BLACK CAT

BLACK CAT

伝説の暗殺者という過去を持つ凄腕の掃除屋、トレイン=ハートネットが、元相棒で、友人の仇でもあるクリード=ディスケンス率いる革命集団と戦っていく様を描くバトル漫画。矢吹健太朗の代表作。

正式名称
BLACK CAT
ふりがな
ぶらっく きゃっと
作者
ジャンル
バトル
関連商品
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あらすじ

黒い猫と呼ばれた男(第1巻~第2巻)

トレイン=ハートネットはかつて巨大組織、クロノスの抹殺者(イレイザー)として数多の要人を暗殺し、不吉の象徴として闇の世界に君臨した伝説の暗殺者「黒猫(ブラックキャット)」だった。しかし現在はそんな過去と決別し、相棒のスヴェン=ボルフィードと共に犯罪者を追う自由気ままな掃除屋稼業を送っていた。しかしそんなある日、トレインとスヴェンを尋ねて泥棒請負人のリンスネット=ウォーカーが訪れる。闇の商人であるトルネオ=ルドマンを協力して確保するという、リンスネットからの依頼を引き受けたトレインとスヴェンは、リンスネットとの待ち合わせ場所でもあるサピドア共和国へと向かう。一人先走ってトルネオの館に入り込んだトレインは、そこで宣戦布告して姿をくらませるが、その騒動の中で、殺人マシーンとしてトルネオに教育されていたイヴを屋敷の外に逃がしてしまう。人間としての常識を知らないイヴは、屋敷の外で迷子になるものの通りがかったスヴェンに保護され、短いながら温かな時間を過ごす。しかし、イヴを取り戻しに来たトルネオの命によって、スヴェンはイヴに大ケガを負わされてしまう。スヴェンはケガを負わされつつも、非常な命令に涙を流すイヴを救う決意をし、戻って来たトレインと共にトルネオの屋敷を強襲する。本気を出したトレインによって屋敷のセキュリティは戦意を喪失し、トルネオを追い詰めた二人は、イヴを助け出す事に成功。しかしトレインは、トルネオの口から思わぬ人物の名を聞く。

クリード(第2巻)

トレイン=ハートネットのかつての相棒であり、同時にトレインの仇敵でもあるクリード=ディスケンスは、トルネオ=ルドマンの事件をきっかけにしてトレインの居場所を摑む。クリードはリンスネット=ウォーカーを人質に取り、トレインを夜のルナフォートタワーに呼び出す。トレインは自らの因縁に決着を着けるべく、かつての戦闘服に身を包んでルナフォートタワーに向かう。自らの革命にトレインを誘うクリードであったが、憎しみをあらわにするトレインは耳を貸さず、クリードと一騎打ちを繰り広げる事となる。新たな力である「」を使う事で、終始トレインに対して優位に立つクリードであったが、自らの犠牲を省みないトレインの反撃によって形勢は逆転。スヴェンから受け取った特殊弾をくらったクリードは瀕死の重傷を負い、傷を癒やすために去って行った。

道使い(第3巻)

イヴは、トレイン=ハートネットスヴェン=ボルフィードと暮らす内に少しずつ成長し、彼らの仕事の手伝いを買って出るなど活躍していた。しかしそんなある日、トレイン達はトレインの昔の仲間であるベルゼー=ロシュフォールから、一つのビデオレターを受け取る。ビデオレターはトレインの昔の上司であるカール=ウォーケンからのもので、トレイン達はカールの依頼によって、ルーベックシティで起きている連続殺人事件の犯人を捕まえる事となった。超人的な能力で警察を圧倒する犯人のギャンザ=レジックによって苦しむ街の人々の姿を見たトレインは、彼らのためにもギャンザを捕まえる事を決心する。またスヴェンもかつてギャンザを逮捕した経緯を思い出し、ギャンザが身につけた人外の力には裏があるのではないかと推理していた。どこに潜んでいるのかわからないギャンザを捕まえるため、イヴも囮を申し出て、三人は万全の体制を整えてギャンザ捕獲に向かう。「」の力に目覚めたギャンザに苦戦する三人であったが、スヴェンが「予見眼」の力を使う事で攻撃を先読みし、トレインのトドメの一撃が決まった事で、ギャンザを倒す事に成功する。しかし、そこに現れる「星の使徒」を名乗るキョウコ=キリサキシャルデン=フランベルク。「道使い」としてギャンザを勧誘していたキョウコとシャルデンは、ギャンザの末期の成れの果てを見届け、トレインを評価する言葉を残して去って行った。

一日ダーリン(第4巻~第5巻)

トレイン=ハートネットリンスネット=ウォーカーの誘いに乗って、いっしょに食事を取るが、彼女のワナに引っかかり、成り行きで世界でも有数の大富豪であるマダム・フレシアの誕生パーティーでリンスネットの「一日ダーリン」をする事になった。渋々リンスネットの仕事を手伝う事となったトレインだったが、トレインはパーティ会場で危険度A級の犯罪者、ルガート=ウォンを発見する。人気のない通路でルガートを捕まえるため激戦を繰り広げるトレインであったが、誕生日パーティーの会場で起きた騒ぎに気づき、二人は戦闘を中断してしまう。ペット好きのマダムは自らの財力にものをいわせ、遺伝子技術で恐竜を再生したものの、お披露目の最中に暴走してしまったのだった。パーティーが気になり偶然、会場に居合わせたイヴが恐竜を引きつけている事で被害は最小限に留められ、トレインが駆けつけた事で無事に恐竜の暴走を止める事に成功する。大騒動が終了したあと、ルガードはトレインに再戦を宣言し、闇へと消えていった。

革命の狼煙(第5巻~第6巻)

クリード=ディスケンスは、使いで構成される「星の使徒」を率いてサンゼルスシティで開かれた「世界会議(サミット)」を襲撃する。世界会議に参加していた世界連邦加盟国の首脳やクロノスの息のかかった幹部も惨殺され、クリードの犯行は世界的な事件となってしまう。この事態を重く見たクロノスの長老会はクリードの抹殺を決意。その首に30億の懸賞金をかけ、精鋭部隊の「時の番人」にもその討伐を命じた。トレイン=ハートネットも、自らのもとに「時の番人」のリーダーたるセフィリア=アークスが訪れる事で事態の深刻さを実感するが、復讐に我を忘れて周囲を巻き込むのをよしとせず、自分なりの方法でクリードを捕まえようと、気持ちを新たにする。しかしそう思ったのも束の間、トレインを狙って「星の使徒」のデュラム=グラスターが襲来する。デュラムは銃使いとしてのプライドから独断専行でトレインを狙っており、アネット=ピアスイヴといった周囲の人間を痛めつけ、トレインの居場所を探る。傷ついたアネットや瀕死のイヴの姿を見たトレインは怒りをあらわにし、デュラムと激闘を繰り広げる。デュラムの持つ「道」の力に苦戦するものの、トレインは神業的な銃捌きでデュラムの銃を破壊し、退ける事に成功する。瀕死の重傷を負ったイヴも、体内のナノマシンが驚異的な治癒力を発揮する事で短期間で全快し、一行は再び三人で掃除屋稼業を続ける事となった。一方、「星の使徒」のアジトに戻ったデュラムは独断専行を咎められるが、反省の色がなかったため、クリードによって粛清されてしまう。惨殺される仲間の姿を見て、キョウコ=キリサキシャルデン=フランベルクはクリードへの不信感を強めていく。

復讐の時(第7巻~第8巻)

トレイン=ハートネットは、仲間達といつも通り掃除屋稼業に精を出していたが、そんなある日、旧友であるサヤ=ミナツキとゆかりのある街を訪れた。街を見ながらサヤに思いを馳せるトレインは、そこで偶然、サヤの知り合いだというベヤードと出会う。サヤとの思い出話をベヤードと交わすトレインであったが、そこに裏社会の暗殺者達の襲撃を受ける。ベヤードは実はいまだに裏社会にかかわっており、富と名声ほしさにトレインの首を欲していたのだった。サヤの言葉もベヤードには届かなかった事にトレインは残念さを感じつつも、暗殺者達を撃退し、仲間達のもとに戻っていった。そしてトレインはイヴの訓練に付き合いつつ、スヴェン=ボルフィードと行動を共にしていたが、街中で暴漢達に追われているティム=バーティカルと遭遇する。警察の犯罪の証拠を摑んだため父親を殺され、警察や裏社会から追われる事となったティムは復讐を決意し、トレイン達に復讐の助力を乞う。ティムの懸命な姿にかつての自分を重なり合わせたトレインは、その頼みを引き受け、襲って来た刺客を返り討ちにし、警察署へと乗り込む。トレインはティムの仇であるボールディン警部をティムの前で撃ち、ティムの復讐を完遂する。ボールディンを殺した事を後悔するティムだったが、トレインは、実は撃った弾が麻酔弾でフェイクであった事を明かし、ボールディンは罪を暴露されて正当な裁きが下されるとティムに語る。ティムは復讐の空しさを教えてもらった、とトレインに感謝し、いつかジャーナリストになって、トレインの取材をしに行くと約束を交わして去って行った。

