インフィニット・デンドログラム

インフィニット・デンドログラム

海道左近の小説『<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-』のコミカライズ。無限の可能性が眠る電脳世界「Infinite Dendrogram」を駆け抜ける、レイ・スターリングと仲間たちの姿を描く電脳冒険活劇譚。コミックスには、本編の裏で活躍するロボータの珍道中を描いた、海道左近の書き下ろし小説「ロボータの冒険」も収録されている。「コミックファイア」で2016年12月から配信の作品。

正式名称
インフィニット・デンドログラム
原作者
海道 左近
漫画
ジャンル
バトル
 
ゲーム
関連商品
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あらすじ

第1巻

2045年3月16日、椋鳥玲二は受験勉強も終わり、世を席巻する完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」を始める。玲二はゲームのチュートリアルを担当するチェシャからエンブリオを授かり、ゲームで操作するキャラクター、レイ・スターリングとしてゲームの世界に降り立つ。まず、このゲームを先に遊んでいた兄のシュウ・スターリングを捜すレイだったが、その最中、リリアーナ・グランドリアと出会い、行方不明の妹、ミリアーヌ・グランドリアを捜すというクエストを引き受けてしまう。合流したシュウからティアンとイベントクエストのことを聞いたレイは、彼女たちを助けるために二人が向かったとされる果樹園に向かう。果樹園は巨大なモンスターが跋扈(ばっこ)する危険地帯となっており、リリアーナとシュウが足止めしているあいだに、レイはミリアーヌを逃がそうとする。しかし、レイたちはモンスターに追いつかれ、絶体絶命の危機に陥ってしまう。死の瞬間、レイの必死の呼びかけはエンブリオを孵化させ、ネメシスが誕生。彼女の力を使うことでレイとミリアーヌは危機を脱するのだった。初日から大冒険を演じたレイだったが、クエストの報酬で聖騎士となり、順風満帆な始まりとなる。手探りでゲームを楽しみ始めるレイだったが、森林でレベル上げをしていたところ、謎の奇襲を受けてしまう。

第2巻

レイ・スターリングの受けた奇襲は、初心者をターゲットに行われた同じマスターによる無差別なPK(プレイヤーキル)テロだった。これによって外が危険と感じたレイは、墓標迷宮を訪れる。そこでレベル上げをしていたレイは、探索をしていたフィガロと遭遇。フィガロはレイから話を聞き、PKテロの解決に動き出すのだった。翌日街に戻ったレイは、知り合ったマスタールーク・ホームズマリー・アドラーから騒動が終結した話を聞く。レイは自身を殺したPK「超級殺し」が逃げおおせたことを知り、すっきりとしない気持ちで超級殺しが戦った現場を訪れる。そこでレイは偶然、チェシャと再会。チェシャから謎の言葉を忠告として受け取るのだった。街に戻ったレイは、フィガロに誘われた決闘都市のギデオンに向かうことを決める。ルーク、マリーも同行してにぎやかな旅路となるが、道中、彼らは魔物に襲われるティアンの商人を発見する。レイたちは魔物を撃退し、彼らを助けるが、そこに巨大な鬼のガルドランダが襲来する。

第3巻

レイ・スターリングたちに襲い掛かった大瘴鬼のガルドランダは、通常のモンスターとは一線を画すUBMの一体だった。ガルドランダはその圧倒的な力でレイたちを苦しめるが、レイの渾身の一撃で頭を吹き飛ばされるのだった。しかし、倒されたかに見えたガルドランダは新たな形態となり、さらに凶悪な存在へと変貌する。窮地に立たされるレイだったが、ネメシスが第二形態に進化したことによって逆転。ガルドランダの弱点である心臓を破壊することに成功する。ガルドランダのMVP特典と賞金を受け取る一行であったが、降って湧いた大金の分け前に悩む。そこでマリー・アドラーの提案でマリーに賞金を預け、3日後まで各々自由行動。その後、再びマリーのもとに集まると決まる。3日の自由行動の中、ギデオンの街でレイは装備を新調したりしていたが、そこに不穏な動きをする者たちが現れるのだった。

第4巻

ギデオンの街にリリアーナ・グランドリアら、アルター王国の騎士団が現れた。そしてレイ・スターリングは、リリアーナから王女のエリザベート・S・アルターが消息不明になったことを知らされる。その後、レイはギデオンの街でゴゥズメイズ山賊団による子供を狙った営利誘拐が横行していることを知る。ティアンの娘から弟の救出をクエストとして頼まれたレイは、同じく悪漢たちの横暴に義憤を覚えたユーゴー・レセップスキューコと共に山賊団のアジトに向かう。アジトにたどり着いたレイとユーゴーは、人質の子供たちを助けるために二手に分かれて行動する。外で山賊たちを惹きつけたユーゴーは、マーシャルⅡの力で山賊たちを薙ぎ払う。しかし、そこにゴゥズメイズ山賊団の二大頭目の一人であるゴゥズが登場し、ユーゴーに襲い掛かる。実力者であるゴゥズとの戦いで不利に陥るユーゴーであったが、キューコの真の力を解放。ゴゥズを打ち倒すことに成功する。

第5巻

二手に分かれたレイ・スターリングは人質の子供たちを助けるため、ネメシスと共に山賊団のアジトに潜入していた。怪しい儀式の犠牲になった子供たちの亡骸を見るたび、憎しみを募らせるレイであったが、その最奥で生き残りの子供たちを見つける。子供たちを助けようとするものの、それはゴゥズメイズ山賊団の二大頭目の片割れ、メイズによる罠だった。レイは傷と毒で危機に陥るものの、ネメシスの逆転の力で危機を脱する。メイズは実力者であったが、レイとネメシスの能力はメイズの天敵そのもので、メイズのすべての攻撃を完封して彼を打ち倒す。子供たちを助け出し、ユーゴーとも合流したことで事件は一件落着の様相を見せるが、メイズの残した罠が発動。邪悪な魔法装置は周囲の死体と怨念を吸収し、罠を設置したメイズですら想定外の化け物、ゴゥズメイズを生み出す。新たなUBMとなったゴゥズメイズは、山賊に捕らわれた子供たちに襲い掛かる。レイは子供たちを守るため、ユーゴーに子供たちを託し、たった一人でゴゥズメイズの足止めを行う。しかし巨大なゴゥズメイズには敵わず、攻撃を食らって気を失ってしまうのだった。

第6巻

ゴゥズメイズとの戦いで気を失ったレイ・スターリングは、精神世界で過去の記憶を思い出しながら謎の声と対話していた。レイは何者かと会話するうち、ゴゥズメイズ打倒のヒントを得る。そして目を覚ましたレイは反撃を開始、激闘の果てにゴゥズメイズのコアを破壊し、今度こそ誘拐事件を終結に導くのだった。事件解決後、あいさつも告げずに姿を消したユーゴー・レセップスのことを疑問に思いつつ、レイは3日前にマリー・アドラーとした約束を果たすべく、待ち合わせの場所に向かう。レイは戦いの中で感じた己の力不足を解消すべく、マリーに相談。彼女から成長のためのアドバイスをもらう。またマリーはガルドランダの賞金を使い、トッププレイヤー同士の試合「超級激突」の観戦チケットを手に入れていた。話題沸騰の試合をみんなで見に行くのをレイとルーク・ホームズは快諾する。一方、超級激突で華やぐギデオンの裏では、ドライフ皇国マスターたちが暗躍し始める。ドライフ皇国最強と名高いベヘモット、大教授の異名を持つMr.フランクリン、そしてレイと別れたユーゴーの姿もその中にはあるのだった。

関連作品

小説

本作『インフィニット・デンドログラム』は、海道左近の小説『<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-』を原作としている。内容は本作と同様で、主人公であるレイ・スターリングの冒険の軌跡を描いたファンタジー作品となっている。

