないと確信したら暗殺すべし、と命じられたクーファはメリダを観察する。その結果は、本人のひたむきさや努力に反してまったくの才なし。メリダのあまりの不遇な境遇を見るに堪えないと考えたクーファは、彼女の暗殺を決意する。メリダを暗殺すべく彼女のもとを訪れたクーファだったが、彼はそこでメリダの不退転の決意を知る。彼女のまっすぐな意志に感化されたクーファは、彼女を主と認めて一蓮托生の運命を歩む事を決意する。命令に背き、クーファは危険度の高い「マナが目覚める方法」をメリダに提案。彼女はこれを受け入れ、命の危機に陥りながらも、マナの力を得るに至るのだった。

第2巻

クーファ=ヴァンピールメリダ=アンジェルの境遇に同情し、真実を伝えなかったが、彼が行った「マナが目覚める方法」とは「マナの移植」だった。このため、メリダは彼女が本来得るはずだった「聖騎士(パラディン)」ではなく、クーファと同じ「侍」として目覚める事となった。この事がバレればメリダは再び暗殺の対象となるため、クーファはメリダに位階を得た事は秘密にし、先に公爵家の人間に相応しいように実績を積み重ねるよう進言する。その第一歩として、メリダは力をお披露目する公開試合に向けて猛特訓を行う。スパルタなクーファの訓練にめげそうになりつつも、メリダは着実に力をつけていく。そして迎える公開試合当日、メリダは今まで自分を虐げて来たネルヴァ=マルティーリョと戦う事となるのだった。メリダはクーファの教えを胸に抱き、クーファの我流攻撃スキルを自力で修得するという離れ業を見せながら、ネルヴァに勝利。ネルヴァはメリダの実力を認めて和解し、メリダは周囲の人間関係も少しずつ改善させていく。

第3巻

夏季休暇に入ったメリダ=アンジェルは、近づくサークレット・ナイトの日を楽しみにしていた。学期末に行われた公開試合で実力を示したメリダやエリーゼ=アンジェルは、祭で行われるパレードにダンサーとして参加する事が認められたのだ。クーファ=ヴァンピールが、用事でサークレット・ナイトに参加できない事を残念に思いつつ、エリーゼと幼い頃に交わした約束を思い出したメリダは彼女と和解する。しかし和気藹々な空気は、突如現れたウィリアム・ジンによって壊される。ジンによってさらわれたメリダとエリーゼは、助けが期待できない状況で、さらに力まで封じられてしまう。根が臆病で戦いに向かない性格をしたエリーゼを守りつつ、メリダは機転を活かして逃走する。そしてメリダとエリーゼの懸命な抵抗は実を結び、クーファとロゼッティ=プリケットが二人の危機に駆けつける。メリダとエリーゼの保護をロゼッティに任せて、クーファは一人ジンを追い、彼を追いつめたところで取り引きを持ちかける。

登場人物・キャラクター

クーファ=ヴァンピール

白夜騎兵団で暗殺者として働く少年。年齢は17歳。黒髪で、優男然とした風貌をしている。メリダ=アンジェルの素質を見極め、素質を感じられない場合は暗殺するという任務を受け、メリダの家庭教師として赴任する。「クーファ=ヴァンピール」という名は任務で使う偽名で、本名は不明。貴族の家庭教師という立場を考え、ふだんは気障なしぐさをするため、周囲からは紳士的と評判。ただし時々、地が出ているためロゼッティ=プリケットからは「エセ紳士」と言われている。メリダの境遇には同情していたが、早々に見込みがないと判断。これ以上苦しまないように暗殺しようと決断する。しかし自らの境遇に懸命に抗う彼女の姿に心打たれ、彼女を主として認める。位階は敏捷性に優れ、隠密能力を持つ「侍」。若年ながら高い技量を持ち、無手でも高い戦闘能力を発揮する。また侍のマナそのものを武器にできる特性を利用し、マナを刀状に具現化して戦う「幻刀術」と呼ばれる我流攻撃スキルを編み出している。実は夜界出身者で、父親は最高位のランカンスロープの吸血鬼。クーファ=ヴァンピール自身にも吸血鬼の血が受け継がれており、正体を現すと長髪となり、高い再生能力と人類を超える圧倒的な身体能力を発揮する。