ケルベロス(第9巻~第10巻)

セフィリア=アークスクリード=ディスケンスを討つため、トレイン=ハートネットとクリード、二人に縁の深いリンスネット=ウォーカーを利用する事を思いつく。セフィリアは「時の番人」の一人であるジェノス=ハザードをリンスネットのもとに遣わし、彼と共にクリード探索を行うように仕向ける事に成功する。その企みは成功し、「時の番人」の存在を待ち受けていたクリードはセフィリアの陰謀と知りつつリンスネットと接触し、自らが潜む居場所を「時の番人」に知らせた。ジェノスはナイザー=ブラッカイマーとベルーガ=J=ハードと共に奇襲暗殺チーム「ケルベロス」を組み、クリードの存在するアジトに強襲をかける。「星の使徒」の強力な戦闘力に苦戦しつつも、クリード討伐という第一目標を果たすべくケルベロスは敵陣を突っ切り、クリードに肉薄。遂にクリードと対峙する事に成功する。クリードがナノマシンを使って生み出した「狼男」やエキドナ=パラスの存在に苦戦するケルベロスであったが、セフィリアの手引きによって半ば無理矢理参戦したトレインの存在によって状況は一変。トレインが復讐に捉われず、リンスネットを助けて去って行く姿を見てクリードは取り乱す。そして狂乱する中で新たな力に目覚めたクリードは、その圧倒的な力でケルベロスを追い詰める。窮地に立ったナイザーとベルーガは仲間を犠牲にしてクリードを討とうとしたものの失敗。片腕は奪ったもののクリードの存在を取り逃してしまう。

約束(第10巻~第12巻)

クリード=ディスケンスのもとからリンスネット=ウォーカーを助け、仲間と合流したトレイン=ハートネットは、偶然、街中でキョウコ=キリサキシャルデン=フランベルクの二人と出会う。クリードの残虐なやり方についていけなくなったシャルデンは、キョウコを連れて「星の使徒」を出奔したのだった。シャルデンは自分達に敵意がない事を示し、トレイン達と話し合いの場を設ける。一方、クリードはナノマシンの力で傷を短時間で癒やし、トレインの相棒であるスヴェン=ボルフィードを標的に定める。トレインの変化を受け入れられないクリードは、スヴェンがその原因であると断じ、罠にはめて孤立させ消し去ろうと考えたのだった。クリードはナノマシン兵器「LUCIFER(ルシフェル)」でスヴェンを化け物にしようとするが、間一髪で駆けつけたトレインがスヴェンをかばった事で、「LUCIFER」はトレインに打ち込まれてしまう。クリードはその結果に呆然としつつも去り、一行は何とか危機を脱する事に成功する。しかしその後、トレインは「LUCIFER」の効果によって子供の姿になってしまう。子供になった事を前向きに考えるトレインであったが、身体能力は大きく下がり、人知れず危機感を感じていた。さらに「星の使徒」を抜けたキョウコを狙い、「時の番人」のクランツ=マドゥークとバルドリアス=S=ファンギーニが襲い掛かるという事態が巻き起こる。シャルデンは自分の代わりにキョウコを保護するようにトレインに頼み込むが、戦闘狂の二人は問答無用とばかりに、トレインとスヴェン、イヴに「時の番人」としての圧倒的な力を振るう。トレインは子供になったため、普段の力を振るう事ができず苦戦したものの、キョウコが自分と交わした約束である「むやみやたらとブッ殺さない主義」を守ったため奮起。反撃によってクランツの力を大きく削ぐ事に成功する。また駆けつけたジェノス=ハザードが仲介を申し出た事で、クランツとバルドリアスは矛を収めて退いた。キョウコはジェノスを通じて、自らの意思で「時の番人」と話し合う事を決意し、トレインは自らの状態を改善するため、ナノマシンに詳しい科学者のティアーユ=ルナティークと会う事を決心する。

新しい力(第12巻~第13巻)

イヴの生みの親ともいうべきティアーユ=ルナティークに会いに向かう一行であったが、スヴェン=ボルフィードは二人を会わせる事を危惧していた。しかし、イヴが自らの過去に向き合う決心を見せた事で、スヴェンはイヴとトレイン=ハートネットを引き連れてティアーユのもとに向かう決心をする。無事にティアーユのもとにたどり着いた一行は、そこでトレインが大人の姿に戻るヒントを得るが、ほどなくしてティアーユのナノマシン知識を狙った「星の使徒」の襲撃を受けてしまう。「星の使徒」を率いるエキドナ=パラスは連れて来たエーテスの能力を使う事でティアーユの知識をコピーし、奪い取る事に成功する。そしてエキドナは用済みとなったティアーユもろとも、スヴェン達を葬ろうと襲い掛かる。「星の使徒」の精鋭部隊にスヴェンとイヴは苦戦するが、大人に戻り、さらには新たな力「電磁砲(レールガン)」に目覚めたトレインが駆けつけた事で形勢は一気に逆転。トレイン達はエキドナ達を退ける事に成功する。またイヴはティアーユとの話の中で自らのルーツを知り、ティアーユの知識を奪ったクリード=ディスケンスが、その知識を悪用しないように捕まえる事を決心した。スヴェンとトレインもイヴのその決意に賛同。トレインも自らの過去をイヴとスヴェンに語って聞かせ、抹殺者ではなく掃除屋「トレイン=ハートネット」として自らの因縁に決着を着ける事を宣言し、三人は力を合わせてクリードを捕らえる事を誓い合った。

掃除屋同盟(第14巻)

スヴェン=ボルフィードは自らの力不足を痛感し、一時的に仲間と別行動し、特訓を始める。一方、トレイン=ハートネットイヴクリード=ディスケンスの居場所を摑むため独自に情報を収集し始める。そして二人は同業者であるリバー=ザストリーに因縁をつけられたものの、クリードの居場所を知る情報屋「グリン」と渡りをつける事に成功する。グリンの提案によってクリードを捕まえるために、実力のある掃除屋で協力し合う「掃除屋同盟」に参加する事となったトレインとイヴは、その試験を突破し、クリードの居場所を突き止める。スヴェンとも合流したトレインは、グリンの準備した情報と船によって「掃除屋同盟」と共にクリードの潜むアドニア海のとある島へと向かう。一方、トレイン達を見送ったグリンは、変装を解いてリン=シャオとしての正体を表し、「時の番人」と共にクリード抹殺のために動き始めた。

島での激闘(第14巻~第17巻)

アドニア海に潜むクリード=ディスケンスの本拠地に向かう「掃除屋同盟」であったが、洋上でシキの不意打ちを喰らって船を沈められ、海に投げ出されてしまう。トレイン=ハートネットも、仲間と離れ離れになりつつも何とか島にたどり着き、途中で合流したリバー=ザストリーと共にクリードのアジトを目指す。「星の使徒」の強力な「使い」に苦戦しつつも、トレインは敵を下し、着実に前に進んでいく。また力を大きく成長させたイヴや特訓によって新たな力を身につけたスヴェン=ボルフィードも、それぞれ勝利を摑み、クリードのアジトへ肉薄して行った。トレインは戦闘員達を倒し、遂にアジトの目前にたどり着くが、そこに立ち塞がったのは、クリードの腹心ともいえるシキであった。シキは「道」の力を絶対と信じる妄念によって圧倒的な力を発揮し、トレインとリバーを大きく苦しめる。トレインとリバーは満身創痍になりつつもシキを真っ向勝負で倒し、精も根も尽き果てたシキに負けを認めさせた。クリードに不信感を抱いていたシキは、トレインに忠告とも取れる言葉を伝え、クリードを目指す彼らを見送った。

