あらすじ
第1巻
人助けが趣味である少女の鳩谷こはねは高校生になってからも、落ち着きがなく、無鉄砲に人助けする姿を周囲から心配されていた。こはねは、幼なじみの猿渡宇希からも注意を受けていたが、そんなある日、彼女は野球の試合で少女たちがチアリーディングで応援している姿をたまたま見かける。少女たちの輝くような姿と、「人の力になるためのスポーツ」であるチアリーディングに魅了されたこはねは、高校に入学したらチアリーディングを始めることを決意する。しかし、入学した高校にはチアリーディング部がなかったため、こはねは志を立てたにもかかわらず、早くもつまずいてしまう。そんなこはねだったが、入学式であいさつをした新入生の中で首席の有馬ひづめが、野球の試合でチアリーディングしていた少女だったことを知る。こはねはひづめにチアリーディングをいっしょにしようと持ち掛けるものの、ひづめはその申し出を拒絶する。その後、ひづめは度重なるこはねの説得をわずらわしく思いながらも、どこまでも真っすぐで、体を張ったこはねの熱意に心動かされ、ついに彼女の提案を受け入れるのだった。そして、そんな二人の様子を見守っていた宇希も次第にチアリーディングの魅力に惹かれるようになり、こはねと共にチアリーディングをすることを約束する。こうして三人はチアリーディング同好会を設立し、一歩ずつ前進していく。
第2巻
ひょんなことで鳩谷こはねたちはバスケットボール部の鯨井汐凪と知り合い、彼女たちバスケットボール部の応援をすることとなる。こはねのクラスメートである舘島虎徹は、秋常紺の恋愛相談をきっかけに、チアリーディング同好会のことを知る。そして虎徹は、彼女たちがバスケットボール部を応援する姿を見て、自分も彼女たちのように輝きたいと思い、同好会への入部を決める。練習を重ねて活動を続けるうちに、次第に口伝に評判が広がり、彼女たちのもとに学校外からのチアリーディングの依頼も舞い込むようになる。汐凪からも再び県大会の応援依頼を受けた、そんなある日、彼女たちの前に牛久花和が立ちふさがる。ひづめの中学時代の知り合いで、彼女をチアリーディングの先輩と慕う花和は、こはねたちのあまりのレベルの低さに憤慨。花和はこはねたちに物申すが、その際にちょっとしたアクシデントが起き、猿渡宇希がケガをしてしまう。折しも汐凪の依頼がせまる中であったため、責任を感じた花和は宇希の代役を申し出る。そしてあこがれのひづめとチアリーディングをしたことで、花和はチアリーディングの楽しさを思い出し、再びチアリーディングを始めることを決意し、チアリーディング同好会に入部する。また、彼女の入部によってチアリーディング同好会は規定を達したため、チアリーディング部へと昇格するのだった。
第3巻
鳩谷こはねたちはチアリーディング部として歩み出し、合宿で特訓をしたり、盛り上げ要員としてイベントに参加したりと、大忙しの日々を送っていた。五人でアルバイトをしてユニフォームも手に入れ、チアリーディング部はますます確固としたものになっていく。しかしそんなある日、こはねたちは有馬ひづめの過去のチームメイトである根古屋鈴子、根古屋珠子の双子姉妹と出会う。根古屋姉妹となかよくなったこはねは、後日行われるチアリーディングの大会に二人も参加することを知り、大会での再会を約束して別れる。そして迎える大会当日、根古屋姉妹のチームはみごとなチアリーディングを見せ、こはねはその姿に感動する。しかしこはねは、心のどこかで根古屋姉妹に対抗意識を燃やしてしまい、緊張していつもの調子が出せないでいた。不安と焦りにとらわれるこはねだったが、仲間たちの声に従い、周囲に目を向けることで、観客たちから自分が応援されていることに気づく。いつも応援している側だったが、応援される側になったことで、こはねはいつもの調子を取り戻し、チアリーディングの大会も無事に乗り切る。結果は予選落ちだったが、仲間たちの結束は深まり、根古屋姉妹もこはねたちのチアリーディングを見たことでいい影響を受けるのだった。
第4巻
