アリンコ球団

アリンコ球団

まったくの野球未経験者である小学生たちがイチから野球を始め、泥んこまみれになりながらも決して挫けない前向きな姿を描いた少年野球漫画。小学館の学年別雑誌「小学二年生」などに1976年から1977年にかけて掲載された。物語はこのあとハリケーンズとの再戦に突入するが、コミックスには未収録となっている。

正式名称
アリンコ球団
ふりがな
ありんこきゅうだん
作者
ジャンル
野球
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概要・あらすじ

小学生の斎藤武は、自分たちの遊び場となっていた広場を、より遊びやすくするために友人たちと整備していた。そんな広場に目をつけた中学生が、自分たちの野球練習場にするため、広場を取り上げようとする。中学生たちの暴挙を阻止するため、武たちは野球で勝負することを決意し、広場の使用権を賭けて無謀な勝負に挑む。

登場人物・キャラクター

斎藤 武 (さいとう たけし)

アリンコチームの4番で、ポジションはピッチャー。キャプテンも務める。野球を始めてからは誰よりも熱心で、チームメイトが諦めてしまうような状況でも声を上げ奮起を促す。また、練習後はノートに記録をつけるなどマメな一面を持つ。

上河内 陣十郎 (かみかわち じんじゅうろう)

アリンコチームが広場で遊んでいた頃からを知る近所にすむ老人。アリンコチームのことをいつも気にかけていて、広場に野球用のネットを設置したり、人数分のユニフォームやストッキング、スパイクまで用意したりして、チームの監督も務めた。昔は野球選手を目指していた。

中村 (なかむら)

クリーニング屋で働く青年。アリンコチームの監督を務めていた上河内陣十郎が病床に伏せていた際に、アリンコチームの監督となることを要請された。高校時代は甲子園に出場したことがある実力者で、野球のことは誰よりも熟知している。野球はチームワークが何より大事である、という信条を持つ。

マメタン

アリンコチームの1番で、ポジションはセンター。打球に素早く飛びつくファインプレーをよく見せてはチームのピンチを救っている。また、セーフティバントが得意で足の速さはチームで一番。

アキコ

アリンコチームの紅一点。2番で、ポジションはセカンド。よくホームランや一発大きいのを狙うと公言するが、堅実にバントをするシーンが多い。実際、相手ピッチャーが外してきた球に対して正確にバントを決めるなど高い技術を持っている。

たつお

アリンコチームの3番で、ポジションはファースト。面長で他のメンバーと比べると身長は高め。西東京リーグ少年野球大会のスラッガーズ戦では、上河内陣十郎が指示したバントの構えからのヒッティングを見事に成功させるなど、バッティングセンスに優れる。

デカ

アリンコチームの5番で、ポジションはキャッチャー。その名の通りがっしりした大きな体格をしている。キャッチャーとしての技術や読みは正確で、危険を察知したら一球外す冷静さを持ち、暴走しがちな斎藤武をうまくコントロールしている名女房役。

のぼる

アリンコチームの6番で、ポジションはショート。広場の使用権を賭けた試合では難しい球に飛びつくなど、守備力に定評がある。また、城東ライナーズとの試合では最終回に気迫のこもったヘッドスライディングで反撃の口火を切るなど、不屈の闘志を見せる。

オムスビ

アリンコチームの7番で、守備位置はサード。頭の形がオムスビのように三角形をしているのが特徴。広場の使用権を賭けた試合ではのぼるから受け取った球をジャンピングスローで見事にアウトにするなど、華麗なプレーを得意としている。

ゴン

アリンコチームの8番で、ポジションはライト。丸刈りに豚鼻の小柄な少年。アリンコチーム存続をかけて大人と試合した際には、いい当たりのライトフライに飛びつき見事アウトにした。

太一 (たいち)

アリンコチームの9番で、ポジションはレフト。西東京リーグ少年野球大会では強打のスラッガーズの難しい打球を二度も処理するなど、守備力に定評がある。しかも、2回目はフェンスにぶつかりながらの見事なファインプレーだった。

お父さん (おとうさん)

斎藤武の父親。野球にのめり込んで勉強をしない武に、アリンコチームが自分のチームに負けたら解散するよう武に要求した。そして、近所の大人たちをかき集めて即席チームを作り、アリンコチームと戦った。試合では1番ピッチャーとして出場した。いい当たりの打球でもすべてシングルヒットになるなど、あまり足は速くない。

真壁 一郎 (まかべ いちろう)