乱戦(第17巻~第18巻)

シキを倒し、本邸にたどり着いたトレイン=ハートネットリバー=ザストリーは、イヴケビン=マクドガルと合流する。数の多い「星の使徒」の戦闘員に苦戦しつつも着実にクリードに近づく一行であったが、ドクターの作ったナノマシン「BERSERKER(バーサーカー)」によって正気を失った「掃除屋同盟」同士で戦わされてしまう。ドクターによってあやつられたトウマ=フドウの攻撃からイヴをかばい、ケビンは意識不明の重体になり、リバーも連戦の負傷によって大きなダメージを負う。あやつられているだけのトウマとムンドックを倒せない一行であったが、イヴが勇気を出して立ち向かう事で、トウマとムンドックに打ち込まれた「BERSERKER」を破壊、二人を救う事に成功する。自らのナノマシンを破壊したイヴに強い興味を示したドクターは、トレインとイヴを自らの「」能力によって罠にはめ、翻弄する。ドクターの作り出した偽者の世界と親しい人の幻影に危機に陥る二人であったが、トレインはそんな偽者の世界の中でサヤ=ミナツキの声を聞く。サヤの声に導かれたトレインは、ドクターのもとにたどり着き、イヴと共にドクターを倒す。

決戦(第18巻~第20巻)

掃除屋同盟」の存在を囮に使い、セフィリア=アークスは「時の番人」を率いてクリード=ディスケンスの本拠地を強襲する。クリードの存在に肉薄したセフィリアは一対一の戦いを挑むが、不死のナノマシンを完成させたクリードは、致命傷も一瞬の内に再生するため、セフィリアは次第に劣勢に陥ってしまう。さらにクリードは新たな「」能力に目覚めており、セフィリアはその圧倒的な力を前に敗北する。一方、トレイン=ハートネットは「時の番人」がクリードと戦っているのを知り、仲間達に送り出されながらクリードのもとにたどり着く。セイフィリアがトドメを刺されるのをすんでのところで阻止し、トレインは自らの因縁に決着をつけるため、クリードと最後の戦いを繰り広げる。

登場人物・キャラクター

トレイン=ハートネット (とれいんはーとねっと)

スヴェン=ボルフィードと共に掃除屋稼業を生業としている陽気な青年。年齢は23歳。左の鎖骨部分に「ⅩⅢ」の刺青を彫っている。トラブルメーカー気質で、気ままな掃除屋生活を楽しむために、犯人逮捕の際にわざとトラブルを引き起こしたりしているが、それがもとで借金を増やしては、スヴェンから小言をもらっている。幼少時は、今の性格からは想像もできないほど悲惨な境遇を送っており、暗殺者のザギーネ=アクセロークによって両親を殺され、復讐心に支配されながら、ザギーネのもとで暗殺術を学びながら生活していた。そのザギーネも他者に殺されたため、復讐の心に囚われたまま裏社会で生き、その後秘密結社クロノスに入った。神業とも称される銃技と驚異的な身体能力を持ち、特例として12人しかいない「時の番人」の13人目として加入。伝説的な抹殺者「黒猫」として裏社会に君臨するが、サヤ=ミナツキとの出会いで彼女に感化され、人生に楽しみを見出して徐々に現在の性格へと変わっていった。サヤの死によって一時は憎しみに囚われ、クリード=ディスケンスへの復讐を考えたが、サヤの遺言と仲間の存在によって考えが変化し、掃除屋としてクリードとして決着を着けると決心した。戦闘では攻防一体の愛銃、ハーディスによる銃撃にスヴェンの作った特殊弾頭を利用した戦いを得意とする。また格闘戦能力も高く、ハーディスを4連続で叩き込む「黒爪(ブラック・クロウ)」は、直撃すれば、「道使い」ですら戦闘不能になる威力を誇る。またのちにナノマシンを取り込んだ事で、一時的に細胞放電現象とハーディスの特性を利用した「電磁砲(レールガン)」を習得。1日4回しか使えないが、「電磁砲」は通常の弾丸を遥かに超える破壊力と加速力を持ち、通常の弾丸の効かない敵も一撃で粉砕した。

スヴェン=ボルフィード (すゔぇんぼるふぃーど)

掃除屋としてトレイン=ハートネットの相棒を務める男性。年齢は30歳。「紳士」を自称し、身だしなみに気をつかい、女子供に優しくする事を信条としている。紳士のこだわりの一つとして、ヒマを見つけては煙草をふかしている。自由気ままに振る舞うトレインの言動に頭を悩ませる苦労人気質で、彼の作った借金のせいで、自分が金勘定にうるさくなっていくのが悩みの種。トルネオ=ルドマンの事件で偶然出会ったイヴには保護者のような感情を抱いており、彼女を地獄のような環境から救い出し、事件解決後は引き取っている。そのためイヴからは強く慕われているが、スヴェン=ボルフィード本人は、危険な掃除屋稼業に彼女を連れて行くのを快く思っていなかった。元IBI(国際捜査局)捜査官で、右目には殉職した親友のロイド=ゴールドウィンの角膜が移植されており、彼の能力である「予見眼」を受け継いでいる。これによって対象の数秒先の未来を先読みできるが、能力を使用する事で体力を大きく消耗するため多用はできない。そのため普段は眼帯をして「予見眼」の力を温存している。機械に強く、手先が器用なため自分や仲間の装備を自作しており、戦闘ではアタッシュケースを改造した多機能な武器「アタッシュウェポンケース」を使って戦う。長年の経験から荒事には慣れているが、「道使い」や「時の番人」には敵わず、のちにそれを克服するために特訓して、「予見眼」を「支配眼(グラスパーアイ)」へと成長させた。これによってスヴェンは最大5秒間、世界をスローモーションで見て行動する事ができるようになり、敵の攻撃をスローな状態で見て超反応で回避するなどの手段により、「道使い」とも対等に渡り合えるようになった。「支配眼」も相応に負担を強いる能力だが、「予見眼」に比べると体力の消耗は軽くて済む。

イヴ

トルネオ=ルドマンがナノマシンを利用して生み出した生体兵器。長い金髪が特徴の10代前半の少女の姿をしており、体内を血液のように流れるナノマシンを利用する事で、肉体を武器化する「変身能力」を駆使して戦う。殺人兵器として教育されていたため、トルネオのもとにいた頃は無感情で自我が薄く、周囲の言われるままに殺人をしていたが、スヴェン=ボルフィードとの出会いをきっかけにして、少しずつ感情を芽生えさせている。トルネオが捕まって以降はスヴェンに引き取られた。スヴェンからは危険にさらしたくないと思われているが、一人になる事を極度に恐れ、危険を承知で彼と行動を共にしている。トレイン=ハートネットに対してはライバル意識のようなものを持っており、彼に訓練をつけてもらいつつ、いつか強くなって彼を押しのけ、スヴェンのパートナーになるのを目標としている。トレインとスヴェンと行動する内に少しずつ感情豊かになっており、また読書家であるため幅広い知識を学ぶ。それらの経験の積み重ねは「変身能力」の成長にもつながっており、最初は体の一部を武器に変化させるだけであったが、翼を生やして飛行したり、全身を金属化させたり、さまざまな技のバリエーションを増やしている。ただし全身変身は負担が大きく、体力の消耗も大きいため多用はできない。ナノマシンは肉体の治癒能力の底上げも行っており、常人なら致命傷の傷を負っても、医療行為を必要とせずに自力で快癒する事が可能となっている。またナノマシンを利用する事で電子機械にアクセスする事も可能で、イヴはこの力を利用する事でナノマシンにあやつられた仲間を救った。生みの親の一人であるティアーユ=ルナティークが遺伝子提供元で、イヴは彼女のクローンにあたるため、容姿は瓜二つとなっている。

リンスネット=ウォーカー (りんすねっとうぉーかー)

依頼を受けて盗みを働く、泥棒請負人。変装と盗みの達人であり、世界各国から盗みの依頼を受けている。各国の要人から依頼を受けているため、警察もリンスには手を出しずらい。武器密輸商人トルネオ=ルドマンの研究に興味を抱き、潜入の手助けとしてトレイン=ハートネットとスヴェン=ボルフィードに接近し共闘関係を結んだ。 その後時の番人のリーダー、セフィリア=アークスの依頼を受けたため、星の使徒との抗争に巻き込まれていく。抜け目のない性格で、宝石や金品を好み、派手好きだが、他人を見殺しに出来ない人情味にあふれた一面も持つ。

