ジョジョの奇妙な冒険 クレイジー・Dの悪霊的失恋

ジョジョの奇妙な冒険 クレイジー・Dの悪霊的失恋

荒木飛呂彦著『ジョジョの奇妙な冒険 Part 4 ダイヤモンドは砕けない』のスピンオフ。荒木飛呂彦以外の作者による、初の「ジョジョ」スピンオフコミック。原作者は『ブギーポップは笑わない』などで知られ、『ジョジョの奇妙な冒険 Parte 5 黄金の風』の外伝小説『恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-』を手掛けたこともある小説家・上遠野浩平。空条承太郎らがDIOを倒してから10年後。1999年3月のS市杜王町が舞台。エジプト・カイロからやって来た、DIOの元部下ホル・ホースと、ジョースター家の血を引く高校生・東方仗助を軸に、固有の特殊能力を持つスタンド使い同士のバトルを描いた冒険アクション。「ジョジョ」シリーズ第3部の10年後で、第4部の直前の期間を描いているため、第3部と第4部の登場人物がクロスオーバーしているのが特徴。また、第3部で命を落とした花京院典明の従妹・花京院涼子がオリジナルキャラクターとして登場している。集英社「ウルトラジャンプ」2022年1月号から2023年6月号まで連載。なお、2023年6月19日に、上遠野浩平による小説版『クレイジーDの悪霊的失恋ージョジョの奇妙な冒険よりー』が発売された。

正式名称
ジョジョの奇妙な冒険 クレイジー・Dの悪霊的失恋
ふりがな
じょじょのきみょうなぼうけん くれいじーだいやもんどのあくりょうてきしつれん
原作者
上遠野 浩平
漫画
ジャンル
アドベンチャー
 
異能力・超能力
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊3巻
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DIOの死から10年。第3部と第4部の狭間で起きるドラマ

ベースとなっている「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズは、1986年発表の第1部から、2023年現在の第9部まで続く大人気作品である。本作の時代設定は、第3部の10年後で、第4部が始まる直前の1999年3月。物語の発端は、エジプトのカイロでDIOの元部下ホル・ホースが、知り合いの老婆から消えたオウムの捜索を頼まれたこと。相棒ボインゴの予知で手がかりを得たホル・ホースは、日本のM県S市杜王町を訪れ、ジョースター家の血を引く東方仗助と出会う。迷い鳥のオウムは、第3部に登場したスタンド使いのハヤブサ「ペット・ショップ」同様、老婆の息子に調教された鳥。過去を再現するスタンド能力を持っていたことから、ホル・ホースと仗助は、オウムの力を利用する敵と戦うことになる。

DIOの呪縛から逃れようとする者たちの戦いを描く

本作は第3部のエピローグという要素が強い。かつてホル・ホースは、ボスのDIOを裏切り、殺そうとしたが、DIOの圧倒的な力に屈服して敗北を認めてしまった。誰よりも自由を重んじていたホル・ホースは、DIOに負けた時から自由を失っていた。死後10年経ってもなお、DIOへの恐怖はホル・ホースを支配しており、オウムのスタンド能力でDIOの声を聞いた途端、立ちすくんでしまうほどである。DIOの呪縛にとらわれているのは、ホル・ホースだけではない。一緒に杜王町にやって来たボインゴや、従兄の花京院典明の死を通じて関節的に関わりを持つ、花京院涼子も同様である。本作はそんなDIOの呪いから自由になろうとする者たちの闘いを描いた物語である。