ある日からアリンコチームの練習を毎日見に来るようになった少年。斎藤武がキャッチボールに誘った際、暴投した球をうまくさばいたことから野球経験者だとわかった。病欠のたつおの代わりに試合に出場するが、ことごとくサインを無視したり、自分勝手なプレーをしたりするなど協調性に欠ける。

集団・組織

アリンコチーム

斎藤武がキャプテンを務める少年野球チーム。元々、仲良く広場で遊んでいたメンバーが集まってできたチームなので、野球経験がある少年は途中加入の真壁一郎しかいない。チームカラーとしては自分の役割をこなす手堅い野球が持ち味で、堅実に点数を重ねる。

シャークズ

西東京リーグ少年野球大会決勝戦でアリンコチームと戦ったチーム。ピッチャーの投げる球は速く、カーブも投げられる。斎藤武のコントロールを評価し、決してアリンコチームを下に見たり手を抜くことはしない。

城東ライナーズ (じょうとうらいなーず)

ランニングの練習中に突如、アリンコチームに結成後3試合目の練習試合を申し込んだチーム。アリンコチームより年下の3、4年生のみで構成されているチームで、試合前は完全に下に見ていた。しかし、実際はリトルリーグ二部優勝チームの二軍チームで、サインプレイや緻密な野球は大人顔負け。

スラッガーズ

西東京リーグ少年野球大会初戦で戦ったアリンコチームの対戦チーム。その名前の通り重量打線が特徴で、各バッターが一発を狙って大振りをしてくる。反面、ピッチャーの投げる球はそれほどでもない。だが、アリンコチームはそれまでの連勝に加え、相手チームの大振りにつられて自分たちの野球を見失ってしまい、大苦戦を強いられた。

江戸川ガッツ (えどがわがっつ)

西東京リーグ少年野球大会後の東京都少年野球大会で、アリンコチームが初戦で戦ったチーム。地区予選を勝ち抜いたチームだけあって、その実力は本物。肝心の場面で一本が出ないアリンコチームを6回まで0点に抑えたが、上河内陣十郎の思いに応えようとする斎藤武の前に最後は力尽きた。

ジャガーズ

西東京リーグ少年野球大会後の東京都少年野球大会で、アリンコチームが2戦目で戦ったチーム。監督を中心に一糸乱れぬチームワークを信条としたチームで、一時はコールド勝ちもあるのではないかという程の点差をつけてアリンコチームを圧倒した。最終回に反撃を許したが、結局アリンコチームに勝利している。

中学生チーム (ちゅうがくせいちーむ)

アリンコチームが二部リーグで準優勝した後に戦った、一部リーグの中学生チーム。最初はアリンコチームを完全に格下に見ていたが、善戦するアリンコチームを二部リーグの中でも強いチームであると認識してからは本気を出す。以降はピッチャーも本気モードで投げるようになり、アリンコチームを圧倒した。

ハリケーンズ

斎藤武の家にハガキで挑戦状を送りつけ、アリンコチームとの対戦を希望してきた小学生チーム。それまでの戦歴は12戦して全勝という輝かしいもの。アリンコチームのエースである斎藤武の調子が良くなかったとはいえ、6回表まで9対0とアリンコチームを圧倒した。

コンドルズ

アリンコチームが城東少年野球リーグの入れ替え戦で戦ったチーム。城東少年野球リーグでは最下位となったチームだが、6年間リーグに在籍していたこともあり、地力はアリンコチームより上。しかし、荒い攻撃とアリンコチームの必死の守りの前に苦戦を強いられた。

ベアーズ

アリンコチームが城東少年野球リーグに所属して初めて戦うったチーム。打撃力があり、投手力も高い完璧なチームだが、アリンコチームのことを当初格下に見ていた。アリンコチームが善戦し始めてからは、ピッチャーも速球だけでなく変化球を使うようになる。

イベント・出来事

西東京リーグ少年野球大会 (にしとうきょうりーぐしょうねんやきゅうたいかい)

西東京地区で開かれている少年野球のリーグ戦。アリンコチームが実力をつけてきたことで、上河内陣十郎の提案により参加した。ここで優勝したチームは全東京大会へと出場することができる。

城東少年野球リーグ (じょうとうしょうねんやきゅうりーぐ)

入会希望の多い少年野球リーグ。毎年、城東少年野球リーグの最下位チームに勝ったらリーグ参加が認められるリーグ入れ替え戦を行っている。リーグ入れ替え戦で戦うチームは申し込みの後、抽選で選ばれる。

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