クリード=ディスケンス (くりーどでぃすけんす)

「星の使徒」を率いる青年。年齢は23歳。元クロノスの抹殺者で、トレイン=ハートネットのかつての相棒を務めていた。幼少時は母親からも拒絶され、街にも居場所がなかったため性格が屈折し、次第に世界すべてを憎む狂人へと育った。クロノスに対しても憎悪の感情を向けているが、自分と似たかつてのトレインに対しては、狂信とも尊敬とも取れる感情を向けており、並々ならぬ執着を見せる、サヤ=ミナツキの存在はトレインを変える「魔女」として憎んでおり、嫉妬と憎悪に駆られて彼女を殺した。その後、当時の「時の番人」の一人を殺してクロノスを脱退。自らが世界に革命を起こすため、水面下で暗躍をしていた。その中で「道」の力に出会い、「SWORD(刀)」の力に目覚める。これは自らの意思によって刀を作り出す能力で、トレインに再会した際には、伸縮自在の透明な刀「幻想虎徹(イマジンブレード)」を使用し、トレインを追い詰めた。のちに能力がレベル2に進化した際には、自らの凶暴性を反映させた生きた刀へと変化。レベル2ではレベル1の見えない能力が失われたが、その分、オリハルコンの武器にすら傷をつける高い破壊力を持つ。さらにレベル3に進化した際には、身の丈を超えるほど大きくなった生きた剣が体に完全に融合し、さらには背中から新たに腕が生えるという異形の姿となった。レベル3ではパワーやスピードが今までの比ではないほど強力なものになり、圧倒的な力でセフィリア=アークスを打ち倒した。また自らが、神となって世界を支配するという妄念に支配されており、トルネオ=ルドマンやティアーユ=ルナティークに接触してナノマシン技術を奪取。ドクターに不死のナノマシン「G.B(ゴッドブレス)」を作らせ、その身に打ち込んだ。「G.B」によって致命傷でも瞬く間に再生する治癒能力と不老の力を得ているが、脳だけは再生不可能で、破壊された場合は普通に死亡する。

サヤ=ミナツキ (さやみなつき)

掃除屋稼業を営む、猫のように自由気ままな性格をした女性。普段は洋服を着ているが、プライベートでは浴衣を着て過ごす事を好む。抹殺者時代のトレイン=ハートネットが偶然、傷ついて倒れているのを介抱し、以降、友人として交流を重ねて行った。トレインと同じく悲惨な子供時代を送っており、虐待を受けていたせいで10歳以前の記憶がない。しかしそれでも過去に囚われず、前向きに世界を楽しもうとしている。そのポジティブな姿勢が抹殺者時代のトレインの価値観に大きく影響を及ぼしている。しかしそのせいで、クリード=ディスケンスにトレインを変える「魔女」として憎まれ、殺された。最期はトレインが復讐に囚われないように別れの言葉を残し、トレインの腕に抱かれながら息を引き取った。享年は19歳。トレインとサヤ=ミナツキの関係を知る者からは、二人は恋愛関係にあったものと思われていたが、トレインはそれを否定し、「価値観のよく似た親友」と評していた。女一人で戦闘を繰り広げていただけあって戦闘能力は高く、銃の扱いにも慣れている。得意技は跳弾を利用して多角的に攻撃する「リフレク・ショット」。この技でクリードに対しても優位に戦っていたが、たまたま迷い込んだ子供を助けるのに気を取られて敗北した。この技はのちにトレインに受け継がれており、彼を助けている。またドクターとの戦いでは、トレインの中のサヤの思い出が勝利の鍵となった。

アネット=ピアス (あねっとぴあす)

トレイン=ハートネットとスヴェン=ボルフィード行きつけの店、「カフェ・ケットシー」の女店主。スヴェンとは旧知の仲で、不器用な彼を叱責したりもする。元掃除屋であり、現在は情報屋もやっている。

ザギーネ=アクセローク (ざぎーねあくせろーく)

フリーの殺し屋。子供のいる標的の依頼は受けない主義だったが、依頼主に秘匿されたせいで、トレイン=ハートネットの両親を殺害する。孤児となったトレインに恨まれながらも、彼に殺しの術を仕込んだ。

ウドニ― (うどにー)

情報屋。ブラックキャットが掃除屋をやっているとの情報を聞き、腕に油性マジックでナンバーを書くなどお粗末な変装でトレイン=ハートネットのふりをして賞金首を脅して捕まえていた。トレインが本物のブラックキャットと認識してからは、彼を兄貴と慕い、情報屋としてサポートするようになった。

エキドナ=パラス (えきどなぱらす)

「星の使徒」の一人。色気のある絶世の美女で、クリード=ディスケンスの腹心の部下として彼を支える。元女優で、20以上の映画で主演を務めた銀幕スターだったが、クリードの思想に共感して「星の使徒」に参加した。「道」能力は「GATE(門)」で空間をゆがませる事で、半径15メートルの以内の任意の場所に空間をつなげ、自由に行き来する事が可能。さらに呪符を利用する事で能力を増幅させ、その能力範囲を最大で5キロまで伸ばす事ができる。単純に移動に使用できるほか、武器や銃弾、爆弾を敵に転送させる事で防御不可能な攻撃にも転用できる非常に強力な能力となっている。さまざまな思惑を持つ「星の使徒」の中で、唯一純粋にクリードを慕い、彼に従う。ほかの面々が徐々にクリードに不信を募らせ離反していく中でも、最後までクリードに寄り添った。

シキ

「星の使徒」の一人。つねに布で顔を覆った容姿も性別も不詳な存在で、クリード=ディスケンスの腹心の部下として彼と共に戦う。マロと共にクリードに「道」の力をもたらした張本人で、「道」の力を熟知した「道士(タオシー)」として「道使い」の指導も担当している。「INSECT(蟲)」と呼ばれる「氣」で虫を作り出し、使役する能力を持っており、小型の虫で偵察を行ったり、大型の虫で敵を蹂躙したり、非常に応用力の高い能力となっている。また普段、顔を覆っている布は能力を制限する特別なもので、これを取り外す事でさらに強力な力を発揮できる。素顔は中性的な子供のような風貌をしており、性別は不明。本気を出すと知性を持った特別性の虫「刹鬼」を生み出す事ができ、その戦闘力はトレイン=ハートネットとリバー=ザストリーの二人掛かりでも苦戦するほど。また虫は本人の「氣」がある限り無限に再生できるため、シキの膨大な「氣」を含めて無敵の存在となっている。またシキ本人も「符術」と呼ばれる戦闘法に長けており、攻撃、防御双方においてスキのない戦闘が可能で、トレインを苦戦させた。異大陸出身で25年前にクロノスに滅ぼされた「道の一族」の生き残り。「道」の力を世界に知らしめるのを目的としているため、クリードのナノマシン技術への傾倒は快く思っていなかった。のちに自分にも知らされない情報が増えた事で、次第にクリードへの不信を募らせており、トレインに敗北したあとは、彼にクリードの居場所を教えた。

マロ

「星の使徒」の一人。力士のような格好をした大男。年齢は33歳。「デブ」と呼ばれるのを極度に嫌い、そう呼ばれた場合は、自分の事を「少し体が大きい人」と訂正する。シキと同じく異大陸出身で、25年前にクロノスに滅ぼされた「道の一族」の生き残り。「道士(タオシー)」の一人で、持っている能力は「GRAVITY(重力)」。高重力空間を任意の場所に作り出す事ができ、打撃に乗せる事で破壊力を増加する事が可能となっている。本人が格闘戦能力に秀でている事もあり、驚異的な破壊力を見せた。また高重力空間は、集中して放つ事で離れた場所に発生させる事もでき、マロはこれによって遠距離攻撃を行ったり、銃弾の軌道を変えたり、幅広い使い方を見せている。

キョウコ=キリサキ (きょうこきりさき)