鳩谷こはねたちは体育祭で応援合戦を行ったりと大忙しの日々を送る中、気づけば3年生は引退の時期に差しせまっていた。こはねたちはお世話になった鯨井汐凪も、バスケットボール部を引退することを知り、彼女のために感謝の気持ちを込めてチアリーディングをすることを決める。一方、汐凪は引退しつつも、後輩たちが心配で悩める日々を過ごしていた。後輩を信頼して部を任せるべきと思いつつも、心配して気になってついつい部室に通い詰めてしまっていたのだ。汐凪は前に進まなければならないと考える一方で、後輩たちへの思いで踏ん切りがつかずにいた。しかし汐凪は、こはねたちの感謝のエールを見たことで、出会った当初は未熟だったこはねたちの成長ぶりを実感する。そのことに気づいた汐凪はあとを後輩たちに託し、前に進む決意を固める。そんな中、バスケットボール部の新部長となった梶木は汐凪たちを気持ちよく送り出そうと気炎を上げていた。梶木はチアリーディング部に応援を依頼し、万全の状態で練習試合に挑むものの試合には敗北してしまう。落ち込む梶木であったが、汐凪の激励に元気づけられ、再び立ち上がるのだった。そしてこはねたちも、汐凪と梶木たちの様子を見て、気持ちを新たにする。
関連作品
きららファンタジア
株式会社ドリコムが、開発および運営を行っているスマートフォン専用ゲームアプリ『きららファンタジア』に、本作『アニマエール!』のキャラクターも登場している。まずは2018年11月21日に鳩谷こはね、有馬ひづめ、猿渡宇希の三人が実装され、2019年1月9日に舘島虎徹、牛久花和の二人も実装された。
コラボレーション
こてっちゃん
エスフーズ株式会社と伊藤ハム株式会社が販売をしている牛もつ加工品「こてっちゃん」とのコラボレーション企画が行われた。本作『アニマエール!』のTVアニメ版が放映中の2018年12月5日、こてっちゃんの公式Twitterアカウントが、本作に登場する舘島虎徹の愛称が「こてっちゃん」であることに反応。これにすぐさまアニメ公式Twitterアカウントも反応し、本作の原作者である卯花つかさもTwitterで両者のコラボイラスト(https://twitter.com/unotsuka/status/1070162673038352384)を投稿している。その後、アニメ最終話で急きょ両者のコラボレーションが実現し、アニメ劇中に「こてっちゃん」の商品が登場し、両Twitterアカウントでそのシーンがアナウンスされた。またアニメ最終回を記念して、期間中にTwitterでアニメ公式アカウントとこてっちゃん公式アカウントをフォローし、該当ツイートをリツイートしたら抽選でグッズが当たるコラボキャンペーンも行われた。
メディアミックス
TVアニメ
2018年10月から12月にかけて、本作『アニマエール!』のTVアニメ版『アニマエール!』が、BS-11、AT-X、インターネット配信ほかで放映された。制作は動画工房が担当した。TVアニメ版は「かわいくてカッコいい」をテーマに、鳩谷こはねたちがチアリーディングを通じて成長していく青春物語となっている。TVアニメ版ではアメリカで日本人としては初めてNBA/NFLチアリーダーとなった柳下容子がチアリーディングの監修に当たっており、チアリーディングのシーンや、振り付けには特に力が入っている。なお、チアリーディングにはリーディングとダンスという区分けが存在するが、アニメではあえて双方のいいところを取った振り付けをしている。また、チアリーディングに使われるBGMは、さまざまなJ-POPを複数のアーティストがカバーした曲が使われている。こはねを尾崎由香、有馬ひづめを山田唯菜、猿渡宇希を井澤美香子が演じている。
登場人物・キャラクター
鳩谷 こはね (はとや こはね)
