イリヤッド ~入矢堂見聞録~

イリヤッド ~入矢堂見聞録~

元考古学者の入矢修造と、ユリ・エンドレを中心に、アトランティス探索に魅せられた人間たちの冒険、そして夢を見ることの大切さを描いた考古学ミステリー作品。

正式名称
イリヤッド ~入矢堂見聞録~
ふりがな
いりやっど いりやどうけんぶんろく
原作者
東周斎雅楽
作画
ジャンル
アドベンチャー
 
推理・ミステリー
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概要・あらすじ

かつてスキャンダルで学会を追われた元考古学者の入矢修造の元に、恩人の娘ユリ・エンドレが訪れる。彼女は父の遺志を継ぎ、アトランティス探索を入谷に依頼に来たのだった。かくして様々な人間を巻き込んだアトランティス探索の度が始まるのだが、アトランティスの秘密の前には、謎の暗殺結社が待ち構えていた。

アトランティス探索に魅せられた人間たちの冒険、そして夢を見ることの大切さを描いた考古学ミステリー作品。

登場人物・キャラクター

入矢 修造 (いりや しゅうぞう)

東京都文京区団子坂で母と共に古道具屋「入谷堂」を営んでいる。かつてイギリスでアーサー王伝説専門の考古学者として活躍していたが、スキャンダルが元で学会から追放されてしまう。恩人の娘ユリ・エンドレの来訪がきっかけとなり、アトランティス探索という形で考古学への道へ復帰することになる。

ユリ・エンドレ

ハンガリー人と日本人のハーフ。父ヴィルヘルム・エンドレの夢であるアトランティス探索を引き継ぎ、協力を求めるため入矢修造の元を訪れる。そして彼女自身も、調査旅行などに度々動向するようになる。

葉山 瑠依 (はやま るい)

入谷修造の経営する骨董品店によく出入りしている太った小学生。食べ物に関しての知識や感覚に長けている。子供とは思えない聡明な発言をよくするため、入谷を度々困らせている。しかし、その内の一言が、アトランティス探索中の入谷にひらめきを与えることも少なくない。

ヴィルヘルム・エンドレ

ハンガリー系ドイツ人の実業家。ユリ・エンドレの父。入谷修造が考古学学会を追放された時、彼だけが入谷の説を支持し、激励の手紙を送った。アトランティス発見を夢としており、パウル・シュリーマンの日記入手を機に調査を本格化させる。そして探索の任を託す相手として入谷を指名する。 しかし、間もなくアガメムノンの仮面を付けた謎の男に誘拐されてしまい、人質交換の最中、殺害されてしまう。

ハンス・デメル

オーストリア人の父と、トルコ人の母とのハーフ。エンドレ財団からの依頼で、ユリ・エンドレの身辺警護のためにワンツ&ワンツ社から派遣された探偵。元オーストリア対テロ特殊部隊にいた。日本文化に造詣が深い。警護の窮屈さのため、最初はいい印象を持たれていなかったが、次第に打ち解けていく。 また、ユリの頼みで入谷も警護することになる。

エンリケ・グレコ

かつてバチカン考古学研究所の人間だったが、現在は山の老人の一員。背の低い老人で、神父の格好をしている。入谷のことをアトランティスの秘密に最も近い男として特に危険視し、命を狙う。

フレッド・レイトン

眼鏡をかけた入谷と同年代ぐらいの男性。冷静沈着な性格。資産家で貴族。一流の考古学者でもある。入谷がイギリスでアーサー王伝説専門の考古学者として活躍していた時代からの縁で、ライバル的存在。アトランティス会議の場で、探索者の候補として挙げられていた。 アトランティス探索には、実業家カトリーヌ・クロジエに雇われる形で参加することになり、またしても入谷のライバルとして競い合うことになる。

バトラー

バチカンの異端審問官。背が低く、眼鏡をかけている。神父なのにアル中で、頼りなさげに見えるが、戦闘能力は高い。バチカンの上司からの命令で、山の老人の調査をしている。その途中で入谷のことを知り、情報交換のために接触。以後度々行動を共にすることになる。

赤穴 秀行 (あかな ひでゆき)

1910年東京生まれ。1938年にドイツに留学し、その後ヒムラー直属の古代遺産調査団の研究員となる。1944年のベルリン大空襲で死亡したとされていたが、山の老人に対抗する組織にかくまわれ、現在でも生きていた。彼は世界最古の都市を研究しており、そして独自にアトランティスの場所を特定したらしい。

ハインリッヒ・シュリーマン

『イリヤッド-入矢堂見聞録-』に登場する、19世紀に実在したドイツの考古学者。ギリシア神話の伝説の都市トロヤを発掘し、実在を証明した。彼の孫パウルの手記によると、彼の次の夢はアトランティス発見であったという。1865年に来日したことがあり、そのエピソードがアトランティス探索の手がかりの一つとして作品中に描かれている。

集団・組織

山の老人 (やまのろうじん)

『イリヤッド-入矢堂見聞録-』に登場する暗殺結社。マルコ・ポーロの『東方見聞録』にも書かれている。作品中での彼らは、すでにアトランティスの謎に到達し、なぜかそれを封印したがっている者たち。パウル・シュリーマンの日記によると、古くはプラトン、そして祖父であるハインリッヒ・シュリーマンもこの暗殺結社に殺されたという。

イベント・出来事

アトランティス会議 (あとらんてぃすかいぎ)

『イリヤッド-入矢堂見聞録-』で行われた会議。ユリ・エンドレのセリフ中からの引用であるが、決まった名称はない。「ヴィルヘルム・エンドレ」はアトランティス探索を始める際に、情報と人的、経済的援助を募るために、彼を含め七人の資産家を招集した。ヴィルヘルムの死によってこの話は早々に立ち消えとなる。しかし父の遺志を継いだユリ・エンドレによりアトランティス探索は続けられることになる。 そして、この会議の参加メンバーであったイワン・ワード、リチャード・ウーは後に、入谷とユリに協力することになるのだった。

場所

アトランティス

『イリヤッド-入矢堂見聞録-』で入矢修造が探し求める伝説の大陸。古代ギリシアの哲学者プラトンが、著書『ティマイオス』『クリティアス』の中に書き記した、大陸ほどの大きさをした島。度重なる大地震と大洪水によって海中に没してしまったが、そこには世界最古の文明と都市が栄えていたという。19世紀に出版された本により「謎の大陸ブーム」が起き、以降現在まで、人気、知名度は衰えていない。 また、その場所を突き止めようとする研究者も多い。

その他キーワード

パウル・シュリーマンの日記

『イリヤッド-入矢堂見聞録-』に登場するハインリッヒ・シュリーマンの孫パウルによって書かれた日記。それには、祖父のこと、アトランティスのこと、そしてある暗殺結社のことが書かれていた。クロアチア独立戦争により崩壊したホテルより発見され、その価値に気付かないまま数年が過ぎたが、遂にヴィルヘルム・エンドレの手に渡る。 この出来事がきっかけとなり、アトランティス探索が本格的に始まることになった。

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