「星の使徒」の一人。極東の国ジパング出身の女子高校生で、年齢は17歳。陽気な性格をした黒髪の少女。基本的に深く物事を考えず、クリード=ディスケンスの勧誘に楽しそうだからという理由で参加している。殺人を忌避せず、誰彼なくキスをしたりと、その行動は善悪の判断が甘く、享楽的なものが多いが、仲間意識は人並みに持っており、クリードが仲間を粛清した時には不快感を感じていた。「星の使徒」ではシャルデン=フランベルクとよくコンビを組んで任務に当たっており、彼の言葉には割りと素直に従っている。のちにシャルデンが「星の使徒」を離反した時には、彼が一人でかわいそうだからという理由でいっしょに離反している。「道」の能力は「HEAT(熱)」で、体内で莫大な熱量を発生させる事が可能。人間すらたやすく燃やし尽くす、炎を生み出す事もでき、その戦闘能力は高い。前述の通り、享楽的な性格から衝動的に人を殺したり、物を壊したり非常にキレやすい性格をしているが、「星の使徒」離反後にトレイン=ハートネットに窮地を救ってもらった事で彼に惚れ、「むやみやたらとブッ殺さない主義」を貫くと、トレインと約束を交わした。それ以降は「時の番人」の刺客に襲われても我慢し、約束を守りぬいた。セフィリア=アークスとの話し合い以降は、危険性の少なさから見逃され、故郷に帰って女子高校生を続けている。

シャルデン=フランベルク (しゃるでんふらんべるく)

「星の使徒」の一人。ラウンドフレームのサングラスに、シルクハットをかぶった、長い金髪が特徴の黒ずくめの男性。年齢は24歳。理知的な性格をしており、クロノスの支配する現代社会を憎み、歪みを憂慮している。理想世界成就という思想による「星の使徒」の理念に最も真摯的で、身を削って理想に邁進していたが、クリード=ディスケンスの行動に少しずつ不信感を抱き、のちに「星の使徒」を離反している。キョウコ=キリサキとは「星の使徒」でもいっしょに行動する事が多いため、何かと気に掛けており、自分を心配してついて来た彼女にこれ以上危険が及ばないように、トレイン=ハートネットに彼女の今後について頼んだ。その後は一人でクロノスを打倒するために行動している模様。「道」の能力は「BLOOD(血)」。血液を自在にあやつる能力で、血を武器に変化させて攻撃したり、他者から血液を奪ったりする事ができる。能力の性質上、自らの体に傷をつけて行使しなければならないため、シャルデン=フランベルクは、自らの能力を「不便な能力」と評している。実はシルクハットとサングラスを外した姿はかなりの美形で、キョウコも絶賛していた。

リオン=エリオット (りおんえりおっと)

「星の使徒」の一人。生意気な雰囲気を持つ少年で、年齢は13歳。故郷の国は生まれた時から内戦続きで4歳の時に両親は殺され、姉と二人で生活をしていたが、3年前にその姉も死に、それからずっと一人で生活してきた。そのため世界や大人に対して強い憎しみと不信感を抱いており、世界を変えるという「星の使徒」の理念に賛同して参加した。子供扱いされるのを嫌い、侮って見られると不機嫌さをあらわにする。「道」の能力は「AIR(空気)」で、周囲の大気を意のままにあやつる事ができる。かまいたちや竜巻を発生させて単純な攻撃に使用できる上に、対象の周囲の酸素を奪って窒息に追い込む事もできる、非常に強力な能力となっている。また大気をあやつる事で飛行も可能で、リオン=エリオット自身はボードを浮かせてスケートボードのようにあやつる使い方を好む。能力を使った際の機動力は「星の使徒」随一。「星の使徒」との決戦ではイヴと戦って敗北。同じ年代、不幸な境遇と似通っているためイヴとの約束を守り、その後は「星の使徒」を抜けている。

ドクター

本名不詳の「星の使徒」お抱えの医師の男性。眼鏡をかけている。年齢は26歳。医療に「氣」を応用する事で、医者として非常に優れた能力を持っている。ルナフォートタワーの戦いで右腕を失ったトレイン=ハートネットの目の前に現れ、切断されたトレインの右腕をくっつける離れ業を見せた。性格はマッドサイエンティストそのもので、自分の好奇心を満たすためなら、他人の命は使い捨てにしても惜しくないと思っている。研究者としても非常に優れた知識を持ち、トルネオ=ルドマンから得たナノマシン技術を使って数々のナノマシンを生み出し、トレイン達を苦しめた。のちにエーテスを介してティアーユ=ルナティークの知識を得た事で、遂に不死のナノマシン「G.B(ゴッドブレス)」を完成させた。「道」能力は「WARP WORLD(歪世界)」。自らの心象風景を「氣」で具現化させた空間に、他者を引きずり込む事が可能な能力で、この空間内部ではすべての事象がドクターの意のままに動く。取り込んだ人間を特定の空間に閉じ込めたり、親しい人の幻影と戦わせたり、空間の至るところから武器を放出したりと、非常に多彩で強力な能力となっている。ただしドクター自身は純粋な戦闘員ではないため、本体自身の戦闘力は脆弱なのが弱点。その能力でトレインとイヴを苦しめたが、サヤ=ミナツキの声に導かれたトレインが本体にたどり着き、トレイン達の攻撃に反応する間もなく倒された。

エーテス

「道」能力に目覚めた「星の使徒」に所属する猿。目覚めた能力は「COPY(複写)」で、他者から頭脳、容姿、記憶を複写する事ができる能力で、エキドナ=パラスはこの能力を使って、ティアーユ=ルナティークからナノマシン関連の知識を手に入れた。多くの人間の知識や経験を手に入れた事で自身を人間と思っている節があり、その行動も人間くさいものとなっている。クリード=ディスケンスには実験動物から救ってもらった恩があり、彼に対しては一定の忠誠心を持っている。ただしその本質は獣で、ティアーユの優秀な頭脳を手に入れても、新しい何かを発想したりする事はできなかった。またお調子者な部分もあり、実力派のレスラーなど各地の実力者の能力をコピーし、自信を持ってトレイン=ハートネットに戦いに挑むが、自分の能力が通じないと見るや、あっさり手の平を返し、土下座して命乞いをした。その後は敗北を認めた振りをして、スキを見て殺そうとするが、結果的にトレイン達の手助けをしてしまった。短い時間ながらイヴとの交流を経て、心境に少しずつ変化が訪れており、イヴの窮地を救う思わぬ活躍をした。

ティアーユ=ルナティーク (てぃあーゆるなてぃーく)

トルネオ=ルドマンのもとでナノマシンの研究をしていた女性科学者。年齢は27歳。IQ200を超える天才的な頭脳の持ち主で、14歳で大学を卒業し、ナノマシンテクノロジーと生物工学の分野では世界的な権威として知られている。イヴの誕生にも深くかかわっており、イヴは彼女のクローンをもとに作ったため、容姿はイヴをそのまま大人にしたような姿をしている。人の命を弄ぶ研究に嫌気が差してトルネオのもとを出奔。その後は山奥で隠遁生活をしていたが、のちにナノマシンによって子供化したトレイン=ハートネットらが訪ねて来た際、彼らに元に戻るためのアドバイスをした。ナノマシン技術を欲する「星の使徒」にも勧誘されていたが、命をもてあそぶ彼らの理念に賛同できず、勧誘を断っている。しかし、エーテスのコピー能力によってナノマシン技術を奪われ、不死のナノマシン「G.B(ゴッドブレス)」の完成に利用されてしまった。若いながら豊富な知識を持ち、理知的な性格をしているが、生活能力は壊滅的。料理をすれば何を作っても、異臭を放つヘドロ状の物体になってしまう。また何もないのによく転んだり、おっちょこちょいな部分が目立つ。

リバー=ザストリー (りばーざすとりー)

掃除屋稼業を行う青年。年齢は19歳。「ガーベルコマンドー」と呼ばれる古武術を祖父から学んでおり、拳一つで凶悪犯との戦いを潜り抜けてきた。「ガーベルコマンドー」は拳打を主体とした武術で、徹底的に鍛え上げられた拳は、銃弾を跳ね返すほどの威力と速さを持ち、リバーは5年間掃除屋稼業を続けて、一度も銃弾を浴びていないのを誇りとしている。祖父を尊敬し、自身の技に絶対の自信を持っており、自身の拳が銃にも勝る最強の武器だと証明するのが目標。そのため最強の銃使いであるトレイン=ハートネットの事をライバル視している。高い戦闘能力を持つが、直情的で短気。体力配分を考えず、最初から全力で戦闘を行うため、トレインからはその様子を「筋肉バカ」と言われた。その実力から勧誘され「掃除屋同盟」に参加。クリード=ディスケンスの本拠地での戦いでは真っ先にトレインと合流し、文句を言い合いながら共闘した。