登場人物・キャラクター

レイ・スターリング

完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」を始めたばかりの初心者マスターの青年。現実世界での本名は「椋鳥玲二」で、大学受験を終えたばかりの学生。大学合格をきっかけに兄のシュウ・スターリングに前から誘われていたInfinite Dendrogramを始める。ゲームでの名前は「レイ・スターリング」で、名字の「椋鳥」を英語にし、本名をもじった名前にしている。「スターリング」が兄のゲーム名と被っているのは、由来は同じだが英訳したのは偶然。ゲーム時の姿はリアルでの青年姿をベースに少しいじり、髪の色を金髪にしている。裏表のない真っすぐな性格をしており、考えるよりまずは体を動かすタイプ。幼い頃、それで兄に大ケガを負わせているが、兄の励ましと破天荒さを見て、兄の真っすぐな生き方に大きな影響を受ける。一度決めたことは最後までやり抜く不屈の精神を持っており、逆境に陥れば陥るほど、意思を燃え上がらせて立ち上がる。その気質によってエンブリオ「ネメシス」を生み出す。ピンチでも適格に動く判断能力とネメシスの能力を組み合わせることで、格上とも渡り合う粘り強さを見せる。リリアーナ・グランドリアのクエスト完了後は、「聖騎士」のジョブに就く。また、ゲームを開始して数日でありながらUBMの撃破を立て続けに行い、MVP特典の「瘴焰手甲ガルドランダ」「紫怨走甲ゴゥズメイズ」を入手する。

ネメシス

レイ・スターリングのエンブリオ。黒い髪を長く伸ばした少女の姿で、黒いゴシックドレスを身にまとっている。「TYPE:メイデン with アームズ」という非常に珍しいタイプのエンブリオで、ふだんは少女の姿だが、戦闘時には武器の姿へと変えて戦う。ギリシア神話において天罰を与えるとされる女神「ネメシス」が名の由来で、システム上ではエンブリオとしての正式名称である「復讐乙女ネメシス」と表記される。可憐な容姿とは裏腹に性格は尊大で、強気な態度でレイや人に接する。戦いにも物怖じしない勇ましさを持つが、実はお化けの類が苦手。特にゾンビが嫌いで、ゾンビ型のモンスターとの戦いで武器として使われた際には泣き叫んだ。またかなりの大食漢で、食事の際にはかなりの量を食べる。武器としての姿は第一形態「黒大剣(Black Blade)」は黒い大剣で固有スキル「復讐するは我にあり」と「カウンター・アブソープション」を持つ。ガルドランダとの戦いでは黒い旗をはためかせたハルバート状の姿となる第二形態「黒旗斧槍(The Flag Halberd)」に目覚め、固有スキル「逆転は翻る旗の如く」を習得した。これらの能力は格上にも通用する強力なものだが、射程が短く、第一形態と第二形態の能力はそれぞれ変形しないと使えないという弱点が存在する。

シュウ・スターリング

アルター王国で活動するマスターの男性で、レイ・スターリングの兄。完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」を始める際、うっかり現実世界での自分の姿をそのままキャラクターに反映してしまう。そのため、それを隠すために熊の着ぐるみを着てプレイしている。着ぐるみプレイは存外気に入っているようで、キャラ付けして語尾に「クマ」と付けて活動している。着ぐるみプレイは装備に著しい制限をもたらすためにネタ扱いされているが、それでも「アルター王国三巨頭」の一人に数えられる猛者で、王国の討伐ランキング1位に君臨している。「破壊王」の異名を持つ超級マスターで、異名は同名の超級職が由来。エンブリオの「バルドル」は銃火器や戦艦へ変形する能力を持ち、その破壊力は絶大とされる。PK(プレイヤーキル)テロで北のノズ森林を担当した際には、超級殺しとの戦いの余波で森を丸ごと焼き払うほどの破壊力を見せつけた。レイが超級殺しにPKされたのを知り、怒りのあまりに森を焼き払ったが、地形を変えるほどの災害をもたらしたため、騎士団に連行されてしまう。その後、自供と賠償金の支払いを行って釈放された。リアルでの名前は「椋鳥修一」で、鍛え上げた体を持つ精悍な青年。高校時代はU-17の格闘技大会での優勝経験もあるほどの達人で、逆境においてもなお前を目指し続ける彼の姿勢は弟のレイにとって大きな指標となっている。

ルーク・ホームズ

アルター王国で活動するマスターの少年。ネット事情には明るくなく、完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」を始める際に髪色を変更したこと以外は、自分の現実世界の容姿をほぼそのままキャラクターに反映してゲームを始めた。周囲から注目されるほどの美形で、幻想的な白銀色の髪とその中性的な容姿から「奇跡の産物」と評されている。性格は少々天然が入っており、自覚なくトラブルを巻き起こす。エンブリオはバビロンで、下級職「女衒(ピンプ)」に転職している。ジョブの効果がバビロンとかみ合っており、モンスターでも女性相手なら無差別に魅了するという技を編み出し、バビロンと協力することで広範囲に魅了をばらまくことができる。その戦いぶりは魅了された者が同士討ちを始めるという凄惨なもので、阿鼻叫喚の地獄絵図とも評される。数の多い敵相手では無類の強さを発揮するが、UBMなどの強力な敵相手には通用しないのが弱点。魅了の力はモンスターを従属させるのにも強い力を発揮し、三重衝角亜竜(トライホーンドラゴン)の「マリリン」、クリムズン・ロックバードの「オードリ」とメスのモンスターを従属させている。非常に運がよく、ギデオンのアレハンドロ商会のガチャで大当たりの「断詠手套ヴァルトブール」を手に入れた。

バビロン

ルーク・ホームズのエンブリオ。赤みがかった髪をボブカットにした少女の姿をしている。モンスタータイプのエンブリオ「TYPE:ガードナー」だが、淫魔であるために人間に近しい姿をしている。ネメシス曰く、ガードナーでありながら人間に近しい外見をしたバビロンは非常に珍しいとのこと。人間と同じように食事を取るが、かなりの辛党で、デザートにもチリソースを掛けるほど辛いものが好き。「バビロンの大淫婦」をモチーフにした淫魔だが、ルークが未成年であるために健全な触れ合いしか知識にない。明るく無邪気な性格で、女淫魔であることから男性の魅了に特化した能力を持つ。戦闘方法はルークと連携して敵を魅了するというもので、敵の同士討ちを誘発するその戦い方は地獄絵図と評された。また抱き付いた相手のHP、MP、SPを吸収する「小淫魔の吸精(リリム・ドレイン)」という攻撃スキルを持つ。羽が生えているために飛行も可能で、ルークを抱きかかえる形で運ぶこともできる。

マリー・アドラー

アルター王国で活動する記者のジョブに就く女性。黒のロングヘアに、男性用の黒いスーツを羽織り、サングラスを掛けている。黒ずくめの格好で、うさんくさい雰囲気を漂わせている。エンブリオは所持しているが、隠しているために不明。一人称は「ボク」だがキャラを作って演じているため、慌てたときなどは「私」と素の一人称が出ている。完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」内の情報を取り扱う新聞社「DIN(デンドロビウム・インフォメーション・ネットワーク)」に所属しており、かなりの情報通。アルター王国で起きたPK(プレイヤーキル)テロについても独自に調査しており、その一環でレイ・スターリングたちと知り合う。レイたちのギデオンまでの旅筋にも同行し、情報通として彼らの旅路を助ける。学生のレイたちのスケジュールにたやすく合わせるが、実は現実世界では無職で、ヒマを持て余しているとのこと。また手先が器用で、絵を描くのを得意とする。

ユーゴー・レセップス

ドライフ皇国に所属するマスターで、整った顔立ちをした青年。キューコとパーティーを組み、よく行動を共にしている。芝居がかった立ち振る舞いをし、容姿と相まって貴公子然とした佇まいをしている。大仰な物言いをするが、その実、ティアンであろうと困っている女子供を見捨てられないお人よし。ギデオンでゴゥズメイズ山賊団の脅威にさらされた女性と子供を助けるため、レイ・スターリングと共闘する。「高位操縦士(ハイ・ドライバー)」をはじめとしたドライフ皇国特有のジョブに就き、その合計レベルは登場時点で121。しかしそれらのジョブはHP、MP、SP、DEXにしか補正が入らないため、STRが初期値並みに低く、単純な力比べでは街のゴロツキに負けるほど弱い。戦闘ではマジンギア「マーシャルⅡ」に搭乗して戦う。