神ノ木高校に通う女子生徒。登場時点での学年は1年生で、年齢は15歳。身長は151センチで、血液型はB型、誕生日は7月4日。ボリュームのあるピンクブロンドの髪をセミロングに伸ばしている。頭が悪く、運動も得意ではないが、ポジティブでバイタリティにあふれた性格をしており、人助けが大好き。ただ、中学生までは人助けに没頭するあまり、生傷の絶えない生活を送っていたため、幼なじみの猿渡宇希から心配されていた。高校の入学直前に有馬ひづめのチアリーディング姿を偶然見かけて、「人の力になるためのスポーツ」であるチアリーディングに魅了され、高校でチアリーディングを始めることを決意する。しかし、神ノ木高校にはチアリーディング部がなかったため、ひづめ、宇希と共にチアリーディング同好会を設立する。のちに舘島虎徹、牛久花和が入部したことで条件を満たして部に昇格し、行動力を買われて部長に就任する。名字の「鳩」にかけて「鳥頭」と揶揄されるほど物覚えが悪く、「チア」のことも最初は「チェア」と言ってしまうほど言いまちがいが多い。また、体が硬くて運動神経も鈍く、さらに高所恐怖症なこともあって、ダンスの腕もいまいちと評価されている。このため、当初はやる気だけが空回りし、指導役のひづめを悩ませることも多かったが、努力のかいあって少しずつチアリーディングの技を身につけている。また、明るく行動力のある鳩谷こはねの姿は周囲を元気づけることも多く、チアリーディング部になくてはならない存在となっている。
有馬 ひづめ (ありま ひづめ)
神ノ木高校に通う女子生徒。登場時点で学年は1年生。身長は163センチで、血液型はA型、誕生日は12月8日。青みがかった黒い髪をストレートロングに伸ばしている。冷静な性格の落ち着いた雰囲気を漂わせた優等生で、高校の入学式では主席に選ばれたほど成績は優秀。中学時代まではチアリーディングのクラブチームに所属し、「鉄壁のベース」の異名で呼ばれていたほど確かな実力を誇る。ふだんは無表情ながら、チアリーディング時には輝くような笑顔となる。しかし、自分にも他人にも厳しいストイックな姿勢から、次第にほかの部員と意識の違いが浮き彫りとなり、孤立してしまった過去がある。その経緯からチアリーディングへの熱意が失われ、持ち前のストイックさから中途半端な気持ちでチアリーディングに打ち込むのを嫌い、高校に入ってからは失意の日々を送っていた。実は中学時代に、チアリーディングをしていた姿を鳩谷こはねに目撃されており、彼女に多大な影響を与えている。入学後はこはねに存在を気づかれ、彼女に付きまとわれることとなる。当初は付きまとうこはねを嫌っていたが、拒絶されてもぶつかってくる彼女の熱意に心動かされ、チアリーディング同好会をいっしょに始める。中学時代の孤立した経験がトラウマになっており、些細なきっかけで過去を思い出してはよく落ち込んでいる。また、端正な顔立ちと凛とした立ち居振る舞いから一種のカリスマ性を持ち、クラスでは高根の花のような扱いを受けている。文武両道でなんでもそつなくこなすが、絵を描くことだけは壊滅的に下手。ひづめの兄とは兄妹仲が良好だが、兄の偏った知識を疑いもなく受け入れているため、時折兄の影響で突拍子もない言動をする。
猿渡 宇希 (さわたり うき)
神ノ木高校に通う女子生徒。登場時点で学年は1年生。身長は160センチで、誕生日は4月12日、血液型はO型。ライトイエロー色の髪をサイドアップテールにしており、しっかり者で面倒見がいい。鳩谷こはねとはクラスメートにして幼なじみでもあり、昔からむちゃばかりしてる彼女を心配しながら見守り、彼女のチアリーディングを応援していた。当初はチアリーディングに興味はなかったが、こはねと有馬ひづめの熱意によって徐々にチアリーディングの魅力を知り、チアリーディング同好会に所属するようになる。まじめな常識人であるため、自由奔放な部員の多い同好会の中ではツッコミ役を担っている。一方、こはねの溺愛っぷりは同好会に所属してからも相変わらずで、こはねが部員たちとなかよくしているだけでも、嫉妬する姿を見せている。また、弟の猿渡暁音の影響で時折男口調となる。姉弟仲はいいが、弟がチアリーディングのような女性らしいものを嫌っているために言い出せず、陸上部に所属しているとウソをついてしまう。しかし、弟の所属しているサッカーチームの応援依頼を受けたことで真実を打ち明ける。
舘島 虎徹 (たてじま こてつ)
