概要・あらすじ
地元、群馬の国立大学志望だった野田は、入試前に交通事故に会い、結局、埼玉にあるFランクの東京平成大学文学部ロシア文学科に入学する。大学を交際場としか考えてない他の学生の中で、容貌や服装はとても地味だが、知的好奇心が妙な方向に旺盛な彼女は浮きまくっていた。が、ファミリーレストラン「ジョリーズ」のバイトに就き、手影絵サークル「ブラックハンド」への入会を経て、自分の場所を見い出しつつある。
しかし彼女の独特なものの考え方や倫理観、そしてとてつもなく回りくどい話し方は、常に周りの人々にインパクトと困惑を与え続けるのだった。
登場人物・キャラクター
野田 (のだ)
『野田ともうします。』の主人公。真ん中分けと三つ編みの髪型で、すごく度の強いメガネをかけ、トレーナーとジーパンばかり着ている、ものすごく地味な女子大生(初登場時は1年生)。東京平成大学文学部ロシア文学科に入学する。活字中毒で奇妙な方向の知的好奇心が強く、まわりくどい話し方をするので、遊ぶことしか考えていない同じ学部の生徒とほとんど接点がない。 ファミレス「ジョリーズ」のウェイトレスのバイトに就き、ここでは同僚の女性と仲良くなれてる。大学でも、手影絵サークル「ブラックハンド」に入会したことにより、ゆるい人たちの間で、ようやく居場所を見つける。また、住んでいる2階建てのアパートの他の住人が独居老人(老女)ばかりなので、老人会との接触も増えている。 名前は、はっきりと示されず「かで始まり子で終わる3文字で、真ん中の字は濁るさ行」などと表現される(漢字だと「数子」のようだが作中では曖昧になっている)。見かけによらず運転免許を持っており、レンタカーなどを運転するが、決して上手ではない。
三本木 絵美 (さんぼんぎ えみ)
『野田ともうします。』の登場人物。野田が所属する手影絵サークル「ブラックハンド」の部長の女性。ひっつめ頭をお団子でまとめた髪型をしている。ゆるい性格で四年生。東京芸大に入りたかったが、美術の才能がなくて三年浪人し、結局、東京平成大学文学部美術学科に入学する。入学した当時、イケメンの部長に惹かれて手影絵サークルに入り、手で作る白鳥の形を絶賛される。 そのため彼が卒業したあとも、影絵でなく手影絵であることに執着している。ゆるい性格のせいで、ひどい目にあうことも。
佐藤 宏 (さとう ひろし)
『野田ともうします。』の登場人物。野田が所属する手影絵サークル「ブラックハンド」の副部長の男性。ギザギザ頭で口ヒゲに眼鏡。東京の実家から通っている東京生まれ東京育ち。小学生の時、自転車で日本一周をしようとしたが、群馬で挫折した。自分のファッションセンスはいいと思っている。
重松 (しげまつ)
『野田ともうします。』の登場人物。東京平成大学文学部ロシア文学科1年生の小柄な女性で、野田の同級生。いつも目を閉じてうつむいている。名前は不明。非常に無口だが心のなかでは饒舌で、キツイ発言をしている。家は重松コンツェルンという大富豪であり、父親はアラブの石油王と漫画本の貸し借りをする仲だという。 大学の近くの高層マンションの最上階に住んでいる。野田を観察するのが趣味。すごい大食漢で、いつも学食で数人分の定食を食べている。いつの間にか手影絵サークルのメンバーとして行動する。
富沢 (とみざわ)
『野田ともうします。』の登場人物。野田がウェイトレスのバイトをしているファミリーレストラン、「ジョリーズ」T沢店の、同僚ウェイトレス。若い女性。野田の言動には絶句してしまうことも多いが、それなりに付き合っている。ツトムンという呼び名の歌手志望の男と付き合っており、いつも金銭をせびり取られている。
亀田 (かめだ)
『野田ともうします。』の登場人物。野田がウェイトレスのバイトをしているファミリーレストラン、「ジョリーズ」T沢店の、同僚ウェイトレス。50代の女性。10年前に夫と死別している。野田のことはわりと暖かく見守っている。韓流スターに夢中になったこともあった。