あらすじ
両親を交通事故で亡くし、叔父の雪仁と二人暮らしをしている倉田あまねは、雪仁の部屋を片づけていた。そこで雪仁の古い本を整理していたあまねは、運悪く指先を切ってしまう。その血が付着した本が偶然にも悪魔を呼び出す本だったことから、あまねは意図せずにレヴィを召喚することとなる。願いを叶(かな)える代わりに魂を差し出せとせまるレヴィに、あまねは抵抗するが、そこへ突然別の悪魔、カテリスが乱入する。契約途中に別の悪魔が割り込んだことから、あまねとレヴィの契約はまともに成立せず、二人は透明な鎖のようなもので首をつながれてしまう。さらにあまねとレヴィは痛みの感覚を共有することになり、レヴィの力でも鎖を外すことができない。こうして人間のあまねと悪魔のレヴィ、そしてなぜか黒猫になってしまったカテリスとの共同生活がスタートする。(第1話)
あまねはレヴィと透明な鎖でつながれていることから、学校に通えなくなっていた。そこでレヴィは自分が海外からやって来た英語教師だと学校関係者をマインドコントロールし、学校に入り込むことに成功する。こうしてあまねは久しぶりに学校に通うことになるが、クラスメイトたちの言動が妙にとげとげしいことに違和感を覚える。それは人間の魂を食らう悪魔のグラニマの仕業で、グラニマはあまねの魂にも目をつけていた。(第6話、第7話)
登場人物・キャラクター
倉田 あまね (くらた あまね)
中学3年生の女子。ひょんなことから悪魔のレヴィと、中途半端に魂を差し出す契約を交わしてしまう。それからはレヴィとお互いの首を透明な鎖のようなものでつながれ、強制的に同居生活がスタートする。倉田あまね自身が痛みを覚えると、レヴィにもその痛みが伝わる。最初は何かとレヴィに反発していたものの、次第に情が芽生えていく。また、人間界や別の世界に移住を希望する悪魔たちに、その悪魔に合った場所を提案する、移住コンサルタントのような役割を任されている。小学5年生の時に両親が交通事故死し、当時は大学卒業したばかりの身でありながらも、あまねを引き取って大切に育ててくれた叔父の雪仁に恩を感じている。雪仁からは「あっちゃん」と呼ばれている。
レヴィ
倉田あまねに召喚されるも、契約が成立しなかった悪魔。人間界では若く美しい男性の姿をしている。あまねに召喚された際のゴタゴタにより、お互いの首を透明な鎖のようなものでつながれ、人間界で暮らすようになる。あまねが痛みを覚えると、レヴィ自身にもその痛みが伝わる。悪魔でありながら、明るく清潔な場所を好む潔癖症でもある。魔界ではレヴィが縄張りにしているエリアが汚れることを嫌い、ほかの悪魔との争いを避けてきた過去を持つ。そのため、悪魔の中では弱虫で意気地なしだと見下されてきたが、実際は強力な魔力を持つ。目の前の相手を指定した本の世界に閉じ込める能力があり、人間界や別の世界で暮らすことを望む悪魔たちに、あまねと協力して新しい環境を提供している。
カテリス
レヴィをライバル視している悪魔。性別は男性。倉田あまねとレヴィが契約しているあいだに割り込み、二人の契約を不完全なものにしてしまう。また、カテリス自身もレヴィから攻撃を受けた際に、何かの力が働いて黒猫になってしまう。悪魔が住む異世界に戻ることもできず、レヴィと共にあまねの家で暮らすことになる。黒猫の容姿から、動物好きなあまねから無条件にかわいがられている。あまねからは「カトちゃん」と呼ばれている。
グラニマ
レヴィと知り合いの悪魔。性別は女性。人の魂が主食で、特に不安定な精神の魂の味を好んでいる。そのため、思春期の若者が集う倉田あまねの中学校をターゲットにしている。ふだんはあまねのクラスメイトに扮しており、クラスメイトたちをマインドコントロールして精神を不安定にし、食べ頃になるのを待っている。
雪仁 (ゆきひと)
倉田あまねの叔父。社会人の男性。大学を卒業したばかりの頃、両親が事故死して一人になった当時小学5年生のあまねを引き取り、以降いっしょに暮らしている。あまねのことをかわいがっており、透明な鎖でつながれたことで、彼女と行動を共にしているレヴィを警戒している。あまねからは「ゆきちゃん」と呼ばれている。