メリダ=アンジェル

聖フリーデスウィーデ女学院に通う女子。年齢は13歳。アンジェル騎士公爵家の令嬢で、長い金色のストレートヘアをしている。上位位階である「聖騎士(パラディン)」の家に生まれたが、その素質をまったく受け継がれず、貴族であれば誰でもできるマナの発動すらできないため、周囲からは「無能才女」の蔑称で呼ばれて差別されている。そんな逆境に置かれてもひたむきにがんばる努力家で、精神的に非常にタフネス。メリダ=アンジェル自身の存在を認めさせるため、聖都親衛隊に入るのを目指している。その心意気に感化されたクーファ=ヴァンピールによって、マナを移植され、マナの力に目覚める。位階はクーファと同じく「侍」。彼からスパルタ教育を受けながら、侍としての戦い方を学んでいる。向上心旺盛で、一度見ただけのクーファの「幻刀術」を独自に再現しているほど。学内ではネルヴァ=マルティーリョをはじめとする周囲からいじめられたり、腫れ物のように扱われていたが、公開試合で実力を示して以降は少しずつ周囲との人間関係が改善され始めている。また、従姉妹のエリーゼ=アンジェルとは疎遠になっていたが、サークレット・ナイトをきっかけにして仲直りをした。

エリーゼ=アンジェル

聖フリーデスウィーデ女学院に通う女子。年齢は13歳。アンジェル騎士公爵家の分家の娘で、銀色の髪をボブカットにしている。メリダ=アンジェルとは従姉妹の関係にあたる。メリダと違って上位位階である「聖騎士(パラディン)」の力に目覚めているため、分家の出身ながら実質的に公爵家の跡取りと目されている。メリダとは幼い頃、仲がよかったが、お互いの境遇の変化によって疎遠となっていた。聖騎士の能力を開花させているため、学園でも頭一つ飛び抜けた力を持つが、スタンドプレーが多く、集団行動は苦手。また無口無表情なためにクールな性格と勘違いされがちだが、本当は臆病で甘えん坊な性格をしている。ランカンスロープに囲まれた際も「お化け」と怖がり、なにもできなくなるほどで、戦闘向きではない。学園では淡々と過ごしていたが、周囲との軋轢から孤立している現状にかなり傷つき、人知れず涙を流す日々を過ごしていた。しかしサークレット・ナイトの日に、泣いていたところをメリダに励まされて和解した。戦いでは怯えるばかりだったが、逆境にもめげないメリダに感化され、脅威に立ち向かうように成長する。

ロゼッティ=プリケット

エリーゼ=アンジェルの家庭教師を務める少女。年齢は16歳。赤い髪をサイドテールにし、誰にでも分け隔てなく接する、裏表のない明るい性格をしている。平民でありながら突如、マナの力に目覚め、独学で位階の力を極めた天才。圧倒的な実力を認められて聖都親衛隊に最年少で入隊し、国王からそれらの功績を称えられ、一代に限り貴族として振る舞える「一代侯爵」の称号を与えられている。それらの功績からフランドール内では超有名人で、彼女の名は方々に知れ渡っている。位階は「舞巫女(メイデン)」で、武器はチャクラムを用いて戦う。突出した戦闘能力を持つが、独学で腕を磨いて来た経緯からチームプレイは苦手。そのため任務中に味方に誤射し、上司からペナルティとして現在の家庭教師の仕事をするように言われた。エリーゼの教育にも熱心に臨んでいるが、自分と同じく突出した力を持つエリーゼが、ロゼッティ=プリケット自身と同じ失敗をしないか不安に思っている。クーファ=ヴァンピールとは学教区に来た際に出会い、紳士然とした彼の言動に好意を抱くが、のちに再会した際に手ひどく扱われたため対抗心を抱くようになる。

ネルヴァ=マルティーリョ

聖フリーデスウィーデ女学院に通う女子。カールを利かせた髪をツインテールにし、気が強そうな雰囲気を漂わせている。メリダ=アンジェルとユニットを組んでいるが、落ちこぼれのメリダを見下し、いじめを扇動している。位階は攻防に優れた「闘士(グラディエイター)」で、メイスを武器にして戦う。得意とする攻撃スキル「ギャリックハマー」は強力な破壊力を持つ。公開試合ではメリダと一対一の戦いを繰り広げ、実は歪んだ形であれ友情を抱いていた事を自覚。戦いのあと、和解して本当の意味で友人となった。