神ノ木高校に通う女子生徒。登場時点で学年は1年生。身長は154センチで、誕生日は3月14日、血液型はA型。ダークブラウン色の髪をボブカットに整え、お団子状にして髪をまとめている。名前の由来は名刀と知られる「虎徹」だが、舘島虎徹自身は女の子っぽくないことから、気に入っていない。鳩谷こはねからは「こてっちゃん」の愛称で呼ばれる。内気で人見知りな性格のため、初対面の人間に対してはおとなしい態度を取ってしまう。しかし、一度心を許した相手には、ズバズバ物を言う毒舌家な一面を覗かせる。そのさまは名前の由来になった名刀にあやかって、相手を「言葉の刃で切り捨てている」とも評されている。秋常紺とは友人関係で、彼女の付き添いでできたばかりのチアリーディング同好会に顔を出し、こはねたちと知り合う。こはねに勧誘されたが、人見知りなために当初は断っていた。しかしその後、彼女たちがバスケットボール部を応援している姿を見て、みんなといっしょなら輝けるかもと思い直し、入部を決める。実はかなりの食いしん坊で、スキさえあれば何かを食べている。そのせいで体重と体型を気にしており、ダイエットには人一倍関心がある。
牛久 花和 (うしく かな)
神ノ木高校に通う女子生徒。登場時点で学年は1年生。身長は159センチで、血液型はAB型、誕生日は11月11日。赤毛の髪をツインテールにセットしており、気の強い性格をしている。中学時代は有馬ひづめと同じチアリーディングのチームに所属しており、先に入部していた彼女を「先輩」として慕っていた。しかし、インフルエンザで体調を崩していたあいだにひづめがチームを脱退。ひづめがいないチームに失望し、牛久花和自身も脱退する。ひづめが困っていた時に力になれなかった負い目から、高校入学後しばらくのあいだはストーカーのように彼女を追いかけていたが、チアリーディング同好会設立に伴って、鳩谷こはねたちに物申すようになる。猿渡宇希と対話中、不注意で彼女にケガを負わせてしまったため、その代役としてチアリーディング同好会に参加。ひづめとチアリーディングをしたことで、チアリーディングの楽しさを思い出し、チアリーディング同好会に入部する。「花和」という名前が「鼻輪」を連想するため「はなわ」と呼ばれるのが好きではないが、「花輪」を連想したひづめにかわいいと言われたことで受け入れ、以降は「はなわ」の愛称で呼ばれる。チアリーディングの技術と経験はひづめに次いで高く、口調は厳しいが、ダメ出しの内容は的確。実は小さい頃は流されやすい性格で、両親から勧められるまま食べた結果、かなりふくよかな体型となった。チアリーディングを始めたのも太りすぎた結果、健康に影響が出始めたからで、流されるまま始めたのがきっかけだった。しかし、そこでストイックで周りに流されないひづめと出会い、彼女に感化され、チアリーディングに打ち込むうちに瘦せた経緯がある。
犬養 (いぬかい)
神ノ木高校で教師を務める女性。担当教科は数学で、鳩谷こはねたちの所属する1年2組の担任も務める。登場時点での年齢は29歳。灰色の髪を三つ編みにしてまとめ、眼鏡を掛けて落ち着いた雰囲気を漂わせている。仕事ぶりはまじめながら、根は怠惰でいい加減な性格をしており、基本的にテンションが低く、サボることしか考えていない。こはねがチアリーディング同好会を設立する際にその手伝いをしたことがきっかけで、同好会が部に昇格する時に、こはねに説得される形で部の顧問に就任する。中学生時代は「創作ダンスの犬養」と呼ばれるほど奇天烈な踊りをしていたらしく、犬養にとっては人に知られたくない過去となっている。顧問の仕事にも当初は乗り気ではなかったが、その過去をこはねに知られ、半ば脅される形で彼女の要求を受け入れて顧問となった。怠惰で無気力だが、それだけにサボるための努力は怠らず、仕事での人付き合いは人並みにこなして面倒な仕事はさっさと終わらせる。また、スーパー銭湯などのリラックスできる場所が大好きで、銭湯に行く際にはテンションが上がり、いつもの怠惰な態度から一変して下調べや準備を入念に行う。ふだんはまったく動かず、顧問の仕事もほとんどしないために運動不足ながら、運動神経自体はよく、チアのダンスもすぐに覚えた。
鯨井 汐凪 (くじらい しおな)