キューコ

ユーゴー・レセップスのエンブリオ。雪のような白い髪に、白い服を身にまとった少女の姿をしている。かわいい顔をしてかなりの毒舌家で、抑揚のない棒読みのようなしゃべり方をする。レイ・スターリングたちと初めて会った際にはマスターであると偽装し、愛称の「キューコ」を名乗った。エンブリオとしての正体は「TYPE:メイデン with チャリオッツ」で、チャリオッツの中でも「アドバンス」と呼ばれるタイプ。チャリオッツ発動時は、ユーゴーの搭乗するマジンギアの追加装甲という形で融合し、白いマジンギアといった姿となる。名の由来はダンテ・アリギエーリの『神曲』に登場する地獄の最下層「コキュートス」で、罪を裁き、氷に閉じ込めると由来どおりの能力を持つ。キューコの持つ固有スキル「地獄門(La Porte de l'enfer)」は「同族殺し」の罪を犯した者を氷づけにする力があり、条件さえ合えば格上であろうと問答無用に行動不能にすることができる。

リリアーナ・グランドリア

アルター王国の近衛騎士団副団長を務めるティアンの女性。ミリアーヌ・グランドリアの姉。金色の髪を長く伸ばし、騎士の仕事時には白い鎧を身にまとっている。妹が行方不明になったのをレイ・スターリングに捜してもらったことをきっかけにして、彼と交友を育んでいく。騎士らしくまじめで誠実な人柄をしており、端正な容姿も相まって王国内のティアンでは一、二を争うほど人気がある。ただしリリアーナ・グランドリア自身は、責任感の強さから気苦労の絶えない生活を送っており、マスターやエリザベート・S・アルターに振り回されることが多い。レベルは210あり、剣と回復魔法を利用した戦闘を得意とする。

ミリアーヌ・グランドリア

リリアーナ・グランドリアの妹。リリアーナによく似た容姿の幼い少女で、姉思いの健気な性格をしている。リリアーナの誕生日を祝うため、おいしいと評判のレムの実を買いに行くものの、市場のレムの実は売り切れ状態で途方に暮れる。そこをMr.フランクリンに騙され、危険な果樹園に一人で足を踏み入れてしまう。果樹園で亜竜甲虫に襲われて危機に陥るが、レイ・スターリングとネメシスに救われる。

エリザベート・S・アルター (えりざべーと えす あるたー)

アルター王国の第二王女。亡くなった先代王の三人娘の次女で、姉の第一王女は国王代理として働いている。幼い少女で、中身も年相応のお転婆な娘。リリアーナ・グランドリアたち近衛騎士団が護衛を担当するが、彼らの目を盗んでよく脱走している。ギデオンを訪れた際にも脱走を決行。街中で悪漢に襲われていたところ、マリー・アドラーと出会ってなかよくなる。エリザベート・S・アルター本人はあずかり知らなかったが、ギデオンで誘拐事件が多発していたため、誘拐されたとカンちがいされてリリアーナたち騎士団を動揺させた。また、その身は暗殺者たちにも狙われていたが、彼女が気づかない場所でこっそりマリーが暗殺者を全滅させている。

フィガロ

アルター王国で活動するマスターの青年。瘦身の体型にロングコートを羽織っている。「アルター王国三巨頭」に数えられる超級マスターの一人で、決闘ランキングの1位に君臨する。ソロでの活動が好きなマスターで、専ら闘技場か墓標迷宮に一人で入り浸って活動している。「無限連鎖」の二つ名を持ち、また闘技場での活躍から「超闘士」の称号を与えられている。穏やかな物腰ながらその実、深く物事を考えるのが苦手で、障害物はとりあえず叩いて壊せばよいと考えている「脳筋」。墓標迷宮でレイ・スターリングと鉢合わせするが、その際も彼をモンスターとまちがえてうっかり攻撃してしまっている。レイへのお詫びを込めて、PK(プレイヤーキル)テロでは南のサウダ山道を担当した。南でPKを行っていたクラン「凶城(マッドキャッスル)」を、その圧倒的な力でクランごと打ち砕いた。

扶桑月夜 (ふそうつくよ)

月世の会のオーナーを務める女性。アルター王国に拠を構えるマスターで、「アルター王国三巨頭」に数えられる超級マスターの一人。月世の会は巨大な宗教団体で、その教主である彼女はアルター王国内のクランランキングで1位に君臨する。その姿は烏の濡れ羽色のような髪を長く伸ばした女性で、絢爛な十二単を羽織っている。二つ名は「月世界」で、戦闘ではその二つ名どおり、エリアを月光が照らす夜の世界へとぬり替える。この月光の世界の中では敵対者は満足に動くこともできなくなるが、味方にはなんの影響ももたらさないため、集団対集団の大規模戦闘では無類の強さを発揮する。PK(プレイヤーキル)テロでは王都東のイースター平原を担当した。月世の会の信者がPKの被害に遭ったことから、報復のために信者を率いてPKクラン「K&R」を壊滅させた。

レイレイ

シュウ・スターリングの知り合いのマスターの女性。チャイナ服を着た明朗活発な性格で、レイ・スターリングの歓迎会にも顔を出し、特製ドリンクでもてなした。彼女の特性ドリンクはその界隈では有名らしく、毒薬のような味がするとのこと。「酒池肉林」の異名を持つ超級のマスターで、アルター王国の屈指の実力者。徒手空拳で敵を破裂させるという特殊な戦法を得意とし、彼女の戦ったあとは血肉が辺りに散らばる凄惨なものとなる。彼女の異名はこの戦いぶりが由来となっており、その由来を知る者たちから恐れられている。

迅羽 (じんう)

黄河帝国で活動するマスター。性別不明の異形の僵尸(キョンシー)で、手足が長い異様な姿をしている。超級職「尸解仙」に就く超級マスターで、黄河帝国の決闘ランキング2位に君臨する。AGIに特化しており、飛んできた弾丸をつかみ取り、同じくAGIに特化したエルドリッジを圧倒するスピードを持つ。要人の護衛とフィガロとの決闘のため、ギデオンを訪れる。

Mr.フランクリン (みすたーふらんくりん)

ドライフ皇国に所属するマスター。白い髪を長く伸ばし、眼鏡を掛けた青年の姿をしている。ドライフ皇国の超級マスターの一人で、「大教授」の異名を持つ。皇国最大のクラン「叡智の三角」を率い、クランランキング1位に君臨する。アルター王国との戦争にも参加し、当時の国王を殺している。モンスターの生産、改造、使役に長ける生産職で、直接的な戦闘よりも権謀術数を張り巡らすなどの謀略を得意とする。アルター王国への謀略の一環としてレイ・スターリングが初ログインした日、リリアーナ・グランドリアを暗殺する計画を進めていた。レイにそうと知らずに邪魔されたため、実は深い因縁で結ばれており、彼の動向を一方的に注視している。レイがギデオンに到着後、ペンギンの着ぐるみを着た変人研究家「ドクターフラミンゴ」としてレイの前に姿を現す。ドクターフラミンゴの名は、うっかり本来の名前を名乗りそうになったためにとっさに名乗ったもので、ペンギンの着ぐるみを着ているのにフラミンゴなのかとツッコまれていた。獣耳が生えた美少年が大好きで、レイに毒を治すポーションと偽って獣耳が生える薬「ケモミミ薬」を飲ませる。レイの獣耳姿を堪能したあとは、早足で逃げ去った。

ベヘモット

ドライフ皇国に所属するマスター。ハリネズミに似た小さな動物の姿をしている。ドライフ皇国最強の超級マスターで、ドライフ皇国の討伐ランキング1位に君臨する。アルター王国との戦争にも参加し、王国の重鎮である大賢者を殺害している。ドライフ皇国の超級マスターの中ではかなりマイペースな性格をしており、無口で英語圏のネットスラングを多用するしゃべり方をする。かわいいものが好きで、Mr.フランクリンの撮影した動画を見て、シュウ・スターリングのクマの着ぐるみを気に入る。そのため、ギデオンを訪れた際には、シュウの着ぐるみに引っ付いて満悦していた。

