概要・あらすじ
刑事の早田とその相棒の東は、追っていた故買屋へと乗り込んだが、相手は機関銃を持ち出し、防戦一方となってしまう。そこに天使のユリエルが現れ、相手を殺してしまったため、早田たちはからくも窮地を脱する。その後、早田を監視していたユリエルは、その傍若無人な振る舞いを見て、早田こそが自分が清めるべき存在だと悟る。
こうして天使と悪徳刑事の奇妙な共同生活が始まるのだった。
登場人物・キャラクター
ユリエル
地上の汚れを浄化するために送られてきた天使。悪徳刑事の早田に目をつけ、悔い改めさせるために付きまとう。機関銃の銃身をへし折るほどの腕力を誇るが、武装していない人間に対しては押しが弱い。奇妙な道具を使って遊具を巨大化させたり、人間の脳を改造したりと、さまざまな特殊能力を持つ。
早田 (はやた)
刑事の男性。傲慢かつ身勝手な人物で、恋人に、金を貸すかセックスするかの二択を迫ったりする。天使と知りながら、ためらいなくユリエルを犯したりと、善悪の基準がおかしい。セックスが大好きで、情報提供者であろうと犯人であろうと、女性であればとりあえず犯す。
東 (あずま)
早田の相棒の男性刑事。基本的に早田に捲き込まれる形で大怪我をすることが多いが、そもそも運が悪いため、早田と関係ないところでも、一人で怪我をしている。ストレスに弱く胃を痛めやすかったが、ユリエルによって体質を改善された結果、何でも食らう極度の悪食になる。
桐山 (きりやま)
刑事課主任を務める男性。早田の上司。共産主義者を目の敵にしている。コンビニ強盗がユリエルに関わる事件を起こした際も、中国の幻覚作用のあるガスが原因の集団幻覚だ、と説明して押し通すなど、口が達者な人物。
課長 (かちょう)
刑事課の課長を務める男性。早田が、怪事件の張本人でもある天使のユリエルと同棲していることを知りつつも、笑って済ませる図太い性格の持ち主。Xファイルなど、署内の重要な情報を握っている。
真鍋参事官 (まなべさんじかん)
刑事部の参事官を務める男性。浄土真宗に入信している。コンビニ強盗が起こした奇怪な事件を不審に思い、ユリエルの捜査にあたっている米軍を危惧している。NASAに所属するスパイダーと語り合えるほど英語が達者。
スパイダー
NASA宇宙情報部の男性。世間的には東京湾に落ちた隕石とされているユリエルを調べている。ユリエルが天使ではなく、地球外生命体だと考えている。詳しい来歴や性格、ユリエルを捜査している理由などの一切が不明。
マリーン
NASAに所属している男性。銃を携帯している。スパイダーの部下。グレイ型の宇宙人を見慣れており、乗っている宇宙船を解体する以外に興味を示さない。
グリンベレー
NASAに所属している黒人の男性。スキンヘッドでにやけ顔が特徴。スパイダーの部下。普段は流暢な日本語で話しているが、感極まるとつい英語が出てしまう。
ボガード司令 (ぼがーどしれい)
米軍の司令官を務める男性。NASA宇宙情報部のスパイダーには、毎度いいように使われている。スパイダーへのあてつけとして、増援のヘリに核兵器を搭載させようとするなど、勢いに任せて大人げない行動を起こす。
友郷 (ともさと)
東京ネットワークテレビでアナウンサーを務める女性。ユリエルの同僚の旦那が銃を乱射した事件現場に居合わせる。上司である万城目の教えを守ってカメラを回し続けたおかげで、報道部に出世する。基本に忠実で真面目な性格。
万城目 (まんじょうめ)
東京ネットワークテレビに務めている男性。友郷の上司で、スクープのためならば危険を顧みず、自ら率先して行動を起こす。「潜入! 東京入管25時」という番組で、不法労働者の取り締まりを取材しようとした際に、ユリエルの同僚の旦那に殺されてしまう。ネタになれば何だっていい、という思考の持ち主。
報道部の男性 (ほうどうぶのだんせい)
東京ネットワークテレビに務めている男性。友郷の上司。上司である万城目の死を前にしてもカメラを回し続けた友郷を評価し、報道部へ転部させた。万城目と同じように、ネタになれば何だっていい、という思考の持ち主。ネタのために友郷にユリエルを取材させようとする。友郷が撮ってきた映像に、「性器が映っているから」と、NGを出すなど、放送倫理にだけは厳しい。
吉田 正 (よしだ ただし)
永田重工先端技術研究所の研究主任を務める男性。コンピューターやバイオなど、いろいろなものを研究している、と自らは語っているが、本当は戦闘ロボットを研究している。警察に脅されると、すぐに情報を漏らしてしまう小心者。
永田重工製軍用ヒト型戦闘機械B-2 (ながたじゅうこうせいぐんようひとがたせんとうきかいびーつー)