神ノ木高校に通う女子生徒。登場時点で学年は3年生。紺色の髪をショートに整えたスポーツ少女で、快活な性格をしている。バスケットボール部の部長を務めており、鳩谷こはねたちが知らずにバスケットボール部の練習スペースでチアリーディングの練習をしていたことで知り合う。それが縁で、他校との練習試合の際にチアリーディング同好会に応援の依頼をする。その後も彼女たちの応援を気に入ってたびたび依頼を行い、チアリーディング同好会が躍進する大きなきっかけをつくっている。また照れ屋なところがあり、彼女たちの応援に直接お礼が言い出せず、家庭科部に料理を作ってもらって迂遠的に感謝の気持ちを伝えていたりする。こはねたちとは出会って以降、自己紹介の機会がなかったため、チアリーディング部では長らくこはねが付けた「バスケ先輩」の愛称で呼ばれていたが、部活動引退の際にこはねたちに名前を教えている。こはねがチアリーディング同好会を設立してからずっと付き合ってきたため、彼女たちから感謝されており、引退の際には感謝のチアとチアリーディング部名誉部員認定証をもらっている。
紅葉谷 鹿乃 (もみじや かの)
神ノ木高校に通う女子生徒。登場時点で学年は3年生。少しウエーブのかかった茶色の髪を肩まで伸ばし、上品な雰囲気を漂わせている。家庭科部の部長を務めており、料理の腕はかなりのもの。鯨井汐凪の友人で、彼女に頼まれて鳩谷こはねたちを料理でもてなした。一方でアバウトなところもあり、相手の好みを適当に判断して料理を出したり、部活動の引き継ぎ作業をよくわからないまま終わらせてそのまま放置したりしている。チアリーディング部が汐凪に感謝のチアを送った現場に居合わせ、汐凪といっしょにチアリーディング部名誉部員認定証をもらっている。
梶木 (かじき)
神ノ木高校に通う女子生徒。登場時点で学年は2年生。長い髪をポニーテールにしており、バスケットボール部に所属している。鯨井汐凪の引退後、新部長に就任したため、鳩谷こはねからは「新バスケ先輩」と呼ばれている。部長になった重責と、汐凪に安心して引退してほしい思いから、部長就任直後はプレッシャーに押しつぶされそうになり、おどおどした態度を取っていた。部長就任後、初の交流試合に勝って汐凪を安心させるべく、チアリーディング部に応援依頼を出す。試合結果は惨敗で、部員たちと共に大きく落ち込むが、汐凪の激励で気持ちを新たにする。
秋常 紺 (あきつね こん)
神ノ木高校に通う女子生徒。登場時点での学年は1年生で、2組に在籍している。舘島虎徹の友人で、鳩谷こはねたちのクラスメート。金色の髪をセミショートにした少女で、紅葉の形をした髪飾りを愛用し、いつもトレードマークとして付けている。こはねが設立したチアリーディング同好会の初めての依頼人で、意中の相手に告白するための応援をこはねたちに依頼する。意中の相手は家庭教師のバイトをしている大学生で、勉強を教わるうちに好意を抱くようになる。実は同性愛者で、意中の大学生も女性。恋愛相談で秋常紺自身の事情を知っても真っすぐ応援してくれたこはねたちに勇気をもらい、告白して大学生と恋人同士となった。告白後はチアリーディング同好会に勧誘されたものの、直前に家庭科部に入部していたため、同好会への入部は叶わなかった。料理の腕前は壊滅的で、作った料理の味は食べた人間が数日にわたって寝込んでしまうほど。家庭科部に入っても料理の腕前は相変わらずで、彼女の料理を食べた虎徹からたびたび酷評されている。
根古屋 鈴子 (ねこや すずこ)
オレンジ色の髪をツインテールにした少女。根古屋珠子とは双子の関係で、そっくりな顔立ちをしている。珠子と同じデザインの服を好み、色は白系のものを着ることが多い。有馬ひづめの中学時代のチアリーディングチームのチームメイトで、現在も同じチームに所属している。マイペースな性格で、猫っぽいしぐさをよくする。珠子とは性格もしぐさも同じで、双子ならではの息のぴったりさを見せる。チアリーディングでも、珠子と一糸乱れぬみごとな演技を見せるが、息が合うのは珠子だけで、ほかのチームメイトとはなかなか動きを合わせられずにいる。ひづめがチームを脱退したあともメキメキと腕を上げ、現在は珠子と共にチームのエース的な存在となっている。現在のチアリーディング部でがんばるひづめのことを応援していると口では言っているが、本音はひづめが戻ってきたらエースの座を追われてしまうと考えており、できれば戻ってきてほしくないと思っている。図々しいところもあるが、あまりにざっくばらんな態度で自分の思いを口にするため、逆に清々しいと周囲からは思われている。