フェルグス=アンジェル

アンジェル騎士公爵家の当主にして、メリダ=アンジェルの父親。髭をたくわえた中年の男性で、厳格な性格をしている。上位位階である「聖騎士(パラディン)」に就いており、その実力は非常に高い。

メリノア=アンジェル

アンジェル騎士公爵家の夫人にして、メリダ=アンジェルの母親。現在は故人。ヘイミッシュ=モルドリューの娘で、実家は平民の出であるため、マナをあやつる素質は持っていなかった。「聖騎士(パラディン)」の素質は平民のあいだに生まれても継承されるはずなため、メリノア=アンジェルは生前不倫をしており、メリダは彼女と不倫相手のあいだに生まれた不義の子ではないかと疑われている。

ヘイミッシュ=モルドリュー

モルドリュー武具商工会の総帥にして、メリダ=アンジェルの祖父。マナ能力のない平民だが評議会の一員でもあり、その影響力は絶大。メリダの存在を汚点と考え、白夜騎兵団に依頼してクーファ=ヴァンピールを派遣したり、聖騎士の力を無理矢理覚醒すべくランカンスロープを手引きしてメリダを襲わせたり、暗躍を繰り返している。サークレット・ナイトでは黎明戯兵団に依頼し、危険な位階変異をメリダに施そうとする。

クーファの上司

白夜騎兵団で働く中年の男性。あごひげをたくわえ、よくタバコをくわえている。クーファ=ヴァンピールとは長い付き合いで、子供の頃から彼の面倒見ている。飄々とした性格をしているが、汚れ仕事を行う白夜騎士団に所属しているだけあり、任務に関しては冷酷な一面を覗かせる。

エイミー

メリダ=アンジェルの専属メイド長を務める10代後半の女性。赤毛の長い髪をポニーテールにしている。明るい性格で、部下のマイラやニーチェ、グレイスをとりまとめながらアンジェル家別邸で働いている。メリダとは長い付き合いで、彼女を親身になって世話し、「無能才女」の烙印を押されたメリダの心の支えとなっていた。そのため、彼女がマナを覚醒させた際には感涙の涙を流していたほど。クーファ=ヴァンピールとはメリダを溺愛する部分で意気投合し、メリダの写真撮影の際にはクーファと結託してメリダを追いつめている。

オセロー

エリーゼ=アンジェルの専属メイド長を務める老婆。厳格な性格をしており、大勢の部下を率いて広大なエリーゼの屋敷を維持している。エリーゼに多大な期待を抱いており、エリーゼを公爵家の正式な跡継ぎに据えようと野望を抱く。しかしマナ能力者の戦いに関しては素人なため、エリーゼに無理なワンマンプレイを強要したり、過酷な訓練を課そうとしたりと、エリーゼ本人の意思を無視した行動を取る事が多い。

ウィリアム・ジン

黎明戯兵団に所属する青年。黎明戯兵団の生み出した人造ランカンスロープで、全身に包帯を巻いた異様な風体をしている。持っているランカンスロープとしての特性は「屍人鬼(グール)」で、包帯を自在にあやつる事ができる。包帯は体に巻き付ける事で強力な防具になるほか、敵に巻き付ける事でその能力を封じる事も可能。マナ能力者の力を封じ、一般人レベルまでその能力を落とす事も可能だが、熟練者相手には効果が薄い。実はウィリアムズ家という貴族の出身。落ちこぼれだったため親からも見放され、事故に見せかけて夜界に追放される。紆余曲折の末、人造ランカンスロープになったが、人間である事に執心しており、人間だった頃の名残りともいえる自身の「ウィリアム・ジン」という名前に執着している。ヘイミッシュ=モルドリューから依頼を受け、サークレット・ナイトの日にメリダ=アンジェルとエリーゼ=アンジェルをかどわかす。その後、二人の危機に駆けつけたクーファ=ヴァンピールと戦闘するが、ヴァンパイアの力を発揮したクーファに敗北。死を覚悟するものの、クーファからメリダの報告を偽装する取り引きを持ち掛けられ、身の安全と引き換えに協力を約束する。

