シリーズ第8部までとの関係
『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズは、1986年12月に第1部の連載がスタートして以来、主人公が代替わりしながら連載が続く、荒木飛呂彦の代表作。シリーズ第6部までは、第1部から連なる世界を舞台にしているが、第7部以降はそれまでの世界の「パラレルワールド」が物語の舞台となっている。これは、第6部でプッチ神父が時を加速させ、宇宙が一巡して別の宇宙が誕生したことが原因。したがって、本作にも第6部までと同じ名前のキャラクターが登場するが別人である。なお、本作の主人公、ジョディオ・ジョースターは、第7部のジョニィ・ジョースターの玄孫、第8部の吉良吉影のいとこにあたり、第7、8部とは同一の世界線にあるとされている。
物語の始まりは岸辺露伴との出会い
ジョディオは、11歳の時から違法薬物の売買などの犯罪に手を染めている不良。ボスのメリル・メイ・チーのもと、兄のドラゴナ・ジョースターらとスタンド使いのチームを組んで裏社会の仕事をこなしている。ある日ジョディオたちのチームは、メリル・メイの指令で、漫画家の岸辺露伴の別荘に侵入。狙いは露伴が持ち込んだ600万ドルのダイヤモンドだったが、ジョディオはダイヤよりも価値がある「溶岩」の存在に気がつく。この溶岩は「カネ目のものを、欲望などの人の想いを介して移動させる」という不思議な能力を持っていた。露伴のもとから溶岩を持ち去ったジョディオたちは、「溶岩」の所有者を自称する、正体不明のスタンド使いの攻撃を受けることになる。ちなみに、本作に登場する露伴は、シリーズ第4部に登場する同名人物と、外見、能力ともに酷似している。
シリーズ第3部以降と同様のスタンドバトル
本作の特徴は「スタンド」という特殊能力を持つ「スタンド使い」たちのバトル。「スタンド」はシリーズ第3部以降に登場した能力で、「スタンドには本体がいる」「スタンドは一人につき1体」「スタンドが見えるのはスタンド使いだけ」などのルールや「スタンドには射程距離があり、パワーが強いものは射程距離が短く弱いものは遠隔操作ができる」といった性質は本作でも同じである。また、これまでの主人公同様、「ジョ」ディオ・「ジョ」ースターの頭の音をとると「ジョジョ」になる点や、登場人物やスタンド能力の名前が、バンド名や楽曲名に由来することが多い点は、シリーズを通して共通である。
登場人物・キャラクター
ジョディオ・ジョースター
ハワイのオアフ島に住む少年。15歳で、母のバーバラ・アン・ジョースター、兄のドラゴナ・ジョースターとの三人暮らし。学校の心理テストでは「行動のコントロールができない」「良心の呵責(かしゃく)・罪悪感の欠如」といった、反社会性パーソナリティ障害の可能性が指摘されている。11歳のときに「パシリ」をして以来、違法薬物の売買や裏社会の仕事を生業とする。大富豪になるという野望を持ち、世の中の「仕組み(メカニズム)」の頂点に立つことを目指している。アーチ状の脚の下に、重さのある雨を降らせる「11月の雨(ノーヴェンバー・レイン)」というスタンドを持つ。
ドラゴナ・ジョースター
ハワイのオアフ島に住む青年。18歳で、母のバーバラ・アン・ジョースター、弟のジョディオ・ジョースターとの三人暮らし。褐色の肌と女性のような外見が特徴。美容注射で胸に若干の膨らみがある。ファッションブティックの店員として働いているが、裏ではジョディオと一緒に裏社会の仕事をしている。座右の銘は「決して無理はしないけれどあきらめることもしない」。キャタピラ付きの4体の小型ロボットを操り、物体の表面上の位置をスライドさせる「スムース・オペレイターズ」のスタンドを持つ。
関連
ジョジョの奇妙な冒険シリーズ (じょじょのきみょうなぼうけんしりーず)
荒木飛呂彦の代表作。最初は「週刊少年ジャンプ」、Part7『スティール・ボール・ラン』の途中から「ウルトラジャンプ」に舞台を移して長期にわたって連載。「日本のメディア芸術100選」(2006年)のマン... 関連ページ:ジョジョの奇妙な冒険シリーズ
書誌情報
The JOJOLands 4巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2023-08-18発行、 978-4088836065)
第2巻
(2023-12-19発行、 978-4088837659)
第3巻
(2024-04-18発行、 978-4088840383)
第4巻
(2024-08-19発行、 978-4088841571)