ファンにはおなじみのセリフと、初めて描かれるシーンが魅力

迷い鳥のオウムのスタンド能力は、過去を再現して見せるというもの。ゆえに、かつてDIOが発した「歩道が広いではないか」というセリフや、ホル・ホースがDIOを殺そうとした場面など、ファンにはおなじみのシーンが多く登場する。逆に、第3部登場のスタンド使いダニエル・J・ダービーとDIOの初めての出会い、典明がDIOに肉の芽を埋められて洗脳される様子といった、これまで描かれていない場面も登場。また、物語の冒頭では、DIO配下のスタンド使いだったマライアとケニーGが結婚して酒場を経営している様子も描かれている。ちなみに第4部からの主な登場人物は、仗助とその祖父・東方良平。良平の人物像や仗助に対する思いが丁寧に描かれている。

罪悪感に苛まれ、従兄の死の真相を追う花京院涼子

本作のオリジナルキャラクターである花京院涼子は、典明の従妹。10年前、家族でエジプト旅行に行った時に、道に迷った彼女を捜しに来た典明がDIOと遭遇。肉の芽を埋められて洗脳されるという悲劇が起こってしまった。その後姿を消した典明が、亡くなったことを聞いた涼子は、従兄の死が自分のせいかも知れないと思い悩む。杜王町にある従兄の墓参りに来た涼子は、ボインゴが落としたトト神の漫画本を拾う。そこに「DIO」の文字を発見し、漫画が未来を予知することを知った涼子は、典明の死の真相を追い始める。

登場人物・キャラクター

東方 仗助 (ひがしかた じょうすけ)

S市杜王町に住む少年。愛称は「ジョジョ」。翌月に高校入学を控えている。ジョースター家の血筋を引いており、破壊されたものを修復するスタンド能力を持つ。後に空条承太郎により「クレイジー・ダイヤモンド」というスタンド名を付けられるが、本作ではまだ名前はない。時代遅れのリーゼント頭を馬鹿にされると、怒りで我を忘れて逆上する。自分と同じ特殊な能力を持つホル・ホースと出会い、行動を共にするようになる。

ホル・ホース

DIOの元配下のスタンド使い。カウボーイ風のスタイルと無精髭が特徴の中年男性。銃のスタンド「エンペラー(皇帝)」を操る。プレイボーイで、女性に優しい。エジプトのカイロで、老婆から突然姿を消したオウムの捜索依頼を受け、同じくスタンド使いのボインゴと共に、日本のS市杜王町にやって来る。破壊と修復能力を持つスタンド使い・東方仗助と出会い、一緒に行動することになる。

花京院 涼子 (かきょういん りょうこ)

花京院典明の従妹。高校を卒業し、京都の大学への進学を控えた女性。典明を慕っており、彼と同じような前髪をしている。10年前、家族旅行で訪れたエジプトで迷子になったことがある。その時に自分を捜しに来た典明がDIOと出会い、その後亡くなったという話を聞き、責任を感じている。ボインゴが落としたトト神の漫画本を拾ったことをきっかけに、典明の死の真相を追い始める。トト神の漫画本では「リョンリョン」という名前で登場する。

ボインゴ

DIOの元配下のスタンド使い。小柄でボサボサ頭の男性。極端に内気な性格をしている。同じくスタンド使いの兄・オインゴがいる。ごく近い未来を予知するスタンド「トト神」の漫画本を常に持ち歩く。漫画本に予言されたため、仕方なくホル・ホースの相棒としてオウム捜索に同行する。

クレジット

原作

上遠野 浩平

原案

ベース

ジョジョの奇妙な冒険シリーズ (じょじょのきみょうなぼうけんしりーず)

荒木飛呂彦の代表作。最初は「週刊少年ジャンプ」、Part7『スティール・ボール・ラン』の途中から「ウルトラジャンプ」に舞台を移して長期にわたって連載された。「日本のメディア芸術100選」(2006年)... 関連ページ:ジョジョの奇妙な冒険シリーズ

書誌情報

ジョジョの奇妙な冒険 クレイジー・Dの悪霊的失恋 3巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2022-06-17発行、 978-4088831572)

第2巻

(2022-12-19発行、 978-4088833545)

第3巻

(2023-06-19発行、 978-4088835433)

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