ホーンデッド・キマイラ

黎明戯兵団の造り出した人造ランカンスロープ。起動前は液体の入ったガラスケースの中で肉塊のような形で漂っているが、一度起動すると、鳥の頭蓋骨のような物を頭部にかぶった、巨大な竜のような姿となる。「人間では絶対に敵わない化け物」をコンセプトに作られ、巨体ゆえに小回りが利かないが、あらゆるステータスが限界まで高められており、その戦闘能力は強烈無比。圧倒的な力でクーファ=ヴァンピールを追いつめたが、ヴァンパイアとしての力を解放したクーファに正面から叩き潰された。

集団・組織

燈火騎兵団 (ぎるどふぇるにくす)

フランドールの治安維持を行う軍事組織。無辜(むこ)の民衆をランカンスロープから守る事を主な任務としており、人々のあいだでは「平和の象徴」として敬意を払われている。燈火騎兵団ではユニットや、ユニットをまとめたレギオンを基本にして戦術が練られ、運用されている。またフランドール内の治安維持や防衛以外にも、夜界を探索し、有用な資源の発掘や夜界に取り残された難民の救出も任務として行っている。燈火騎兵団の中でも選りすぐりと認められた精鋭は、エリート部隊である聖都親衛隊に配属される。

白夜騎兵団 (ぎるどじゃっくれいぶん)

燈火騎兵団と対を成すフランドールの秘密組織。暗殺、機密管理、禁忌実験など、表だって行う事ができない汚れ仕事を専門とする闇の騎兵隊で、その存在は徹底的に秘匿されている。任務の性質上、ユニットで運用される燈火騎兵団と違い、単独任務も多く、任務に就く者は偽名と偽りの身分が与えられ「実在しない架空の人物」として振る舞う。また特殊な技術の開発も独自に行っており、それらの人体実験も行っている。

黎明戯兵団 (ぎるどぐりむふぃす)

破壊活動を行う秘密結社。現存する犯罪組織の中では最古にして最凶と謳われ、現貴族体制の崩壊を目的として掲げている。一般的には「犯罪ギルド」として認知され、構成員には古代の為政者や没落した貴族、果てにはランカンスロープまで取り込み、現体制を脅かす存在として危険視されている。また人造ランカンスロープを独自に生み出し、主戦力として組み込んでおり、その戦力は底知れないものとなっている。

聖都親衛隊 (くれすとれぎおん)

燈火騎兵団の中でも選りすぐりのエリートのみが所属できる部隊。燈火騎兵団の中でも特別優秀として認められた者や、多大な功績を立てて認められた者のみが所属する事ができる。フランドール守護の要ともいえる存在で、人々からは「希望の剣」として羨望の眼差しを集めている。アンジェル騎士公爵家の人間は代々、聖都親衛隊に配属された経験があるため、メリダ=アンジェルは聖都親衛隊に入るのを将来の目標としている。

場所

フランドール

暗黒に包まれた世界の中で、人類最後の生存圏とされる都市。フランドール近郊の鉱脈から産出される液体燃料「太陽の血(ネクタル)」を気化して灯す炎は神聖な力を持ち、ランカンスロープを退ける力を持つ。フランドールを構成する街区丸々一つ収める巨大なガラス容器「キャンベル」は、この「太陽の血」の灯りに満たされており、人々に平和と安心を与えている。フランドールはこのキャンベルがいくつも組み合わさった都市で、全体図としては、さながら巨大なシャンデリアのような形となっている。

夜界 (やかい)

太陽も月も星もない完全な闇に包まれた大地。この夜界の闇の中で過ごす人や動物は、いずれ体が変質してランカンスロープになるため、夜界を包む闇は「呪われた夜」とも呼ばれている。人類最後の生存圏であるフランドールからあぶれた下級市民や夜界に取り残された人間は一定数存在し、呪われた夜の闇に怯えながらもかろうじて息をつないでいる。燈火騎兵団の任務の中には、この生存者の探索も含まれており、フランドールには夜界出身の者も少なからず存在する。しかしフランドールには、ランカンスロープへの恐怖から偏見が根付いており、夜界出身者はフランドール内でいわれのない差別にさらされている。

