あらすじ
第1巻
プトレマイオス星で暮らす王女クレオパトラは、夏休みの自由研究に悩んだ末に軽い気持ちで地球侵略を題材にしようと決める。プトレマイオス星よりも文明力が遥かに低い地球なら、簡単に侵略できると侮っていたクレオパトラだったが、地球人のれあに捕らえられてしまう。さらにクレオパトラは、帰還のための機械をなくし、プトレマイオス星に帰れなくなってしまう。こうしてクレオパトラは、れあの家で面倒を見てもらう事となり、地球の侵略を目論みながらも日々の生活を楽しみ始める。
第2巻
地球の生活を楽しんでいたクレオパトラは、次第に地球の侵略を考えなくなっていく。そんなクレオパトラにれあは、これからも地球に住んではどうかと提案する。しかしクレオパトラは、プトレマイオス星の民が王女である自分の帰りを待っているからと断る。そこへ、クレオパトラの母親セレーネからの連絡が届く。実はクレオパトラの様子は、遠隔カメラを通してプトレマイオス星に筒抜けだったのだ。セレーネは地球での生活を通してクレオパトラの成長を認め、彼女を迎えにやって来る。一方、れあはクレオパトラとの突然の別れを前に悲しみに暮れるが、プトレマイオス星の科学力により、プトレマイオス星と地球はいつでも行き来ができるようにした。そこでクレオパトラは世話になったれあとのあを、自らの星へと招待する。
登場人物・キャラクター
クレオパトラ
プトレマイオス星の王女である少女で、小学3年生ほどの年齢。周囲からは「パトラ」と呼ばれる。黒髪のおかっぱ頭で、頭には小さな王冠をかぶっている。わがままで尊大な態度を取る事が多く、生意気な性格をしている。その一方で、将来プトレマイオス星を背負う自覚が既に芽生えており、民の事を考える責任感の強い一面も持っている。しかし、身の回りの事を侍女がすべて行なっている事から、一人で風呂に入る事もままならず、周囲から助けられる事が当たり前だと思っている節がある。 夏休みの自由研究として地球を侵略しようと思い立ち、地球へとやって来た。しかし、最初に遭遇した少女れあ達に捕らえられてしまい、その直後に帰還機兼通信機を失くしてしまう。そこでしばらくのあいだ、れあ達の家に泊めてもらう事となる。 その後も地球侵略を目論んでいたが、彼女達と過ごすうちに地球の事が好きになり、侵略する事をあきらめた。
れあ
小学5年生の少女で、茶髪をセミロングにしている。小学生にしては落ち着いた雰囲気を漂わせ、周囲からも大人っぽいと評されている。そのため、周囲にはうまくなじめておらず、夏休みも一人で遊ぶ事が多い。夏休みの前日にプトレマイオス星からやって来たクレオパトラと遭遇し、彼女の持つ兵器を利用して彼女を捕らえる事に成功。捕らえて小さくなったクレオパトラを夏休みの自由研究のテーマにしようと、家に連れ帰った。 そして、プトレマイオス星に帰れなくなったクレオパトラといっしょに暮らすようになる。世話好きな性格で、小生意気なクレオパトラの面倒をうまく見ている。当初は地球侵略を目論むクレオパトラの事を警戒していたが、根が優しいクレオパトラにほだされるうちに、彼女を妹のように思うようになる。 そして夏休みが終わって星に帰還する事となったクレオパトラといっしょに、プトレマイオス星へ遊びに出かける。
のあ
中学1年生の少女。茶髪のショートヘアで、頭には花の形をした髪飾りをつけている。おっとりとした雰囲気を漂わせ、優しい性格をしている。その一方で、気に入らない事があると物静かな言動で怒りをあらわにするため、クレオパトラからは怖い人物だと認識されている。趣味はお菓子などのパッケージをコレクションする事。夏休みの前日にプトレマイオス星からやって来たクレオパトラと遭遇。 れあといっしょにクレオパトラを連れ帰る事にした。その後、クレオパトラとはいっしょに暮らす事となり、彼女の事をいじったりしながらも共同生活を楽しんでいる。そして、夏休みが終わって星に帰還する事となったクレオパトラといっしょに、プトレマイオス星に遊びに出かける。
ホルス