ガルドランダ

「大瘴鬼」の異名を持つ伝説級UBM。赤い肌を持つ大鬼で、両肩にも口がある異様な姿をしている。見上げるほどの巨体から生み出されるパワーは強力なうえ、顔と両肩の三つの口から毒の息と火の息を吐く危険なモンスター。ゴブリンの群れを率いて、ティアンの商人を襲っていた。レイ・スターリングと戦い、彼に頭を吹き飛ばされるが、実は頭は見せかけの弱点で、弱点の心臓は腹の中にある。頭が吹き飛んだあと、両肩の口部分に新たな顔が生まれ、より凶悪で強力な姿となる。モンスターデザインを行ったジャバウォックは、初見ではまず気づかない罠だらけのモンスターとしてデザインしており、当初は倒されるたびに強くなると期待されていた。しかし、チェシャがレイにこっそり弱点を教えていたため、腹の中の心臓を壊されて死亡する。本来は戦闘経験を積むごとに成長し、最終的に腹の中の心臓が完全体となって生まれるはずだった。成長過程から完全体は人型になる予定で、その戦闘能力はUBMでも上位のSUBMに匹敵すると思われていた。成長途中で倒されたため、完全体ガルドランダの存在はついぞ完成することはなかったが、その残留思念が瘴焰手甲ガルドランダの中に残っており、少女の姿となってレイに語り掛けている。

チェシャ

完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」の管理AIの一人。二本足で歩く白い猫の姿をしており、洋服を着て赤いリボンを首元に付けている。13体作られた管理AIの中で13番目に作られた管理AI「13号」で、マスターのチュートリアルを担当する。全マスターの半分のチュートリアルはチェシャが担当しており、レイ・スターリングとも顔見知り。マスターをお茶とお菓子でもてなしたりするなど、妙に人懐っこく人間臭いしぐさをしている。時々、チュートリアル以外の雑用も行っており、シュウ・スターリングが超級殺しとの戦いで破壊した森の修復作業も行っていたところ、ネメシスがチェシャの作業空間を発見してレイと再会。彼らをもてなしたあと、お土産代わりにガルドランダの弱点を彼に教えた。

ジャバウォック

完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」の管理AIの一人。大きな二本角を生やし、眼鏡を掛けた中年男性の姿をしている。管理AIの中では4番目に作られた管理AI「4号」で、モンスターのデザインやUBMの認定を担当する。自分の仕事に強いこだわりを持っており、ワンパターン化された作業を嫌う。ジャバウォック自身の琴線に触れれば、偶然発生したモンスターも場合によってはUBM認定するが、逆に見るべき点がないと判断すれば仲間の管理AIのデザインも没にしている。ただし、その凝り性のせいで過去に何度か問題を起こしており、チェシャやクイーンからは苦言を呈されている。ガルドランダのデザインも担当しており、順調に育てばSUBMにまでのぼり詰めると期待していた。

バルバロイ・バッド・バーン

クラン「凶城(マッドキャッスル)」のオーナーを務めるマスター。巨大な鎧を着こんだ大男の姿をしている。「鎧巨人」と呼ばれるジョブに就いており、大柄な男が多い凶城の中でも抜きんでた巨体を持ち、一般的なマスターとは小さな子供と大人くらい大きさが離れている。武器は2つの盾で、その巨体に見合ったパワーと防御力を生かした戦いを得意とする。所持しているエンブリオ「アトラス」は強力な重力を発生することができるほか、防御力を攻撃力に変換し、さらに攻撃力を10秒間だけ10倍にする必殺スキル「解放されし巨人(アトラス)」を持つ。装備とスキルで徹底的に高めた防御力が攻撃力に変換されるため、奥義による攻撃は圧倒的な威力を誇る。「とにかくリアルを忘れてPK(プレイヤーキル)をエンジョイする」をクランのモットーにしており、完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」では創作物に出てくるような悪役をロールプレイして楽しんでいる。王都南のサウダ山道で、クランぐるみで初心者狩りを行っていたが、フィガロにクランごと壊滅させられた。

エルドリッジ

クラン「ゴブリンストリート」のオーナーを務めるマスター。目つきの鋭い青年の姿をしている。バルバロイ・バッド・バーンたち「凶城(マッドキャッスル)」ですら行わない「ティアン殺し」を行い、アルター王国内では指名手配されている。超級職「強奪王」に就く実力者で、AGIは5桁にのぼる。また強奪王は盗みに特化した能力を持ち、大きな竜車であろうと強奪して収納でき、盗みの技は敵対者の体の一部を盗むことで攻撃にも転用できる。ただし、MVP特典の武具だけは唯一盗めない。王都西のウェズ海道でクランぐるみでPK(プレイヤーキル)を行っていたが、ちょうど不在中にレイレイによってクランを壊滅させられる。その後はヴァレイラ大砂漠に潜み、通りすがった迅羽に襲い掛かるものの返り討ちに遭う。

ゴゥズ

ゴゥズメイズ山賊団の二大頭目の一人で、牛の頭を持つ「牛頭鬼」の男性。ティアンだが、その中でもひと際高い戦闘能力を持つ実力者で「剛闘士」の異名を持つ。戦闘スタイルはシンプルに身体能力を生かして敵を粉砕するパワーファイターで、ユーゴー・レセップスはフィガロには及ばないものの、超級に匹敵する戦闘能力を持つと推測している。好物は人間の肉で、特に怖がって死んだ子供の肉を好む。残忍な性格をしており、敵はおろか味方すら自分の非常食程度にしか考えておらず、メイズと手を組んで数々の悪行に手を染めている。モンスターのような見た目で悪行を行っているが、歴としたティアンであるため、システム上の分類では人間にあたる。そのため彼の「人食い」は同族殺しにあたり、キューコの持つスキル「地獄門」の対象となる。ユーゴーとの戦いでは彼の搭乗するマーシャルⅡを圧倒するが、キューコの必殺スキルを受けて敗北、死亡した。

メイズ

ゴゥズメイズ山賊団の二大頭目の一人で、黒いローブを身にまとったティアンの老爺。下半身に馬の四肢を持ち、ケンタウルスのような姿をしている。「大死霊」の異名を持つ「死霊術師」で、アンデッドをあやつる術に長ける。メイズ自身の身もアンデッドにしており、狡猾な罠を用いた戦法を好む。不死性を持つマスターを嫌い、より強い不死性を得るために超級職「死霊王(キング・オブ・コープス)」になることをもくろむ。その条件の「怨霊のクリスタルの精製」と「5000年分の命のアンデッド化」を果たすため、近隣の町から多くの余命を残す子供をさらい、アンデッド化していた。子供を助けに来たレイ・スターリングを毒と呪いと罠を利用して殺そうとするが、ネメシスの逆転は翻る旗の如くの力ですべて逆利用される。またアンデッドであるため、聖騎士の「聖別の銀光」に弱く、レイはあらゆる意味で天敵と呼べる存在となっている。莫大な怨霊をため込んだ怨霊のクリスタルを破壊し、その力で死霊系最大禁呪「デッドリーミキサー」を放つもののレイには通用せず敗北、そのまま滅び去る。利己的な人間で仲間すら信用しておらず、死後、彼の遺産に手を出した者に制裁を加える復讐装置「グラッジ・アンデッド・クリエイション」を用意していた。メイズの死後、この装置とゴゥズ、メイズの怨念が合わさった結果、UBM「ゴゥズメイズ」を誕生させるきっかけとなった。