ケビン=マクドガル (けびんまくどがる)

革命集団星の使徒を倒す為に作られた「掃除屋同盟」に参加した掃除屋。正義感が強い好青年で、掃除屋になってからまだ日は浅いが、巨大麻薬組織を壊滅させたことから、名は知られている。二丁の拳銃を武器とし、集団相手の戦いを得意とする。また救急セットを持ち歩く、マメな性格。

ロイド=ゴールドウィン (ろいどごーるどうぃん)

IBI(国際捜査局)捜査官時代のスヴェン=ボルフィードの相棒。物腰穏やかな眼鏡をかけた青年で、家族と仲間を何より大切にしていた。「予見眼」という、未来を垣間見る特殊能力を持っており、幼少時に両親が殺される未来を予知してしまう。その未来が実際に起きてしまったため、自身のような人間を増やさないために能力を役立てる事を決意、捜査官を志すようになった。「予見眼」が任意で見られるのは数秒先の未来だけだが、稀に近未来の情景を無意識に見てしまう事もある。ロイド=ゴールドウィンはこれにより、スヴェンが犯罪者の報復で死亡してしまう事を予知し、彼をかばって死亡した。妻子持ちで、娘へのプレゼントと妻への言葉をスヴェンに残してこの世を去った。享年は22歳。死ぬ1週間前にアイバンクに登録しており、ロイドの角膜は事件で視力を失ったスヴェンの右目に移植された。それと同時にロイドの「予見眼」の能力もスヴェンに受け継がれている。

セフィリア=アークス (せふぃりああーくす)

「クロノス」の戦闘集団「時の番人」を束ねるリーダーの女性。カリスマあふれる美しき才媛で、人の本質を見抜く優れた観察眼と、すべてを見通す優れた頭脳を持つ。額の部分に「I(ワン)」の刺青を入れている。幼少期から「クロノス」に忠誠を誓うべく徹底的な英才教育をされており、「クロノス」の支配体制を揺るがす者には、手段を選ばず非情な裁きを下す。ただし本質的には心優しい女性で、任務の犠牲になった者には、人知れず涙を流したり、心を痛めたりしており、無用な犠牲は好まない。そのため「クロノス」を脱退したトレイン=ハートネットからも、その部分は信頼されている。基本的に「時の番人」の指揮を担当しているため、前線に出る事はないが、戦闘力は高い。「アークス流剣術」を習得しており、戦闘ではオリハルコン製のサーベル「クライスト」を振るって戦う。緩急をつけた特殊な無音移動法で敵を翻弄する、スピード主体の戦いが得意で、岩すらたやすく切り刻む「クライスト」を手足のように自在にあやつる。また奥の手である奥義「滅界」は、肉体に多大な負担を与えるものの圧倒的な破壊力を持ち、対象を一瞬で塵芥になるまで切り裂く。

ジェノス=ハザード (じぇのすはざーど)

「クロノス」の戦闘集団「時の番人」の一人。軽薄な雰囲気を持つ黒髪の男性で、年齢は25歳。左肩の部分に「Ⅶ」の刺青を彫っている。女好きの軟派な性格をしており、セフィリア=アークスの命でリンスネット=ウォーカーと接した際も、女好きな面をさらけ出していた。「時の番人」の中でも穏健派で知られており、仲間想いで、無用な犠牲もなるべく出したくないと考えている。与えられているオリハルコン製の武器「エクセリオン」はグローブのような見た目をしており、グローブの指先部分からオリハルコン製のワイヤーを出してあやつる事ができる。ワイヤーは岩すら切り裂く切れ味を持ち、また力加減を調整すれば人をキャッチしたり、拘束したりと幅広い使い方ができる。ただし技量が未熟な者が使うと、人をキャッチしようとしても、間違って輪切りにしてしまうため、非情に扱いの難しい武器となっている。ナイザー=ブラッカイマーとベルーガ=J=ハードと共に奇襲暗殺チーム「ケルベロス」を組んでおり、一度はクリード=ディスケンスに肉薄。その際、彼の片腕を奪ったものの取り逃がし、仲間を失うという痛み分けの結果になってしまった。

トルネオ=ルドマン (とるねおるどまん)

「闇の商人」として武器密輸組織を束ねる男性。年齢は65歳。近年、ソニア大陸で勢力を伸ばしており、その首には5000万イェンの懸賞金がかかっている。その性格は傲慢、残虐そのもので、敵はおろかミスを犯した部下ですら戯れに殺すほどである。現在の退屈な世界を壊したいと思っており、そのためにクリード=ディスケンスに援助を行ったり、究極の生体兵器であるイヴを作ったりしている。人を人と思わない性格をしていたが、それが仇になって、スヴェン=ボルフィードとの交流で自我を芽生えさせたイヴに離反されて捕まった。さらに100億イェンを費やしたナノマシン研究所を破壊された事ですべてを失い、廃人状態となったうえに、その後、口封じのためにクリードに殺された。彼が培ったナノマシン技術はクリードの手に渡り、不死のナノマシンを作る礎となった。またイヴにとっては、昔の自分と並んで罪の象徴として、心の奥底に根深く存在を残している。

ギャンザ=レジック (ぎゃんざれじっく)

アフロ頭が特徴的な中年の男性。ルーベックシティで起きていた連続殺人事件の犯人。圧倒的なパワーで殺人を繰り返し、街を恐怖に染め上げていた。実は元ボクサーでケンカで誤って人を殺してしまい、IBI時代のスヴェン=ボルフィードに逮捕されたという過去を持つ。その後、脱獄して逃亡生活を続けていたが「星の使徒」に勧誘され、革命に参加するという約束を交わして「道」の力を与えられた。目覚めた能力は「MUSCLE(筋肉)」と言い、肉体を強化するという、単純だが非常に強力な能力。「氣」によって強化された肉体には銃弾すら効かず、素手でも圧倒的な破壊力を繰り出す。ギャンザ=レジックは目覚めた力に酔いしれ、「星の使徒」との約束も反故にしてルーベックシティで快楽殺人を繰り返していたが、トレイン=ハートネットとスヴェンに敗れた。その後は訓練もせずに力を乱用したため、生命活動に必要な「氣」も使い果たしてしまい、急激に衰弱して死亡した。

トウマ=フドウ (とうまふどう)

掃除屋稼業を営む中年の男性。過去3年のあいだに危険度S級の犯罪者を七人も捕まえており、確かな実力を持っているベテランである。棒術の達人で、刃が仕込まれた棒を武器にして戦い、その実力はトレイン=ハートネットも認めるほど。クリード=ディスケンスを捕らえるため「掃除屋同盟」に参加したが、クリードのアジトでの戦いで逆に捕らえられてしまう。その後はドクターにムンドックと共にナノマシン「BERSERKER」を打ち込まれて正気を失い、あやつられるままトレイン達と戦ってケビン=マクドガルに重傷を負わせてしまった。イヴの変身能力によってナノマシンを破壊されて正気に戻ったあとは、自分達が傷つけた仲間を治療するためアジトからの脱出を図る。

デュラム=グラスター (でゅらむぐらすたー)

「星の使徒」に所属する青年。西部劇のガンマンのような出で立ちをし、特徴的なデザインのマスクで口元を隠している。「道」の能力は「SHOT(銃撃)」。銃に「氣」を送り込む事で「氣弾」を放つ事ができる能力で、本人の「氣」が尽きない限り、弾切れも弾の装填も必要のない能力。また「氣弾」は威力調整も可能で、溜めて放つ事で大爆発を引き起こす「氣弾」を放つ事も可能となっている。ただし銃に「氣」を込めて放つ関係上、銃がなければ「氣弾」を放つ事ができないのが弱点となっており、デュラム=グラスターはこの弱点を補うべく、口元のマスクの内側に予備の小型銃を隠し持っている。「銃使い」として圧倒的な能力を持っていると自負しており、「最強の銃使い」を自称する。そのためトレイン=ハートネットには一方的なライバル心を抱いており、彼を打倒するため独断専行でトレインのアジトを襲来。アネット=ピアスやイヴといった身近な人物を傷つけ、トレインと戦った。トレインに敗北後はクリードに独断専行を咎められるが、反省の色を見せなかったためクリードに粛清された。

リン=シャオリー (りんしゃおりー)