根古屋 珠子 (ねこや たまこ)
オレンジ色の髪をツインテールにした少女。根古屋鈴子とは双子の関係で、そっくりな顔立ちをしている。鈴子と同じデザインの服を好み、色は黒系のものを着ることが多い。有馬ひづめの中学時代のチアリーディングチームのチームメイトで、現在も同じチームに所属している。マイペースな性格で、猫っぽいしぐさをよくする。鈴子とは性格もしぐさも同じで、双子ならではの息のぴったりさを見せる。チアリーディングでも、鈴子と一糸乱れぬみごとな演技を見せるが、息が合うのは鈴子だけで、ほかのチームメイトとはなかなか動きを合わせられずにいる。ひづめがチームを脱退したあともメキメキと腕を上げ、現在は鈴子と共にチームのエース的な存在となっている。現在のチアリーディング部でがんばるひづめのことを応援していると口では言っているが、本音はひづめが戻ってきたらエースの座を追われてしまうと考えており、できれば戻ってきてほしくないと思っている。図々しいところもあるが、あまりにざっくばらんな態度で自分の思いを口にするため、逆に清々しいと周囲からは思われている。
猿渡 暁音 (さわたり あかね)
小学生の少年で、登場時点での学年は3年生。猿渡宇希の弟で、彼女と同じライトイエローの髪を短く切りそろえている。サッカー部に所属し、真剣にサッカーに打ち込んでいるため、ミーハーな女子が嫌い。また、「女の子っぽいもの」も嫌いなため、チアリーディングにもいい感情を持っていない。姉弟仲自体は良好で、宇希のことも尊敬している。ただし宇希がウソをついていたため、当初は彼女が陸上部に入部していると信じて疑わずにいた。チアリーディング同好会がサッカーチームの応援依頼を引き受けたため、同好会に所属する宇希と顔合わせする。彼女たちの真剣に演技する姿を見て、考えを改める。鳩谷こはねは年上だが、こはねの見た目と言動のノリが小学生に近いため、同年代の友人のように接する。こはねからは「アッキー」の愛称で呼ばれる。
来海 ありす (くるみ ありす)
友達とチアリーディングをやっている小学生の少女。チア用品を買いに行ったことがきっかけで、鳩谷こはねたちと知り合う。友人とサンタクロースの存在で言い合いとなり、いない場合はトータッチジャンプに挑戦するという約束を交わした。牛久花和の何げない会話をたまたま聞いたために、サンタクロースがいないことを知り、彼女たちの協力のもとトータッチジャンプの練習を行うこととなる。トータッチジャンプは不完全だったものの、友人たちからは褒められ、事なきを得た。実は根古屋珠子、根古屋鈴子の所属しているチアリーディングチームの小学生チームに所属している。
ひづめの兄 (ひづめのあに)
有馬ひづめの兄。大学生でひづめの話にたびたび登場するが、鳩谷こはねたちは直接会ったことはない謎の人物。やたら存在感があり、ひづめから語られる内容だけでも、猿渡宇希にかなりのインパクトを与えている。ひづめによると、現在は出会いを求めてゼミ、アルバイト、合コンを飛び回るキャンパスライフに明け暮れているとのこと。また、女子高校生に並々ならぬ情熱を抱いており、ひづめに偏った知識を教え込んでいる。ひづめから飛び出してくる突拍子のない言動はほとんどが兄が教えたものであるため、宇希はひづめの兄の人格に多大な問題があるのではないかと疑っている。兄妹仲は非常によく、ひづめからは「尊敬できる兄」として慕われている。また、ひづめのチアリーディングの練習にも付き合っており、人物像からは想像もできないほど機敏に動ける。実は過去に剣道をやっており、彼の剣道を応援したら喜んでもらえたのが、ひづめがチアリーディングを始めるきっかけとなっている。