ゴゥズメイズ

「怨霊牛馬」の異名を持つ逸話級UBM。メイズの遺した死後に発動する復讐装置「グラッジ・アンデッド・クリエイション」とゴゥズ、メイズ含む山賊団の死体と怨念、さらにメイズが破壊した「怨霊のクリスタル」に含まれていた高濃度の怨念、それらの要素が偶発的に重なって誕生した。誕生後、UBMの認定条件を満たしたため、ジャバウォックによってUBMに認定される。グラッジ・アンデッド・クリエイションはメイズの研究していたフレッシュゴーレムを作り出す魔法で、この魔法によって造られたゴゥズメイズは死体がつぎはぎされ、ゴゥズと同じ牛頭鬼の上半身に、馬の体がくっついた異形のケンタウルスともいうべき姿となっている。誕生の際に無差別に周囲の死体を取り込んだため、山賊のアジトより大きな巨体となった。その巨体からアンデッドの天敵である、聖騎士の聖別の銀光も効果が薄い。怨霊の集合体ともいえる存在であるため、ゴゥズ、メイズを含む怨霊たちが主導権争いをして制御不能の化け物と化している。この特性はネメシスの復讐するは我にありにとっても相性が悪く、表に出ている怨霊によってダメージ蓄積の計算が変わってしまう事態になった。メイズの魔法まで使いこなしてレイ・スターリングを苦しめたが、激闘の末、レイの攻撃でコアを破壊されて滅ぼされる。MVP特典は「紫怨走甲ゴゥズメイズ」で、レイが獲得した。

ロボータ

「群狼王」の異名を持つ逸話級UBM。元は魔獣系狼型モンスター「ティール・ウルフ」だったが、得体の知れない「何か」を拾い食いしてUBMに進化した。もともとはティール・ウルフの中でも特別な個体だったようで、狼然とした姿の同族とは明らかに違い、ほとんど「ポメラニアン」のような姿となっている。またUBMに進化し、強化された状態でも駆け出し冒険者に倒されるティール・ウルフにすら敵わないほど弱い。UBMになって習得した特殊能力「王の群れ」はティール・ウルフを従え、その戦闘能力を10倍に引き上げ、さらに自動修復と状態異常無効を付与する効果がある。しかしティール・ウルフ自体が弱いため、強化の値も微々としたものにしかなっていない。これらのことからロボータ自身を「最弱のUBM」と自認する。同地区に発生したガルドランダに怯え、自らと配下の強化を考えるものの、行く先々でトラブルに巻き込まれて失敗。厳しい野生の生存競争に疲れ果て、最近はマスターのペットになるのも悪くないと考え始めている。あまり頭がよくないが、知性を重要視して文学作品にあこがれている。マスターたちの話す文学作品の話を聞き、有名な文学作品にあやかって自らの名前も名づけた。また別の有名作品を参考にして一人称を「吾輩」、語尾に「である」を付ける話し方をする。

部下一号 (ぶかいちごう)

ロボータの配下のティール・ウルフ。ロボータの配下である「ロボータ・ファミリー」の中では最古参で、ロボータからは「部下一号」と呼ばれる。当初はあまり知能が高くなかったが、成長するにつれて段々賢くなっていき、ロボータとよく方針を会話するようになっていく。クルエラ山岳地帯でレベルアップし、ティール・ウルフからレア種族のストライク・ウルフへと進化した。進化したことで大きな白い狼へと姿が変わり、ロボータを差し置いてどんどんボスの風格を身につけている。進化したのを皮切りにして部下も掌握し、ロボータの代わりに指示を出すことも多いため、実質的にもボスとなっている。しかしロボータのことは慕っており、基本的に彼の方針と安全を重視して行動する。

集団・組織

月世の会 (げっせいのかい)

巨大な規模を誇る宗教団体。三日月と閉じた目をシンボルマークとしている。枷に捕らわれた肉体より離れ、真なる魂の世界に赴くことを教義にしており、教義に則って完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」内で活動している。もともとは現実世界(リアル)で発足した組織だが、この教義の関係から現在はInfinite Dendrogramでの活動に重きを置き、ゲーム内に本部を置いている。リアルとネット世界、双方で大きな影響力を持つ宗教組織で、マスターの中にも一定数の信者が存在する。教主は扶桑月夜で、その規模からアルター王国のクランランキングでは1位に君臨している。また「自由なる世界で、己の魂の赴くままに自由を謳歌せよ」と謳っているため、団体の人間は基本的に自由に活動している。ただし信者が不当な目に遭った場合、その組織力を持って元凶排除にあたるため、一部のマスターからは恐れられている。

場所

アルター王国 (あるたーおうこく)

大陸西部に存在する王国。ヨーロッパ風の文化圏が広がるオーソドックスな剣と魔法の国で、精強な騎士が多いことから「騎士の国」とも呼ばれる。レイ・スターリングがゲームを始める半年ほど前、北に隣接するドライフ皇国に戦争を仕掛けられた。高額な報酬でマスターを味方に付けたドライフ皇国に対して、アルター王国は報酬を約束しなかったため、王国所属のマスターはほとんど不参加。王国には戦争時、四人の超級がいたが、彼らも全員参加しなかった。このため、アルター王国は戦争に惨敗し、国王と国の重鎮である近衛騎士団長の大賢者(アーチ・ワイズマン)が死亡、国土の3分の1を奪われる大被害を被っている。現在は死んだ先代王の娘である第一王女が、国王代理として国の舵取りを行っている。

墓標迷宮 (ぼひょうめいきゅう)

アルター王国の王都の墓地に存在する神造ダンジョン。王都の中に存在するため、入るのに有料の「探索許可証」が必要なものの神造ダンジョンの中では最もアクセスが容易とされる。また、聖騎士であれば探索許可証なしで無料で入場することができる。現在は48層まで攻略されており、アクセスが容易で深部では高価なアイテムの発見例も多いため、王国のマスターたちの中にはここでの活動をメインにする者もいる。墓標迷宮の名のとおり、墓地の地下に広がる巨大迷宮で、ウーンド・ゾンビやシビル・スケルトンをはじめとしたアンデッド系モンスターがメインに出現する。限られた狩場と違い、モンスターも宝物も時間がたてば復活する「無限の宝物殿」であるため、ドライフ皇国がアルター王国に戦争を仕掛ける理由の一つになっている。

ギデオン

アルター王国に存在する都市。円形の城壁で囲まれ、都市の各地区に12の闘技場が等間隔に配置されているのが特徴。円形の都市に丸い闘技場が等間隔に並ぶ様は、「ピザのサラミのよう」とも例えられる。闘技場で闘うために各地から闘士が集まることから「決闘都市」の異名を持ち、都市は闘士の戦いを目当てにした観光客も集まり、商業でにぎわっている。

ドライフ皇国 (どらいふこうこく)

大陸北西部に存在する国家。アルター王国の北に隣接している。先々期文明、先期文明の後継者を自称し、国家ぐるみで遺跡から発掘された技術の再現を積極的に行っている。そのため、大陸の中で科学技術が発達した唯一の国家で、「機械皇国ドライフ」とも呼ばれる。科学技術が発達しているため、それらを利用した生産職の活動が活発なのが特徴。レイ・スターリングがゲームを始める半年ほど前、アルター王国に戦争を仕掛けている。戦争では破格の報酬を振る舞ってドライフ皇国のマスターを味方につけ、アルター王国の国王と重鎮を殺し、アルター王国を滅亡寸前まで追い詰めた。しかし、ドライフ皇国の一人勝ちを恐れたカルディナの介入を招き、後一歩のところでドライフ皇国は撤退。現在は小康状態となっている。

カルディナ

大陸中央に存在する商業都市国家の連合体。アルター王国とドライフ皇国の東に存在する。大陸中央部のほとんどをおさめる巨大国家だが、国土のほとんどが砂漠で覆われている。商業が盛んで、金さえ払えばなんでも手に入るのが特徴。そのため、お金を稼げる強いマスターほど移籍する傾向にあり、その戦力は全国家中最大。所属している超級も現在九人と最多となっている。

その他キーワード

カウンター・アブソープション

ネメシスの第一形態が持つ固有スキル。最大二回まで敵の攻撃を無効化する光の壁を作り出すスキルで、このスキル自体に攻撃性能はないが復讐するは我にありと合わせて使うことで凶悪な性能を発揮する。使用したら24時間に1回分ずつ回数ストックを回復し、最大で2回までストックできる。ガルドランダとの戦いでネメシスが第二形態に目覚めてからは成長し、最大3回までストックできるようになった。

復讐するは我にあり (ヴぇんじぇんすいずまいん)

