概要
海の底の人魚の王国では、末の王女マリーナが十五歳まで人間の世界を見てはならないという掟を破り、好奇心から海の上に来てしまう。そこで嵐に襲われて遭難した人間の王子フィヨルドを助けた。フィヨルドを忘れられないマリーナは、海の魔女に頼んで人間にしてもらうが、その代償として声を失った。
登場人物・キャラクター
マリーナ
海底にある人魚の国の六人目の王女。十四歳の末娘で、好奇心旺盛。人魚の国で一番とも言われる美しい声の持ち主で、その歌声で海の生き物達を魅了する。ハープを奏でるのも得意。十五歳にならなければ人間の世界を観てはならないという人魚の王国の掟を破って海上へ出る。 そこで嵐で遭難した人間の王子フィヨルドを助けて、恋に落ちた。再びフィヨルドに会いたい一心で、海の世界に棲む魔女と取引し、自分の声と引き換えに人間にしてもらう。 しかし、話すことが出来なくなり、再会したフィヨルドに自分の事を言えない。
スオミの王女 (すおみのおうじょ)
スオミという国の王女。海で遭難し、マリーナに助けられた人間の王子フィヨルドを海岸で見つけた。実は、フィヨルドの政略結婚の相手である。
ジェミー
マリーナが海で助けた人間の王子フィヨルドに仕える侍従長の飼う雌猫。突然現れたマリーナを嫌い、色々と意地悪をして、フィヨルドと引き離そうとする。
人魚の老妃 (にんぎょのろうひ)
マリーナの祖母である人魚の王国の長老的存在。王女達が十五歳になると海の上の世界に行く許可証でもある、真珠の髪飾りを授ける。
魔女 (まじょ)
魔力を使い、人魚の王国では恐れられる存在。マンタの姿をしており、生き血が好物。巨大なイカに守られた館で暮らしている。人間の王子フィヨルドと再会したいマリーナに取引を持ちかけ、その声と引き換えに人間にした。
フィヨルド
とある国の王子。勇敢で凛々しい若者。国のために政略結婚を周囲から求められ、嫌っている。海で遭難した際にマリーナに助けられるが記憶に残らず、海岸で自分を見つけたスオミの王女を命の恩人として、探し求めている。
フリッツ
イルカの少年で、マリーナとは大の仲良し。実はマリーナに恋しているが、恋愛対象とは思われていない。人間の王子フィヨルドに会うために地上へ行ったマリーナを心配し、見守り続ける。
デューク
老いた雄のシロナガスクジラ。イルカの少年フリッツに弱みを握られて、マリーナとフリッツをその巨大な口の中に隠して、海上へと連れて行った。
人魚の王国 (にんぎょのおうこく)
『アンデルセン童話 にんぎょ姫』に登場する国。海の底にある人魚達の国。巨大な貝殻で作られた宮殿に、マリーナとその五人の姉、父の人魚の王、祖母の人魚の老妃が暮らす。
人魚の王 (にんぎょのおう)
人魚の王国の王。母親である人魚の老妃と六人の娘と暮らしている。六番目の末娘であるマリーナが、まだ幼いにも関わらず、人間の世界に興味を持つことを案じている。
その他キーワード
人魚の王国の掟 (にんぎょのおうこくのおきて)
『アンデルセン童話 にんぎょ姫』に登場する掟。人魚の王女達は十五歳にならないと人間の世界である海の上には行く事が出来ない。十五歳になり、一人前と認められた者には人魚の王国の長老である人魚の老妃から許可証も兼ねている真珠の髪飾りを授けられる。 十四歳のマリーナはこの掟を破って、海の上に出た。