クレオパトラの側近を務めている丸々とした小鳥。クレオパトラの生活をサポートしているが、彼女に小言ばかり口にする。クレオパトラの教育に対して並々ならぬ情熱を持っているが、危機が迫った時には彼女より自分の命を優先して行動してしまう臆病なところがある。クレオパトラから存在を忘れられるなど雑な扱いを受ける事もあり、その度に寂しさから泣いている。
アレス
火星の王女である幼い少女で、露出が多めのドレスを着ている。純粋な性格で、アレスの兄の言う冗談を鵜呑みにする事も多い。地球と同盟を結ぶために火星から地球へとやって来ており、地球人だと勘違いしてクレオパトラに話し掛けている。そして、クレオパトラが地球の侵略を目論んでいると知るや否や、彼女を悪者だと認識。以来、クレオパトラに敵対的な態度を向けつつ、彼女が悪さをしないように見張るために頻繁に地球へと足を運ぶようになった。 そんな中、クレオパトラが地球侵略をあきらめたと知った際には一転して友好的な態度を示すようになり、彼女にその証としてパンダの乗り物をプレゼントした。その後、地球が侵略者から狙われていると知って、侵略者の監視を行うために地球には以前のように頻繁には来られなくなっている。
アレスの兄 (あれすのあに)
アレスの兄。ターバンをかぶった小さな竜のような姿をしており、ふだんは空を飛んでいる。悪い冗談でアレスをからかう事が多く、死んだふりでアレスを頻繁に驚かせている。素直な性格のため、クレオパトラに注意されてからは死んだふりをやめる。
れあ達の母 (れあたちのはは)
れあとのあの母親。二児の母親であるが若々しく綺麗な外見の女性で、プロポーション抜群。一方で老けて見られる事を嫌い、それを指摘したクレオパトラに対して怒りをあらわにした。しかし、初対面だったクレオパトラの面倒を見てあげるなど大らかで優しい性格。また冗談が好きで、ウソを信じやすいクレオパトラをからかう事が多い。 なお、クレオパトラがプトレマイオス星に帰還する事となった際には、セレーネから礼金として金塊を受け取っている。その際、れあ達の母は嬉しさのあまり放心状態となり、クレオパトラからは人生を狂わせてしまったかもと心配されていた。
れあ達の父 (れあたちのちち)
れあとのあの父親。短髪で、優しそうな雰囲気を漂わせた男性。離島の診療所で働いているため、家を空ける事が多い。二人の娘にあまり構ってあげられない事を心配しているが、二人からは島のみんなの健康を守っている自慢の父親だと認識されている。
クレオパトラの父 (くれおぱとらのちち)
クレオパトラの父親で、プトレマイオス星の王を務めている。官僚達と酒ばかり飲んでいるためか、クレオパトラからはあまり尊敬されていない。地球侵略に向かったクレオパトラの様子は遠隔カメラで確認していたが、勉強になるからとしばらくのあいだ連絡もせずに見守っていた。
セレーネ
クレオパトラの母親で、プトレマイオス星の王妃を務めている。黒髪のロングヘアで、前髪をまっすぐに切りそろえている。若々しい見た目の美人で、スタイル抜群。地球侵略に向かったクレオパトラの様子を遠隔カメラで確認しており、彼女の勉強になるからと話し掛けずに黙って様子をうかがっていた。その後、クレオパトラを迎えに行くために地球へとやって来ており、クレオパトラの面倒を見てくれたお礼としてれあの母に金塊を贈っている。
すみれ
夏休みを利用して祖母の家に遊びに来ていた小学1年生の少女。ショートヘアで、側頭部で髪の一部をまとめている。祖母の家の近くで遊んでいた際にクレオパトラと出会い、彼女の友達となる。その後、彼女を姉のように慕って毎日遊んでいたが、家に帰る事となってクレオパトラに別れを告げた。その際、クレオパトラから友達の証としてブローチを受け取っており、その代わりとしてリボンを渡した。 そして、別れ際には来年の夏休みも遊ぼうと、クレオパトラと約束を交わしている。
場所
プトレマイオス星 (ぷとれまいおすせい)
地球からずっと遠い惑星で、クレオパトラが住んでいる。高度な知的文明が成り立ち、地球よりも数段上の科学力を持つ。その一方で水に乏しく、非常に貴重となっているため、毎日風呂に入る習慣はない。また、猫はプトレマイオス星で神の化身である伝説の生物だと崇められており、地球で猫を目撃したクレオパトラは非常に驚いていた。