ネメシスの第一形態が持つ固有スキル。受けた被ダメージの合計値を倍にして返す技で、スキルやアイテムによって軽減または無効化された被ダメージの場合、軽減または無効化された分も被ダメージの合計値として合算される。このため、カウンター・アブソープションと併せて使うのが非常に有効。この技によって発生するダメージは、防御無視のダメージとなるため、使い方によっては格上にも通用する強力なカウンター技となっている。ただし、ネメシスの第一形態の状態で当てなければいけないため、射程が短いという弱点が存在する。また、この技を放てるのは被ダメージを与えた敵だけで、別の敵に撃つことはできない。一度ダメージを受けた場合、その被ダメージの蓄積が有効となるのは24時間で、それ以上たつと蓄積被ダメージはリセットされる。

逆転は翻る旗の如く (りばーすあずふらっぐ)

ネメシスの第二形態が持つ固有スキル。SPを消耗することで受けた状態異常を逆転させる効果があり、毒を受ければ回復、麻痺を受ければ動きが機敏になるなどの効果がある。ただし逆転効果はネメシスが第二形態である状態のときだけで、この状態であると復讐するは我にありを使うことはできない。また逆転の効果は「敵から受けた状態異常」に限り、自分でワザと状態異常になっても逆転することはできないという弱点が存在する。そのため、レイ・スターリングは瘴焰手甲ガルドランダと状態異常の仕様を利用してこの弱点を克服している。逆転の有効期限は状態異常を与えた敵が生きているあいだに限り、敵が死亡すると逆転効果は消え去り、状態異常の効果を受けることとなる。

白銀之風 (ぜふぃろすしるばー)

「煌玉馬(こうぎょくば)」と呼ばれるマジックアイテムの一騎。煌玉馬は先々期文明の時代に、名工フラグマンによって造られた機械仕掛けの馬で、全部で五騎あるとされる。レイ・スターリングがギデオンのアレハンドロ商会で防具を買った際に、おまけのガチャで引き当てた。見た目はシャープなフォルムを持つ金属製の馬で、騎乗するための鞍が付いている。ただし騎乗するためには騎士系のジョブで取れる「乗馬」スキルが必要で、これがないと乗っても振り落とされてしまう。レイは乗馬スキルを持っていなかったために当初は乗れなかったが、紫怨走甲ゴゥズメイズを手に入れたことで騎乗できるようになった。騎乗できるようになったことで、スキル「風蹄(ふうてい)」を使用可能となる。風蹄は空中に足場を作るスキルで、これを利用すると空を駆け抜けることができる。風蹄は移動だけならばノーコストで使用可能だが、所有者のMPを注ぎ込むことで圧縮空気の防壁としても使える。ただし、ただの空気の壁であるため、レイの全MPを注ぎ込んでも雑魚モンスターの攻撃すら防げないほど弱い。

瘴焰手甲ガルドランダ (しょうえんてっこうがるどらんだ)

レイ・スターリングが、ガルドランダのMVP特典として手に入れた伝説級武具。鬼の顔の意匠が象られた手甲で、装備効果は「STR+100%」。装備することでガルドランダの使っていた火の息に酷似したスキル「煉獄火炎」、毒の息に酷似したスキル「地獄瘴気」を放つことができる。煉獄火炎は左の手甲の鬼の口から、地獄瘴気は右の手甲の鬼の口から吹き出るが、口の向きをまちがえたり、風の強い場所で使ったりすると自分を巻き込む危険性がある。地獄瘴気の与える状態異常は、継続的にHPを減らす「猛毒」、ステータスを減少する「衰弱」、感覚器官を麻痺させて視界を制限する「酩酊」となっている。逆転は翻る旗の如くは敵の状態異常しか逆転しないため、地獄瘴気をそのままレイ本人に掛けても意味はない。しかし、レイは地獄瘴気を一度敵に掛け、その敵の一部を口から摂取することで疑似的に敵から状態異常を受ける状況をつくり、この欠点を克服している。それぞれの状態異常は逆転することで、猛毒はHPを徐々に回復させ、衰弱はステータスを上昇、酩酊は感覚を鋭敏化する強化能力に変化している。実は完全体となるはずだったガルドランダの残留思念が手甲の中に残っており、ゴゥズメイズとの戦いでは少女の姿となってレイの精神世界に姿を現す。

紫怨走甲ゴゥズメイズ (しえんそうこうごぅずめいず)

レイ・スターリングが、ゴゥズメイズのMVP特典として手に入れた逸話級武具。骸骨の意匠が象られた金属製のブーツで、装備効果は「AGI+30%」。怨念を食らって自らの力に変えたゴゥズメイズの力を受け継いでおり、周囲の怨念を吸収してSPとMPに変換するスキル「怨念変換」を持つ。またもう一つスキルとして乗馬スキルのレベルを一つ上げ、乗馬時に「乗馬スキルのレベル×10%」のプラス補正をAGIに与える「人馬一体」を持つ。

断詠手套ヴァルトブール (だんえいしゅとうヴぁるとぶーる)

ルーク・ホームズの所持する古代伝説級武具。もともとはティアンの所持していたMVP特典だったが、そのティアンが死亡したために運営に回収され、ガチャの景品となっていた。ギデオンのアレハンドロ商会でガチャの大当たりを出したルークが手に入れる。肘まで覆うオペラグローブで、その表面には細やかな紋様が施されている。装備効果は「MP・SP増量」「精神系状態異常耐性・強」「攻撃魔法耐性・強」で、装備することで発動の準備、待機中の魔法をキャンセルさせるスキル「断詠」が使用可能となる。このように能力、スキルともに対魔法使いに特化した装備となっている。また、もう一つスキルが存在するが、使用条件を満たしていないために使用不可で詳細は不明となっている。

Infinite Dendrogram (いんふぃにっと でんどろぐらむ)

世界初の完全ダイブ型VRMMO(バーチャル・リアリティ・マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン)ゲーム。2043年7月15日にリリースされ、世を席巻するほど人気を博している。ゲームを始めるには、ヘルメットのようなゲーム機を使ってプレイをする。ゲーム内では視覚と聴覚だけではなく、嗅覚や味覚といったものまで再現されており、現実と遜色ないリアリティがあるのが特徴。世界観は剣と魔法のあるファンタジーな世界だが、さまざまな文化圏が存在し、国によって特色が存在する。ゲームのプレイヤーはマスターと呼ばれ、世界を旅したり、凶悪なモンスターと戦ったり、自由度の高い遊び方ができる。完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」独自の特色として、マスターはゲーム開始時にエンブリオを与えられる。このエンブリオはマスターによってどう成長するかは未知数で、マスターにとってオンリーワンの相棒となっている。ゲーム内の時間は現実時間の3倍の速さで進み、現実世界の1日はゲーム内で3日に相当する。ゲーム内にはティアンが作った国家が存在し、マスターはゲームを開始時に、どの国で始めるか選ぶことができる。ゲーム内の社会情勢はリアルタイムに進行しており、時には戦争のような大きな変化も起きる。

ステータス

完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」の能力値を数値化するシステム。「HP(体力)」「MP(魔力)」「SP(技力)」「STR(筋力)」「AGI(速度)」「END(耐久力)」「DEX(器用)」「LUC(幸運)」の八つが存在する。マスターのステータスは同じ数値の初期値でスタートし、ジョブを獲得し、ジョブのレベルを上げることでステータスを上昇させていく。これによってレベルの合計がそのままステータスの高さにつながり、マスターたちのあいだでは「合計レベル」がしばしば強さの指標として扱われる。またAGIは単純に速度を上昇させるだけではなく、数値に合わせて思考速度を上昇させ、体感時間を伸ばす効果も存在する。AGIの数値が高い者はふだんはデフォルトの体感時間の中で過ごしているが、意識的に切りかえることで、世界の流れをゆっくりにし、超人的な反射速度で動けるようになる。この効果はほかのステータスにもいえ、STRが高い者なら意識すれば出力する力の強さを調整することもできる。

