概要・あらすじ
雲母月は上京して大学に通うため、アパートの内見をしていた。東京23区内で駅まで徒歩5分、広めの1LDKで4万円の格安物件を紹介される月。「この部屋を借りた人はみんな家賃が払えなくて退去した」と不動産業者から聞かされるが、こんなに条件のいい物件はほかにないと月はすぐに入居を決めた。引っ越し当日、月は物音のするキッチンを恐る恐る覗きに行く。するとテーブルに二人分の食事が用意され、黒髪の美青年が「ちょうどごはんができたから食べようか」と言ってきた。彼はこの部屋に取り憑く貧乏神、勘解由小路乾太郎だった。月は「今すぐ出ていって」と彼を追い出そうとするが「この部屋に憑いているから無理」と言われ、仕方なく同居を始める。乾太郎は優しく、家事全般をこなしてくれ、人間と同じように食事をし、お風呂に入って寝るのだった。翌日、月は「家から離れれば貧乏にならないのでは?」と考えながら街を散策していると、大きなブレーキ音で黒猫が車に轢かれたことに気づく。月はまだ息のある猫を抱きかかえ、タクシーで動物病院に向かった。座席を汚してしまったため、3万円ものタクシー代を請求され、動物病院では10万円以上の治療費がかかった。乾太郎は「これがオレの能力だ。部屋を出るなら早いほうがいい」と月に退去を勧めた。しかし月はお金のことより、猫の心配をしていて、この部屋はペット可だし少しトラブルがあったくらいでは出ていかないと前向きな姿勢を見せる。乾太郎は命を大事にする月を気に入り、いっしょに暮らせる方法を提案する。それは、あやかしから仕事の依頼を受け、その報酬を貧乏神の効力が及ばない5円玉で受け取るというものだった。こうしてあやかしたちが生活する「マヨヒガ」で「あやかし探偵事務所」を構えた月と乾太郎は、あやかしたちの依頼に応えていく。
登場人物・キャラクター
雲母 月 (きらら るな)
上京して格安物件で暮らす大学生1年生の女性。髪型は背中までのストレートヘアにしている。名前が原因でいじめられたこともあり、名前にコンプレックスを持っている。以前、事故に遭って大けがをし、1か月以上歩けなかった。前向きで素直な性格で、多少のトラブルがふりかかっても、全部投げ出すようなことはしない。
勘解由小路 乾太郎 (かでのこうじ かんたろう)
雲母月の借りている部屋に取り憑いている貧乏神。黒髪ストレートのイケメン青年で、朗らかで優しく、家事も得意で料理も上手。貧乏神はお金を奪い取ってしまう能力を持っているが、お金以外の望みは叶えられる。実は以前、月に会ったことがある。
クレジット
- 原作
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花井 有人
書誌情報
イケメン貧乏神と同居はじめました! 3巻 小学館〈フラワーコミックス〉
第1巻
(2021-02-25発行、 978-4098712410)
第2巻
(2021-10-26発行、 978-4098714681)
第3巻
(2022-12-26発行、 978-4098718641)