聖フリーデスウィーデ女学院

マナ能力者の養成を専門とした女学院。屈指の学園都市であるフランドールの第3層「カーディナル学教区」の南地区に存在し、由緒正しきお嬢様学校として多くの名門貴族が在籍している。基本的に特別な事情がない限り男子禁制で、生徒は優秀なマナ能力者としてだけではなく、一人前の淑女としても振る舞えるように教育に力を入れている。また聖フリーデスウィーデ女学院独自の伝統として、ユニットを姉妹の契りに例え「姉妹(ブルーメン・ブラット)」と呼ぶ。

その他キーワード

サークレット・ナイト

フランドールの全キャンベルで、夏に行われる平和の祭典。貴族から下層労働者階級まで身分を問わず参加し、街中では「太陽の血」でかがり火が焚かれ、人々は天使や化け物の仮装をして祭りを盛り上げる。ガーディナルズ学教区のサークレット・ナイトでは毎年パレードが行われ、聖フリーデスウィーデ女学院の中で優秀と認められた生徒がパレードで踊りをするのが伝統となっている。

マナ

人類の敵であるランカンスロープに対抗するための力。マナは神聖な力を放つ炎の形となって現れるため、マナ能力者の血には「太陽の血(ネクタル)」が宿るともいわれている。ランカンスロープの持つ異能「アニマ」と対をなす力とされ、あらゆる攻撃を無効化するランカンスロープの守りを貫く事ができる。このため、マナ能力者は貴族としてさまざまな特権が与えられるが、同時に人々を守るためランカンスロープとの戦いに矢面に立たされる義務が存在する。またマナ能力者は、超人的な力とさまざまな異能を授かり、一般人とは一線を画す戦闘能力を得られる。それらの特性は、位階として11の特性に区分けされる。

位階 (くらす)

マナ能力者が扱う特性を体系化したもの。八つの基本位階「剣士(フェンサー)」「侍」「舞巫女(メイデン)」「闘士(グラディエイター)」「神官(クレリック)」「魔術師(ワイザード)」「銃士(ガンナー)」「道化師(クラウン)」と三つの上位位階「聖騎士(パラディン)」「竜騎士(ドラグーン)」「魔騎士(ディアボロス)」で構成される。位階は先天的な素質が重要で、基本的に後天的に授かる事はない。また、マナをあやつる素質は不可侵の遺伝的優位性があり、両親のどちらかが位階を持つ者ならば、子供は必ずその素質を受け継いで生まれる。

ランカンスロープ

夜界に住まう化け物。元はふつうの人間や獣が闇の中で長く過ごす内に変質した存在で、知能が高い者から獣同然の者までさまざまな種類が存在する。特筆すべきは、すべてのランカンスロープが共通して持つ「アニマ」と呼ばれる異能で、これによってランカンスロープには通常の兵器や武器による攻撃がいっさい通じない。また知能を持つ者もいるが、ほとんどが人類に対して害意を強く持っているため、人類の天敵として人々を脅かしてる。「太陽の血(ネクタル)」を気化して灯す炎やマナなど神聖が宿る力が弱点で、マナ能力者であればランカンスロープとも互角に戦う事ができる。

人造ランカンスロープ (じんぞうらんかんすろーぷ)

黎明戯兵団が人工的に生み出したランカンスロープ。人間の人格と記憶を保持したまま、肉体のみをランカンスロープに変換する事ができ、黎明戯兵団の中核を成す重要な戦力となっている。中にはホーンデッド・キマイラのように、特殊なコンセプトで開発された異形も存在する。

ユニット

マナ能力者達によって構成される、騎兵隊における最小の運用形態。最大五人1組で構成され、騎兵隊ではさらにこの複数のユニットをまとめたものを「レギオン」と呼ぶ。騎兵隊では「ユニット」と「レギオン」を基本にして戦術が組み立てられるため、マナ能力者を養成する学校では予行練習も兼ねて、在学中から「ユニット」を組む事を推奨している。またユニットは学校によっては呼び名が変わり、聖フリーデスウィーデ女学院では姉妹の契りに例えられて「姉妹(ブルーメン・ブラット)」と呼ばれている。

クレジット

原作

天城 ケイ

キャラクター原案

ニノモトニノ

書誌情報

アサシンズプライド 10巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉

第10巻

(2022-10-19発行、 978-4088924779)

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