マスター

完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」で遊んでいるプレイヤーの総称。ゲーム内のプレイヤーには、マスターの証としてエンブリオの紋章が手の甲に刻まれている。なお、プレイヤーたちは現実世界のことを専ら「リアル」と呼んでいるが、ティアンたちからはリアルが認識できないため、ログアウトした際のマスターは別の世界に行っていると思われている。マスターとティアンの最大の違いは、死んでも生き返られることで、死んですぐの「蘇生可能時間」内ならアイテムや魔法を使って復活することが可能。また蘇生可能時間が過ぎ去った場合も、デスペナルティと引き換えに生き返ることができる。デスペナルティは24時間のログイン制限で、ゲーム内時間では3日間ゲームに入ることができなくなる。マスターは拠点を「セーブポイント」にすることができ、ログインや復活はセーブポイントで行われる。マスター(プレイヤー)がマスター(プレイヤー)を殺すことを「PK(プレイヤーキル)」と言うが、Infinite Dendrogramでは運営がPKも楽しみ方の一つとして認めているため、PKによるペナルティは基本的にない。ただしティアンを殺したり、街を破壊したりする行為は罰則の対象となり、指名手配される。指名手配されたマスターはセーブポイントが制限され、捕まったり、倒されたりすると運営の手によって「監獄」と呼ばれる場所へと送り込まれる。

ティアン

完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」のゲーム内の世界で暮らすNPC(ノンプレイヤーキャラクター)の総称。「人間と同レベルの思考力と人格」が存在し、ふつうのゲームのNPCのようにルーチンワークを行わず、それぞれが自律して行動し、生活を営んでいる。ティアンもマスターと同じようにジョブに就くことができ、中には超級職に就き、国の重鎮となっているティアンも存在する。ティアンとマスターの最大の違いは、マスターは死んでもデスペナルティを受けるものの24時間たてば復活することができるが、ティアンは死んだら復活することはできない。このため、ティアンを殺せばゲーム内の世界では罪に問われ、時には指名手配を受け、捕まると投獄されることになる。これはマスターだけではなく、ティアンでも同様で、ティアン殺しを行ったティアンの犯罪者も存在する。ただし、戦争期間中のみは敵国のティアンに限り、殺しても罪に問われることはない。このため、アルター王国とドライフ皇国の戦争では多くのティアンの犠牲者が出た。ティアンは完全に死亡するという特性上、超級職とMVP特典の扱いがマスターと大きく違い、ティアンが死亡するとその者が就いていた超級職は空位となり、MVP特典も運営に回収される。

エンブリオ

完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」独自のシステムで、マスターの相棒となる存在。ゲームスタート時、マスターの手の甲に宝石として埋め込まれ、マスターの心理や行動を読み取って成長し、その資質に合わせて誕生する。名前は地球の寓話や神話、自然現象などをモチーフにして決定され、モチーフに近い見た目や性質となる。このため、由来の元ネタを知っていれば、エンブリオの能力をある程度推測することもできる。また成長したエンブリオは、自らの名を冠する「必殺スキル」という強力なスキルを習得する。自律行動が可能なタイプのエンブリオには、生まれた時点である程度ゲームやマスターの知識が与えられており、生まれたてでも円滑にコミュニケーションすることが可能。エンブリオの種類は大まかに「TYPE:アームズ」「TYPE:ガードナー」「TYPE:キャッスル」「TYPE:テリトリー」「TYPE:チャリオッツ」の五種類が存在し、このほかに「TYPE:メイデン」をはじめとしたレアタイプが存在する。また中には二つのタイプの特性を併せ持つエンブリオも存在し、これらのエンブリオは「TYPE:〇〇 with 〇〇」と二つのタイプが表記される。生まれたばかりのエンブリオは第一形態にしかなれないが、マスターと共に成長することで次の形態に目覚めていく。成長の果てに第七形態となったエンブリオは「超級エンブリオ」、そのマスターは「超級」と呼ばれるようになる。

クエスト

完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」でマスターが請け負うことのできる依頼。主な種類としてジョブを習得するために必要な「ジョブクエスト」、冒険者ギルドでモンスターの討伐などを請け負う「ギルドクエスト」、突発的に発生するティアンからの頼み事を引き受ける「イベントクエスト」などが存在する。このうちイベントクエストは、成功させれば報酬を受け取ることができる点はほかのクエストと同じだが、失敗すれば場合によってはティアンの死亡など大きな損失を伴う点が大きく異なる。またイベントクエストはティアンのトラブルを解決するという性質上、同じクエストは存在せず、失敗したとしても「やり直し」をすることができない。イベントクエストに関するトラブルはリアルタイムで進行するため、マスターが放置したとしても勝手にクエストは進行し、成否を決定する。イベントクエストの発生は完全なランダムで、場合によっては初心者に高難易度のクエストが発注されることもある。主なクエストの種類はこの三つだが、このほかに超級職になるために受ける「試練」と呼ばれる専用のクエストも存在する。

ジョブ

完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」に存在するシステム。マスターとティアンが就くシステム上に定められた職業で、これに就くことでステータスに補正が入り、スキルや魔法を習得することができる。職業は大まかに「初級職」と「上級職」の2つに分類され、一人あたり初級職に六つ、上級職に二つまで就くことができる。ジョブにはそれぞれレベルが存在し、初級職は50、上級職は100までレベルを上げられる。万を超えるとされるほどのさまざまな種類があり、騎士や闘士といった戦闘職から、街中での活動が主な生産職まで幅広い分野にわたってジョブは存在し、中には「超級職」と呼ばれる特殊なジョブも存在する。八つの職業に就くことで合計レベルは最大500まで上げられるが、超級職に就いた場合は限界突破し、さらにレベルを上げることが可能。また職に就けるのはマスター、ティアンを含む「人間」と分類される存在のみで、モンスターは就くことはできない。その代わり、モンスターにはレベルを上げていくと別の種族へと成長、変化する「進化」と呼ばれるシステムが存在する。

聖騎士 (ぱらでぃん)

完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」に存在するジョブの一つ。騎士系統派生職業の上級職で、HPとSTRとENDに補正が付き、ダメージ軽減スキルや回復魔法を習得することができる。この職業になるためには「騎士団主要人物からの推薦」が必要なため、通常はゲームを始めたばかりの初心者マスターは就くことができない。しかしレイ・スターリングは、リリアーナ・グランドリアからのクエストをクリアしたため、彼女から推薦を受けて下級職を通さず聖騎士となった。通常マスターが聖騎士になる場合、下級職になって実績を積まなければならないため、聖騎士の転職条件はかなり難しい。レイは騎士を通さず聖騎士になったが、これには「乗馬」をはじめとした本来なら下級職で覚えていて当然のスキルを習得していないという、デメリットも存在する。また聖騎士には、「聖別の銀光」という対アンデッドに特化したスキルがある。これはアンデッドが相手ならばダメージに10倍の補正が付き、不死の属性を持つアンデッドの回復を阻害するという強力なものだが、習得条件が「同レベルのアンデッドモンスター100体撃破」と非常に厳しく、一部のティアンのみが習得しているだけだった。だが、レイは偶然条件を満たして聖別の銀光を習得している。

超級職 (すぺりおるじょぶ)

万を超えるジョブの中で、ごく一握りの者だけが就ける特別なジョブ。マスターだけではなくティアンがなる場合もあるが、その条件は複雑難解で、それぞれ専用のクエスト「試練」を受ける必要がある。しかも一つの超級職に就ける者は、一つの時代に一人だけという大きな制限が存在するため、超級職に就いている存在は全体から見るとほんの一握りとなっている。その代わり、その力は通常のジョブとは別格とされ、通常は上級職でもレベル上限は100だが、超級職に就いた者はこの上限を超えてレベルを上げ続けることができる。ティアンが超級職に就いている場合、そのティアンが死ねば超級職の座は空位となり、ほかの者がその超級職に就くことができるようになる。このため、アルター王国の大賢者が死んで以降は、その座を狙っている者たちによる競争が起きている。

UBM (ゆにーくぼすもんすたー)