「クロノス」の戦闘集団「時の番人」に所属する男性。中世的な風貌の青年。与えられているナンバーは「Ⅹ」で、胸の中心部分にタトゥーが彫られている。現メンバーの中では比較的新参者。トレイン=ハートネットが「クロノス」を抜けたあとに「時の番人」に任命されたためトレインとは面識がなかった。高速変装術の達人で「魔術師(マジシャン)」の異名で呼ばれており、その技術を活かして隠密や潜入を得意とする。トレイン達の前にも正体を隠して度々現れており、「掃除屋同盟」の話を持ちかけた情報屋「グリン」はリン=シャオリーが変装した姿の一つだった。戦闘ではオリハルコン製の鋼糸を編みこまれた銀色の羽衣「セイレーン」で戦う。「セイレーン」は薄手の羽衣ながら銃弾をはじき、鋼鉄を切断するほどの切れ味を誇る武器で、攻防一体の活躍を見せた。

メイソン=オルドロッソ (めいそんおるどろっそ)

「クロノス」の戦闘集団「時の番人」に所属する男性。与えられているナンバーは「ⅩⅡ」で、現メンバーの中では最高齢の老人である。25年前の「道の一族」と「クロノス」の戦いを生き抜いた古強者であり、飄々とした言動をしつつも先達として仲間を導いている。

クランツ=マドゥーク (くらんつまどぅーく)

「クロノス」の戦闘集団「時の番人」に所属する男性。年齢は26歳。顔の上半分をマスクで覆って隠している。与えられているナンバーは「Ⅳ」でマスクの左目部分に刻印が刻まれている。数年前、戦いの中で視力を失っており、その後、壮絶な訓練の果てに音と空気の流れですべてを把握する観察力を身につけたという過去を持つ。盲目ながら銃弾すら見切る技の冴えを見せる。オリハルコン製のナイフ「マルス」を与えられており、このナイフは超振動を発生させる事で抜群の切れ味を発揮する。クランツの見切りの速さと合わされば、飛んできた銃弾を真っ二つに切り裂く事ができるほどである。バルドリアス=S=ファンギーニとコンビを組んで動く事が多く、「時の番人」の中でも特に好戦的な二人とされている。

ルガート=ウォン (るがーとうぉん)

危険度A級の犯罪者の男性。その首にかかった賞金は2000万イェン。500年の歴史を誇る暗殺拳法「無双流」の使い手で、「暗殺は芸術」という独自の美学に従って殺人事件を繰り返していた。警備員に守られた金持ちなど敢えて難易度の高い対象を殺す事に喜びを見出しており、世界有数の大富豪であるマダム・フレシアを標的にしてパーティーに忍び込んだ。パーティーに参加していたトレイン=ハートネットに発見され、戦闘を繰り広げ、トレインの神業ともいえる銃技を目にして自信を喪失。勝負はトラブルによって有耶無耶になってしまい、マダム・フレシアの暗殺を続行しようとするものの、この方法では失った自信を取り戻す事はできないと思い至り、暗殺を取り止めている。その後はトレインを超えるべく暗殺業を休止して修行する事を決心し、トレインに再戦を誓って去って行った。

プレタ=グール (ぷれたぐーる)

「星の使徒」に所属する男性。「道」の能力に目覚めた際に髪の毛や眉が抜け落ちており、毛のない特徴的な顔立ちをしている。能力「ERODE(腐食)」で触れたものを腐らせ、朽ちさせる特殊な「氣」を発生させる事ができる。普段は手の部分にしか「氣」は発生していないが、全力を出す事で全身にまとい、防御にも転用が可能となっている。「道」の能力に目覚める以前から16人の人間を殺した殺人鬼で、人を腐らせて殺す事に喜びを見出す残忍な性格をしている。逮捕されて懲役250年の刑に処されていたが、「星の使徒」に脱獄を支援されたため合流している。圧倒的な戦闘力を持つが、飛び道具には弱いという弱点をリバー=ザストリーに見抜かれ、敗北した。

ナイザー=ブラッカイマー (ないざーぶらっかいまー)

「クロノス」の戦闘集団「時の番人」に所属する男性。年齢は28歳。与えられているナンバーは「Ⅴ」。スキンヘッドの強面で、タトゥーは額の左側に彫られている。ジェノス=ハザード、ベルーガ=J=ハードと共に奇襲用暗殺部隊「ケルベロス」を組んでおり、クリード=ディスケンスのアジトに奇襲を仕掛けた。クリードには友人を殺されているため憎悪の感情を向けており、我が身に代えてもクリードを葬ろうとしている。オリハルコン製のトンファー「ディオスクロイ」をあやつり、スピードとパワーを兼ね揃えた高い戦闘能力を持っている。

ムンドック

掃除屋稼業を営む大柄な男性。見た目どおりのパワーを活かした戦闘を得意とし、拳銃が仕込まれた金棒を武器にして戦う。クリード=ディスケンスを捕らえるため「掃除屋同盟」に参加したが、クリードのアジトでの戦いで逆に捕らえられてしまう。その後はドクターにトウマ=フドウと共にナノマシン「BERSERKER」を打ち込まれて正気を失い、あやつられるままトレイン達と戦ってリバー=ザストリーに重傷を負わせてしまった。イヴの変身能力によってナノマシンを破壊されて正気に戻ったあとは、自分達が傷つけた仲間を治療するためアジトからの脱出を図る。

ベルゼー=ロシュフォール (べるぜーろしゅふぉーる)

「クロノス」の戦闘集団「時の番人」に所属する男性。年齢は37歳。与えられているナンバーは「Ⅱ」。強面で、左手の甲部分にタトゥーを入れている。リーダーであるセフィリア=アークスを支える副長的な立場におり、任務のためなら己の命すら投げ出す高い忠誠心を持っている。一方で無愛想ながら友人や仲間を気づかう面倒見のいい一面を持っており、組織を脱退したトレイン=ハートネットにも分け隔てなく接したり、仲間を失ったジェノス=ハザードを励ましたりしている。槍術の達人で、戦闘ではオリハルコン製の槍「グングニル」を振るって戦い、槍の一突きで衝撃波を発するほどの力を見せた。

バルドリアス=S=ファンギーニ (ばるどりあすえすふぁんぎーに)

「クロノス」の戦闘集団「時の番人」に所属する男性。年齢は27歳。与えられているナンバーは「Ⅷ」で、首筋にタトゥーが彫られている。「時の番人」の中でも獰猛な性格をしており、強敵との戦いを求め、場合によっては仲間に対しても牙を向ける。相棒のクランツ=マドゥークと合わせて「時の番人」で最も好戦的な人物である。ただし「クロノス」への忠誠心そのものは本物で、「クロノス」の掟や命令には忠実に従っている。武器はオリハルコン製の鎖つき鉄球「ヘイムダル」。普通に鉄球部分を投げて使っても強力だが、鉄球には加速用のブースターが付いており、手元のコントローラーで操作可能で、加速する鉄球を変幻自在にあやつって戦う。

ディーク=スラスキー (でぃーくすらすきー)

「星の使徒」に所属する青年。厚手の防寒服に身を包んでいる。女性を殺す事に喜びを感じる生粋のシリアルキラー。逮捕されて懲役120年の刑に処されていたが、「星の使徒」に脱獄を支援してもらったため、彼らに協力している。目覚めた「道」の能力は「FREEZE(凍結)」で、氷を自在にあやつる事ができる。対象の熱を奪って凍らせたり、氷を飛ばしたりできるほか、体表を凍らせる事で銃弾を防ぐほどの防御力も発揮する事が可能。近づくだけで体温を奪って凍らせられるうえに、遠距離攻撃はことごとく防ぐ事ができるが、スヴェン=ボルフィードに電気を防ぐ事ができないという弱点を突かれて敗れた。

ベルーガ=J=ハード (べるーがじぇいはーど)