その名の通り、2メートルほどの大きさの戦闘機械。日本語で話すことができる。7.62ミリ電磁砲と40ミリグレネード各一門を備え、弾薬も実装している。装甲は複合材を使った特殊なもので、対戦者ミサイルの直撃にも耐えられる。当初は心を持たなかったが、ユリエルに改造されたため人間の心を持つようになる。人を殺してしまって怒られるのではないかと思い、首を吊って自殺しようとするなど、臆病な性格。
戦略機動兵器B-3 (せんりゃくきどうへいきびーすりー)
手のひらで永田重工製軍用ヒト型先頭機械B-2を握ってしまえるほどの大きさの機動兵器。永田重工製軍用ヒト型先頭機械B-2と同じように、ユリエルによって人の心を与えられ、自分のあり方について悩み始める。
如月部長 (きさらぎぶちょう)
永田重工先端技術研究所に勤めている男性。吉田正の上司。責任問題から逃れるために、吉田を警察に引き渡したり、長谷川技官に責任を擦りつけようとしたり、臆病で小狡い性格の持ち主。
長谷川技官 (はせがわぎかん)
防衛庁の男性。永田重工製軍用ヒト型戦闘機械B-2に関わっており、永田重工先端技術研究所から逃げ出した永田重工製軍用ヒト型戦闘機械B-2を回収しようと躍起になる。回収のためには手段を選ばず、永田重工製軍用ヒト型戦闘機械B-2の周囲にいた子供たちを排除しろ、と命令を出すほど冷徹な性格。
ユリエルの同僚 (ゆりえるのどうりょう)
ユリエルが働くようになったランパブで、同僚となった女性。優しい性格をしており、給料を下げられたユリエルを自宅に招いて、御飯を御馳走したりした。信心深く、ユリエルが天使だと知ると、頭を下げて願い事を告げる。
ユリエルの同僚の旦那 (ゆりえるのどうりょうのだんな)
麻薬を売っている男性。ユリエルの同僚の旦那で、常に酔っ払ったような話し方をする。ユリエルを麻薬漬けにして、上司に差し出そうとするなど、根っからの悪者。また警察相手にも見境なく銃を乱射するなど、 精神を病んでいる節がある。ユリエルに脳を弄られて善人になる。
宇宙人 (うちゅうじん)
グレイ型の2人組の宇宙人。地球から35万光年離れた星に住んでいる。メンテナンス会社の不備が原因で、宇宙船が地球に落下してきてしまう。ノリがよく、なぜか地球の文化にも詳しい。
横縞興業の人間 (よこじまこうぎょうのにんげん)
暴力団関係事務所にいる男たち。早田の手伝いをするために横縞興業を訪れたユリエルを、犯そうとした。ユリエルによって脳をもてあそばれて、廃人になる。
超常現象専門捜査官 (ちょうじょうげんしょうせんもんそうさかん)
真鍋参事官の部下である男性と女性の2人組。出されたお茶の文句を言ったり、職務の愚痴ばかり吐くなど、性格が悪い。一方で、相手の反応を見て、何を考えているか大まかに言い当てることができるなど、その能力は確か。
コンビニ強盗 (こんびにごうとう)
20~30代の男性。大学受験で3浪し、その後に就職したが、ヘマばかりしている。何をやってもうまくいかず、何かデカイことをやってやろうと考えて、コンビニ強盗を働く。ユリエルの能力で巨大な化物と化した公園の遊具で暴れ回る。
美代子 (みよこ)
会社の上司と不倫関係にあった女性。上司の奥さんに子供ができたことが原因で別れを迫られ、上司を殺してしまう。その後、自殺しようとしていたところを、ユリエルに救われる。事件現場に現れて自分をレイプした早田を殺そうとするなど、何かとすぐに人を殺そうとする癖がある。
美代子の上司 (みよこのじょうし)
美代子の上司。美代子と不倫関係にあった男性。ユリエルの道具によってゾンビにされてしまい、美代子を生きたまま食い始める。生前、どのような人物だったかは不明。
ヨッパライ
地球に落下してきた宇宙船と、中から出て来た宇宙人を目撃してしまった男性。チタンを扱う会社で働いている。酔っ払った勢いで、やたらと宇宙人にダメ出しをする。
バズズ像 (ばずずぞう)
古代インドから中東へと伝わった邪神崇拝の神。額のくぼみにバズズの瞳を嵌め込むと、巨大化して邪神と化す。神でありながら、傍若無人で自分勝手な性格。オヤジギャグを連発して1人で笑うなど、ギャグ好きだがセンスは古い。
竹内明の助手 (たけうちあきらのじょしゅ)
考古学を研究して多くの知識を持つ女性。バズズ像に取り憑かれた際に非常に淫乱になるが、そこに本人の意思がどの程度含まれているのかは不明。
東の妹 (あずまのいもうと)
東の妹。インドからトルコまで徒歩で武者修行をして、東に民俗学や考古学について教えるなど、行動力と才知を兼ね備えた女性。一方で、聖地を暴いて土産物を手に入れるなど、破天荒な一面も持つ。