数いるモンスターの中でも特別な個体。「UBM」は略称で、正確には「ユニークボスモンスター」といい、各々が世界に一体ずつしかいない。基本的に通常のモンスターとは一線を画す強大な力を持ち、彼らを打ち倒すことができれば「MVP特典」を受け取ることができる。複数の人間で倒した場合は、最も活躍したプレイヤーにMVP特典が与えられる。完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」のモンスターには成長するという特色があり、この特色はUBMにも受け継がれている。UBMは経験を積むことで成長し、時にはほかのUBMを食らって己の糧とする。UBMにはランクが存在し、成長したUBMは上のランクへと進化していく。ランクは「逸話級(エピソード)」「伝説級(レジェンダリー)」「古代伝説級(エンシェントレジェンダリー)」「神話級(マイソロジー)」「超級(スペリオル)」の順に強くなる。超級に達したUBMは「SUBM(スペリオルユニークボスモンスター)」と呼ばれ、UBMの中でも別格の存在として扱われる。UBMの認定は管理AIのジャバウォックが担当しており、UBMを含むモンスターのデザインも行っている。UBMは基本的に管理AIがデザインしたものだが、中にはゴゥズメイズのように偶発的に誕生し、条件を満たしたために認定されるケースも存在する。

MVP特典 (えむぶいぴーとくてん)

UBMを討伐した際、MVPに与えられる武具。完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」のシステムがMVP者に合わせて調整するため、譲渡や取り引きは不可能。その代わり盗み出すことも不可能で、盗賊系の超級職の能力をもってしても強奪することはできない。マスターがUBMを倒して入手するケースが多いが、ティアンでもMVPになれば入手できる。ただしティアンの場合、死んでしまうと所持しているMVP特典は運営に回収され、神造ダンジョンの宝箱や特殊な景品として再配置される。宝箱や景品に再配置されたものなら、本来の所有者以外でも入手可能。MVP特典は基本的に本来のUBMの名を冠し、それに準じた能力を保有する。見た目はMVP者に合わせて設定され、武器や防具といった形となる。武具には元のUBMに合わせてランクが存在し、「逸話級武具(エピソードアームズ)」「伝説級武具(レジェンダリーアームズ)」「古代伝説級武具(エンシェントレジェンダリーアームズ)」「神話級武具(マイソロジーアームズ)」「超級武具(スペリオルアームズ)」の順に強くなる。

超級 (すぺりおる)

エンブリオを第七形態まで進化させたマスターの総称。現状、完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」全体を見ても100人いないとされており、一人ひとりが一騎当千の強者となっている。またUBMも最上級に至った者は「超級」といわれるが、UBMの場合は専ら超級の意味を合わせて「SUBM」と表記される。そのため、ただ単に「超級」と表記された場合、専ら超級のマスターを指す言葉となっている。また「超級」を冠するものはほかにも存在し、第七形態に至ったエンブリオは「超級エンブリオ」と呼ばれ、一部のマスターやティアンは特別なジョブである「超級職」に就いている。超級職を身につけた者、超級に至ったマスター、エンブリオの持つ力はいずれも破格なため、国家間の戦争でもそれらの存在が重要視されている。

神造ダンジョン (しんぞうだんじょん)

完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」の世界各地に存在する迷宮。ティアンたちは神々が作り出した迷宮と思っているが、マスターたちからは身も蓋もなく「Infinite Dendrogramの運営が用意したダンジョン」と認識されている。Infinite Dendrogramでは基本的にモンスターや宝箱はリポップ(再発生)されないため、配置されたモンスターや宝箱がなくなれば、そのままとなる。唯一の例外が神造ダンジョンで、迷宮内部の宝箱やモンスターは倒されてもリポップされるため、ティアンたちからは宝箱が無限に出てくる「無限の宝物殿」として扱われている。迷宮のモンスターは外に出ることもないために管理も容易で、時にはこの神造ダンジョンの存在そのものが国家間の戦争の原因となることもある。また神造ダンジョンには一定階層ごとにボスモンスターが存在し、これを倒すと追加報酬を得ることができる。深層ならば報酬も豪華となるが、その分、難易度も段違いに上がる。自然にできた洞窟や森にモンスターが住み着いてダンジョンと認定されることもあるが、これらは神造ダンジョンの特性を持たないため、区別して「自然ダンジョン」と呼ばれる。

マジンギア

ドライフ皇国で製造される人型兵器。「叡智の三角」がパワードスーツ「マーシャル」を基に生み出した、それまで存在しなかった「新規アイテム」。完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」では通常、アイテムに手を加える程度の改良で、あまりに本来の状態からかけ離れた改造は不可能だった。しかし「人型ロボットを作りたい」というロマンを持ったマスターが試行錯誤を繰り返し、法則を解き明かしたことで完成した。試行錯誤はリアルで機械工をおさめている者たちが人海戦術で行い、部品一つ一つを手作りして、半年の期間をかけている。名前の由来は「魔法と歯車(マジック・アンド・ギア)」となっている。叡智の三角が初めて完成させたマジンギアは「マーシャルⅡ」で、操縦には「操縦士(ドライバー)」のジョブが必要。マーシャルⅡは動力部の再現ができていないため、搭乗者のMPを動力源にして活動する。マーシャルⅡは亜竜と同程度の戦闘力を持ち、コストこそ掛かるものの量産可能。ただしマスターやモンスターと違い、ポーションや魔法による回復ができないため、一度損傷すると修理が必要などその運用にはほかにはない特色が存在する。

ランキング

完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」で、各国に存在する順位付け表。討伐モンスターの成果を競う「討伐ランキング」、闘技場での対人戦闘を競う「決闘ランキング」、クランの規模を比較する「クランランキング」の三つが存在し、それぞれの国でトップ30が3か月ごとに更新される。なおこの3か月間はゲーム内時間で、現実世界の時間に換算すると1か月ごととなる。Infinite Dendrogram内の国家間戦争に参加するためには、このランキングに入ることが条件となっている。

決闘ランキング (けっとうらんきんぐ)

闘技場での対人戦を競うランキング。決闘ランキングの対人戦はあくまで闘技場での公式戦が対象となるため、ふつうのPK(プレイヤーキル)は対象とならない。決闘ランキングは決闘場での人と人の戦いが特色なため、ほかの二つのランキングに比べて大きな違いが存在する。特に違う点が「30位」の存在で、決闘ランキング入りを目指す者たちにとってある意味では「1位」以上に注目されている。決闘ランキングは予選を勝ち抜いた者が30位となり、公式戦で下位のランカーが上位のランカーと戦い、勝利するとランクが繰り上がるシステムとなっている。そのため、登竜門となる30位は激戦区で、たった一つの椅子を奪い合う熾烈な競争が繰り広げられている。また上位に挑戦できるのは4位までのランカーとなっており、3位以上のランカーは一つ上のランカーにしか挑戦できない。このため、4位も多くの挑戦を受ける立場になっているが、上位のランカーは1か月に一度下位ランカーからの挑戦を受ければ、その後1か月間の下位ランカーからの挑戦を拒否することができる権利が与えられる。ただし、この休暇期間はあくまで権利であるため、両者の合意があれば試合をすることはできる。また、決闘の戦闘システムは「死んでもデスペナルティが発生しない」「賞金が出る」など通常のPKとは違うシステムとなっている。

アイテムボックス

収納能力を持つアイテム。中身が異次元につながるカバンのようなアイテムで、大量のアイテムを収納する機能を持つ。中に入れたアイテムの重量は感じず、アイテムボックスの種類によっては巨大な竜車すら入れることもできる。多くの種類が存在し、見た目はオーソドックスなカバンだけではなく、ポケットやアクセサリー、キューブ状の箱などがある。収納できるアイテムの数、重量も種類によって違い、中には盗難防止用機能が付いたものやトラップ付きのアイテムボックスも存在する。完全ダイブ型VRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」では、初心者のマスターに初心者用のアイテムボックスを配布しているため、ほとんどマスターはなんらかの形で所持している。また行商などで各地を渡り歩くティアンは、自分がどこかで不慮の死を迎えた場合、弔ってもらうために「棺桶」用のアイテムボックスを持ち歩く風習が存在する。

クレジット

原作

海道 左近

キャラクター原案

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