「クロノス」の戦闘集団「時の番人」に所属する男性。年齢は29歳。与えられているナンバーは「ⅩⅠ」。寡黙な大男で、額の右側部分にタトゥーが彫られている。任務には私情を持ち込まないプロフェッショナルで、与えられた任務を黙々とこなす。ジェノス=ハザード、ナイザー=ブラッカイマーと共に奇襲用暗殺部隊「ケルベロス」を組んでおり、クリード=ディスケンスのアジトに奇襲を仕掛けた。オリハルコン製のバズーカ「ウルスラグナ」を与えられており、圧倒的な破壊力で拠点への破壊活動を行う。「ウルスラグナ」は最大3発の弾を装填する事ができ、弾切れになった場合は手動で変形させる事でハンマーとしても使用可能。このため遠近スキのない武器となっている。クリードとの戦いでは命令のために仲間を犠牲にしてでもクリードを倒そうとするが、仲間の犠牲を許容できないジェノスの妨害によって失敗。任務は失敗したものの仲間を自分の手で殺さなかった事に安堵し、最期は仲間を瓦礫からかばい、ジェノスに感謝の言葉を残して死亡した。

ティム=バーティカル (てぃむばーてぃかる)

13歳の少年。父親はジャーナリストで、警察の不正を追っていたが、裏社会と結託していたボールディン警部に父親を殺されてしまう。生前の父親に犯罪の証拠を渡されており、裏社会の悪漢達に追われながらも父親の復讐に燃えていた。偶然出会ったトレイン=ハートネットに復讐を依頼、彼に守られながらも父親を殺したボールディンと対峙し、復讐の引き金を引いた。復讐を成し遂げたものの同時に復讐の空しさに気づき、その内情をトレインに吐露した。実はトレインによって銃弾をすり替えられており、撃った弾が麻酔弾だった事をトレインより明かされ安堵した。その後は、ボールディン達の犯罪の証拠を白日のもとにさらし、いつか父親の意思を継いでジャーナリストになって取材しに行くと、トレイン達に約束を交わし、親戚の家に目指して去って行った。

集団・組織

クロノス

世界経済の3分の1を支配する秘密結社。最高指導者はウィルザークと呼ばれる老人で、側近であるキンやシンと共に「長老会」と呼ばれる会議を開いて方針を決定している。「時の番人」と呼ばれる独自の戦力を保有しており、組織の邪魔者となる存在は冷酷に処理する。一方で組織の目的は世の安定であるため、幹部の中には各国の長や市長が名を連ねており、それらをコントロールする事で世の安寧に寄与している。そのため一概に悪とはいえない存在である。

時の番人 (くろのなんばーず)

クロノスに所属する実働特務部隊。基本的に12名で構成され、メンバーにはローマ数字の「I」から「ⅩⅡ」のいずれかが与えられ、対応した数字が体のどこかにタトゥーとして刻まれる。トレイン=ハートネットは、その実力から特例として存在しないはずの「ⅩⅢ」のナンバーが与えられた。現リーダーは「I」のセフィリア=アークスであり、彼女が「長老会」から指示を受け取り、隊員を指揮する形となっている。全員がそれぞれ一つの武器を極めた達人であり、その実力を活かすためにそれぞれ専用の「オリハルコン」製の武器を与えられている。

星の使徒 (ほしのしと)

クリード=ディスケンスが組織した革命集団。「クロノス」の支配する現体制をよしとせず、革命を起こして理想世界を実現するのを理念としている。構成員にはクロノスとの抗争に敗れた異大陸の「道の一族」の生き残りが所属しており、彼らの教育によって組織を構成する中枢メンバーの多くが「道」の能力を身につけているため、少人数の組織でありながら軍隊にも引けを取らない戦闘力を持つ。また資金も豊富で、独自にナノマシン技術の研究をしたり、親衛隊である「流星隊」に強力な装備を配給したり、底知れない実力を見せる。

その他キーワード

ハーディス

トレイン=ハートネットの愛銃。「時の番人」時代に「クロノス」から与えられたオリハルコン製の黒い装飾銃で、「ⅩⅢ」の刻印が刻まれている。6連式のリボルバー銃で、オリハルコン製なだけあって非常に頑強。銃弾を至近距離から受けても傷つかないほどで、トレインは敵の銃弾や斬撃を受け止める盾としての使ったり、頑強さを活かして打撃武器として振るったりしている。またほかの銃では、驚異的な早撃ちをするトレインの技量に耐え切れずに壊れてしまうため、唯一トレインが本気を出せる銃となっている。トレインにとっては「抹殺者」時代を象徴する武器だが、過去を受け入れた上で前に進むため、敢えて使っている。

予見眼 (びじょんあい)

スヴェン=ボルフィードの右目に宿る特殊能力。対象の数秒先の未来を垣間見る能力で、対象の行動を先読みして攻撃を回避したり、逆に回避を先読みして攻撃を当てたりできる。ただし一度能力を発動すると莫大な体力を消耗し、使い過ぎると強制的に眠ってしまうため、普段は眼帯をして能力を封じている。もとはスヴェンの過去の相棒であるロイド=ゴールドウィンの能力であったが、彼が殉職したあと、彼からその能力を受け継いだ。のちにスヴェンは特訓によって能力を成長させ、対象の動きをスローモーションで見る事ができる「支配眼(グラスパーアイ)」へと能力を変化させた。こちらは[予見眼]よりも体力の消耗が少なく、より実戦向きな能力となっている。

変身能力 (とらんす)

イヴの持つ特殊能力。血液のように体内を循環するナノマシンに脳から命令を下す事で、想像通りに肉体を変化させたり、武器を生成したりする事ができる。イヴの成長によって能力も成長しており、幅広い知識や経験を重ねる事でその運用の幅は広がっており、たとえばイブなら、翼を生やしたり、人魚に変身したり、環境に合わせて最適な形に変身する能力をのちに身につける。ナノマシンは体の隅々まで行き渡っているため、髪の毛を武器に変化させて自在にあやつる事なども可能。イブはのちにそれをさらに進化させ、髪の毛を通じて電子機器に進入したり、ほかのナノマシンに干渉したりといった使い方を編み出している。

(たお)

体内を巡る「氣」をあやつる事で超常現象を引き起こす能力。「神氣湯」を飲んで一時的に仮死状態になったあと、目覚めれば使う事ができるが、適正がない者は「神氣湯」を飲んだあとは仮死状態になって、ゆっくりと死亡してしまう。力に目覚めた者は超常的な力を振るう事ができ、その力は最強の抹殺者集団である「時の番人」に匹敵するほどである。また目覚める能力は人によって違い、それぞれに固有の物になるが、訓練をすれば符術など「氣」を応用した技術も使用できるようになる。ただし逆に「道」の力に目覚めても訓練をしない場合、生命の根幹を支える「氣」を浪費する事で、命にかかわる事態を引き起こしてしまう。ギャンザ=レジックは「道」の力で超人的な力を得たものの、その力を過信して暴走。最期は力を使いすぎた反動から急激に衰弱し死亡してしまった。

掃除屋 (すいーぱー)

凶悪な犯罪者を捕まえて褒賞金を得る賞金稼ぎを生業とする職業。掃除屋として活動するにはIBI(国際捜査局)発行の「掃除人許可証(スイーパーライセンス)」が必要で、15歳以上で実技試験を受けて合格すれば発行される。これを所持していれば、賞金首を捕まえる際に、街中での発砲などがかなりの裁量が認められるが、基本的に賞金首と言えども殺人までは許可されておらず、標的が死亡してしまった場合は褒賞金は減額されてしまう。ただし下はCで上はSSまである危険度の中で、A級を超える凶悪犯に関しては「生死問わず(デッドオアアライブ)」とされている。掃除屋の運営には連邦政府も深くかかわっており、掃除屋は世界各地に大勢存在する。そのため各地には「スイーパーズ・カフェ」と呼ばれる専門の掃除屋専門の酒場も政府によって用意されており、掃除屋はそこで情報交換をしている。

オリハルコン

世界最硬最強の超金属。熱にも衝撃にも強く、鉄をも容易に溶かす高熱にさらされても、形をゆがめる事はいっさいない。「時の番人」の武器は、専門の職人によってすべてこの金属で作られており、使い手の技量もあって圧倒的な性能を誇る。またその性質には未知な部分も多く、トレイン=ハートネットがナノマシンを取り込んで「細胞放電現象」を発現させた際は、トレインのハーディスがそれで発生した電気を吸収・蓄積する事で、偶発的に「電磁砲」を生み出している。

アニメ

BLACK CAT

冷酷な暗殺者として生きるトレイン=ハートネットは、出会った掃除屋ミナツキサヤの自由な生きかたに憧れ、組織から脱退。だがトレインを変えたとして、サヤは暗殺されてしまう。掃除屋となったトレインは、日々犯罪... 関連ページ:BLACK CAT

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